
リハビリはゲーム感覚で!2:かすむ視界、動かぬ体《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
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はじめに
救急搬送の末に告げられたのは「脳幹部の梗塞」。
かすむ視界と反応しない手足・・・
“動かない”という現実が、じわじわと心を締めつけていく。
🧠この話には、医学的見地からの解説があります。物語とあわせて読むことで、脳梗塞の理解がより深まります。ぜひご確認ください。
本作におけるリハビリの内容や回復の経過は、私自身が歩んだ実体験に基づいています。
この物語は、そんな現実を前向きに乗り越えていく希望の記録でもあります。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
🆓 第1話~第4話は無料公開。
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それでは、本編をどうぞ。
第一部 夢か現か(うつつか)―交錯する現実と希望
第二話 かすむ視界、動かぬ体
2025年2月25日
病室の天井は、どこまでも続くような真っ白な世界だった。
視界が霞むようにぼやけて、焦点を合わせられない。
まるで、水の底からゆらゆらと上を見ているような、そんな感覚だ。
身体は何も感じず、動かすことができない。
どこにどう力を入れればいいのか、
全くわからない。
「なんやこれ・・・」
そう呟こうとした。
でも、唇が動かず、声は喉の奥で潰れてしまった。
・・・ほんまに動かへんのか?
徐々に自分自身が置かれてる現実が分かってきた。
絶望が、冷たい波のように押し寄せてくる。

あとになって知ったことだ。
脳梗塞とは、脳の中の血管がつまって、血の流れが止まってしまう病気。
そのせいで脳の細胞がダメになり、手足が動かなくなったり、うまく話せなくなったり、見えにくくなったりする。
ひどい場合は、意識を失ったり、命にかかわることもある。
俺の場合は、本来は体の片側に出ることが多い麻痺が、両側に同時に現れた。
しかも、やられたのは脳の中でも特に大事な「延髄(えんずい)」という場所で、呼吸や心臓の動きをコントロールしている、命の根幹とも言える部分。
さらに、症状が少しずつ進んだため、発症した時間がはっきりせず、血のかたまりを溶かすt-PAという薬も使うことができなかった。
思っていた以上に危険な状態であったのだ。
だが、そのときの俺は、
まだその深刻さをわかっていなかった。
気になっていたのは、これからどんな風に回復していくのか。
ただそれだけだった。
けれど、動かない身体が、
何よりもはっきりと、俺を苦しめていた。
花菜は専業主婦。
家計は俺の収入で成り立っている。
住宅ローンもまだまだ残っている。
このまま寝たきりになったら、家族はどうなる?
娘たちの笑顔は守れるのか?
ふと、頭をよぎった。
生命保険・・・
もし俺が死んだら、
家族は金銭的には困らへんのかもしれん。
“死ぬ“
その言葉が、突然、
現実味を帯びて迫ってきた。
胸の奥で、心臓がドクンと鳴る。
なのに、妙に冷静だった。
「和泉さん、奥様が来てくれましたよ」
看護師の声が聞こえた瞬間、
その冷静さは一瞬で崩れ去った。

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作者コメント
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