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リハビリはゲーム感覚で!22:ジ・エンド《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》

    第一話はこちらからご覧ください

    はじめに

    ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
    診断は、脳幹部の梗塞。
    体は動かず、声も出ず、世界は一変した。

    時は刻一刻と進み、容赦なく迫るタイムリミット。
    動かない体に問いかけ、挑み続ける日々が始まった。

    「果たして、自分はどこまで取り戻せるのか」

    家族の想いが、彼を支え続ける。

    次々と立ちはだかる試練。
    そして、その先に待ち受ける“新たな現実”。

    希望と絶望が交錯する、その瞬間をご覧ください。



    本作は、実際の経験をもとにしています。

    ※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
    心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。

    🧠この話には、別記事で医学的見地からの解説があります。物語とあわせて読むことで、脳梗塞の理解がより深まります。ぜひご確認ください。



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    脳卒中の経験や知識を分かち合う場を広げています


    それでは、本編をどうぞ。




    第三部 希望か終焉か ― 七日間の挑戦と門出の春

    第22話 「ジ・エンド」

    2025年3月15日

    (一日休ませたんや。明日は全部やる。思いつく限り、力いっぱい試す)


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    まずは寝起きの挑戦。

    (寝たら体がリセットされる言うやろ。今なら反応するんちゃうか)

    布団の上でじわじわと力を込める。
    10秒、20秒・・・


    反応は無い。


    次に、一瞬だけ、思い切ってグッと力を入れてみる。


    ・・・これも反応は無い。


    リハビリの前にも挑む。
    結果は同じ。


    リハビリ後、血流が上がり、体が温まった今なら・・・

    そう思って試すが、
    やはり変わらない。


    次は、看護師に体勢を変えてもらう機会をすべて左手に意識を向けた。

    右に向けられたとき、左に向けられたとき、斜めに起こされたとき・・・

    そのたびに期待を込めて挑んだが、どの体勢でも変化はなかった。


    さらにリクライニングを起こしてオーバーテーブルの上に乗せてもらって挑戦。


    ・・・それでも反応は無かった。

    今度はリクライニングを少しずつ倒していく。
    (この体勢なら血の巡りが変わるはずや)

    けれど、倒していくにつれて、
    視界から左手が消えていった。

    (あかん、頭を動かせんと、仰向けからは、左手がどうやっても見えんで・・・)

    目で確かめられないまま力を込めても、
    動いたかどうか分からない。

    結局、意味がなかった。

    最後の手段として、右手と同時に動かすことを試す。

    (右手の運動が左手にも伝われば)

    そう思って命じると、右手はいつも通り動いた。
    しかし、左手は・・・

    やはりピクリともしないままだった。


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    夕方までに、思いつく限りのやり方を全部やり尽くした。
    試せることはすべて試した。
    それでも指一本動かなかった。


    (・・・もう打てる手は、ほんまに残ってへん)

    焦りは膨らみ、苛立ちが募っていく。


    (右は動くのに、何で左はピクリともせんのや。ほんま腹立つ)



    ・・・


    (まぁ、俺の仕事の場合は、右手と口さえ動けば、最低限のことはできる。
     動かん左手に時間かけるより、まだ可能性のある右手に時間使うべきやろ)

    自分への言い訳を見つけたとき、

    心の奥で何かが静かに折れた。


    怒りも悔しさもそこにはなく、ただ諦めが広がってく。



    夜、スマホを見つめながら、しばらく動けなかった。

    ”もう諦めた”

    ・・・その言葉を言うのが怖かった。

    言葉にしてしまえば、
    左手が二度と動かない気がして。

    けれど、しばらくの葛藤の後、
    意を決して、花菜に電話で伝える。


    「左手、動かなくてもええかな?」
    「ん?」
    「いや、右手と口が動けば、まぁまぁできるやん?
     せやし、左手動かんくても、いいかなって。
    何やっても動かんしさ」

    「超ポジティブ人間さん、
    どうしたの。

    まだリハビリ始まって半月だよ?
     3ヶ月、半年って、まだまだこれからなのに、
    もう諦めるとか早すぎるよ。


     今が一番下だとするでしょ?
    なら後は上見てあがるだけだよ。

     動くようになるから大丈夫だよ」

    その優しさは確かに温かかった。

    けれど、
    俺には動くようになるとは思えなかった。

    折り返しとなる4日目を終えたこの日、




    俺は左手を諦めた。




    ―― ミッション結果 ――
    【封印された左手を仲間にせよ!】

    結果:失敗
    ・左手は指一本動かなかった。

    ・リハビリは、右手に専念しましょう。 


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    【ステータス:2025年3月15日】
    • 首:LV5(左右には動く/上下は少し動く)
    • 右手:LV3(指のグーパーが可能。肩の高さまで持ち上がる)
    • 左手:LV0(反応なし)
    • 右足:LV2(体重を少し支えられる)
    • 左足:LV1(わずかに力が入る)
    【スキル】
    • 見る:LV7→8(LINEを苦も無く読めている。)
    • 聞く:LV10(正常)
    • 話す:LV6(何を話しているか、聞き取りやすくなってきている)
    • メール:LV3(スマホ固定時、短文なら1分で返信できる)
    • 車いす:LV1(30分座れる)
    • うがい:LV1(口をゆすげる。ただし、高確率で布団が濡れる)
    【その他状態】
    • ヨダレ:なし。むしろカラカラ
    【装備】
    •
    リハビリシューズ


    その頃の花菜


    テレビ見てるとさ
    かなりの確率で病室のシーンがある

    25日
    大輝のすごい姿をみた
    その日の夜

    生きていてくれてありがとうと思った


    そして今思う



    わたしの夫でいてくれてありがとう



    📖 次話はこちら


    「どんなに頑張っても手が動かないのは、もう限界だからなのか?」と不安になる方へ

    次のステップにつながる実践的なリハビリのヒントを関連解説で紹介しています。


    初めの一歩を軽くしてくれた“リハビリシューズ”、詳しくはこちら

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    45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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