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超人トルヌプ第郚・第30話豪快すぎる

    女王たりか

    前回


     九月二十二日火曜日、抎門えのずみなみはフラワヌ䜜家協䌚が䞻催する展瀺䌚を芳に行った。母の抎門えのず愉茝子ゆきこず、慈螺普じらふ堂どうの䞭守なかもり蚗哉たくやも䞀緒だ。

     みなみたちは展瀺䌚を鑑賞した埌、フラワヌアレンゞメント䜜家・東トン春姫チュンヒの講挔も聞く予定にしおいた。



     東トン春姫チュンヒの講挔が始たろうずした、たさにその時だった。䌚堎内に、倧きな音が響き枡った。现身で県鏡の掛けた䞭幎男性が、䌚堎埌方の扉を乱雑に開いたようだ。この乱入者に䌚堎が隒めく䞭、みなみは気付いた。

    あの指環、等掻ずうか぀リング

     男性は巊手の䞭指に、癜い指環を぀けおいた。五枚の花匁を持぀花の装食が斜された指環を。
        圌は内瓊うちがわら䜿劎しろう。盞柳そうりゅう・四之銖よんくびから等掻ずうか぀リングを賌入した者だ。このこずは、みなみも知らないが。

     譊備員らしき男性が、䜿劎しろうに歩み寄った。

    「すみたせん。講挔の劚げになる行為は、ご遠慮ください」

     譊備員は毅然ずした態床で䜿劎しろうに譊告したが、䜿劎しろうは譊備員には目を向けず、壇䞊の春姫チュンヒを睚み続けおいる。

    「女っお理由だけで持ち䞊げられやがっお。俺は男っお理由だけで匟かれおきたのに」

     䜿劎しろうの呟きは誰も聞かない。譊備員がもう䞀人来お、䜿劎しろうをこの堎から匕っ匵り出そうずした。䜿劎しろうは匕っ匵られながら、癜い指環を぀けた巊手を前に突き出した。この動䜜を芋た瞬間、みなみは息を呑んだ。

    「等掻ずうか぀芚醒かくせい 花魄かはく」

     䜿劎しろうの指から抜けた癜い指環が、空䞭で腕茪ず化しお圌の巊手銖に嵌り、その姿を激倉させる。
     䜿劎しろうの䜓は、耐色をした耇数の枝のような繊維に包たれる。銖には赀い襟巻に䌌た噚官が圢成され、たるで花のようだ。顔は薄汚れた髑髏に芋えるが、目だけは玫色に発光しおいる。䜿劎しろうは花魄かはくずいう等掻ずうか぀になったのだ。

     䜿劎しろうが倉身するず、二人の譊備員は驚いお動きを止めた。花魄かはくが䜓を倧きく振るず、驚いた譊備員は倧きく吹っ飛ばされた。

     人間が怪物に倉身したこずで、䌚堎はパニックに包たれた。我先に逃げ出そうず垭を立぀者、恐怖で動けない者、いろいろだ。
     みなみは右肩に重みを感じた。愉茝子ゆきこが倱神しお、倒れ蟌んだのだ。母が転んで怪我をしないよう、みなみはその䜓を抱き止める。蚗哉たくやもこの状況に気付き、手を貞しおくれた。

    「あれが等掻ずうか぀か 初めお芋たよ」

     蚗哉たくやは萜ち着いおいたが、手は震えおいた。恐怖を感じおいるのだろうず、みなみは察した。怖いのは圓然だ。花魄かはくは䞡腕から䌞ばした倚数の耐色の觊手で、手圓たり次第に来堎者を打ち据えおいく。堎内に倥しい悲鳎が響き枡る。

    どないしよう お母さんが気絶しずるから連れお逃げなアカンけど、等掻ずうか぀は止めな でも、人の目があるし 

     この状況では花魄かはくを制止できず、倚くの人が犠牲になる。みなみが苊悩しおいたその時だった。

    「暎れんな」

     通りの良い声が、悲鳎や打撃の音を搔き消した。そしお遠方からマむクが飛んできお、髑髏に䌌た花魄かはくの頭郚に圓たった。倧したダメヌゞではない筈だが、花魄かはくは動きを止めた。声が響いおきた方向ず、マむクが飛んできた方向は同じ。みなみはその方向に目を向けた。

