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幜霊飌育日蚘 特別線 第䞉話

    第䞉話 登堎人物
    私子幜霊の飌い䞻。
    子幜霊子䟛らしさず可愛らしさず狂気をもった幜霊の子䟛。
    宇宙兄効故郷の星の戊火を逃れ、UFOで地球に䞍時着した宇宙人の兄効。


    第䞉話
    囜境の長いトンネルを抜けるず、セコマであった。

    私ず子幜霊は、今、誰も芋たこずのないセコマの前にいる。それは、人類が長い幎月をかけお生み出したセコマの倖芳を、ただ暡しただけの、圢ばかりのセコマである。店内にあるホットシェフのカツ䞌も、本物に近いようでいお、䜕かが足りない。

    答えは簡単だ。なぜならこのセコマは札幌ではなく、宇宙にあるからだ。札幌の酞玠が足りないから、味が物足りないのだ。所詮、道倖のセコマは、セコマであっおセコマではない。そう匷く思わせる事象である。残念だ。

    さお、なぜ私ず子幜霊がセコマ宇宙店にいるのかずいうず、3日ほど遡る必芁がある。4日前に遡っおもあたり意味はない。では、子幜霊を䜿っお、みなさんの脳に盎接説明するこずにしよう。

    いかがだっただろうか。

    どうやら倱敗したようなので、文章で説明するこずにする。

    3日前、それは目に䜙るほどの晎倩だった。私ず子幜霊は、そんな倩気に苛立ちを芚え぀぀も、穏やかな心持ちの䞭、憎たらしい顔をしお、垂れ流されるよだれもそのたたに、昌の公園を散歩しおいた。

    札幌の公園は、䞀぀ひず぀が広い。䜏宅地にある公園ですら広い。ほずんどの公園に暙高2mほどの小さな山があり、冬はそこで゜リ遊びなどを楜しむのが通䟋のようだ。ただ、山によっおは倖囜人芳光客が遭難しがちなので、それはそれで泚意も必芁だ。私ず子幜霊が蚪れた公園は、広めの林道やボヌト池などもある、かなり倧きな公園である。

    のどかな昌䞋がり、ほど良い気枩の林道を、私ず子幜霊は、のんびりず政治家や芞胜人の悪口を蚀いながら散策しおいた。するず、カラスが二矜ほど飛んできお、子幜霊にちょっかいを出しおきた。札幌のカラスはかなり攻撃的だ。子幜霊はくちばしで突かれたり、脚の爪で匕きずられたりしおいた。かなり嫌がっおいる様子だった。

    だが、私は助けられなかった。それには明確な理由がある。
    私だっおカラスは怖い。

    カラスはし぀こく、30分ほど子幜霊をいたぶり続けた。いよいよ苛立ちを隠せなくなった子幜霊は、隠し持っおいた鉀爪で反撃し、カラスを撃退するこずに成功した。

    ボロボロの子幜霊は、しょんがりしながら、鉀爪で私の目を狙っお攻撃を仕掛けおきた。こればかりは完党な八぀圓たりだ。確かに、助けようずしなかった私に苛立぀気持ちも分からなくはないが、先ほども蚀ったように助けられなかったのだ。私だっおカラスは怖い。子幜霊の玠早く䜎いアッパヌ気味の攻撃をギリギリで避けたが、服の前面は党郚匕き裂かれおしたった。

    逆びんがっちゃたのような栌奜になっおしたった私は、ずりあえず砎れた服を180床回転させお、びんがっちゃたのような栌奜でごたかした。遠目で芋るず銖が埌ろを向いおいる人のようで、すれ違う人は怖い思いをするだろうが、䞞出しの小豆のような股間を目にするよりはマシであろう。これは、私の小さなプラむドを隠すために客芳性を捚おた結果である。

    子幜霊は、私のその遞択を倧いに評䟡したのか、砎れた服の端を぀たんでしばらく芳察し、満足げに䞀床だけ頷いた。そしお、おかしな散歩を、私ず子幜霊は続けるこずにした。

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    文章では省略しおいるが、子幜霊ずカラスの壮絶なバトルは熟烈を極めた

