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NotebookLMとClaudeで定期テストを作ってみて、最後に残ったこと

    これまで、NotebookLMとClaudeを使って、定期テストを作る過程を記事にしてきました。

    授業資料を読み込ませ、問題を作り、解答用紙や模範解答、配点案まで整える。実際の画面も載せながら、それぞれでどこまでできるのかを試してきました。

    どちらも、定期テスト作成を助けてくれる道具として十分使えると思います。

    ただ、両方を使ってみて感じたのは、定期テスト作成がどこまで楽になるかは、AIの性能だけでは決まらない、ということでした。

    授業の内容や教科の性質、学校や生徒の実態によって、AIに任せやすい部分はかなり変わるように思います。


    そもそも、教科書通りに授業をしていない

    私が勤務しているのは実業高校です。

    学力面では厳しさのある生徒も少なくありませんが、授業中は比較的落ち着いています。だからこそ、教科書の内容を広く浅く扱うより、覚えることを絞り、同じ内容を形を変えながら繰り返す授業をしています。

    一時間の授業で扱う用語は、できるだけ少なくしています。

    社会科の教科書には、多くの人物名、制度、出来事、考え方が載っています。もちろん、どれも学ぶ意味のある内容です。ただ、それをそのまま並べても、私の勤務校では定着しにくい。

    そこで、授業では「今回はここまで」と範囲を絞り、身近な事例や短い問いに置き換えています。

    そのため、定期テストも、教科書だけをもとに作ることはできません。

    教科書に載っている内容であっても、授業で扱っていなければ、生徒にとっては突然出てきた問題になります。少なくとも私の授業では、授業で学んだことを使えば答えられるテストにしたいと考えています。


    知識を絞ると、今度は問題数が足りなくなる

    授業に忠実な問題を作ろうとすると、別の難しさが出てきます。

    扱う知識を絞っているため、そのままでは問題数が足りません。

    同じ用語を、穴埋め、選択、○×と何度も聞けば、問題数だけは増やせます。ただ、それでは少し単調になります。

    そこで欲しくなるのが、授業で扱った知識を、別の場面に当てはめて考える問題です。

    たとえば「資本」という言葉を覚えているかだけでなく、自動車整備工場の工具やコンビニのレジが資本に当たるかを選ばせる。新しい知識を問うのではなく、知っていることを別の事例に使ってもらいます。

    ほかにも、出来事の順番を並べ替える問題、理由を一言で書く問題、指定された言葉を使って短く説明する問題などがあります。

    定期テストでは、知識だけでなく、思考・判断・表現を見る問題も必要になります。

    ただし、長い論述を増やせばよいわけでもありません。生徒の負担が大きくなり、採点する側も重くなります。

    限られた知識の範囲で、無理なく考えられる問題を作る。この調整が、私にとっては一番難しいところでした。

    私が実際に行った流れ

    最終的に、定期テスト作成は次のような流れに落ち着きました。

    まず、授業で使ったプリントや資料をNotebookLMに入れ、そこから問題を作らせます。NotebookLMは、読み込ませた資料の言葉や授業中の事例をよく拾ってくれました。

    ただし、出てきた問題をそのまま使うわけではありません。授業で扱っていない内容が混ざっていないか、難しすぎないか、同じ内容を何度も聞いていないか。このあたりを見ながら、自分で手直しし、使う問題を選びました。

    解答用紙、模範解答、配点案は、主にClaudeに作ってもらいました。解答用紙は、以前自分で作ったものをサンプルとして渡すと、使ってきた形式に近づきやすくなります。

    最後に、別のAIにも読ませて、問題番号のずれや配点の合計、解答用紙との不一致をチェックさせます。

    AIに任せて終わりではなく、人間とAIで何度か行き来しながら仕上げる形です。

    NotebookLMとClaudeは、得意な仕事が少し違った

    今回使ってみた範囲では、NotebookLMとClaudeには、少し役割の違いがありました。|

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    かなり乱暴に言えば、NotebookLMは授業資料から問題の材料を拾うのが得意で、Claudeはそれを定期テストらしい形に整えるのが得意でした。

    もちろん、どちらか一方だけでも一通り作ることはできます。ただ、私の場合は、作業ごとに使い分けた方が進めやすく感じました。


    同じ資料を渡すと、出てくる問題はこう違った

    役割の違いは表のとおりですが、抽象的な話だけでは伝わりにくいかもしれません。

    実際に、同じ資料から何が出てきたかを並べてみます。

    同じ授業プリントを両方に渡し、同じ単元で問題を作らせたものです。

    読みどころは一つだけ。

    授業で使った言葉が残っているか。
    授業で触れていない内容が混ざっていないか。

    ここに注目して、二つを見比べてみてください。

    NotebookLMが作った問題



    プリントで使った言い回しが、そのまま問題文に残っています。
      ただ、授業では触れていない内容も少し混ざっていました。

    Claudeが作った問題


    形は定期テストらしく整っています。ただ言い回しは教科書寄りで、授業の事例感は薄めです。

    どちらが上というより、出てくるものの「クセ」が違う、という感じでした。

    NotebookLMは授業の言葉を拾うが、余計なものも拾う。
    Claudeは形を整えるが、授業の手触りは薄まる。

    このクセを知っておくと、どちらにどの作業を渡すか、決めやすくなります。


    教科や科目によって、AIで楽になる度合いは違う

    今回試していて、もう一つ感じたことがあります。

    AIで定期テスト作成がどれだけ楽になるかは、教科名そのものより、学習内容や問題形式がどれだけ標準化されているかに左右されるのではないか、ということです。

    たとえば、教科書や問題集と授業内容の対応が明確で、問題の形式もある程度決まっている科目では、AIに任せやすいと思います。教科書や問題集を読み込ませ、生徒のレベル、問題数、問題形式を指定すれば、かなり完成形に近いものが出てくる可能性があります。

