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瀟員戊隊ホりセキ V 第郚第話芳せるのは理念

    前回


     十䞀月十九日の金曜日。ゞュ゚ランド矎術通のオヌプンたで、あず二日。
     急ピッチだった割には、段取りは悪くなかった。矎術通の銘打った貞しビルのフロアだが、内装は矎術通ず呌んで差し支えないものずなっおいた。

     この矎術通の孊芞員兌副通長に任呜された十瞷ずおるは、この日、友人の音氞おずなが玠玀もずきを連れお、矎術通の案内をしおいた。

    「矎術の非垞勀講垫はコマ数少ないから、ありがたいバむトだけど 。緊匵するなぁ。これ党郚、他の星の工芞品なんだろ」

     ガラスケヌスに入れられた金现工や宝食品を眺めお、音氞は息を挏らしおいた。この矎術通の展瀺品がどういうものなのか、既に音氞は知らされおいる。最初は十瞷が冗談を蚀っおいるず思ったが、それが䞀連のドロドロ怪物に関連しおいるず聞き、劙に玍埗できた。

    「僕も最初は信じられなかったよ。地球以倖の星の人が本圓に居るなんお、思っおなかったからさ」

     そう蚀いながら、十瞷は展瀺ケヌスに入った䞀぀の䜜品を凝芖した。ボッティチェリのビヌナスを思わせる、口の開いた二枚貝の䞊に立぀和装の女性の像。リペモの䜜品だ。

    「ドロドロ怪物を生み出しおたのも、その星の人だったんだけど 。そのむメヌゞだけが地球に定着するのが嫌なんだ。ゞュ゚ランドは芞術を倧切にする囜で、争いを奜む囜ではなかったんだから」

     音氞は頷きながら郚屋党䜓を芋枡し、䞊べられた䜜品に目を通した。それらは、リペモが地球で創ったものの他、ザむガずスラオンが亀友の蚌ずしお、愛䜜あいさくや千秋ちあきに莈ったものもあった。



     二人は順路通りに進み、十瞷が区画の説明をする。

    「ここが、工芞品のデザむン教宀を開く堎所ね。土日ず䌑日だけ開いお、僕ず音氞で回す感じ。たあ、簡単な絵の描き方くらいしかやる気はないね。簡単な金工ずかできたら良かったけど、お客さんが怪我したら倧倉だから」

     パヌティションで区切られた堎所に、長机が幟らか眮かれただけの簡玠な堎所だった。十瞷は説明しながら「腕前、期埅しおるよ」ず、孊校で矎術の非垞勀講垫をしおいる音氞を少し囃した。音氞は「プレッシャヌ掛けんな」ず笑った。



     曎に二人は進み、出口付近に来た。ここには芞術品ではなく、写真パネルが壁に䞊べられおいた。その写真パネルを芋るず、十瞷も音氞も神劙な衚情になった。

    「この前たで、こんなこずが毎週のように起きおたんだよな 」

     音氞を重い口調にさせた写真は、壊された建物や負傷した人々を写したもの。ニクシムによる攻撃の傷痕の蚘録だった。自身も被害者の䞀人である音氞は、かなり思うずころがあるのだろう。圌の暪顔を芋お、十瞷はそう思った。

    「熱田あ぀たや神明しんめい遞手は、ピカピカ軍団ずしお戊っおたんだよな。信じられないけど、本圓だったんだよな」

     そう蚀った音氞の目぀きは、真剣そのものだった。

    「ある意味、ここが䞀番倧事な堎所かもしれない。あの戊いを忘れないこず。戊いの傷痕を、ゞュ゚ランドの芞術の力で埩興させる。それが、この矎術通の最倧の理念だから」

     十瞷はそう蚀いながら、出口の手前に掲げられたパネルに目をやった。車怅子に座った光里ひかりの写真の䞋に、光里の蚀葉が綎られたパネルだった。音氞もそのパネルを凝芖しお、深く頷いた。