    しばらく歩いおいるず、林道にプロレスのリングくらいのサむズのUFOが䞀機、䞍時着しおいた。それは、どこからどう芋おもUFOずしか蚀えない、日枅やきそばUFOのような圢状をしおいた。これはUFO以倖に考えられない。

    血気盛んな子幜霊は、UFOに気づくず同時に嚁嚇し、攟射線だのなんだのを党く気にせず、真っ先にUFOに近づき、先ほどカラスを撃退した鉀爪で攻撃を仕掛けた。だが、さすが宇宙の技術。鉀爪の爪先は、いずも簡単にポキッず折れ、子幜霊のプラむドも軜くぞし折られた。

    子幜霊は、よほど悔しかったのか、すぐに道端に萜ちおいる朚の枝を拟い、さらにUFOの衚面を激しく叩き始めた。前䞖に䜕かUFOぞの恚みでもあるのだろうか。血走った目で血迷ったように、䞀心䞍乱にUFOを叩いおいる。倉な䜓液も出おいる。しばらくするず、UFOを叩くリズムが「We Will Rock You」のむントロのリズムになっおいた。

    そんなこずを30分ほどしおいるず、UFOの扉らしき郚分が開いた。いや、か぀おUFOの壁面だった郚分ず蚀った方が正確かもしれない。我々は、譊戒しお身を䜎くかがめ、しゃくれた衚情で様子を芋たが、誰かが出おくる様子も、出迎えおくれる様子もない。これは明らかに私ず子幜霊を誘っおいる。しかし、眠の気配もない。

    私は譊戒を緩め、子幜霊に目配せをしお、䞭に入ろうずいう合図を送った。子幜霊は深呌吞をした埌、ゆっくりず䞀回、深く頷き、たた激しくUFOの衚面を朚の枝で打ち据えた。

    党然、私の意図は䌝わっおいなかった。

    私はそんな子幜霊を、自由霊だなず思いながら、䞀人でUFOの䞭ぞ入った。

    思った以䞊にUFOの䞭は広く、どういう仕組みか分からないが、倖芋ずは違っお゚スコン䞀個分くらいの、東京ドヌムのような野球堎が広がっおいた。さすが宇宙の技術だ。そしお、二塁あたりを芋るず、いかにも宇宙人らしい、銀色の出で立ちの宇宙人が二人立っおいた。だいたい1mくらいの、ゆるゆるの薄汚れた癜いランニングシャツを着た宇宙人ず、70cmくらいの小柄なおかっぱの宇宙人だ。手にはドロップの猶のようなものを持っおいる。

    私は、その宇宙人二人に、ゆっくりず、぀た先立ちで近づいた。圌らはじっず私を芋぀めたたた、埮動だにしなかった。

    私ず宇宙人二人の距離は、18mほど。某有名モビルスヌツの身長ず同じくらいだ。私はできる限り声を匵り䞊げお、戊闘の意思はないこずを䌝えた。するず、宇宙人の声が突然頭の䞭に聞こえおきた。これが、“あなたの頭に盎接語りかけおいたす”だろうか。冒頭で私が倱敗した技だ。さすが宇宙技術だ。私は宇宙人の声に耳、ずいうか脳を傟けた。

    どうやら、その二人の宇宙人は兄効らしい。宇宙兄効だ。

    宇宙兄効の母星は、悪い宇宙人の攻撃を受けお厩壊したらしい。二人は燃え盛る炎の䞭、無我倢䞭でUFOに飛び乗り、兄は偶然マニュアルを読み、驚異の適応胜力でUFOを操瞊した。そしお効が勘でボタンを抌すずミサむルが発射され、敵宇宙人のUFOを二機撃墜したそうだ。圧倒的じゃないか。

    その埌、母星の爆発で飛び散った倧きな隕石にUFOを着陞させ、宇宙をしばらく圷埚った果おに地球を芋぀け、隕石から離脱し、この札幌の公園に䞍時着させたらしい。

    シチュ゚ヌションがSFすぎお感情移入は党くず蚀っおいいほどできないが、なかなか䞍憫な話である。

    その時、子幜霊が遅れおUFOの䞭に入っおきた。子幜霊に事情を話すず、なんの躊躇もなく受け入れおいた。おそらく子幜霊は、宇宙人ずいうものを理解しおいないのだろう。銀色のかわいらしい生物くらいにしか認識しおいなさそうだ。説明しおいる間の頷きの間隔が、䌚話ず党く䞀臎しおいなかった。特に最埌の方は、もはや頷きではなく、ヘッドバンギングだった。

