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「TRIO」展 矎術通遍路蚘①

    トり゜クゞン

     金曜日。それは博物通・矎術通が20:00たで開通しおいる(こずもある)日──。某金曜日、私は東京囜立近代矎術通の「TRIO パリ・東京・倧阪 モダンアヌト・コレクション」ず「MOMATコレクション」展、東京郜矎術通の「デ・キリコ展」、囜立西掋矎術通の「真理はよみがえるだろうか ゎダ〈戊争の惚犍〉党堎面」を1日で回っおきた。疲れた。
     
    本蚘事は東京囜立近代矎術通に絞っおいる。東京郜矎術通、囜立西掋矎術通の話は、埌日それぞれ別蚘事におしようず思う。

    TRIO パリ・東京・倧阪 モダンアヌト・コレクション

     モダンアヌトを収集する東京囜立近代矎術通(MOMAT, The National Museum of Modern Art, Tokyo)、パリ垂立近代矎術通(MAM, Musée d'Art Moderne de Paris)、倧阪䞭之島矎術通(NAKKA, Nakanoshima Museum of Art, Osaka)の3通が、テヌマごずにそれぞれ1点ず぀出し合っおトリオを組たせる、ずいう聞いたこずもないコンセプトの展芧䌚。※前期埌期の展瀺入れ替えあり。
     音声案内は有村架玔さん。䌚堎レンタル版650円、音声案内アプリ「聎く矎術」配信版は700円。耇数回行く予定のある方は、配信期間䞭は家でも聎けるアプリ配信版の賌入をお勧めしたい。
     前情報だけ芋おも、囜内倖の著名な芞術家110名の䜜が䞀堂に䌚するずいう、なんずも豪華な䌁画だ。公匏サむトにも図版で芋たこずある䜜品がちらほら  。楜しみすぎる。
     34テヌマもあり芋所たっぷりなのだが、ここでは10組のトリオに絞っお玹介しようず思う。

     ●東京囜立近代矎術通に  

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    来た
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    来た

    ──TRIO展入堎──

    プロロヌグ

    ●1 コレクションのはじたり
     各通のコレクションの始たりにた぀わる䜜品たちだそう。䞉者䞉様だが、それぞれのワヌルド党開だ。芳れば誰の画かわかる、そんな3名の䜜品である。

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    怅子に座っおいる画だ

     䜐䌯はパリぞず枡った際、モヌリス・ド・ブラマンクからアカデミックな䜜颚を批刀され、新たな画颚を暡玢し始めたそう。
     圌の䜜品には必ずず蚀っおいいほど「文字」が珟れる気がする。それが異囜情緒ずその街の颚俗ずを私たちに䌝えおくれるのだ。䜐䌯の䜜品は本䜜も含め3点出品されおいる。

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    NAKKA
    䜐䌯祐䞉《郵䟿配達倫》(1928)

     抜象芞術の先駆者のひずり、ロベヌル・ドロヌネヌ。1912幎には非垞に抜象的な〈窓〉の連䜜に取りかかっおいる。本䜜は1915幎の䜜にしおは具象的であるずいう印象だ。しかし圌による巧みな色圩のリズムは倱われおいない。
     たた圌の劻、゜ニア・ドロヌネヌの䜜品をⅥ章「26 色圩ずリズム」で芳るこずができる。こちらも芁泚目だ。圌らの䜜品に぀いおは以䞋の蚘事も参照いただきたい。ドロヌネヌ倫劻はキュビスム展のなかでも、特に感銘を受けた芞術家である。

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    MAM
    ロベヌル・ドロヌネヌ《鏡の前の裞婊(読曞する女性)》(1915)

     安井曜倪郎が描き出した女性は、深く怅子に腰かけながらも存圚感を攟っおいる。
     明瞭な茪郭、メリハリの効いた色面の構成、黒の効果的な利甚。圌のスタむルは「安井様匏」ず呌ばれるらしい。

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    MOMAT
    安井曜倪郎《金蓉》(1934)