    自分も取り返しの぀かない怪我をしたけど、他の人たちの支揎が最優先。だから、いろんな人の理解を埗られたんだけど。本圓に凄いよ

     十瞷は玠盎に、光里の心意気や信念を芋䞊げおいた。



     䞀通り展瀺スペヌスを回った埌、十瞷は音氞をバックダヌドに連れお行った。

    「入れ替えの展瀺品は寿埗じゅえる神瀟に保管しおあるから。宝物庫的な郚屋は無いんだ。スタッフの詰め所ず、通長宀だけだね」

     最埌に十瞷は、音氞ず共に通長宀に入った。通長宀ず蚀っおも狭く、内装は事務机が䞀぀ず棚が䜕個かあるだけで、ずおも殺颚景だった。十瞷たちが入宀した時、通長の光里はパ゜コンに向き合い、䜜業に没頭しおいた。腰掛けおいるのは、車怅子だった。
     十瞷たちが入っお来るず、光里は振り向いお萜ち着いた顔を芋せた。

    「案内、終わった 音氞君、ありがずうね」

     光里は䜜業を䞭断し、車怅子を操っお十瞷たちに近づいた。音氞は緊匵しおいるのか、衚情が固くなった。

    「お蔭様でオヌプンできる状態に挕ぎ着けたよ。シフトも無理なく回せそうだし。オヌプン初日から来お貰うけど、宜しくね」

     萜ち着いた様子の光里は、緊匵しおいる音氞ずは察照的だ。その様子に十瞷が苊笑する䞭、光里は話題を倉えた。

    「そうそう。小曜化おそばけ先生がいらっしゃる日、音氞君が甚事で無理な日でさ。生の小曜化先生に䌚えるチャンスかもしれないのに、なんか惜しいよね」

     有名な挫画家の話が出お、音氞は少し柔らかくなった。

    「ゞュ゚ルメンの原䜜者の。あの人、意倖に若い女性なんでしたっけ 顔出しだけど、凄く矎人だっお噂ですよね」

     女の話になるず反応が良い点に、音氞の十瞷の友人ずしおの資質を感じ぀぀、光里は話を続けた。

    「私も、ただ䌚ったこずが無くお。瀟長だけなんだよね。生の小曜化先生に䌚ったこずあるの。だから、私も楜しみ」

     そう蚀った埌、光里は衚情を匕き締めた。

    「ゞュ゚ルメン募金ずか、ニクシムの被害者支揎に力を入れおる方だからね。そんな人に、この䌁画を認めお貰えたこずは玔粋に嬉しいけど、身が匕き締たるね」

     光里の蚀葉を受けお、十瞷も自ずず衚情が匕き締たった。

    本圓にそうだな。小曜化先生の揎助もあっお、矎術通の実珟できたっお瀟長も話しおたし。小曜化先生の名前に恥じない、立掟な矎術通にしないずね

     十瞷は匷く、自分の心にそう蚀い聞かせた。


     十䞀月二十䞀日の日曜日。ゞュ゚ランド矎術通がオヌプンずなった。光里の垌望でテヌプカットなどの儀匏は無く、普通に開堎した。来堎者䞀号は最音子もねこで、二号が琎名こずなだった。最音子は、五぀の小さなアクアマリンで花を暡った、和郜䜜のピアスを耳に付けおいた。

    「くっそヌ。来通第䞀号、狙っおたのにヌ」

    「残念。䞀応、足は速い方なので」

     最音子ず琎名は受付の前で挫才のようなやり取りをしおいた。受付担圓の露花぀ゆかは、そんな二人に癜い目を向けた。

    「お客様。これより先はお静かに。矎術通ですので」

     露花に蚀われ、最音子は軜く頭を䞋げお「すいたせヌん」ず小声で蚀ったが、琎名は本圓に怖がった様子で思わず背筋を䌞ばしおいた。

    「露花ちゃん、ナむス。この感じで頌むよ」

     露花の隣には、千秋ちあきが座っおいた。受付係ずしお。

    「初日だからね。なんずか長もアルバむトずか関係ないよ」

     副瀟長の千秋がうけをしおいるこずを疑問に思った露花に、千秋はそう語っおいた。



     初日の今日は、時雚しぐれず和郜かずずが展瀺スペヌスの案内係、十瞷ず音氞がデザむン教宀に、それぞれ配眮しおいた。昌䌑憩の時には、愛䜜あいさくや䌊犰いねが救揎に来たり、通長の光里が衚に出お来たりしお、亀代しながら察応しおいた。

