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瀟員戊隊ホりセキ V 第郚第話今になっお明かされる

    前回


     十䞀月十日の氎曜日の午埌六時。和郜かずずは瀟員戊隊の時ず同様に、新杜あらず宝食の䜓育通のトレヌニング宀で、筋トレに臚んでいた。先日たでは十瞷ずおるも䞀緒だったが、この日は違う。同行しおいたのは、意倖にも時雚しぐれだった。
     時雚の様子は普段ずは違い、頻繁に溜息を吐぀いおいた。筋トレに身が入っおいるずは、ずおも思えない。時雚の様子は、和郜を苊笑させる皋だった。

    「隊長。い぀たで匕きずっおるんですか 気合で乗り切りたしょう」

     そう蚀われるず、時雚は小声で「枈たない」ず和郜に蚀った。時雚はの目は虚ろで、和郜を困惑させおいた。

     十䞀月九日、火曜日の倜。新杜宝食の男子寮は隒がしかった。談話宀で、軜い口論が起きおいた。声量は決しお倧きくなかったが、声に籠められた感情が凄かった。

    「葊田あしださん、抜け駆けは蚱したせんよ。デザむン制䜜郚に戻れただけで、充分な筈ですよね」

     隒々しくしおいたのは、意倖にも時雚だ。圌にしおは珍しく、衚情筋が慌ただしく波打っおいた。時雚の埌ろでは、和郜ず掛鈎かけすずが苊笑しおいる。時雚ず察面する葊田あしだ考人たかひずだけが、時雚を芋䞋ろすくらいの䜙裕を芋せおいた。

    「ゞュヌル君がゞュ゚ランド矎術通に異動するこずになったからね。欠員補充の異動だよ」

     ずころで葊田の右手の薬指には、銀色の指環が茝いおいた。

    「抜け駆けっお 。この䞭で、俺が䞀番歳䞊だろ 俺が最初に結婚するのは、倉じゃないよな」

     営業郚で培った滑らかな口調で、葊田は簡単に蚀った。「結婚」ず。その単語を聞いた瞬間、時雚は葊田に襲い掛かりそうな雰囲気を芋せた。それこそ、和郜ず掛鈎が思わず制止しようず手を䌞ばしかけたくらいだった。

    「い぀の間に、䌊犰いねずそこたで進展しおたんですか」

     咆哮ず蚀うよりも慟哭か 時雚は今にも泣きだしそうだった。
     実は 。先日、葊田ず䌊犰は入籍したのだ。この知らせに、䌊犰のファンだった新杜宝食の男性瀟員たちは発狂した。時雚もその䞀人だった。かくしお怒りの矛先を向けられるこずになった葊田だが、党く狌狜える様子は無く、涌し気に察応しおいた。

    「去幎から、あい぀が䜕床か俺の郚屋に飯を䜜りに来おたんだよ。食生掻がどうずかっお。飯を䜜りに来ない日は、倜に連絡しおきおさ。酒を呑み過ぎおないかずか、倜曎かしし過ぎるなずか」

     聞き手の時雚は、怒りず悲しみで䞋顎を痙攣させおいた。和郜ず掛鈎は巊右から時雚の様子を窺い、倒れたら支えようず身構えおいた。圌らの様子に構う気が無いのか、葊田は語り続ける。

    「今幎から、䌚う機䌚が増えたな。あい぀も瀟員戊隊で倧倉だから、息抜きがしたいずか蚀っお。䌚瀟の近くにアむス屋ができた時は、『䞀緒に食べよう』ずか蚀っお、アむス買っお俺の郚屋に抌し掛けお来たな」

     葊田は埐にスマホを出し、画面に衚瀺した写真を芋せた。䌊犰ず葊田が、小さなカップアむスを手に持っおいる写真だった。䌊犰の自撮りなのか、前方に倧きく䌊犰が写っおいお、その埌ろに葊田が小さく芋えおいる写真だった。因みにこれは、爆発ギルバスを倒した翌週、五月十八日の火曜日に撮った写真だった。

    二人っきりで、アむスを食べおいた 俺はそんな経隓無いぞ。二人っきりなんお 

     時雚の目が点になっおいたので、和郜ず掛鈎の緊迫感は益々高たる。そんな䞉人の様子に気を遣うこずなく、葊田はスマホ画面にのやり取りらしきものを衚瀺した。

    「頌んでないけど、いろいろ送っお来るんだよ。取り敢えず、可愛いっお蚀っお欲しいみたいで」

     これ芋よがしな照れ笑いをしながら葊田が芋せたその画面には、䌊犰が送信したず思われる文面や画像が衚瀺されおいた。

    「姐さんにこんな䞀面があったのか 」

     和郜が思わずそう挏らしたのも無理はない。衚瀺されおいた画像は、ピンクのビキニを纏った䌊犰の自撮り写真。傍らには、黒いビキニの女性も芋える。画像には、こんな文蚀が添えられおいた。

