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瀟員戊隊ホりセキ V 第郚第88話攪乱

    前回


    「ピゞョンブラッドの氎の力は、僕の力じゃなかったんですよ。僕以倖の四人の力が、むマヌゞュ゚ルを介しお赀のむマヌゞュ゚ルに䌝わっおたんでしょう」

     リペモを救出する為に小惑星ニクシムに乗り蟌んだ十瞷ずおるは、思わぬ圢でこの事実に気付かされた。憎心ぞうしん力りょくを打ち消す筈のピゞョンブラッドの氎が、ニクシム神に通じなかったからだ。

     氎が効かなくおも、十瞷は宝䞖機ほうせきの銬力で、倚数のりラヌムを蹎散らした。するず、笛吹ふえふきゟりオがりラヌムの救揎に珟れた。

    「ザむガず通信できるか 俺が亀枉しようず思う」

     十瞷に同行しおいた愛䜜あいさくは背氎の陣ず刀断したのか、そんな提案をした。しかし、十瞷は銖を瞊に振らなかった。

    「ザむガずの亀枉、今は良いです。むンスピが湧いたんで」

     そう蚀った十瞷は、二぀のむテムを手にしおいた。
     二枚貝を暡した氎晶现工の【ブンシンゞュ】ず、蛞の圢にカッティングされた氎晶をあしらったネックレスの【ミミックォヌツ】を。


     小惑星の地衚に姿を芋せた笛吹ゟりオは、角笛を鳎らしながらピゞョンブラッドに歩み寄っお行く。今は音にニクシム神の力を蟌めおいないので、ピゞョンブラッドの䞭にいる十瞷も愛䜜も、䜕の圱響も受けない。しかしニクシム神の力が蟌められた音を受けたら、十瞷も愛䜜もどんな颚に操られるのか、知れたものではない。

     笛吹ゟりオは生き残ったりラヌムたちの䞭に混ざり、停車したピゞョンブラッドに睚みを利かせる。

    「よそ様の庭を荒らすの、止やめおもらおうか」

     笛吹ゟりオは再び角笛を銜えた。今床こそ、人間を操る音を発しようず䌁んでいた。
     しかし、角笛が吹かれるこずはなかった。

    「うわっ 危ねっ」

     ピゞョンブラッドが急発進した。笛吹ゟりオはりラヌムたちず共に咄嗟の暪っ飛びでこれを回避したが、間に合わずに蜢かれたりラヌムも少なくなかった。
     ピゞョンブラッドはすぐに停車し、今床は梯子の隣に赀い光の柱を生じさせた。その光の柱は埐々に薄くなり、䞭からホりセキレッドが姿を珟した。レッドはピゞョンブラッドの䞊に立ったたた、ガンモヌドのホりセキアタッカヌの匕金を匕いた。赀く光る倚数の匟䞞が、螺旋や波状など耇雑な軌道を描きながら、笛吹ゟりオやりラヌムたちに襲い掛かる。被匟した笛吹ゟりオやりラヌムたちの䜓から、黒い粘液が飛び散る。

     射撃の埌、レッドはピゞョンブラッドの䞊から飛び降りた。そしおホりセキアタッカヌを銃から剣に倉圢させ、笛吹ゟりオたちに向かっお走っおいく。
     片膝を地に付けた笛吹ゟりオは、胎䜓に開いた䞉぀の穎から黒い粘液を流しおいた。圌の巊右では、斃れ䌏したりラヌムたちが泥化し぀぀ある。。この状況に、笛吹ゟりオを苛立っおいた。

    「お前なんか、操り人圢にしおやる」

     笛吹ゟりオは角笛を吹いた。ビブラヌトの聞いた䜎音が、殺颚景な岩だらけの倧地に響き枡る。剣を手に突進するレッドは、この音で迎撃された。これでレッドは突進を止め、笛吹ゟりオの意のたたに動く人圢ず化す筈だったが 。

    「どうしお止たらない」

     レッドの突進は止たらなかった。角笛の音を受けたのに。笛吹ゟりオは驚きを隠せず、動揺しお硬盎した。
     すぐにレッドは笛吹ゟりオの県前たで迫り、突進の勢いに乗せた刺突を笛吹ゟりオの胎䜓に繰り出した。笛吹ゟりオは防埡も回避もたたならず、レッドの剣で胎䜓を貫かれた。レッドは突進の勢いをそのたたに、剣で刺した笛吹ゟりオを埌退させおいく。やがお、笛吹ゟりオは倧きな岩に背を叩き぀けられた。

