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『私の思い出の結婚式 〜「切り抜きどうだ」より〜その②※』

    『私の思い出の結婚式 その①〜』は、コチラ


    問題は、いろいろあった。

    まず……招待客のこと。

    なかなか休みない彼が、11月11日を強く希望した。
    会場は親が互助会に入っている関係で限られてしまい、先着も入っていて、広い会場が取れなかった。

    結婚式に呼んでくれた友達を呼びたかったのに……幼馴染、中学校、高校、大学のそれぞれの友達代表が、はじめましてと円卓に座る状況が出来上がり。

    その中でも未婚の友人は、はじめましてと新郎友人と円卓を囲むという……大変申し訳ない構図になった。


    そんなことになった理由は、新郎側。
    お互い親戚を呼ばなくてはならなくなったというのに。
    親戚のご夫婦は、招待した夫婦の他、息子夫婦と、その子どもまで来ることに。

    どうやら、義理のお母さんが勝手に是非!と言ったらしい。

    ……ええ、シャッター待ちを作ったお子様方です。

    余談だが、そんなに仲が良いのかと思ってたら……その日、十年ぶりに会ったとか。
    そして、あの日以来会ってもない。

    そしてもう一つ。
    それに加え、なぜか義理のお父さんの仕事仲間を呼ばなくてはならなくなったのだ。

    彼も知らない仕事仲間で、お義父さんがその方々の子どもの式に呼ばれたとか呼ばれてないとか……。
    いろいろ意味不明だが……はじめましてのおじさま方は、目立たない席なのをいいことに「こりゃめでたい。もっと飲ませろ!」と酒盛りを始めていた。

    あとで聞いたら、ビール瓶15本以上あけたらしい。


    ……そして、事件は起きるのです。

    突如、会場内に響き渡る『北島三郎の歌』。

    ええ、何事かと思いましたよ。

    いい感じに酔っ払い、一曲歌わせろと騒いだ例の席のおじさま……。
    予定になかった余興を独断で入れる式場の人……。

    おじさまは、いまいち納得できなかったのか、その後もカラオケをし続け、計3曲の演歌を熱唱してくださいました。

    披露宴で「与作」や「兄弟船」が歌われるなんて……前代未聞と思う。

    いやね、もういいんだけど……。


    でも。
    事件はそれだけでは終わらない。

    一息ついたところで、突然はじまる『サプラ〜イズ・タイム!』

    今度は、私の姉(同じく祭り好き)が、私に内緒で余興をねじ込んでいて。
    狭い会場の席を縫うように、姪っ子の誘導されながら「てんとう虫のサンバ」を踊らされる新郎新婦……。

    私の式のはずなのに。
    なんでやねん……。

    招待客(しかも身内)が……勝手すぎた。
    来てくれた友人たちには、本当に合わせる顔がない。


    そして。
    ようやく披露宴が終わると思ったところで……会場に響き渡る司会者の声。

    「ここで……お父様、お母様へ感謝の気持ちを込め。新婦から言葉のプレゼントがあります!」

    ……は?と思った。

    予定にはない。

    打ち合わせでも「人前は苦手だし、見せ物になるつもりはないので、手紙は絶対に読みません」って伝えていたのに。
    ……最後の最後で、まさかの裏切りだ。

    「え、嫌です」

    「すみません。私どもからのサプライズです。この状況……流れを変えるために、ぜひお願いします!」

    プランナーに懇願される、当事者の私。
    ……わけわからない。

    しかも、すでに司会者が言っちゃってる後のそれ。

    「ね!思い出に残る式にしましょう!」

    そう言われて、席を立たざるを得ない私。
    ……ひどすぎる。

    だいたい。
    何の用意もない、ぶっつけ本番。

    ……思い出、これ以上いらない。

    でも、やるしかない。

    「お父さん、お母さん、今まで大切に育ててくれて……ありがとうございました」

    笑みも涙もない、言葉のプレゼントになった。

    でもでも。
    他にいい言葉は思いつかず、そんな神も降りて来ず。

    朝、家を出る時に言った言葉をそのままなぞるだけで終わった。

    ……弱すぎる。

    ーーこんなんじゃ、この式が終わる気はしない……。


    と。
    思ったそこで……ついに山が動いた。

    見るに見かねたのか、彼が自らマイクを取ったのだ。

    「いいぞ新郎〜!漢ってもん、見せてやれ!」

    酔っ払いおじさま方から、やんややんやと野次が飛ぶ。

    同じく酔っぱらった私のおじいちゃんが、ついにそのテーブルに物申しに向かう。

    それに気づいたお母さんが慌てて止めに行き……おじいちゃん激怒。
    そのまま2名はプランナーに連れられ、まさかの退室。

    披露宴は最終的に、カオス状態。

    ……そんな衝撃的な景色を呆然と見つめながら。
    私は、旦那さんによる『予定にはない挨拶』を聞いたのだ。

    旦那さんは……なんかものすごくいい感じのことを言ってくれた。

    場を和ませ、拍手喝采となって、式はまとまり何とか終わりを告げた。

    でも。
    時間はめっちゃ押していて……。

    式に呼ぶことのできなかった人達、職場の仕事仲間達は、今か今かとずっとロビーで待っていてくれていて。
    当時、一番私に懐いてくれていた子どもが、代表で花束を渡してくれる事になっていたらしいのだけど。

    疲労困憊の私を見て「怖い〜っ!」と大絶叫&大号泣するというまさかのオチもあった。

    ね。
    こんな結婚式。
    ……どこも切り抜きようがない。

    (つづく)


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    長い間…自分のために書いていた物語たちを、形に残そうと思い立ちnoteをはじめました。 自己紹介をご覧ください。 今は、創作エッセイや企画のお話しに参加させていただき、書くことを楽しんでいます。 不思議な余白が好き。 (長編は、児童文学寄りかも?) よろしくお願いします🌳。

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