
リハビリはゲーム感覚で!12.5:仲間《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
はじめに
ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
診断は、脳幹部の梗塞。
体は動かず、声も出ず、世界は一変した。
不安と絶望のなか、支えてくれたのは、
最愛の妻・花菜と3人の娘たちだった。
「家族のために、絶対に立ち上がる」
そう誓った男が始めたのは、“ゲーム感覚”のリハビリ生活だった。
という本編はおいといて、
これは、そんな入院生活で見かけた仲間のお話。
本作は、実際の経験をもとにしています。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
それではどうぞ。
第二部 声か鼓動か ― 言葉を超えて、届いたぬくもり
休憩話③ 仲間
どうも皆さん、こちら病棟24時、病室から現場レポートをお届けします。
今日のテーマは、「やたらと濃い入院仲間たち」
入院生活って、静かで、粛々としてるもんやと思ってませんか?
実際は、なかなかに個性派ぞろいなんです。
それでは、さっそくご紹介しましょう。
患者Aさん:タイムリープしてる説
まず最初に登場するのは、ベッド2つ隣のAさん。
この方、10分おきにナースコールを押します。
内容はというと・・・
「ご飯はいつですか?」
「12時ですよー」
(10分後)
「ご飯は・・?」
「12時ですから、待っててくださいねー」
(さらに10分後)
「もうすぐご飯ですか?」
「12時なので、もうちょっと時間ありますねー」
朝からお昼ご飯までは、このやり取りが20回以上繰り返されるのが日課です。
もう、この病棟にタイムループが発生してるんちゃうかと錯覚するレベルです。
患者Bさん:3773の人
続いて、病室の斜め向かい、Bさん。
「看護師さん、ちょっとでいいからさ・・・ATM連れてってくれんか?」
朝でも昼でも夜でも、繰り返されるこのフレーズ。
どうやら10万円下ろしたいらしい。
でも病院内に使い道はありません。
「僕はコーラ買いたいんだ!」
Bさん・・売店でペットボトル150円ですよ・・・。
600本以上買えます。
「じゃあ、カード渡すから下ろしてきてくれ!」
えー、渡されても、暗証番号はどうするんですか?
いや、聞いたところで、誰も行かないでしょうけど。
「俺の暗証番号は、3773だから!」
嘘!今、言っちゃった!?
患者Cさん:深夜のホラー担当
最後にご紹介するのは、夜中に病棟を震撼させるCさん。
夜中の2時。
寝静まった病棟に響く声。
「殺される・・・!ここにいたら殺されるっ!!」
いやもう、ホラーやめてもらえます!?
俺、動けないうえにナースコールも届かんのですって!
一瞬、夢か現実か分からんほど心臓止まりかけました。
そしてその数秒後、
Cさんはいびきをかいて眠っていました。
・・・たぶん、寝ぼけてたんやと思います。
にしても、ホラーすぎるわ!
心臓返してください。
こんな具合で、病棟には意外とにぎやかな“個性派”が揃っています。
もちろん、皆それぞれに事情があって、どこか愛嬌もある。
でも不思議と、気づけば仲間意識が芽生えてる。
病気のつらさも、不安も、毎日の出来事も・・・どこかで共有してる感じがする。
そして思うんです。
自分のリハビリに向き合うとき、こういう人たちの“ブレない主張”って、ちょっと勇気になるなって。
さて、次回の「病棟24時」は
・患者Aさん:タイムリープしてる説
・患者Bさん:3773の人
・患者Cさん:深夜のホラー担当
の三本でお送りします。
・・・あれ?
俺もタイムループしてる?
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