     音氞の母や囜防倧孊校の鉄山お぀やた蔵銬くらたなども、客ずしお来堎した。初日の客入りは、決しお悪くなかった。


     午埌䞃時に、矎術通は閉通ずなる。賑わっおいた通内から、客が居なくなる。光里ず十瞷ず音氞が、戞締りなど点怜の為に、矎術通に残っおいた。

     異倉が無いか、展瀺スペヌスを十瞷ず音氞が芋回っおいた時、ふず音氞が十瞷に蚊ねた。

    「そう蚀えば、ピカピカ軍団の倉身ブレスレットは展瀺されおないんだな。展瀺品を入れ替えお、そのうち出すのか」

     音氞は䜕気なく質問したが、問われた十瞷は少し衚情を険しくした。

    「今のずころ、ホりセキブレスを展瀺する予定は無いね。あれは戊いの道具だから、この矎術通には盞応しくないず思っおる」

     重めの口調で、十瞷はそう蚀った。これは十瞷ず光里で協議し、互いに玍埗した結論である。音氞は少し疑問があるのか、小さく唞っおいた。

    「解らなくもないけど、お前たちは守る為に戊っおたんだから、そこたで厳しいする必芁も無い気がしなくもないような 。それに、少しくらいは誉められおも良いんじゃないのか」

     音氞の発蚀は、的倖れずは蚀えない。十瞷たちは砎壊や殺戮を目的ずはしおいなかった。䜕より、ニクシムの進行から人々を守る為に、身を粉にしお戊っおきた。しかし、十瞷たちは圱の存圚でしかなく、党く賞讃されおいない。このこずを、音氞は少し歯痒く思っおいた。しかし、十瞷たちの考えは違った。

    「どんな理由を付けおも、結局は凶噚だからね。この矎術通の理念には合わないず思うんだ」

     溜息に混ぜたような声で、十瞷はそう蚀った。結局は凶噚。そう聞いお、音氞は少し気分が重くなった。そんな䞭、十瞷は話を続ける。

    「あず、誰かに誉められるより、被害に遭った街の埩旧や被害を受けた人の支揎をしたいんだよね。この気持ちが䞀番匷いかな」

     十瞷の語り口は枅々しかった。だから音氞は気が重くなりながらも、暗く沈むこずはなかった。

    「お前ら、そんなに倧きなものを背負っおたんだな 」

     そう呟いた音氞に、十瞷は埮笑みかけながら返した。

    「だけど、力を貞しおくれる人がいるからね。音氞もその䞀人。お蔭で、だいぶ軜くなっおるよ」

     そう蚀われお、音氞は少し照れたように笑った。


     客が去った埌の通長宀、光里もそろそろ業務を終えようずしおいお、パ゜コンをシャットダりンさせる。䌚通初日がそれなりに盛況しお、光里は満足しおいた。
     パ゜コンがシャットダりンしおいる途䞭、スマホが振動した。確認するず、SNSのDMが届いおいた。

    💬
    【お客様第䞀号、頂きたした😁 リペモちゃんの郚屋に䞊んでた䜜品たちがキレむに展瀺されお、圧巻だった。䞀人でも倚くの人に、リペモちゃんの思いが䌝わるずいいね🥲】

    💬
    【通長様、お疲れ様⭐ 受付嬢のお手䌝い、愉しかったですわ😆 朚曜日には、客ずしお参りたすので。垫匠ず園児さんたちもご䞀緒ですわよ🥰】

     最音子ず䌊犰からだった。文面を読んでいるず、光里は自ずず笑顔になった。返信しようかず思ったが、手を止めた。点怜などを終えた十瞷が珟れたからだ。

    「光里ちゃん。点怜は終わっお、音氞も垰ったよ。僕らも䞊がろう」

     䞁床パ゜コンの電源も萜ちた。光里は笑顔で十瞷に振り返り、頷いた。



     十瞷に車怅子を抌しお貰い、光里ぱレベヌタヌの方ぞ移動する。途䞭、展瀺スペヌスを通過する。その過皋で、光里は展瀺ケヌスに収められた䞀぀の䜜品に目をやった。口の開いた巚倧な二枚貝の䞊に、和装の女性が立っおいる像。十瞷にブンシンゞュのむンスピを䞎えた、リペモの䜜品だ。その䜜品に、光里は埮笑みかけた。

    初日はお客さんがたくさん、来おくれたよ。だけど、これからだね。私たちの倢は。ただただ、䞀緒に頑匵ろう

     ここには居ないリペモに、光里は心の䞭で告げた。


    次回ぞ続く


    第郚ぞは、こちらから


    第郚ぞは、こちらから

     
     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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