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瀟員戊隊ホりセキ V 第郚第92話決定的な䞀手

    前回


     小惑星ニクシムに突入したグリヌンは、地䞋空掞の䞀角で拐われたず出䌚うこずができた。監芖圹なのかゲゞョヌも居た。そしお、マダム・モンスタヌも居た。

     グリヌンはマダムの攻撃を受け、光里ひかりの姿に戻され、その堎に倒れ䌏した。
     しかし次の瞬間、目を芋匵るような事態が起きた。

    「え 䜕が起きた」

     リペモが急に倒れお、䞡手を地に付いた。リペモはそれたで、マダムの術で創られた䞍可芖の壁に䜓を抌し付けおいたのだが、その壁が急に消倱したようだった。
     異倉は、マダムたちにも起こっおいた。

    「ニクシム神の力が感じられん」

     マダムが声を䞊げお狌狜し始めた。ゲゞョヌも同じ状態になったらしく、明確に驚いおいた。

     䞀䜓、䜕が起きたのか その答は、皋なくしお刀った。

    『グリヌン、聞こえるか たった今、レッドがピゞョンブラッドの氎をニクシム神に掛けた。ニクシム神の力が匱たった筈だ。近くに姫が居るなら、すぐに連れお逃げお欲しい』

     グリヌンのブレスが䌝えたのは、愛䜜あいさくの声。その知らせを聞いた光里は、数分前に愛䜜が蚀ったこずを思い出した。

    『瀟員戊隊が五人ずも揃った今なら、ピゞョンブラッドの氎の力が䜿える筈だ。ニクシム神を匱らせお、敵の力を削ぐんだ』

      

     愛䜜が提瀺した䜜戊ず、県前で起こっおいる珟象が、光里の䞭で繋がった。
     十瞷ずおるは無事にピゞョンブラッドの元に戻り、攟氎を敢行した。ピゞョンブラッドの氎を受けたニクシム神は、力が匱たった。だから、リペモを閉じ蟌めおいた芋えない壁が消え、マダムやゲゞョヌが「ニクシム神の力を感じない」ず狌狜え始めたのだろう。

     同じ堎に居るマダムも、愛䜜の通信ず光里の返答を聞き、事態を理解したようだ。

    「赀の戊士によっお、ニクシム神の力が抑えられたのか 其方らに䞀本取られたのぉ」

     そう蚀ったマダムの衚情に、悔しさは芋受けられなかった。リペモの隣のゲゞョヌも同様だ。
     他方では、ゆっくり立ち䞊がろうずする光里にリペモが寄り添い、手を貞しながら光里が立぀のを手䌝っおいた。


     同じ頃、小惑星の衚面では宝䞖機どうしの激闘が繰り広げられおいた。

    「ニクシム神の力を匱めただけで、勝ったず思うな。私には黒のむマヌゞュ゚ルもある。憎心ぞうしん力りょくだけでなく、想造そうぞう力りょくもある」

     オブシディアン・チャリオッツの䞭で、ブラックが湯の沞くような音を鳎らす。そのブラックの意思を受け、チャリオッツは二぀の倧砲から、青癜い炎を勢いよく噎射した。その炎はピゞョンブラッド、アルビレオ、ハむドログロッシュラヌを順に襲う。

    「なんか、䜙蚈に怒らせたかもしれたせんけど 。ニクシム神の力が匱たったんだから、僕たちが有利ですよね」

     ピゞョンブラッドの䞭、操瞊台の前に立぀レッドが呟く。操瞊台の隣に居る愛䜜は、この珟状に苊笑しおいた。

    「ザむガが粘らずに、姫を解攟しおくれたら良いが 」

     チャリオッツの猛攻が止たらないからか、それ以倖に䞍安芁玠があるからか、愛䜜は事態を楜芳芖はしおいなさそうだ。

     戊況が激倉したのは、本圓に぀い先刻のこずだった。

     マれンタず連れられ、レッドはハむドログロッシュラヌに乗り蟌んだ。
     地殻に刺さっおいたハむドログロッシュラヌは、搭乗したマれンタの意思を受けお起動を再開。機䜓䞊郚のプロペラを回転させ、バックの芁領で機皮を地殻から抜いた。ピンク色の宝石で囲たれたコクピットの壁から、地衚の景色が透けお芋えるようになった。地面は岩しかなく、空は黒いだけの殺颚景な景色が。

    「それでは、瀟長たちの所ぞ急ぎたすわよ」

     マれンタが叫ぶず、ハむドログロッシュラヌは䜓勢を地面ず平行に盎した。そしお、真っ盎ぐに空を翔ける。コクピットの䞭から芋える景色は、流れる筋の集合䜓のようになった。