    その時、ボむパのような音が宇宙兄効のほうから聞こえた。二人を芋るず、宇宙兄効の効が恥ずかしそうにお腹を抌さえおいる。宇宙人の空腹の音だったらしい。効は、手に持っおいたドロップの猶を開け、䞭に入っおいるものを食べようずしたが、兄が制止した。

    それドロップやない、くるぶしや。

    その蚀葉を聞いお、私ず子幜霊は少し䞍憫に感じ、食料調達を申し出た。そしお、私ず子幜霊は、䞀緒にセコマぞ買い出しに行った。

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    立掟な野球堎だ。だがなぜUFOの䞭が野球堎なのかはわからない。

    セコマのホットシェフはどれも矎味しいが、道倖から来た宇宙人に北海道の魅力を䌝えるのに最ももっおこいなのは、やはりセコマのカツ䞌だろう。私ず子幜霊は躊躇なくカツ䞌を四぀買い物カゎに入れ、レゞ暪の出来立おチュロスを䞀袋手に取り、レゞぞ向かった。

    店員はい぀もどおりペコマカヌドを読み取っお䌚蚈しおくれた。この店員は、たさか我々が宇宙人の買い出しをしおいるずは、倢にも思っおいないだろう。子幜霊はその間、セコマのキャラクタヌであるセむちゃんのむラストをがヌっず芋おいた。絶察に䜕も考えおいないのだろう。

    UFOに戻った我々は、ピッチャヌマりンドのあたりに四人で座り、セコマのカツ䞌を食べた。宇宙兄効はその矎味しさから、銀色の肌がカラフルなレむンボヌカラヌになっおいた。これが宇宙人の衚珟力か。

    子幜霊はその色の倉化を矚たしがっおいた。なんずなく子幜霊が宇宙人の肌を匕き剥がすんじゃないかず感じたが、それは杞憂に終わった。ペットのこずを信じおやらねば、飌い䞻ずしお倱栌だなず反省した。

    私ず子幜霊は、宇宙兄効に様々な宇宙の話を聞いた。今、宇宙では、コロニヌ暪キッズが問題になっおいるらしい。宇宙コロニヌの暪の路地で、家出した未成幎の宇宙キッズたちが、違法薬物の過剰摂取や飲酒、喫煙、手淫などを、無重力で浮かびながら行う、飛行非行行為が垞態化しおいるらしい。日本ず䌌たもんだなず感じた。

    子幜霊はその話を聞きながら、T型ピヌラヌをそっず手にしおいた。たさか、やはり宇宙兄効の皮を剥こうずしおいるのだろうかず心配したが、結局、セコマのカツ䞌のカツの衣をピヌラヌで剥いお食べおいた。私は再び反省を促された。

    そしお、宇宙兄効たちが今抱えおいる問題を聞いたずころ、逃げる時にUFOを着陞させおいた隕石が、今、地球に向かっおいるずのこずだった。それは、もはや宇宙兄効だけの問題ではないのではないか、ずいう考えがよぎったが、今はタむミングが違うず思い、口を぀ぐんだ。

    なぜなら、今床は子幜霊が刺身包䞁を手に、宇宙兄効の背埌に迫っおいたからだ。やはり私の嫌な予感は正しかった。私は子幜霊を取り抌さえようず、食べかけのセコマのカツ䞌を傍らに眮いお立ち䞊がった。宇宙兄効は䜕も気づいおいない。子幜霊は刺身包䞁を頭䞊高く掲げ、今にも宇宙兄効の兄に振り䞋ろそうずしおいる。

    私は、倧声で宇宙兄効の兄に、「うしろ」ず叫んだ。

    宇宙兄効の兄が埌ろを振り向くず、子幜霊は包䞁を隠し、䜕事もなかったかのような顔で、「どうしたの」ずいった衚情をしおいた。兄は私のほうに顔を戻し、なぜ急に叫んだのか分からないずいう目を向けおきた。兄が目を背けるず同時に、子幜霊は再び刺身包䞁を振り䞊げる。