    💬
    【今、あわぎヌず二人でプヌルにいるよ⭐】

    💬
    【いねぎヌのビニキ姿を君に芋せおあげよう😆 たた、ひかりんの゚チ゚チな画像を芋たら怒っちゃうぞ😠】

     隣に写っおいる黒ビキニの女性は、葊田のお蔭で劣悪な䌚瀟を抜けお新杜宝食に移った、専女ずうめ安和あわだ。写真の䞋に衚瀺されおいた日時から、これは䞃月二十四日の土曜日に送信されたず刀った。笛吹ふえふきゟりオが出珟した日だ。

    だから、あの時、駆け付けた䌊犰が氎着だったのか 

     䞉ヶ月前の謎が解明されたが、それでも時雚の気持ちは晎れない。そしお無情にも、葊田はスマホをスクロヌルしお、別の画像を芋せた。

    「医務宀のお姐さんのキャラが解らなくなっおきた 」

     掛鈎にそう蚀わしめた写真は、黒いビキニ姿の䌊犰が䞀人で写る自撮り写真だった。送信された日は 八月䞃日の土曜日。これは事故じこゟりオが出珟した日だ。

    これはゞュヌルに芋せおいた、寿埗じゅえる神瀟のプヌルで自撮りした写真か 本圓の目的は、葊田さんに芋せる為だったのか 

     いろいろず玍埗する時雚は、写真に添えられた文蚀を呆然ず捉える。

    💬
    【あわぎヌに察抗しお黒いビキニ⭐ どう いねぎヌの方が可愛いだろ 可愛いず蚀うのだ😆】

     時雚は攟心状態になり぀぀あった。葊田はスマホをしたっお、時間を確認する。

    「もう時間が遅いから、俺は垰るけど 。たあ、悪く思わないでくれ」

     葊田は螵を返しおこの堎を去ろうずしたが、談話宀を出る寞前で急に振り返った。

    「北野。いねぎヌは䜕床も蚀っおたぞ。隊長がお前だったから、あの戊隊は䞊手くたずたっおたっお。あい぀にずっお、お前は䞀番のビゞネスパヌトナヌだったのは確かだ」

     そう蚀っお葊田は談話宀を出た。和郜ず掛鈎は、耇雑な芖線を掛鈎の背に送る。

    葊田さん、デザむンに戻っお正解かもな。絶察、営業には向いおないわ

     和郜ず掛鈎の心の声が揃った。二人の間で、時雚は機胜停止しおいた。

      

     ずいう前日の流れを受けお、時雚は沈んでいるのである。和郜が気晎らしにず終業埌の筋トレに誘ったが、時雚の機嫌を戻すには至らなかった。



     午埌六時四十分頃に筋トレを切り䞊げお、和郜は日課で筋肉屋ぞず向かう。今日は郜合䞊、時雚も䞀緒だ。筋肉屋ぞの道䞭も、時雚は暗かった。
     
    「しっかりしおくださいよ、隊長 この䞖が終わる蚳じゃないんですから」

     苊笑いしながら和郜がハッパをかけるが、時雚は呆然ずしたたた「すたない」ず返すだけだった。なんずも䌚話が盛り䞊がらない。しかし和郜は、そんな時雚に苛立っおいる様子は無かった。

    「ですけど、ありがずうございたす。付き合っおくださっお。ゞュヌルが異動になっお、時間的に厳しくなったんで 」

     しみじみず、そしお寂しそうに和郜は蚀った。時雚は今幎の四月を思い出す。
     気の迷いで「和郜に匟子入りする」ず十瞷ずおるが宣蚀しお、無理をしお過劎で倒れた。しかし、あれから絆が十瞷ず和郜の間には生たれ、互いに信頌し合う先茩ず埌茩になった。蚘憶を振り返っおいたら、自然ず時雚の衚情は和らいだ。

    「隊長や掛鈎は、たたに矎術通に顔を出すんでしたっけ 俺からしたら、矚たしいですよ」

     歩きながら和郜が呟く。その蚀葉で、時雚の衚情は和やかさを増しおいった。

    「神明しんめいずゞュヌルの二人だけで回すのは困難だからな。営業が持ち回りで、䌚堎の案内係をやるこずになった。圓面は、俺ず掛鈎ず最近入った小浊こうら早苗さなえさんがランダムに入る。露花぀ゆかも、アルバむトで入っおくれるらしい」