    「この合䜓宝䞖機、凄いですね。この速さなら、すぐ着きそうですね」

     景色の芋え方から、レッドはハむドログロッシュラヌの速さを実感した。マれンタはこれに頷く。

    「スピヌドはハバタキングより䞊です。ヒスむず合䜓した恩恵ですわね。ですけどハバタキングみたいに、トリッキヌな動きはできなさそうですわ」

     マれンタが語っおいるうちに、前方の景色に重芁なものが芋え始めた。
     黒耀石のような戊車【オブシディアン・チャリオッツ】が地を走り回り、二本の倧砲から忙しなく青黒い光匟を打ち続けおいる。光匟が飛んでいく先では、青玉サファむアず黄玉トパヌズが合䜓したような青ず黄の倧型車茛【アルビレオ】が、走りながら砲撃を避けおいる。その埌ろでは、玅玉ルビヌのような赀い梯子車【ピゞョンブラッド】が、䜕もせずに停車しおいる。
     曎にその埌方では、岩の倧地の䞀点から鉄玺色の光が、粘り気の匱いマグマのように忙しなく噎き出し続けおいた。

    「着きたしたね。地䞋のニクシム神を守りたくお、ザむガは必死ですね」

     戊況を芋お、レッドが呟く。その間にハむドログロッシュラヌは戊堎に近づく。だからか、マれンタはすぐに蚀った。

    「ピゞョンブラッドの真䞊たで行きたすから、すぐに乗り移っおください」

     マれンタの説明は䞍充分だったが、レッドには意思がしっかりず䌝わっおいた。

    「了解です」

     レッドが返答した時、ハむドログロッシュラヌはチャリオッツの䞊を通過しようずしおいた。それたでチャリオッツはアルビレオに的を絞っおいたが、ハむドログロッシュラヌが頭䞊を通過するず砲台を癟八十床旋回させ、すかさず発砲した。巊右から光匟が二぀ず぀発射された。
     䞀瞬でチャリオッツの埌ろに移動したハむドログロッシュラヌは、埌方から撃たれる圢になった。蚈四発の光匟のうち、䞉発はハむドログロッシュラヌの残像をすり抜けるだけに終わったが、䞀発だけ機䜓埌郚を掠めた。これでハむドログロッシュラヌの機䜓は激震し、航路がブレおコクピット内も激しく揺れた。

    「レッド 萜ちる前に移動しお」

     操䜜台の半球に手を乗せるマれンタは、墜萜しないように機䜓を制埡するので粟䞀杯のようだった。レッドはハむドログロッシュラヌに残るマれンタの身を案じたが、自分に課せられた任務を優先するべきず、頭で理解しおいた。

    「了解です 皆さんの頑匵り、無駄にしたせんから」

     応答した盎埌、レッドの䜓は赀い光に包たれお始めた。レッドの芖界は、空から地を芋䞋ろすものから、地から空を芋䞊げるものぞず少しず぀倉わっおいく。


     数秒埌、レッドはピゞョンブラッドのコクピットに移動しおいた。車内に残っおいた愛䜜は、突然生じた赀い光の䞭からレッドが珟れる光景に、目を䞞くしおいた。

    「瀟長、戻りたした」

     レッドが嚁勢良く挚拶するず、愛䜜は衚情を平垞に戻した。

    「早かったな。今なら効く筈だから、ニクシム神に攟氎しおやれ」

     愛䜜の思考は倉わっおいなかった。それはレッドも同じだ。
     圌らの意思を反映するように、ピゞョンブラッドは梯子を長く䌞ばし、その先端を地衚の䞀点に向ける。鉄玺色の光が湧き出す、真䞋にニクシム神が構えおいる地点に。

    「お前たちの奜き勝手にはさせん」

     ブラックは瀟員戊隊の䜜戊が読めおいるらしく、チャリオッツの倧砲がすぐにピゞョンブラッドの方を向いた。しかし、砲撃はできなかった。

    「こっちこそ、お前の思い通りにはさせん」

     ブルヌずむ゚ロヌの意思を受けおアルビレオが、チャリオッツに突撃した。倧きな車䜓をぶ぀けられ、チャリオッツの砲門がピゞョンブラッドから逞れる。続けお、アルビレオは黄のショベルアヌムを䌞ばし、蟹の鋏のようなグラップルでチャリオッツの倧砲を掎んだ。
     チャリオッツはアルビレオを振り切る為に、バックず前進を忙しなく亀互に繰り返したが、アルビレオは噛み぀いたスッポンも同然にグラップルを倧砲から攟さなかった。

    「攟氎だ、ピゞョンブラッド」

     レッドは叫んだ。するずピゞョンブラッドの梯子は、先端のマズルから氎を噎出させた。地球ずは違い、氎は黒い空を背景に攟たれたが、それでも氎飛沫が䞃色の虹を創るので䞍思議だった。
     虹を䌎うピゞョンブラッドの氎は、雚のように降り泚いだ。ニクシム神の光を湧き出させる、地衚の䞀点ぞず。

    「したった 。ニクシム神が 」

     チャリオッツの䞭で、ブラックが鉄を叩くような音を鳎らす。そんな圌の芖線の先では、地衚から湧き出るニクシム神の光がピゞョンブラッドの氎が創る虹に掻き消されおいき、やがお党く生じなくなった。

      

     この盎埌に、リペモを閉じ蟌めおいた䞍可芖の壁が消え、光里を瞛っおいた鎖が解けたのは蚀うたでもない。
     ピゞョンブラッドの氎によっお、ニクシム神の力は匱められたのであった。


    次回ぞ続く


    第郚ぞは、こちらから

     
     
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