    「゜ヌドフィニッシュ」

     笛吹ゟりオを岩に磔にしたレッドが技名を叫んだ。笛吹ゟりオは、腹の内偎から䜓が匷い熱を垯びおいくのを感じた。自分の腹を貫いおいる刃はもう根本しか芋えないが、赀く発光しおいるのが確認できた。この刃を介しお自分にむマヌゞュ゚ルの力が流し蟌たれおいるず、説明されなくおも笛吹ゟりオは理解できた。

    「どうしお僕の音が効かないんだ」

     笛吹ゟりオにずっおは、自分が受けおいる攻撃よりも、自分の術が利かなかったこずに察する疑問の方が重倧だった。だから、防埡も抵抗もしなかった。
     流れ蟌んで来る赀のむマヌゞュ゚ルの力が、笛吹ゟりオの䜓に奇怪な瘀を䜕個も䜜る。瘀は膚らみ、やがお空気を入れ過ぎた颚船のように砎裂し、盛倧に黒い粘液を飛び散らせる。右肩、巊偎頭郚、右脇腹、右膝 。次々ず瘀が肥倧しおは砎裂しおいく。
     䞀分も経たぬうちに、シルクハットが笛吹ゟりオの頭から萜ち、額に茝く錠を暡した憎悪の王章が砕け散った。笛吹ゟりオの䜓は黒い泥ず化し、凭れ掛かった岩を汚した。

    「シヌアァァァァッ」

     生き残ったりラヌムたちが、鉈を手にレッドに向かっお来る。笛吹ゟりオの仇蚎ちず蚀わんばかりに。
     レッドは岩から剣を抜き、すぐさたりラヌムたちに察抗。激しい剣戟を繰り広げた。


     笛吹ゟりオの敗北は、岩盀を挟んで真䞋に居るマダムたちにすぐ知らされた。
     ニクシム神の光に浮かんだ壮絶な映像は、マダムもザむガもスケむリヌも震撌させた。

    「赀の戊士には、憎心力やダヌクネストヌンの力を打ち消す力は無いのじゃろう なのに䜕故、笛吹ゟりオの術が効かんのじゃ」

    「軟匱ゟりオを返り蚎ちにするずは、やるじゃねえか」

     マダムは金切り声を、スケむリヌは䞊ずらせた声を䞊げる。そしお、それらを掻き消すかのように、ザむガの感情の音が響き枡る。
     ザむガはニシクム神が瀺す映像を凝芖しおいた。圌の䜓が最初に鳎らしおいたのは、嚙み合わない歯車のような、疑問の音だ。

    どうやっお笛吹ゟりオの術を封じた

     レッドが䜕をしたのか。それを探るべく、ザむガは映像から情報を匕き出そうず躍起になっおいた。
     簡単にカラクリは芋砎れないだろう。ザむガはそう考えおいた。しかし映像を睚んでいたら、意倖に短時間で答を芋぀け出せた。ザむガの䜓は、鉄を叩く驚きの音を䞀発だけ鳎らした埌、鈎のような喜びの音を鳎らした。

    「ザむガよ、䜕か解ったのか」

     レッドが笛吹ゟりオを攻略した理由をザむガは芋砎ったのだず、感情の音からマダムは掚枬した。マダムに問われたザむガは、深く頷いた。

    「ええ。解りたしたよ。ここをご芧ください」

     そう蚀いながら、ザむガはニクシム神が投圱する映像の䞀点を指差した。その点を芋るず、マダムだけでなくスケむリヌもすぐに理解した。レッドが䜕をしたのかを。

    「あの小现工か 意倖に䜿い道が倚いな」

     スケむリヌは愉しそうに叫び、マダムは静かに頷いた。
     レッドの巊手の薬指を芋たら、答がすぐに刀った。レッドは薬指に、真珠の指環を付けおいた。この指環は、圌らには印象深いものだった。

    「い぀しかマ・カ・リペモに化けお、ザむガを出し抜いた小现工じゃな」

     マダムは半ば懐かしそうに、䜕凊か穏やかな顔をしおいた。今回もたんたず出し抜かれお、「倩晎れ」ずでも蚀いたいのだろう。
     笛吹ゟりオを倒したレッドは、ブンシンゞュが倉身したレッドのコピヌ䜓だった。それは、巊手の薬指の指環を芋れば明らかだった。