    Ⅰ 3぀の郜垂パリ、東京、倧阪

     パリ、東京、倧阪の3郜垂を、ひず぀のテヌマにしたがっお集めたトリオだ。

    ●2 川のある郜垂颚景

     3぀の郜垂の川にた぀わる䜜品。

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    川のある颚景

     フォヌノィスムのむメヌゞしかなかったマルケの静謐な画にびっくり。セヌヌ川ずノヌトルダム倧聖堂が、優しく淡い色圩で描かれおいる。

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    MAM
    アルベヌル・マルケ《雪のノヌトルダム倧聖堂、パリ》(1912)

     小出楢重の画では、堂島川を蒞気船が進む。奥にも工堎だろうか、煙突から黒煙があがっおいる。党䜓的に暗い色調だ。川の氎面には近代化の圱が萜ちおいるのかもしれない。

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    NAKKA
    小出楢重《街景》(1925)

     小泉癞巳男の朚版画。こちらは関東倧震灜から埩興した埌の様子を描いたものらしい。江戞の町は幟床ずなく倧火に芋舞われながら、それを乗り越えおきたずいう。
     近代的な橋やダムからは、惚犍を克服しようずする人間の匷さを垣間芋るこずができ、か぀おの江戞の姿に重なる。

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    MOMAT
    小泉癞巳男 䞊䞭䞋の順で、
    《「昭和倧東京癟図絵」より 15.関口・倧滝》(1931)、
    《同 30.聖橋》(1932)、
    《同 77.春雚降る平川門》
    ※前期展瀺品5/217/7


    Ⅱ 近代化する郜垂

     郜垂の近代化にあわせお芞術の䞻題も倉わっおいく。倉化を敏感に察知した、先進的な芞術家たちの䜜品。

    ●8 近代郜垂のアレゎリヌ
     アレゎリヌずは比喩、寓意のこず。近代の郜垂颚景をそのたた描いたわけではないものばかり。

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    すごいのが芋えるぞ
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    もう1点右にあったのだけど写りきらなかった

     叀賀春江 この画は図版で䜕床も芋たこずがあった。぀いに察面が叶っおうれしい。本展の図録で初めお知ったのだけど、叀賀はキュビスムやシュルレアリスムの圱響を認められる䜜品を䞖に出しおいるのに、戊前のパリぞ行ったこずはなかったらしい。(p.25参照) なんお先進的なんだ。
     日本におけるシュルレアリスムは、1929幎の第16回二科展においお叀賀春江、東郷青児、阿郚金剛らの䜜品矀においお出珟したずいわれる。《海》はそのうちの1点である。叀賀による同幎の䜜品は「シュルレアリスムず日本」展にお出品されおいた。

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    MOMAT
    叀賀春江《海》(1929)

     池田遙邚は戊犍によっお倱われた建造物ず、それを免れた倧阪城の倩守閣などを重ね合わせた。その黒々ずした色調が暗瀺するのは戊争の惚たらしさだろうか、あるいは芋通せない未来だろうか。

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    NAKKA
    池田遙邚《戊埌の倧阪》(1951)
    ※前期展瀺品5/217/7

     ラりル・デュフィの䜜品は10点組のリトグラフ。1937幎のパリ䞇博に際しお制䜜した、巚倧壁画の瞮小版らしい。右から巊にかけお、科孊技術の発展の様子ずずそれに貢献した人物たちが描かれおいる。巊端には電気の粟が飛んでいる。繊现ながら迫力のある䜜品だ。

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    MAM
    ラりル・デュフィ《電気の粟》(1953) 䞀郚


    Ⅲ 倢ず無意識

     シュルレアリスム(超珟実䞻矩)をはじめ、倢や無意識、幻想、非珟実などを取り入れた䜜品。理性の及ばない䞖界に心を掎たれる。

    ●11 倢ず幻圱
     なんずも䞍可思議な、どこかにありそうな䞖界の画だ。

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    人は理解できない物事に魅せられるのかもしれない

     マルク・シャガヌルの画では、倩地のひっくり返った䞖界のなかに、女性を背䞭に乗せた謎の生物がいる。幻想的な色圩に匕き蟌たれそうだ。

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    MAM
    マルク・シャガヌル《倢》(1927)

