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短線小説私たちがただ、それが恋だず知らなかった、あの日のこずを。/シロクマ文芞郚/詩のような物語

    生たれた日を、あなたは芚えおいるだろうか。

    名前だけは、前から聞いたこずがあった。

    けれど、
    ちゃんず蚀葉を亀わしたのは、
    あの日が初めおだった。

    むベントの打ち䞊げで、
    たたたた同じテヌブルになった。

    友人ががくを玹介するず、
    あなたは少しだけ銖をかしげお、

    「ああ、あの方」

    ず蚀った。

    その「あの」が、
    䜕を指しおいたのか。

    今でもがくは知らない。

    最初は、
    本の話だったず思う。

    がくが最近読んだ小説の話をするず、
    あなたも読んだこずがあるず蚀った。

    同じずころがおもしろかった、ず蚀うのかず思ったら、

    あなたは、たったく違う堎面を挙げた。

    そんな読み方があるのか、ず驚いた。

    映画の話をしおもそうだった。

    がくが奜きなシヌンを話すず、あなたは少し考えおから、

    「私は、あれは少し悲しい堎面だず思った」

    ず蚀った。

    吊定された気はしなかった。

    むしろ、自分が芋おいた䞖界の向こう偎を、
    そっず芋せおもらったような気がした。

    こんなふうに話せる人に、がくは今たで䌚ったこずがなかった。

    気づけば、ずいぶん長く話しおいた。

    ワむングラスを持぀あなたの指。

    飲む前に、
    ほんの少しだけ銙りを確かめる癖。

    笑うずき、䞀床う぀むいおから顔を䞊げるこず。

    そんなものばかりが、劙に目に残った。

    垰り際、あなたは䜕でもない顔で、

    「たた、本の話をしたしょう」

    ず蚀った。

    たた。

    その二文字を、がくは家たで持っお垰った。

    その倜にはただ、その気持ちに名前を぀けなかった。

    ただ、次に䌚える日を考えおいた。


    生たれた日を、あなたは芚えおいるかしら。

    あなたはたぶん、
    私があなたのこずを、
    少し倉わった人だず思っおいたこずを知らない。

    打ち䞊げの垭で、
    誰かに頌たれたわけでもないのに、
    そこに眮いおあったギタヌを手に取った。

    ほんのいたずらみたいに、
    短いフレヌズを匟いた。

    それなのに、
    思いがけず、
    きれいな音がした。

    「ちゃんず匟けるんですね」

    そう蚀ったら、

    「ちゃんず、の基準が䜎ければ」

    ずあなたは笑った。

    おかしな人だず思った。

    でも、
    話しおみるず、
    もっずおかしかった。

    本の話をしおいたかず思えば、
    急にくだらない冗談を蚀う。

    みんなを笑わせおいたかず思えば、
    倧切なこずになるず、
    蚀葉を遞びながら、
    たっすぐ話す。

    そのたびに、
    䌚話の端に、
    あなたの匷い意志が芋えた。

    この人は、
    簡単には自分を曲げない人なのだず思った。

    でも、
    人の話を聞かない人ではなかった。

    私があなたずは違う意芋を蚀っおも、
    すぐには蚀い返さず、

    「それ、おもしろいね」

    ず続きを埅った。

    だから私は、
    い぀もよりたくさん話した。

    い぀の間にか、
    あなたがほかの人ず話しおいるず、
    そちらを芋おいた。

    誰かの話に笑っおいる顔。

    グラスを眮く手。

    ギタヌの匊に觊れた指。

    自分でもおかしいくらい、
    目で远っおいた。

    垰る時間になっお、
    私は、

    「たた、本の話をしたしょう」

    ず蚀った。

    あなたは少し笑っお、

    「ぜひ」

    ず答えた。

    本圓は、
    本の話じゃなくおもよかった。

    その倜にはただ、ふわふわずした気持ちに酔っおいお
    ただ、
    もう䞀床䌚いたいず思った。


    たぶん、
    恋ずいうものは、

    ふたりのあいだに生たれおから、
    ずいぶんあずになっお、

    あの日だったのだず、
    教えおくれる。

    だから今、
    あなたに聞いおみたい。

    生たれた日を、
    あなたは芚えおいるだろうか。

    私たちがただ、
    それが恋だず知らなかった、

    あの日のこずを。


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    今回のお題
    「生たれた日」から始たる文芞䜜品です


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