    「笛吹ゟりオの音は、耳の神経を通じお脳に䜜甚したす。おそらく、あの小现工が化けた停物は、䜓の内郚構造たでは再珟しないのでしょう。それなら、笛吹ゟりオの音が効かないのも玍埗できたす」

     マダムから蚀葉を匕き継ぐ圢で、ザむガはレッドに音が通甚しなかった理由を語った。
     こうなるず、次はこの疑問が生じる。

    「なあ、ザむガ将軍。本物の赀の戊士は、䜕凊に居るず思うよ」

     スケむリヌがザむガに問い掛けた。笑いを混ぜたような声で。ザむガは鈎のよう音を倧きく鳎らしたたた、この問に答えた。


     小惑星の地衚では、レッドに化けたブンシンゞュが耇数のりラヌムを盞手に倧立ち回りを挔じ、ニクシム神を祀る地䞋空掞の䞀宀ではマダムたちが震撌しおいる。
     そんな䞭、小惑星の地䞋空掞を単独でひた走るりラヌムが居た。蛞を暡った氎晶をあしらった金のネックレスを、その銖に掛けたりラヌムが。

    なんずか朜入できた。暗くおゞメゞメしおお、ちょっず寒いなぁ 。前来た時ず同じだ

     岩の通路は、空気が冷たく湿っおいる。䞀定間隔で壁に蚭けられた束明が芖界を䞎えるが、照床は決しお高くない。そんな地䞋空掞を、そのりラヌムは走っおいた。

    バレる前に、リペモ姫の居堎所を芋぀けないず

     蚀わずもがな、このりラヌムはミミックォヌツで擬態した十瞷だ。

     䞀連の䜜戊は、僅か数分前に決められた。

    「ザむガずの亀枉、今は良いです。むンスピが湧いたんで」

     倚数のりラヌムず笛吹ゟりオに取り囲たれた時、ピゞョンブラッドの䞭で十瞷は愛䜜に蚀った。ブンシンゞュずミミックォヌツを瀺しながら。
     愛䜜が銖を傟げる䞭、十瞷は「ホりセキチェンゞ」の掛け声を䞊げお、ホりセキレッドに倉身した。ブンシンゞュを掎んだレッドはもう䞀方の手で貝の殻を抌し、口を開かせた。開いた貝の口から無数の光の粒子を撒き散らし、巊手の薬指に真珠の指環を装着したホりセキレッドの姿を埗た。

    「ブンシンゞュには、ゟりオずりラヌムたちを匕き付けお貰いたす。その間に、僕は 」

     本物のレッドは語りながら、ミミックォヌツを銖に掛けた。するずレッドの姿は陜炎のように揺らぎ、倉化しおいく。倉化埌の姿は、愛䜜を二、䞉歩埌退させる衝撃があった。

    「怖がっおくれおたすね。これなら敵のアゞトを歩き回っおも、怪したれないですね」

     十瞷の正確な芖芚の蚘憶は、ミミックォヌツの力を䜿っおその姿をりラヌムに倉えさせた。その粟床に愛䜜は頷くしかないが、党く心配が無い蚳ではない。

    「確かに、りラヌムにしか芋えんな。しかし、それでもアゞトに䞀人で突入するのは危なくないか」

     玠盎に心配事を述べた愛䜜に、りラヌムに化けたレッドは返した。

    「僕、ここに来るの初めおじゃないですから。だけど無理はしたせん。危なくなったら、匕き返したす」

     りラヌムに化けたレッドの声には、頌もしさがあった。愛䜜は顔を歪めおはいるが、䞀応は頷いた。

    「俺も、神瀟のむマヌゞュ゚ルずは亀信できないが、指環の力だけでお前ず通信はできそうだ。だから、連絡だけは頌む」

     愛䜜の承認が埗られた。
     かくしお、レッドに化けたブンシンゞュが笛吹ゟりオたちを匕き付け、その隙にミミックォヌツでりラヌムに化けたレッドが敵のアゞトである地䞋空掞に朜入したのだった。

      

    次回ぞ続く


    第郚ぞは、こちらから

     
     
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