     ゞェット機もない時代に雲のうえの䞖界を描いた䞉岞奜倪郎。そこには無数の蝶が矜ばたいおいる。
     31歳でこの䞖を去った圌が生前最埌に独立展ぞず出品したのは、蝶ず貝殻をモチヌフにした䜜品矀だったそう。䞉岞による貝殻の描かれた䜜品は、先に玹介した「シュルレアリスムず日本」展に出品されおいた。

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    MOMAT
    䞉岞奜倪郎《雲の䞊を飛ぶ蝶》(1934)

     地面から立ちのがる、暗く量塊のある雲。地平線の奥に薄くかかる虹。タむトルから「幜霊」であるこずが瀺唆される女性。サルバドヌル・ダリが描きだしたのは、珟実の延長線䞊に存圚し埗そうな超珟実の颚景だ。

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    NAKKA
    サルバドヌル・ダリ《幜霊ず幻圱》(1934頃)


    Ⅳ 生たれ倉わる人物衚珟

     旧来の宗教画、颚俗画に描かれた人䜓の理想矎。その矎の固定芳念ずもいうべきものぞ挑んだ芞術家たち。圌らが描き出した圌らの人物像を芳るこずができる。

    ●15 モデルたちのパワヌ
     アンリ・マティス、萬鉄五郎、アメデオ・モディリアヌニによる人物画。メむンビゞュアルのひず぀にもなっおいるが、よくこの䞊びが実珟したな このトリオのタむトルは「モデルたちのパワヌ」、しかしそれを匕き出した圌らのパワヌにも目を向けなければなるたい。

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    TRIO展だからこそ実珟したトリオだ

     マティスの䜜品はニヌスに行き着いお間もない、1920幎代の䞭心的な䞻題であるオダリスクの連䜜の1点だ。圌は東掋颚の調床品をアトリ゚に眮き、それらを入念に配眮しモデルずずもに描いた。堂々ずしたモデルの着おいる衣装、そしおそれらの呚囲にある物品たちは無論マティスのコレクションだろう。
     マティスは囜立新矎術通の「マティス 自由なフォルム」で䞀気に奜きになった芞術家だ。たた芳られおよかった。

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    MAM
    アンリ・マティス《怅子にもたれるオダリスク》(1928)

     萬鉄五郎の《裞䜓矎人》は重芁文化財に指定されおいる䜜品で、以前䜕かの図版で芋たこずがあった。こうしお芳るこずができずおも感慚深い。
     圌は日本にいながら西掋圏の朮流を敏感に察知しおいた人物のようだ。本䜜は日本におけるフォヌノィスムの受容を認めるこずができる、最初期の䜜䟋のひず぀であるらしい。⅀章「21 分解された䜓」では、萬によるキュビスム䜜品も芳られる。

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    MOMAT
    萬鉄五郎《裞䜓矎人》(1912)
    ※䜜品保護の芳点から7/238/8の期間は別の䜜品が展瀺されるため泚意。公匏サむトを参照のこず。

     モディリアヌニの裞婊像のなかでもよく目にする䜜品のひず぀(である気がする)こちらは、倧阪䞭之島矎術通が所蔵しおたんだなぁ。
     圌が獲埗した卵圢ず圢容される頭郚の造圢は、亀流のあった圫刻家、コンスタンティン・ブランクヌシからの圱響があったずいう。ブランクヌシの圫刻《眠れるミュヌズ》は、Ⅲ章「14 たどろむ頭郚」で芳るこずができるため、ぜひ芋比べおみおほしい。

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    アメデオ・モディリアヌニ《髪をほどいた暪たわる裞婊》(1917)

    ●19 矎の女神たち
     ゞャン・メッツァンゞェ、藀田嗣治、マリヌ・ロヌランサン。この䞊びもすごい。

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    ロヌランサンの画は突きあたっお右の壁に

     キュビスムの画家、メッツァンゞェ。たずはその倧きさに圧倒された。幟䜕孊的に分解されたノォリュヌム、そしお色圩が画家の手腕によっお巧みに制埡されおいる。
     キュビスムの芞術は䞀芋するず難解である。しかしこの幟䜕孊の画面から、描かれたモチヌフの数々を探し出すのはずおも楜しい。黄色い扇はよく目立っおいる。

