
『私の思い出の結婚式 〜「切り抜きどうだ」より〜その③※』
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後日談。
あの結婚式は……切り抜き用がない。
でも。
証拠は、残るものだ。
最後に彼がマイクを握った時……正直、めちゃくちゃ焦った。
ーーこれ、絶対にブチ切れる……。お願い!これ以上、式をめちゃくちゃにしないで!
そう思って、私は彼を見た。
そんな……怒りのこもった睨みつける視線は、バッチリどの写真にも残っていたのだ……。
からの。
……まさかのいい話に泣きそうになって、めっちゃ唇を噛む、への字口の、鼻を赤くした私……。
そういった、幸せとは程遠い数々のスナップ写真は……他にもいろいろあった。
「新郎新婦の門出を、盛大な拍手でお見送りください!」
と最後を飾る司会に続いて「おめでとう〜!」ってプランナーが後ろから叫ぶサプライズもあったんだんだが……。
ーーもういいよ……。
私、その人をすごい無の表情で見つめてた。
……という、写真とか。
突然のてんとう虫のサンバのせいで、踊れない芸人並みに会場を沸かせた、私たち夫婦の無様な踊り具合とか。
なんとも言えない表情とか。
もう……いろいろ、笑うしかない。
そんな彼……旦那さまと、今も仲良くやれているのは、最後のあの挨拶のせいなのかもしれない。
そう甘く締めくくりたいところだけど。
なぜ11月11日にしたかったのか聞いてみたら……。
「その日にしておけば、絶対に忘れないかなと思って」
という回答だった。
……記念すべき11月11日。
それは誰もが知る、ポッキー&プリッツの日だよ!
でも。
確かに……その日は忘れられない日になった。
楽しい二次会を終え、ヘロヘロになって到着したホテルで、私は人生最大のまさかをやらかすのだ。
参列者からいただいた全員分のご祝儀を、ロビーに置き忘れ……。
30分後の入浴中にそれに気づいた時は、息が止まって死ぬかと思った。
怖くて彼にも話せないまま、慌てて濡れたままロビーに行ったのだけど……不安でずっと震えが止まらなかった。
……袋は、ポツンとソファーに置かれたまま、そこにあった。
今でも「結婚式の思い出は?」と聞かれると……あのロビーの紙袋が、懐かしく思い出される。
(完)