    私は社会科の人間なので、ほかの教科については外から見ているだけですが、英語や数学、資格試験に関わる科目などは、問題の型や到達点がはっきりしている部分もあるのかもしれません。

    ただ、型がはっきりしていることと、授業や指導そのものが簡単であることは、別の話だと思います。標準化されている科目にも、その教科ならではの難しさはありますし、AIをどこまで使えるかは、結局その教科を担当する先生の判断によると思います。

    また、中学校社会科についても、高校受験という共通の到達点がある分、教科書の内容と授業の対応が見えやすい面はあるのかもしれません。これも外からの想像で、中学校には中学校の難しさがあるはずです。

    一方、私が担当している高校社会科では、学校や生徒の実態に合わせて、授業内容をかなり組み替えることがあります。

    何を残し、何を削るか。どの事例を使うか。どこまで考えさせるか。何をテストに出さないか。

    この部分を担当者が決めている場合、AIに教科書を読ませて問題を作らせるだけでは、授業に合ったテストにはなりません。

    私の場合は、実業高校で、教科書通りではなく、知識量をかなり絞った高校社会科の授業をしています。そのため、AIに問題を作らせる前にも、作らせた後にも、人間の判断が多く残りました。


    AIは作業を減らす。判断は教師に残る

    今回の試行で、AIに一度頼めば定期テストが完成する、というところまではいきませんでした。

    問題の取捨選択も必要ですし、生徒の実態に合っているかを見るのは、やはり授業をしている教師です。

    それでも、一からすべて自分で作るよりは、かなり楽になりました。

    問題のたたき台を考える。選択肢を複数作る。解答用紙の枠を整える。模範解答を書く。配点案を作る。誤植や番号のずれを探す。こうした下ごしらえと仕上げをAIに分けて渡せるだけでも、定期テスト作成の重さはかなり変わります。

    ただ、教師が判断する前の材料を作り、判断した後の形を整えてくれる。

    そのくらいの距離感で、今のところはうまく使えている気がしています。

    来年また同じ単元が来たとき、今回作ったものをどう活かすか。その辺はまだ決めていません。

    ひとまず、ゼロから作るよりはずっと軽くなった。それだけは確かです。

    おまけ:私が使っている作問プロンプト

    最後に、私が実際に使っているプロンプトの型を置いておきます。

    ただ、先にお断りを。

    これは、知識を絞り、授業資料の範囲だけで問題を作る、という私の授業前提に合わせて作ったものです。広く深く扱う授業や、教科書に忠実な授業には、たぶんそのままでは合いません。

    なので、これは完成品ではなく、叩き台として見てください。条件のところを、ご自分の授業に合わせて書き換えて使うのが前提です。

    そのまま使うのではなく、自分の授業に寄せて直す。このひと手間が、結局いちばん大事なところだと思います。


    ```
    あなたは高校社会科(公民)の定期テストを作る補助をしています。
    以下の【授業資料】の範囲だけを使って、テスト問題を作ってください。

    最重要の条件

    • 授業資料に書かれていない知識は、絶対に新しく持ち込まないこと。

    • 教科書一般の説明ではなく、授業資料で実際に使われている言葉・事例に寄せること。

    • 問う知識の数は増やさず、「同じ知識を別の角度から問う」方向で問題数を確保すること。

    作ってほしい問題の構成

    (1) リード文+空欄補充(教科書の本文風)

    • 授業資料の内容を、教科書本文のような短い説明文にまとめる。

    • そのなかの重要語を3〜5か所、空欄( ① )にする。

    • 空欄に入る語は、すべて授業資料に出てくる言葉にする。

    (2) 思考・判断を問う選択問題(3問)

    • 新しい知識ではなく、(1)で問うた知識を「別の具体例」に当てはめて考えさせる。

    • 例:覚えた用語が、身近な場面のどれに当たるかを選ばせる。

    • 選択肢は4つ。正解1・もっともらしい誤答3。

    • 「知っていれば解ける」ではなく「わかっていないと解けない」誤答を混ぜる。

    (3) 一文論述(1問)

    • 授業資料の範囲で、理由や違いを"一文"で説明させる。

    • 模範解答も一文で書ける長さにする(長い論述にしない)。

    • 採点しやすいよう、解答に必ず入ってほしいキーワードを2語程度示す。

    出力形式

    • 「問題」→「模範解答」→「配点案」の順に、分けて出力する。

    • 配点案は合計が指定点(指定がなければ仮に20点)になるよう調整する。

    • 各問のねらい(何を見たい問題か)を一行ずつ添える。

    資料の渡し方

    • NotebookLMの場合:読み込ませた授業資料を参照して作ってください。

    • Claude / ChatGPTの場合:このあとに貼る授業資料を【授業資料】として使ってください。


    【授業資料】
    (ここに授業プリント・資料を貼る/NotebookLMでは省略可)
    ```



     
     
     
    高校の社会科教員。AIを使って、授業づくりやテスト作成を少し軽くする方法を試しています。目指すのは、すごい授業より、先生がすり減らずに回せる授業。実業高校での授業実践と、学校現場で考えたことを書いています。

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