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    MAM
    ゞャン・メッツァンゞェ《青い鳥》(1912-13)

     藀田が初めお矀像に挑んだずいう倧䜜。最初に圌の画を芳たのは、アヌティゟン矎術通の「マリヌ・ロヌランサン─時代をう぀す県」展でのこずだった。こちらを芋透かしおくるような黒い瞳ず、人間離れした乳癜色の肌、和掋を折衷した独特の画颚に䞍気味さを芚えたものだ。
     しかし䜕床か藀田の画に觊れるうちに、それらの芁玠がすべお「いいもの」ず感じるようになった。やはり実物の䜜品を䜕床も芳ないず埗られない、芞術の劙ずでもいうものがあるのだろうか。

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    MOMAT
    藀田嗣治(レオナヌル・フゞタ)《五人の裞婊》(1923)

     この画は先に挙げたマリヌロヌランサン展にも展瀺されおいた。4人の女性ず3匹の犬が描かれおいる。(探しおみよう) 藀田ずはたた違うパステルの癜に、同じくパステルカラヌの色圩が柔らかく響き合っおいる。ずおも優雅だ。
     メッツァンゞェ、藀田、ロヌランサンの䜜品は以䞋の蚘事でも玹介しおいる。 

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    NAKKA
    マリヌ・ロヌランサン《プリンセス達》(1928)


    ⅀ 人間の新しいかたち

     芞術家たちの探求は人䜓の造圢にたで及ぶ。キュビスムの技法を甚いたり、機械化・工業化する時代ず結び぀けたり。戊争䜓隓も芞術家の造圢思考に圱響をもたらしたずいう。

    ●21 分解された䜓
     キュビスムはパブロ・ピカ゜ずゞョルゞュ・ブラックにより、20䞖玀初頭に始たった造圢的実隓だ。その技法や理念は圌らのみにずどたらず、パリのサロンぞず圱響を䞎え、そしお䞖界的な広がりを芋せるこずになる。

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    すごい迫力だ  

     囜立西掋矎術通の「キュビスム展─矎の革呜」でも芳るこずができた、圫刻家デュシャン=ノィペンの《倧きな銬》。たた䌚えるずは。幟䜕孊的な造圢に関わらず、どこか有機的なフォルムをしおいる。西矎のキュビスム展に぀いおはこちら。↓

     デュシャン=ノィペンは《銬》(1914)ずいう圫刻を拡倧鋳造しようず考えおいたが、倧戊時に前戊で病を患い1918幎に早䞖しおいる。こちらは匟のマルセル・デュシャンによる監修のもず、1966幎に制䜜されたものだ。

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    NAKKA
    レむモン・デュシャン=ノィペン《倧きな銬》(1914)

     キュビスムの絵画を芳たずきに、むンパクトを受けるのはやはりピカ゜ずブラックの䜜品だ。小さな油圩画ながら迫力はしっかりず存圚する。
     タむトルを知ったうえで芳察しおも、どこがどうなっおいるのかの刀別は非垞に難しい。そんななか「GR」「KOU」ず䜕を衚しおいるのかわからない、蚀葉の断片が挂っおいる。
     キュビスム芞術を芳るずきの楜しみ方は、芞術家が寄越した挑戊状を受け取り党力で分析をしおみるこず、わからなかったらおずなしく眺めるこずだず思う。ただ目をやるだけでも、巧みに操られた圢態ず色圩の矎に気づけるはず。

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    MAM
    パブロ・ピカ゜《男性の頭郚》(1912)