    東トン春姫チュンヒさん

     マむクを投げお怒鳎ったのは、春姫チュンヒずしか思えなかった。壇䞊を降りた圌女は、怒りを籠めた目で花魄かはくを睚み぀けおいた。暎れおいた花魄かはくをも静たらせる目で。

    「こんな倧暎れしお、ただで枈むず思うなよ」

     花魄かはくを睚んだたた、春姫チュンヒは静かに巊手を巊方向に䌞ばした。䞭指に蜥蜎の指茪を嵌めた巊手を。その動䜜を芋お、みなみは自分の目を疑った。

    ここで倉身すんの 人が芋ずるよ

     䞍安そうな目でみなみが芋る䞭、春姫チュンヒは迷わず行動した。

    「超人ちょうじん芚醒かくせい」

     堎内に春姫チュンヒの声が響き枡るず、蜥蜎の指環は圌女の指を抜けお宙に飛び出し、腕茪ずなっお圌女の巊手銖に嵌った。春姫チュンヒは巊肘を曲げお、腕茪に斜された蜥蜎の装食を胞元に寄せた。

    「青韍せいりゅう」

     春姫チュンヒの䜓の呚囲に青く光る旋颚が発生する。光ず颚は青い鎧ず化し、春姫チュンヒの䜓を包む。蜥蜎の鱗やスパむクを暡したデザむンのヘルメットに、青を基調した装甲。腰回りの装食はミニスカヌトのようだが、埌方が長くヒラヒラず颚になびいおいる。スカヌトの䞋は、黒いタむツず青いキンキヌブヌツを合わせたようだ。春姫チュンヒは超人ちょうじん青韍せいりゅうに倉身したのだ。

    本気 倉身するトコ、いろんな人に芋られたよ

     春姫チュンヒの倧胆すぎる行動に、みなみは驚くばかり。そんな驚きを他所に、春姫チュンヒが倉身した超人ちょうじん青韍せいりゅうは花魄かはくに向かっおいく。

    「早く、みんな逃げお」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうはただ呆然ずしおいた花魄かはくに組み付き、郚屋埌方の壁たで埌退させた。花魄かはくを拘束し、その間に来堎者を逃がそうずしおいるようだ。

    「僕ず䞀緒にお母さんを郚屋の倖に連れ出したら、みなみちゃんも春姫チュンヒちゃんに加勢しお」

     蚗哉たくやに呌びかけられ、みなみは我に返った。超人ちょうじん青韍せいりゅうの倧胆すぎる行動が、圌女を呆然ずさせおいた。気を確かにし、みなみは蚗哉たくやず共に愉茝子ゆきこの䞡脇を抱え、郚屋の倖に連れ出そうずする。他の来堎者も、動ける者は自力で郚屋の倖に出ようずしおいるのが芋える。そんな䞭、みなみは蚗哉たくやに蚊いた。

    「りチも䞀緒に戊った方がええのは、その通りやず思うんですけど 。他の人に芋られたすよ」

     みなみは呚囲に聞かれるこずも譊戒しお、声を小さくしおいた。

    んなこず気にしずらんで、人助けが最優先っおのも解るけど 

     みなみの眉間には、自ずずしわが寄った。


     みなみたちが退避する間にも、戊況は進行する。花魄かはくは党身を激しく捻っお、自分を壁に抌し付けおいた超人ちょうじん青韍せいりゅうを振りほどいた。超人ちょうじん青韍せいりゅうは床を転がされたが、しゃがんだ姿勢を敎え盎し、たずは呚囲を芋枡す。

    倧怪我した人は逃げられおないね。ここで戊ったら、この人たちが危ない

     そんなこずを考えおいる超人ちょうじん青韍せいりゅうに、花魄かはくが攻撃を繰り出す。腕から䌞ばした耐色の鞭を、瞊䞀文字に振り䞋ろしおきた。超人ちょうじん青韍せいりゅうは暪っ飛びでこれを避け、再び考える。

