
授業実践第7回|キャベツおじさんは悪くない。需要と供給の授業で考えたこと 公民・経済⑦|需要・供給と価格
価格の授業で、キャベツ農家の話を使いました。
キャベツがたくさんできすぎる。市場に出回る量が増える。値段が下がる。農家の人は困る。
生徒にとっては、わりと入りやすい話だったと思います。
「せっかく作ったのに安くしか売れないのはきつい」 「でも、買う側からすれば安い方がいい」 「作る側と買う側では、価格の見え方が違う」
このあたりは、かなり自然に伝わっていました。教室の反応も悪くありません。
ただ、授業を終えてから、少し引っかかりが残りました。キャベツ農家の話は、生徒に届いていた。
でも、そのあとに扱った需要曲線・供給曲線の説明とは、思ったほどきれいにつながらなかったのです。
キャベツの話はわかる。農家が困るのもわかる。
でも、そこから急にグラフの線に移ると、少し距離がある。
その距離を、今回の授業ではうまく埋めきれなかった気がしました。
結局、需要曲線と供給曲線の説明は、黒板を使ってやりました。
コンビニのパンを例に、価格が上がれば買う人が減ること、価格が上がれば売り手は増えること。スライドより黒板の方が合っていました。
完成したグラフを見せるより、一本ずつ線を引いた方が、生徒の表情を見ながら進められます。
それでも理解には差がありました。納得している生徒もいれば、まだ少し置いていかれている生徒もいる。
〇授業プリント
ChatGPTとClaudeに過去の自作教材をかけて、実業高校用に整理しました
〇スライド授業プリントをClaudeにかける→スライド原本→notebookLMで整形という段取りで作っています。必要なところだけ使ってください
〇教師用原稿
詰まったときの保険です。授業プリントとスライドをClaudeもしくはChatGPTにかけて、作成しています。しっくりこないところは自分で書いています。
しっくりこないときはダウンロードしたものをAIにかけて、再構成して使っていただければ、と思います。
需要と供給は、やはり一段階むずかしい内容です。
今回感じたのは、キャベツ農家の話が悪かったわけではない、ということです。
むしろ、題材としてはよかった。生徒も反応していました。ただ、使う場所が少し違ったのだと思います。
キャベツの話は、需要曲線・供給曲線の「基本の形」を説明する教材というより、需要や供給が変化したとき、価格がどう動くのかを考える教材でした。
豊作になる、供給が増える、売れ残りが出る、価格が下がる、農家が困る。
この流れなら、「需要・供給の変化」や「均衡価格の変化」とつなげやすい。
つまり、キャベツおじさんは悪くない。出番が少し早かったのです。
市場経済の授業は、全部で三回分あります。一度に扱おうとすると、生徒の中で整理されにくくなる。
今回やってみて、構成を少し見直した方がいいと感じました。
一回目は、価格とは何か。売る側と買う側の事情がぶつかる場所だと考える。
二回目は、需要・供給曲線の基本。価格が上がると買う人は減る、価格が上がると売りたい人は増える。ここだけにしぼって、黒板でゆっくり扱う。
三回目は、需要や供給が変化したとき、価格がどう動くのか。ここでキャベツ農家の話を使う。
この順番の方が、生徒には入りやすかったかもしれません。
授業をしていると、教材を「使える」「使えない」で考えがちです。
でも実際にはそう単純ではありません。いい教材でも、出すタイミングが少し違うだけで、うまくつながらないことがある。
需要と供給は、経済分野の中でも避けて通れない内容です。
でも、生徒にとっては、急に数学っぽく見えるところでもあります。
だからこそ、最初からきれいなグラフに飛ばない。まずは買う側の気持ち、次に売る側の気持ちを黒板で線にしていく。
そのあとで、現実の価格変動として、キャベツの話に戻る。
その順番の方がよかった。
キャベツおじさんは、生徒に届いた。
ただ、需要・供給曲線の原則には、少し遠かった。
そのことに気づけたのが、今回の一番の収穫でした。
次回は、需要・供給曲線のシフトと価格変化についてです。