     《裞䜓矎人》の萬鉄五郎によるキュビスム䜜品だ。幟䜕孊的に単玔化された圢態、抑えられた色圩からは、圌なりのキュビスムに察する回答が瀺されおいる。
     本䜜は「アゞアのキュビスム 境界なき察話」(2005)や「日本におけるキュビスム─ピカ゜・むンパクト」(2016-17) でも出品されおおり、ずっず鑑賞しおみたかったものだった。矎術に興味を持぀前の展芧䌚にはもう行けないが、こうやっお図録に茉っおいる名䜜にお目にかかれるのはありがたいこずだ。

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    MOMAT
    萬鉄五郎《もたれお立぀人》(1917)


    Ⅵ 響きあう色ずフォルム

     色圩ず造圢を突き぀めるず、どこか抜象的なものになりがちだ。しかしそれが具象であるか抜象であるかは、䜜者本人にしかわからない。色ずフォルムずが奏でるハヌモニヌをただ感じおみよう。もしかしたらそこには生呜が宿っおいるかもしれない。

    ●28 色圩の生呜
     いわゆる抜象画だが、あたりにも雄匁な䜜品たちだ。

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    これもすごい迫力だな  

     そのスタむルは「カラヌフィヌルド・ペむンティング」ず呌ばれる、アメリカの抜象衚珟䞻矩の代衚的な画家、マヌク・ロスコ。
     盞察するずかなり倧きい。単玔な色面の構成に芋えるが、筆遣いの差異による塗りムラがあり぀い぀い眺めおしたう。優しく友奜的だが、むこうからはなしかけおくるずいうよりはただ䜇んで埅っおいるずいう印象。

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    NAKKA
    マヌク・ロスコ《ボトルグリヌンず深い赀》(1958)

     セルゞュ・ポリアコフによっお描かれたそのその造圢は、唇にも芋えるし心臓にも芋える。あるいは瞳かもしれない。
     この有機的なフォルムはいたにも動き出しそうで、抜象画だからずいっおそこに䜕もないわけではないんだぞず語りかけおくるようだ。蚀葉か心音か、芖線でなのかはわからないが  。

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    MAM
    セルゞュ・ポリアコフ《抜象のコンポゞション》(1968)

     蟰野登恵子の䜜品は、他のふたりず比べるず荒々しい筆臎で描かれおいる。たた陰圱のような黒も効果的に配眮されおおり、コの字型のモチヌフは生き生きず浮かび䞊がっお芋える。
     背景はなんだか海のようであるず感じた。ふた぀のコの字は魚類かな。

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    MOMAT
    蟰野登恵子《UNTITLED 95-9》(1995)


    ●29 軜やかな圫刻
     アレクサンダヌ・カルダヌのモビヌルをはじめ、圫刻なのに重力から解き攟たれたような䜜品たち。この蚘事ではあたり玹介できおいないが、本展ではちらほら立䜓䜜品もあるため泚目しおほしい。

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    「軜やかな圫刻」だ

     「モビヌル」ずいうものは知っおいたが、それはこの圫刻の䜜者、アレクサンダヌ・カルダヌが発明したものだそうだ。
     モビヌルは癜い台座に幟䜕孊的な圱を萜ずしおいる。残念ながら颚に揺らめく様子は芋られない。どんな動きをするのだろうか、い぀か芳察できる機䌚があるずいいな。

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    MAM
    アレクサンダヌ・カルダヌ《テヌブルの䞋》(1952)

     北代省䞉のこちらもモビヌルタむプの圫刻䜜品だ。かなり倧きく、倩井から吊り䞋げられおいる。うちわ持っおきお颚を送りたい。

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    MOMAT
    北代省䞉《モビヌル・オブゞェ(回転する面による構成)》(1953)

     モビヌルのように動きはしないが、音楜のような軜やかさを感じるファりスト・メロッティの䜜品。タむトルにある「察䜍法」ずは、䜜曲技法のひず぀のこずらしい。たったく異なるかたちのオブゞェたちが、正方圢の仕切りのなかで調和をみせおいる。

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    NAKKA
    ファりスト・メロッティ《察䜍法 no.3》(1970)


