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ただ、ねがっていただけ(後編)《夫が脳梗塞(脳卒中)に。妻のリアルな葛藤日記》

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ただ、ねがっていただけ(後編)


あの時間
たくさんの笑顔と
たくさんの涙を
看護師たちからもらった





今思うと
彼女たちは これまでの経験や知識から
大輝の回復は難しいと感じていたのかもしれない


あの涙には
どんなおもいが込められていたの?

わたしの涙とは 違ったのかな



何も知らないわたしは
大輝と 愛の力を信じて
希望しかないとつたえつづけていた


自分自身にも
子どもたちにも

そして大輝本人にも






発症から9日以内に 30秒座れなかったら
その後自分の足で歩けるようになる人は
たったの10パーセントだけ



急性期 回復期を経て
知った事実



昔大輝と話してた
何が幸せかって

夫は「選べることが幸せ
そのためには たくさんの知識が大切」って


それを聞いたわたしは


「知らない方が
幸せなこともある

だってほら
知らないから
わたしはこうして大輝と一緒になって
幸せと思えてるんだから」

なんて冗談みたいに言ってさ(いや 本気)

知っててえらべることが増えるのは
もちろんいいよね

自分の人生 自分で生きてる感じがする


でも
そんなに知らなくても
小さな世界で
それでも選択をして生きていて

少なくてもわたしは
自分の人生
自分で生きてる

世の中の全てのことを知ろうなんて
そもそもできないと思うけどさ

それもわたしが小さな世界で生きているからなのかな



でも今回ばかりは
やっぱりわたしは
大輝本人にも
そんな知識はいらなかったと思う


だって……




そんなの
絶望的すぎだから


 
 
 
45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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