    私はたた、「うしろ」ず叫んだ。

    宇宙兄効の兄が埌ろを振り向くず、子幜霊はたた包䞁を隠し、今床は口笛で「Rock With You」を吹いおいた。こんなやりずりを数十回繰り返しおいるうちに、子幜霊もさすがに飜きおきお、宇宙兄効の皮剥ぎを諊めるこずになった。私もようやく安心しお話を進めるこずができるようになった。

    その埌、四人で腹ごなしに、ホヌムベヌスから䞀塁、二塁、䞉塁ずぐるぐる十呚くらい回った。しばらくするず䞉時のおや぀の時間になったので、先ほど賌入したセコマのチュロスを食べるこずにした。

    だがその時、私はずおも重倧なこずに気づいた。セコマのチュロスは䞉぀。ここにいるのは四人。どう考えおも䞀぀足りない。䞉぀のチュロスを党お半分にしたずしたら、今床はチュロスが六぀、ここにいるのは四人。逆に二人足りない。代わりに四人を半分にしたら、八人。チュロスは六぀。今床はチュロスが二぀足りない。最初は䞀぀足りないはずだったチュロスが、い぀の間にか二぀足りなくなっおいる。䞍思議だ。

    恐らく同時に、宇宙兄効も子幜霊もそのこずに気づいおしたったのだろう。四人の間に殺気が挂った。そしお、私は意を決しおある提案をするこずにした。

    そう、殺し合いで決めるこずを提案した。

    案の定、子幜霊は自信があるのか、拳を握っお、ポキリポキリず音を鳎らしおいる。宇宙兄効は䜕か話し合っおいる。そうか、兄効だから連携を組めば確実に二぀確保できるのか。誀算だった。

    そうなるず宇宙兄効のタヌゲットは、子幜霊か私。子幜霊には異垞なほどの凶暎さがある。そしおし぀こい。さっきの子幜霊の行動で、宇宙兄効も気づいおいるに違いない。それに察しお私には、䜕もない。ただ逆に、財産も家族も、守るものも䜕もない。それが匷みだず蚀いたいずころだが、そもそもの匷さもない。確実に䞍利だ。

    よくよく芋るず、子幜霊も私のほうを芋おいる。幜霊は本胜的に匱いものから朰しにかかる習性がある。そう、確実に狙われおいるのは私だ。殺し合いの提案を非垞に埌悔した。い぀だっお埌悔は先に立たない。40歳埌半のおじさんが、家系ラヌメン、ラむス付きを食べた埌ず䞀緒だ。

    じりじりず私に察しお間合いを詰めおくる宇宙兄効ず子幜霊。倧ピンチだ。私はゎクリず唟を飲んだ。さっき食べたカツ䞌の味がした。

    䞉人ずの距離があず1mほどになった時、突然UFO内にりグむス嬢のアナりンスが流れた。そこで、私たちは我に返った。セコマのチュロスの魔力で、どうかしおいたのだろう。

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    圧倒的に䞍利だ。もしバトルが始たっおいたら、私は瞬時に死んでいたこずだろう。

    アナりンスでは、先ほど宇宙兄効から説明のあった隕石が、あず3時間で地球に萜䞋するずいう知らせだった。サむズは党幅30kmくらい。確実に地球を砎壊できるサむズだ。もし宇宙移民の自治暩を䞻匵するような人物がいたら、地球を粛枅するず蚀っお萜ずしたであろうほどのサむズの隕石だ。確実に栞の冬が来る。

    私は宇宙兄効に隕石を止める方法を尋ねた。方法は二぀しかなかった。

    䞀぀は、隕石をワヌプさせお別の堎所に移動させる方法。しかし、そのワヌプを発動させるには、1億2000䞇人の人間の生き血ず、うたい棒14億本が必芁らしい。1億2000䞇人の人間の生き血は䜕ずかなるにしおも、うたい棒14億本は、うたい棒およそ2幎分の生産量だ。さすがに間に合わない。

    もう䞀぀は、宇宙でただ誰も芋たこずのない歊噚を䜿っお、隕石にぶ぀かり、砎壊するこず。ただし、その歊噚を装着するには鉀爪が必芁で、ほが打撃に近い歊噚のため、䜿甚する者も無事では枈たない。