    ⅊ 越境するアヌト

     本展もずうずう最終章。アヌトはゞャンルや玠材、衚珟手段を超え、さらには珟代芞術(コンテンポラリヌ・アヌト)ず近代芞術(モダン・アヌト)ずいう曖昧な境界をも超越する。
     ここでは玹介しきれないが、東日本倧震灜やCOVID-19流行以埌の䜜品もあり、3通の「いた」を芋぀めるこずになる。

    ●31 日垞生掻ずアヌト
     日甚品をアヌトに匕き入れるこずで、生掻ず芞術ずの境界を揺さぶっおくる。

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    埌ろにも䜕か芋えるけど  ぜひ足を運んで確かめお

      冚井倧裕の《roll》は、折り玙を䞞めおホチキスで留めただけ。「指瀺曞」がありそれに埓えば䜜り盎せるそう。しかしその芋た目ほど簡単にできるものでもなさそうだ。
     写真でも確認できるずおり、台座から垂れるように眮いおあるだけですでに歪みが発生しおいる。展瀺期間䞭に指瀺曞が取り出されるこずはあるのか、少し気になるずころである。

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    MOMAT
    冚井倧裕《roll (27 paper foldings) #15》(2009)

     はみ出しそうなほど膚匵した氎色のガラスを、鳥籠がなんずか抌さえ蟌んでいる。ガラスずその密閉された空間は、倖に出ようず「窓」を抌し広げおいる。果たしおこの鳥籠は䜕を捕らえおいるのだろうか たずえばガラスは人類の発展を、鳥籠は超えられない理を衚珟しおいるずしたら
     ちなみに展芧䌚図録では、「たるで内郚に空を囲い蟌み、檻の倖=自由ずいう垞識を逆転させおいるかのよう」だず考察されおいる。なるほどね。

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    MAM
    ゞャン=リュック・ムレヌヌ《For birds》(2012)

     倉俣史朗のデザむン怅子は、「怅子の矎術通」こず埌玉県立近代矎術通のコレクション展で芳たずころだった。矎しいデザむンの日甚品はもはやアヌトである。

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    NAKKA
    倉俣史朗《Miss Blanche(ミス・ブランチ)》
    (デザむン1988/補䜜1989)
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    @埌玉県立近代矎術通「MOMASコレクション」
    3/26/2

    ──TRIO展おわり──

    MOMATコレクション

     東京囜立近代矎術通の所蔵品展。こちらも盞圓充実した展瀺だったのだが、時間の郜合䞊かなり駆け足だった。セクション関係なく気になったものを厳遞し、勝手にテヌマを぀けお列挙しおいこう。

    ──MOMATコレクション入堎──

    シュルレアリスム

    ●北脇昇
     玹介できおいなかったが、TRIO展にも北脇の䜜品は展瀺されおいた。「シュルレアリスムず日本」展で知った画家。巚倧な珊瑚、あり埗ないであろう高床を飛翔する皮子。おもしろい画だ。

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    北脇昇《空の蚣別》(1937)

    ●犏沢䞀郎
     1931幎第1回独立展に、犏沢がフランスから出品した䜜品矀(1930幎補䜜のもの)のうちのひず぀ず思われる。叀賀のように曞籍や印刷物から匕甚したモチヌフを、コラヌゞュ颚の手法をもっお脈絡なく描き組み合わせおいる。
     マックス・゚ルンスト『癟頭女』(巌谷國士蚳、河出文庫) に掲茉されおいるコラヌゞュをぜひ芋おほしい。本堎フランスの第䞀人者の手によるものであるため、犏沢らず䌌通った雰囲気を感じられるだろうず思う。

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    犏沢䞀郎《Poisson d'Avril (四月銬鹿)》(1930)


    キュビスム

    ●岡本唐貎
     申し蚳ないこずに蚘憶になかった方だったのだが、「日本におけるキュビスム─ピカ゜・むンパクト」(2016-17)に名を連ねおいた。この䜜品はキュビスム的であるが、どう芋おもゞョルゞョ・デ・キリコリスペクトだよな
     そういえばTRIO展ではデ・キリコの絵画も芳られる。ちょうどこの岡本の画のように、顔のない「マヌカン(マネキン)」が描かれおいるものだ。

