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超人トルヌプ第郚・第32話打ち解けるの速っ

    前回


     九月二十二日火曜日、午埌二時頃。抎門えのずみなみは超人ちょうじん朱雀すざくに倉身し、ビルの屋䞊で超人ちょうじん青韍せいりゅうず共闘した。怍物人間のような等掻ずうか぀・花魄かはくの暎挙を止める為に。


    「青韍せいりゅう疟颚しっぷう䞀陣いちじん」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうの繰り出した槍の䞀撃が、花魄かはくに炞裂した。花魄かはくは転萜防止柵を飛び越し、空䞭に攟り出される。巊手銖の等掻ずうか぀リングが砕け、姿も内瓊うちがわら䜿劎しろうに戻った。

     ビルの屋䞊より高い䜍眮を舞っおいた超人ちょうじん朱雀すざくは、この光景に息を呑んだ。

    人間に戻っおしもた 死んでしたう

     萜䞋する䜿劎しろうを救おうず超人ちょうじん朱雀すざくが動こうずした、その時だった。

    「爜葉そうよう」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうの声が響くず、地面から匷い颚が巻き䞊がっお来るのを超人ちょうじん朱雀すざくは感じた。その颚が䜿劎しろうの萜䞋を止め、静かにビルの屋䞊ぞず戻しおいく。超人ちょうじん朱雀すざくは、この光景に息を呑むず同時に気付いた。地䞊では、街路暹の葉が仄かに青い光を纏っおいるこずに。超人ちょうじん朱雀すざくの目は、それ以䞊のものも捉えた。

    青く光っずる葉っぱ、気孔が党開やん 気孔から空気を出しお、颚を起こしずるの

     垞人なら目を近づけおも芋えないような小さ孔を、超人ちょうじん朱雀すざくはビルの屋䞊より高い䜍眮から芋䞋ろしお芖認しおいた。

    春姫チュンヒさんが倉身した青韍せいりゅうは、怍物の力が䜿えるんやな。いきなりビルに癟合みたいな花も生えたし

     超人ちょうじん朱雀すざくは再びビルの屋䞊に目を向けた。超人ちょうじん青韍せいりゅうの手の䞭で、蒌暹杖そうじゅじょうに接続された超刃ちょうじんブレむドの宝石が青い光を攟っおいる。あの光が呚囲の怍物を操䜜しおいるこずは、想像に難くなかった。

     颚で優しく運ばれた䜿劎しろうは、静かにビルの屋䞊に寝かされた。服の胞元は砎れおいるが、そこから芗く肌に傷は無い。他の郚分にも目立った倖傷は芋受けられない。䞊空で安堵する超人ちょうじん朱雀すざくに、超人ちょうじん青韍せいりゅうが声を掛けた。

    「朱雀すざくちゃん 初めたしおで、どうもありがずう 貎方が来なかったら、やられおたわ」

     超人ちょうじん朱雀すざくは、静かに屋䞊に降りた。右手銖の腕茪を指環に戻し、超人ちょうじん朱雀すざくの装備を赀い火の粉にしお散らしお、抎門えのずみなみの姿を超人ちょうじん青韍せいりゅうに芋せた。

    「こちらこそ、初めたしお。りチ、抎門えのずみなみっお蚀いたす」

     みなみは自己玹介をしたが、超人ちょうじん青韍せいりゅうは頓着しおいなかった。圌女は倉身を解かず、先たで自分たちがいたビルを指す。

    「向こうのビル、芋えるよね 䞭守なかもりさんは無事か、教えおくれない」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうは倉身こそ解いおいないが、肩の力は抜けおいるようだった。圌女の独特なペヌスに、みなみは銖を傟げる。

    りチの目のこず、知っずるんや。英雄ひでおさんたちず知り合いみたいやし、話は聞いずるんかな

     みなみは先たで自分がいたビルを芋た。ガラス壁に開いた倧きな穎から芗く状況には、倧きな倉化は無い。䞭守なかもり蚗哉たくやは廊䞋にいお、倱神した自分の母・抎門えのず愉茝子ゆきこを芋守っおいる。みなみはその旚を超人ちょうじん青韍せいりゅうに䌝えたが、ビルの䞭を芋おいるず衚情が暗くなった。

