
リハビリはゲーム感覚で!24.5:書きたいねん!《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
第一話はこちらからご覧ください
はじめに
ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
診断は、脳幹部の梗塞。
体は動かず、声も出ず、世界は一変した。
時は刻一刻と進み、容赦なく迫るタイムリミット。
次々と立ちはだかる試練・・・
一度は諦めるも、夢に出た娘にも背中をおされ、再び挑み始める。
タイムリミットまであとわずか。
挑戦はいよいよ最終局面を迎える。
とかいう本編はおいといて、
これは、そんな入院生活前の、かけがえない時間のお話。
本作は、実際の経験をもとにしています。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
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それではどうぞ。
第三部 希望か終焉か ― 七日間の挑戦と門出の春
休憩話⑨ 書きたいねん!
実は右手のグーパーや発声練習は、毎日コツコツ続けていた。
左手は沈黙したままやけど、右手はまだ動く。
だからこそ「お前だけでもレベル上げるぞ!」と相棒扱いや。
・・・とはいえ、やってることはめちゃくちゃ単調。
「グーパー、グーパー」
「アー、イー、ウー、エー、オー」
気分は刺身にたんぽぽを乗せるバイト。
それでも、ときどき予想外の報酬もある。
テレビ電話で「昨日より聞き取りやすいね」「声、大きくなってきたね」と言われたとき、
(よっしゃ、話すスキルレベルアーップ!)
”グーパー100回”
――よし、デイリーミッションクリア!
”LINEが早くに送れるようになった”
――中ボス撃破や!
・・・こんなふうにリハビリをゲームにして楽しんでるおっさんなんて、たぶん俺くらいやろ。
でも思えば、夢と現実がごっちゃになって夢に背中を押されたり、ゲームのノリでリハビリを続けられたり・・・
かなりレアな体験をしてるよな。
世の中には、もっとつらい思いをしてる人もいてる。
そういう人らに、この体験が少しでも役立つことはできへんかな?
・・・そうや、“闘病記”や!
もちろん、ただの日記にするつもりはない。
もともと小説読むんは、大好きやった。
SFや推理小説から異世界転生まで、幅広いジャンルを読み漁ってきた。
その影響で、「もし書くなら、ただの闘病記やなくて・・・」と考えてしまう。
叙述トリックを仕込んだり、伏線を張ったり、謎解きみたいに楽しめるものにしたい。
(・・・おもろいやん。ほんまにやったろか!)
本にするんは初期投資がかかるけど、ネットなら気軽に出せる。
よっしゃ、やるか!
さっそく、ここまでの分を書き始めるで!!
・・・が。
最初に打ち込んだのはタイトルや。
「脳梗塞の前向き闘病記」
・・・ここまでで丸1分。
指プルプル、肩ガチガチ、もうHPゼロ寸前。
このペースで完結まで書いたら・・・
ゲームオーバー先に来るわ!!!
だいたい、手も動かんのに小説とか書けるか!
せやから、心に決めた。
「俺、左手が動くようになったら、キーボード練習するんだ」
・・・あかん、完全に死亡フラグやんけ。

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