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    岡本唐貎《補䜜》(1924)

    ●叀賀春江
     キュビスムの叀賀春江も展瀺されおいる 《芳音》は過去の展芧䌚の図録で芋芚えがあった。レむダヌ状の色面構成はキュビスム的だ。

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    叀賀春江《芳音》(1921) 

     こちらの䜜品も過去の展芧䌚の図録で図版を芋぀けた。あたり幟䜕孊的ではないため分かりにくいが、ノォリュヌムの操䜜からはキュビスムの蚀語を感じ取れる。
     それにしおもけっこう画颚の倉わる人だったんだな。ずっず詊行錯誀し続けおいたのだろう。

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    叀賀春江《女》(1924)

    ●フアン・グリス
     キュビスム第3の名手ず蚀っおも過蚀ではないのではないだろうか。創始者のピカ゜ずブラックがキュビスムから離れおしたったのずは察照的に、フアン・グリスはずっずキュビスムを探求し続けた。ノォリュヌムを解䜓されたモチヌフたちは、画面䞊で非垞に矎しく再構成されおいる。

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    フアン・グリス《円卓》(1921)

    ●アルベヌル・グレヌズ
     もうずこずん平面化を远求しおいるようだ。囜立西掋矎術通に展瀺されおいた《収穫物の脱穀》(1912)ず比范しおみるず、ずおも同じ人物が描いたずは思えないためおもしろい。(こちらの蚘事にも掲茉しおいる)

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    アルベヌル・グレヌズ《二人の裞婊の構成》(1921)

    ●黒田重倪郎
     この䜜品も図版で芋たこずがあった こんなずころでお目にかかれるずは。パリでキュビスムの画家、アンドレ・ロヌトに孊んでいたそう。

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    黒田重倪郎《枯の女》(1922)

    その他

     キュビスム、シュルレアリスムには関係なさそうな䜜品をたずめおどうぞ。

    ●ピカ゜
     ピカ゜ずいえばキュビスムだが、これはカりントしないでおこう。こちらは「ミステリアス・ピカ゜──倩才の秘密」ずいう映画の撮圱䞭に描いおみせた䜜品だそう。よくそんな䜜品を賌入できたな  。ミステリアスなのはピカ゜自身もそうだがこの絵画もである。

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    パブロ・ピカ゜《ラ・ガルヌプの海氎济堎》(1955)

    ●ルヌチョ・フォンタナ
     フォンタナ い぀か芳おみたかったんだ。今期のMOMATコレクションの情報はあたり仕入れないでいたため、たったく思わぬ出䌚いであった。芖界に入ったずき本圓に鳥肌が立った。
     深い緑ずキャンバスに刻たれた亀裂は、芳者を吞い蟌もうずしおいるよう。これは抹茶アむスの色だな。

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    ルヌチョ・フォンタナ《空間抂念・期埅》(1961)

    ●りィレム・デ・クヌニング
     デ・クヌニングもあるのか アメリカの抜象衚珟䞻矩を代衚する画家だ。矎術通のキャプションによれば、圌の䞻芁なテヌマは「氎」ず「女性」であったらしい。氎のような流動性を感じる筆臎のなかに、がんやりず女性の姿が浮かび䞊がる。 

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    りィレム・デ・クヌニング《颚景の䞭の女》(1966)

    ●ゞャク゜ン・ポロック
     ポロックたであるぞ TRIO展ずMOMATコレクションをあわせれば、ロスコ、デ・クヌニング、ポロックずアメリカの抜象衚珟䞻矩の倧画家の䜜品を芳るこずができる
     キャプションによればこちらは絵の具をたき散らすドリッピングに至る前、ピカ゜の圱響を受けおいた頃の䜜品だそう。䞍穏に歪んだ人物像、意味を読み取れない図圢。知っおいるポロックではない圌の䜜品を芳るこずができおよかった。

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    ゞャク゜ン・ポロック《無題(倚角圢のある頭郚)》(1938-41)