    誰も死なんかったらええけど 

     ビルの䞭では、䟝然ずしお倚くの人々が苊しんでいお、無傷の人が察応しおいる。この様子に、みなみは顔を歪めた。察照的に、超人ちょうじん青韍せいりゅうは萜ち着いおいた。

    「サむレンが聞こえる。排ガスの匂いの流れからしお、珟堎に向かっおるね」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうに蚀われお、みなみは気付いた。遠方から二皮類のサむレンの音が近づいお来るのが。

    「埌は譊察に任せるか」

     超人ちょうじん青韍せいりゅうがそう蚀うず、蜥蜎の頭郚を暡したヘルメットが青く光る颚ずなっお消えた。春姫チュンヒの顔だけ芋せた超人ちょうじん青韍せいりゅうの姿に、みなみは驚いた。

    顔だけ倉身解くずかできるんや

     みなみの驚きを他所に、銖から䞋は超人ちょうじん青韍せいりゅうの春姫チュンヒはスマホを取り出し、通話を始めた。

    「店長。春姫チュンヒです。今から犯人をそっちに飛ばすんで、譊察に突き出しずいおください」

     簡朔に芁件を䌝えた春姫チュンヒは電話を切り、倒れ䌏す䜿劎しろうに歩み寄った。圌女が「停芜ぎが」ず蚀うず、䜕凊からか蔊のようなものが生じお䜿劎しろうの䜓を瞛った。春姫チュンヒは䜿劎しろうから距離を取り、みなみに䞀床目をやっおから、ただ手にしおいた槍を前方に翳す。

    「スカヌト、気を付けお」

     そう呌び掛けおから、春姫チュンヒは「爜葉そうよう」ず蚀った。槍に備わった宝石が青く光り、ビルの屋䞊に颚が起こる。この颚で䜿劎しろうの䜓は浮き䞊がり、講挔䌚堎だったビルぞず飛んでいく。
     颚は䜿劎しろうの䜓を飛ばすず同時に、みなみのスカヌトも裏返しにした。みなみは慌おお手でスカヌトを抌さえたが、遅すぎた。その様子に、春姫チュンヒは溜息を吐぀く。

    「気を付けおっお蚀ったじゃん。短パンも穿いおなかったなら、蚀われなくおも気にしなよ」

     初察面の春姫チュンヒに説教されるみなみは、「は はい」ずしか蚀えなかった。怖がられおいるず察したのか、春姫チュンヒは笑顔を䜜った。

    「聞いおるず思うけど、私、䞭守なかもりさんの知り合いでね。貎方の話は、もう幟らか聞いおるんだ」

     春姫チュンヒが喋っおいるうちに蜥蜎の腕茪は圌女の巊手銖から抜け、指環ずなっお巊䞭指に収たる。ようやく春姫チュンヒは、銖から䞋も通垞に戻った。

    「お母さんずご䞀緒らしいけど、お母さんは今日でお垰りになるの」

     春姫チュンヒの順応の早さに、ただみなみは圧倒される。「その予定ですけど 」ず小声で䌝えるず、春姫チュンヒはニンマリず笑った。

    「良かったら、倕飯でも奢らせおくれない 助けおもらったお瀌ずしお」

     思っおもないお誘いに、みなみの顔が䞀瞬だけ茝いた。しかし、その衚情はすぐに沈んだ。

    でも、母さんが 

     母である愉茝子ゆきこは、等掻ずうか぀の倉身を目の圓たりにしお倱神した。母はこの埌、駆け付けた救急隊に保護される可胜性もある。そのこずを考えるず、みなみは気が重くなった。
     その時、ポシェットの䞭でスマホが振動するのを、みなみは感じた。スマホを取り出すず、画面の衚瀺を芋おみなみは目を芋開いた。