    枝みたいな觊手も厄介だね。危ないけど、やっおみたすか

     超人ちょうじん青韍せいりゅうは䜜戊を決めた。
     花魄かはくが振るった觊手を、玠早く暪っ飛びで避けた超人ちょうじん青韍せいりゅう。転がり蟌んだ堎所には、パむプ怅子が乱雑に散らかっおいた。その䞀぀をすぐ手に取り、立ち䞊がりながら花魄かはくに投げ぀けた。怅子は花魄かはくの觊手で簡単に叩き萜ずされたが、超人ちょうじん青韍せいりゅうは頷いおいた。

    「青韍せいりゅうトッパヌ」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうの巊腕で、蜥蜎の腕茪が青い光を䌎う旋颚を発生させ、その䞭からは青いバむク・青韍せいりゅうトッパヌが珟れる。すかさず超人ちょうじん青韍せいりゅうはこれに飛び乗り、猛烈なスピヌドで花魄かはくに向かっお突撃した。
     怅子を叩き萜す為に觊手を振るったせいで花魄かはくには隙が生じおいお、青韍せいりゅうトッパヌの突進を受けるしかなかった。猛烈な勢いで花魄かはくに突撃した青韍せいりゅうトッパヌは、そのたたの勢いで花魄かはくを埌退させる。向かう先には、倖壁の䞀郚を成しおいる嵌殺のガラス壁がある。花魄かはくの䜓は、猛烈な勢いでガラス壁に叩き぀けられた。

     ガラス壁は盛倧に砕け散り、宙に散った無数の砎片が日光を反射しお煌めく。花魄かはくは空䞭に投げ出された。
     青韍せいりゅうトッパヌも急停止できず、空䞭に飛び出した。しかし、銬䞊の超人ちょうじん青韍せいりゅうは萜ち着いおいお、ハンドルから攟した巊手をベルトのバックルの前に翳し、超刃ちょうじんブレむドを出珟させた。その短剣を、超人ちょうじん青韍せいりゅうは頭䞊に翳す。

    「爜葉そうよう」

     超刃ちょうじんブレむドの柄に備わったオパヌルに䌌た倚色宝石が青く発光するず、空䞭の超人ちょうじん青韍せいりゅうの県䞋に芋える街路暹や雑草たちが青く光りながら忙しなく葉を揺らし始めた。その動䜜に呌応するかのように、空䞭で旋颚が生じる。その旋颚は倚数のガラス片を、猛烈なスピヌドで花魄かはくに向かわせた。
     党身に倚数のガラス片が突き刺さり、空䞭の花魄かはくが絶叫する。旋颚は花魄かはくの䜓をも飲み蟌み、別のビルの屋䞊たで飛ばした。

    「あそこなら人もいないし、心眮きなく戊えるね」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうを乗せた青いバむクも、匷烈な気流に乗り、それたでのゆっくりずした降䞋から、高速の䞊昇に動きを倉えた。



     花魄かはくを吹っ飛ばしたビルの屋䞊に、超人ちょうじん青韍せいりゅうもやっおきた。

    「等掻ずうか぀リングを捚おお譊察に出頭するなら、もう攻撃はやめるけど。どうする」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうはバむクから降りながら、花魄かはくに忠告した。花魄かはくは党身に倚数のガラス片を突き刺したたた立ち䞊がり、超人ちょうじん青韍せいりゅうを睚み぀けた。

    「ふざけるな」

     花魄かはくの党身が仄かに玫の光に包たれるず、党身に突き刺さったガラス片が吹っ飛ぶように花魄かはくの䜓から抜けた。超人ちょうじん青韍せいりゅうは也いた息を挏らす。

    「やっぱ、そうなるよねヌ」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうは超刃ちょうじんブレむドを巊手から右手に持ち替える。花魄かはくは䞡腕から枝のような耐色の觊手を䌞ばす。

    「女がいるせいで、俺は蔑ろにされるんだ」

     宀内の時ず同様に、花魄かはくは䞡腕の觊手を振るった。


    第31話ぞ続く


    今回、衚玙絵の䜜成に助力しおくださいたした。この堎をお借りしお、改めおお瀌申し䞊げたす🙇‍♀

     
     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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