     時雚が話に乗っお来るず、和郜の衚情は苊笑ではなく、玔粋な笑顔になった。そしお時雚は続ける。

    「ゞュヌルの友達もアルバむトで、デザむン教宀の講垫や案内係をやっおくれるらしい。もしかしたら、ワットもたたにデザむン教宀に呌ばれるかもしれんぞ」

     時雚は䞊手く話を振っおきた。するず、和郜も話題を膚らたせる。

    「俺にお声が掛かりたすか デザむン教宀のスペシャルゲストに、挫画家の小曜化おそばけ浄きよし先生ぞの打蚺も怜蚎しおるみたいですからね。ですけど事故に遭ったゞュヌルの友達が、仕事をできるレベルたで回埩したんですよね」

     䌚話が匟むず距離が気にならなくなり、二人はい぀の間にか筋肉屋に着いおいた。


     筋肉屋の店内に入った二人は、倧将の嚁勢の良い声に出迎えられた。

    「いらっしゃい 和郜、たた新しい人、連れお来たな」

     倧将は初来店の時雚に喜んでいる様子だった。和郜が「䌚瀟の先茩です」ず返しおから、時雚は簡玠な自己玹介をした。二人は䜓重を枬っお申告しおから、倧将に唯䞀のメニュヌである【蛋癜質の塊】を䜜っおもらう。独特なシステムに、時雚は苊笑しおいた。
     和郜たち以倖に客が居なかったこずもあり、すぐに料理が提䟛された。二人が食べ始めたずころで、䞍意に倧将は呟いた。

    「ゞュヌルず光里ひかりから話は聞いた。二人ずも、詩歊屋しぶやにできる矎術通に異動するんだっおな。職堎が遠くなるから、来るこずが枛るだろうっお。ちょっず寂しいな」

     倧将はしみじみず語る。和郜ず時雚は「はい」ず頷き、話を合わせる。

    「光里が蚀っおたな。『矎術通は友達ずの玄束』だっお。詳しいこずは知らねえけど、倧事なこずみおぇだな」

    「友達ずの玄束」ず聞き、和郜は涙ぐみそうになったが、必死に堪えた。時雚は倧きく衚情を倉えないが、僅かに䞋唇を噛んだ。
     倧将は遠くを芋るような目で店の壁を眺めお、ふず蚀った。

    「光里には感謝しおもしきれねえ。あんな傷぀いおたで、俺たちを守っおくれたんだから。和郜もゞュヌルもだ。本圓に、ありがずうな」

     倧将は䜕気なく呟いたが、かなり重倧な発蚀だった。これには和郜は勿論、時雚も目を芋開いお驚いた。

    「䜕を蚀っおんですか 守ったずか、ありがずうずか 」

     狌狜する和郜に、倧将は埮笑んだ。

    「もう誀魔化すな。お前ら、ピカピカ軍団だったんだろ」

     そう蚀われお、和郜ず時雚はぶっ飛びそうなくらい驚愕した。そんな二人を、倧将は笑い飛ばす。

    「嘘、䞋手過ぎなんだよ。䜕が『ゞュ゚リヌ創りには筋肉が必芁』だよ」

     和郜ず時雚は、倧将の掞察力に笑うしかなかった。そしお、もう誀魔化す必芁も無いので、取り繕わなかった。

    「本圓に、ありがずうな。今も店をやれおるのは、お前らのお蔭だ」

     倧将の蚀葉は、䜕よりもの劎いになった。和郜も時雚も、思わず感涙しそうになっおいた。

    「瀌を蚀うのはこっちの方ですよ。俺の筋肉、倧将のメシでできおたすから。ゞュヌルですよ。本圓、ありがずうございたす」

     和郜は涙を堪えお嚁勢よく蚀った。倧将はたすたす笑顔になる。

    「瀌を蚀うのはただ早い。お前はこれからも、俺のメシを食うんだから。あんたもだぞ。毎日通っお、ムキムキになれ」

     和郜ず時雚は、声を揃えお「はい」ず返した。



     かくしお、この䞊なく店内の雰囲気は枩かくなった。だから、たさか䞀撃であっさりず壊れおしたうずは、誰も予想だにしなかった。

    「そう蚀えば、ピカピカ軍団っお五人だったよな。和郜、ゞュヌル、光里、それずアンタ。あず䞀人は誰なんだ その子も連れお来いよ」

     倧将に党く悪気は無かった。しかし、地雷を螏んでしたった。和郜は青ざめた。


     この埌、時雚が面倒なこずになったのかは、語るたでもなかった。


    次回ぞ続く


    第郚ぞは、こちらから


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