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ただ、ねがっていただけ(前編)《夫が脳梗塞(脳卒中)に。妻のリアルな葛藤日記》

    はじめに

    みなさん、
    和泉大輝の妻、花菜です

    数ある記事の中から「リハビリはゲーム感覚で!」をお読みいただき、ありがとうございます

    また、「ただだけ」シリーズにも興味をお持ちいただいたこと、とても嬉しく思っております

    こちらはサイドストーリーとして、
    本編では伝えきれなかった妻の心情を描いております

    花菜の正直な胸の内を綴っているため、
    一部、お見苦しい点があるかもしれませんが、
    患者の家族となったリアルな姿をそのまま書き記しております
    何卒ご容赦いただけますと幸いです

    では、どうぞ!(´▽`)


    ただ、ねがっていただけ(前編)



    朝 玄関を開けると
    真っ白な空が広がっていて
    冷たい風に頬がつつまれた



    大きな雪が
    とめどなく降り続いていた




    「和泉さん すごく頑張りましたね」
    「回復期病院に行っても この調子で頑張ってください」

    飯塚さんと師長が
    わたしのところにきてくれて
    大輝のことやたわいもない話で盛り上がった



    そうやって笑い合ったのは
    久しぶりだった気がする



    どうしてこの病院だったの?

    他の病院だったら
    もっと会話もできて
    寝たきりなんかじゃなくて……

    正しい処置をしてもらえたかもしれない


    そんなふうに思ってしまうほど
    急性期病院の担当医の対応には
    不満と不信であふれていた


    でも
    後悔はしたくない

    希望しか見ないって
    光を見続けてきた3週間……






    転院をするときには
    こころがあたたかくなって
    笑って出ることができた


    それはきっと
    急性期という限られた日々の中
    看護師やリハビリスタッフのみんなが

    大輝とこころで向き合ってくれたと思えたから


    温かい人が
    たくさんいる病院だった






    正解なんてわからない


    でも
    この病院の
    この人たちに見てもらえてよかった


    そう思えていることが
    わたしたち夫婦のたからになった



    ここから始まるものがたりを
    わたしたちはまだ知らない


    でも
    進んでいくその先の景色には
    大きな雪が
    やっぱりとめどなく舞っていて


    その景色を眺めながら
    すごく幸せな気持ちになれた



    3月19日

    この日は 春とは思えない雪が降り
    日本じゅうの空が 白く染まった日だった



    季節を越えて舞い降りた
    たくさんの光の粒たちが

    わたしたちのこれからを
    力強く
    照らしてくれているように思えた




    希望に満ちた
    わたしたちの人生



    そう思えて仕方なかった




    後編に続きます


    👉 シリーズの全話目次はこちら

     
     
     
    45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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