    お母さん

     母からの架電だった。倧きな期埅にみなみは胞を膚らたせる。電話を取るず、期埅通りの声が聞こえた。

    『みなみ、䜕凊にいるの 怪我は無いの』

     母の声だった。取り乱した様子だが、目芚めたのは確実のようだ。この声を聞いお、みなみは安堵した。


     事態は綺麗に収集した。等掻ずうか぀に倉身しお暎れた内瓊うちがわら䜿劎しろうず圌の暎動で負傷した被害者は、駆け付けた救急車で病院に搬送された。無事だった来堎者は、救急隊ず共に来た譊察官たちに「あの男が䌚堎に乱入しお倧暎れした」ず口を揃えお蚌蚀し、䜿劎しろうは退院し次第、逮捕される芋通しずなった。愉茝子ゆきこは倱神しおいたので、参考人ずしお譊察に呌ばれるこずはないだろうず譊察官に蚀われた。



     ずんでもない隒動に芋舞われたが、愉茝子ゆきこは予定通りに今日の新幹線で奈良に垰る運びになった。圚来線の電車に乗り、みなみず愉茝子ゆきこは江戞駅に向かった。電車の䞭でも、駅の新幹線ホヌムぞの連絡通路を歩いおいる時も、愉茝子ゆきこは喋り続けおいた。

    「本圓にビックリしたわ。いきなり䌚堎で暎れだすなんお。展瀺䌚は良かったけど、あの人のせいで講挔䌚が台無しになったのは本圓に残念 東ひがし春姫はるきさん、たた講挔䌚やっおくれないかしら」

     話題はずっず、【講挔䌚に乱入した暎挢】だった。みなみは苊笑しお母に適圓な盞槌を打ち぀぀、実感しおいた。

    燭陰しょくいんは本圓に蚘憶を改竄するんやな

     愉茝子ゆきこの話題の䞭に、【暎挢の倉身】は党く出ない。蚗哉たくやから聞いた通り、等掻ずうか぀や超人ちょうじんに関する蚘憶は人々の脳裏から消えるようだ。そのこずを実感し぀぀、みなみは思っおいた。

    お母さんが死なんで良かった。襲われた人たちも、誰も死んどらんず良いな 

     人々の蚘憶が倉わっおも、等掻ずうか぀が暎れた事実は倉わらない。負傷者が死者にならないこずを願い぀぀、母が負傷者にすらならなかったこずを、みなみは心から喜んでいた。


     新幹線のホヌムに続く改札で母を芋送ったみなみは、圚来線のホヌムには戻らず、出口ぞの改札ぞず向かった。

    春姫チュンヒさん、ここに来るっお蚀ゆうたよね

     みなみは出口の改札を出お、ずある堎所を目指しお歩いた。時折立ち止たっおスマホや駅内の図面を確認し、駅の䞀階のレストラン街に到達した。その䞀角にあった寿叞屋の前で、みなみは立ち止たった。

    この店やけど 。こんな高そうなお店、ホンマにええんかな

     回転しない寿叞屋ずいうだけで高玚だず、みなみは短絡的に思い、店の前で恐瞮しおいた。みなみは入店せず、店の前で春姫チュンヒを埅぀。䜕もするこずが無いので、その時間は本来より長く感じられた。

    お母さんにも悪いな。りチが春姫チュンヒさんず倕飯なんお

     春姫チュンヒのファンである母が奈良ぞの垰路に就いた埌、ファンでもない自分が春姫チュンヒず倕飯を共にする。そのこずに、みなみは眪悪感に近い感情を抱いおいた。

     埅ち始めおから数分埌、みなみのスマホが振動した。春姫チュンヒが電話番号でDMを送っお来たようだ。『今、江戞駅に着いた』ず曞いおあった。DMを受信した数分埌、春姫チュンヒは店の前にやっお来た。

    「ごめんねヌ、埅った お腹すいたでしょ。早く入ろう」

     笑顔の春姫チュンヒに誘導され、みなみは店内に進入した。


    第33話ぞ続く

     
     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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