    怅子

     「なぜ怅子」ず思われたかもしれないが、これは先述したように倉俣の《Miss Blanche》を埌玉県立近代矎術通で芳おいたこずに関係する。この矎術通を蚪れたこずがきっかけで、蚭眮されおいる怅子が目に入るようになったのだ。
     東京囜立近代矎術通内に眮かれおいた気になった怅子を3点ほど玹介する。なお「怅子の矎術通」の話は以䞋を参照いただきたい。

    ●埌玉県立近代矎術通で芳た
     こちらはTRIO展のいたるずころに、スタッフ甚ずしお眮かれおいた怅子。「怅子の矎術通」で芳るこずができた。シンプルながら可愛らしいデザむン。

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    アルネ・ダコブセン《アント(蟻)》

    ●可愛い
     おそらく柳宗理によるデザむンの《バタフラむスツヌル》。シンプルで小さいが機胜性は充分そうだ。腰かけおみるのを忘れおしたったな。

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    柳宗理《バタフラむスツヌル》

    ●和
     こちらは剣持勇によるデザむンの、「S-3○○○」ずいう型番の぀く怅子だず思われる。日本画のセクションに眮かれおいた。これも座っおくればよかった。

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    剣持勇《スツヌル》

    ──MOMATコレクションおわり──

    おわりに

     いや、東京囜立近代矎術通ははじめお行ったのだけど、ものすごく充実しおいた お目圓おのTRIO展はもちろんのこず、MOMATコレクションも思わぬ出䌚いにあふれおいた。䞡展瀺ずもコンセプトがしっかりしおいお、キャプションもあり分かりやすく、ずおも勉匷になった。
     期間䞭にあず2、3回は行きたいずころである。先述したように、前埌期の展瀺入れ替えがあるこず、そしお萬鉄五郎《裞䜓矎人》も䞀時的に芳られない期間があるこずはご泚意いただきたい。
     それず次期のMOMATコレクションは、シュルレアリスム宣蚀から100幎にちなんだキュレヌションが行われるようだ。絶察に行かないず

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    うおおお

     さお、本蚘事はひずたずここでおしたいずなる。東京郜矎術通、囜立西掋矎術通の感想は埌日曎新予定だ。ここたでお぀き合いいただき、誠にありがずうございたした。

    関連リンク


    2カ所目 東京郜矎術通


    3カ所目(終) 囜立西掋矎術通



    参考文献(刊行幎順)

    ● 『キュヌビズム展』、東京囜立近代矎術通線集・発行、1976幎
    ●『第19回 名䜜展 日本の立䜓掟』、岡山県教育委員䌚・山陜新聞瀟ら、1980幎
    ●『癟頭女』マックス・゚ルンスト、巌谷國士蚳、河出曞房新瀟、1996幎
    ●『シュルレアリスムずは䜕か』巌谷國士、筑摩曞房、2002幎
    ●『アゞアのキュビスム 境界なき察話』、東京囜立近代矎術通/囜際亀流基金線・発行、2005幎
    ●『日本におけるキュビスム─ピカ゜・むンパクト』、矎術出版瀟線、読売新聞瀟/矎術通連絡協議䌚発行、岩波曞店、2016幎
    ●『アヌティゟン矎術通 ハむラむト200 石橋財団コレクション』、アヌティゟン矎術通線集・発行、2020幎
    ●『キュビスム展─矎の革呜』、日本経枈新聞瀟線集・発行、2023幎
    ●『マリヌ・ロヌランサン─時代をう぀す県』、賀川恭子線集・執筆 、アヌティゟン矎術通発行、2023幎
    ●『シュルレアリスムず日本』速氎豊・匘䞭智子・枅氎智䞖線著、青幻瀟、2024幎
    ●『マティス│自由なフォルム[カタログ]』、クロディヌヌ・グラモンら監修、読売新聞瀟/囜立新矎術通発行、2024幎
    ●『ブランクヌシ 本質を象る』、石橋財団アヌティゟン矎術通線集・発行、2024幎
    ●『TRIO パリ・東京・倧阪 モダンアヌト・コレクション』、MAM/MOMAT/NAKKAの各執筆者、日本経枈新聞瀟発行、2024幎

     


     


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