
リハビリはゲーム感覚で!22.5:働きたいねん!《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
第一話はこちらからご覧ください
はじめに
ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
診断は、脳幹部の梗塞。
体は動かず、声も出ず、世界は一変した。
動かない体に問いかけ、挑み続けた日々。
しかし、左手はピクリとも動かず、
ついに大輝は左手を手放すことを決意した。
とかいう本編はおいといて、
これは、そんな入院生活前の、かけがえない時間のお話。
本作は、実際の経験をもとにしています。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
第三部本編(全9話)+妻視点のサイドストーリー+脳卒中の知識を分かりやすく学べる解説(9話)、全てを最後までご覧いただけるマガジンを200円で販売しております。
もしよろしければ、お買い求め下さい。
👉 シリーズの全話目次はこちら
脳卒中に関する情報や体験談を共有する仲間を募集中!
それではどうぞ。
第三部 希望か終焉か ― 七日間の挑戦と門出の春
休憩話⑧ 働きたいねん!
脳梗塞が分かった直後、花菜に頼んで会社へ連絡してもらった。
ろくな引き継ぎもできず、部下たちには「すまん!」のひと言だけ。
(これからしばらく、みんな大変やろな・・・)
ちょうど大きなプロジェクトが動き出す直前だった。
本来なら、自分が後ろで支えるはず。
その役目を放り出すかたちになってしまった。
企画中の案件もいくつも抱えていて、相談やレビューが全部、部下たちに集中する。
想像すると、申し訳なさで胸が痛む。
けど、不思議と心の奥では少しだけ安心もしていた。
(けど、みんななら、大丈夫か)
その上で、心の中で強く念じた。
(出来るだけ早く戻るから、後は頼んだぞ!)
そんな俺に返ってきたのは、上司からのひと言。
「心配せず、ゆっくり治せ」
ありがたすぎる。
さらに後日。
花菜を通じて会社から連絡があった。
「有給や福祉休暇もあるし、傷病手当は1年半。合わせれば、2年近くは給料が出るよ」
思わず口に出た。
「2年も働かんでも給料出るとか、俺めっちゃ楽やん!」
すると花菜がニッコリ。
「楽?何言ってるの?起きてる間はずっとリハビリです♡♡」
・・・いや、部下たちが仕事でハードなら、
俺はリハビリでハードやないか!
2年もリハビリ激務をやるくらいなら、仕事の方がええわ!
それにどこかのトップが、自ら「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」とか言い出しそうな気がするしな。
俺も見習って働かんと!
・・・って、俺はトップでもなんでもないけど。
もう一度心の中でつぶやいた。
「・・・ホントに出来るだけ早く戻るからな」

📖次の話はこちら!
👉 シリーズの全話目次はこちら