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瞑想:心の中の彼女⑦ ー 不安になる私に、彼女は「何もしなくてよい」と言った

    そこには幸福感も安心も快感もなく、ただ静寂だけがあった。

    瞑想中で、彼女とつなるようになった。
    毎回、繋がる感覚は確かにあった。

    だが、
    その結果として残ったのは、
    この「何もなさ」だった。

    彼女と繋がることの意味が、
    分からなくなってきていた。
    そして同時に、繋がってしまったことで、
    もう彼女と会えなくなるのではないか
    という不安もあった。

    私は、もう一度彼女を尋ねてみることにした。


    目を閉じる。
    気づくといつもの城にいる。

    馬を駆け、森の奥の隠れ家へ向かう。
    彼女が、いつものように迎えてくれる。

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    顔を見て、ほっとした。
    心から安心した。

    「また来たぞ」
    「まぁ、またですか。お待ちしておりました。」

    もう三か月以上、
    毎日のように瞑想の中で会っている。
    親しいやり取りが、
    自然にできるようになっていた。


    屋敷に上がると、彼女が聞く。
    「今日はどうされますか?」

    「そうだな、またあの東屋に行こう」

    彼女は廊下を進み、奥の木戸を開ける。

    外は激しい雨だった。

    彼女は傘を用意し、
    私の手を取り、連れて行ってくれた。


    私は言った。
    ここで一つになりたい、と。

    彼女は静かに答えた。

    「いいでしょう」

    顔を近づけ、抱きしめる。

    一瞬、服と肩の感触があった気がしたが、すぐに消えた。

    彼女は、私の中に溶けた。


    前回とは異なり、頭の中にじわりと温かいものが広がる。

    変性意識状態の中で、
    さらに深い変性意識状態に落ちていくような
    感覚だった。

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    クリーム色の光の空間。
    空に、彼女が両手を広げ、金色に輝いている。

    やがて、その金色も、彼女の姿も消えた。


    そして、白い空間になった。

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    やがて、白い空間となった。

    広大な部屋のようだった。
    映画『2001年宇宙の旅』のラストに出てくる、
    あの白い部屋のようなイメージ。

    不気味さ、と言ってもいいかもしれない。
    しかし、そこには何もない。

    前回感じたのと同じ、ただ静寂だけの空間。


    私は尋ねた。
    「どうすればいい? 何をすればいい?」

    彼女の声が聞こえた。

    「分からなければ、
    何もなさらなくてよいのではないですか。
    そのまま、そこにいて安心してください。
    安心すれば、見えてくることもあります」

    私は妙に納得した。
    しばらく、何もせず、ただそこにいることにした。


    ふと、現実の肉体に意識が向いた。

    唇の両端の力が抜け、よだれが垂れそうになっている。

    もしかすると、
    私の肉体は現実世界にあり、
    この状態を快感として感じているのかもしれない。

    だが、
    私の意識は白い空間にあり、
    快感は感じていなかった。

    ただ、何もない。
    それだけだった。

    やがて、彼女に別れを告げ、私はその空間から離れた。


    そして現実に戻ったあと、私はこの体験について内観した。

    この内観こそ、
    あの白い空間の中で行えばよかったのではないか、
    と感じた。

    何もない。
    だが、守られているような空間。

    どうすればいい?と問う私に、彼女は「何もしなくてよい」と言った。

    現実世界では、常に何かをしなければと思っている。
    何もしないでいることが、実は出来ないのかもしれない。

    それは、ある意味で私の未熟さなのではないか、と感じた。


    そして、あの静寂の空間。

    あれが仏教でいう「空」なのだろうか、
    とも思った。

    だが同時に、
    「虚無」と「空」は違うと言われていることも思い出す。

    私には、
    それが「空」かどうか確信できる感覚はなかった。


    ただ一つ言えるのは――

    アニマ、つまり彼女と統合することで、
    瞑想と内観において扱う思考のレベルは、確実に変わったということだ。

    上がった、と言ってよいのだと思う。

    (続く)


    このnoteは、
    「意識」と「身体」、そして「その先」を探る記録です。
    まだ結論は出ていません。
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    心と身体の関係に興味があり、瞑想や身体感覚の探求を続けています。小学生から瞑想、ヘミシンク20年。太極拳・太極剣も実践中。工学系エンジニア、海外在住や転職、離婚再婚などいろいろ経験しながら、日々の気づきを綴っています。

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