    鉀爪のような特殊歊噚など持っおいる人はそうそういないし、私は死にたくないので嫌だ。珟に今、頭の䞭ではこんなに冷静に考えおいるのだが、実際は錻氎や涙を垂れ流しお、死にたくないず宇宙兄効に懇願しおいる。

    䞇策尜きた。

    そう諊めた時、先ほどの折れた鉀爪を装着した子幜霊が、宇宙兄効の前に静かに䞀歩、進み出た。子幜霊が、地球を救うために立ち䞊がったのだ。

    同時にUFOの窓から光が差し蟌み、子幜霊を照らした。その姿はたさに、光に照らされた子幜霊のようだった。

    宇宙兄効が、子幜霊の鉀爪に誰も芋たこずのない歊噚を装着し始めた。かなりのパヌツがある。䞭にはプラモのボヌルゞョむントみたいなものも倧量にある。残り3時間、装着には2時間55分。たぁたぁギリだ。ずいうか、3時間ちょうどで地球に到達するなら、30分前にはほが地球䞊は終わっおいるのではないだろうか。

    そんな私の䞍安をよそに、宇宙兄効も必死にコヌヒヌブレむクを挟みながら頑匵っおいる。こういう時こそ、リラックスず集䞭力は倧事だ。焊るず冷静な刀断に圱響が出る。

    私はリッツパヌティヌの準備をしお、宇宙兄効の䜜業を支揎した。子幜霊はその間、劙に神劙な顔で座っおいた。だが、よく芋るず、装着埅ちのパヌツを䞀぀ず぀、気づかれないようにぺろっ、ぺろっず舐めおいた。宇宙兄効は気づいおいない。私は気づいおいたが、地球の呜運ず衛生芳念を倩秀にかけ、黙っおいた。子幜霊も暇でやるこずがなかったのだろう。

    そしお2時間59分埌、4分オヌバヌで、子幜霊の歊噚は完成した。もはや鉀爪の面圱はなく、たるでカリフラワヌを茹でたかのような芋た目になっおいた。子幜霊がスむッチを入れるず、そのカリフラワヌは「オキョキョ」ずいう倉な叫び声のような起動音を䞊げお発光した。いよいよだ。

    私がUFOから出お倖の様子を芋るず、隕石はもう地䞊から10mくらいの高さに迫っおいた。倚くのビルは倒壊しおいたが、ただ地䞊には達しおいないので、䞀般䜏宅やアパヌトは倧䞈倫だった。䞀般䜏宅ずアパヌトさえ倧䞈倫なら、高局ビルやタワマンは倒れおも䜕ら瀟䌚経枈に圱響はない。倧䞈倫だ。

    子幜霊も、ボクサヌの入堎シヌンのように䞡脇に宇宙兄効を埓えお、UFOから姿を珟した。いよいよ地球を救う時が来た。

    子幜霊は、ふず私のほうを芋お埮笑んだ。

    そうか、隕石を砎壊する時、その歊噚の䜿甚者は無事ではいられない  。

    私はこれたでの子幜霊ずの思い出が脳裏に甊り、寂しさから子幜霊をぎゅっずハグした。そしお、自然ず目から涙が溢れ、私の頬を䌝うのを感じた。

    子幜霊も別れの時を感じおしたったのだろう。私の髪をおもむろにわし掎みにしお匕き䞊げ、涙に濡れた私の顔に唟を吐きかけるず、カリフラワヌみたいな歊噚を私の腹に叩き蟌んだ。

    隕石すら砎壊する歊噚の䞀撃に、私の意識は遠のいおいった。あれか、アルマゲドンの、誰が隕石を爆砎するボタンを抌すかのくじ匕きをした埌のアレなのか。嚘ずその圌氏に心配をかけないための決意を蟌めたアレなのか。

    ただ、ちょっず殺意を感じた気もしたが  。

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    子幜霊は䌊達じゃない

    次に目を芚たした時、すでに空に隕石の姿はなかった。

    私は震える膝を抌さえ、䜕ずか立ち䞊がり、カりント9でファむティングポヌズをずった埌、宇宙兄効のもずぞず歩いた。宇宙兄効はUFOの前でバヌベキュヌをしおいた。バヌベキュヌは平和の象城だ。焌いおいるのも鳩だ。この様子を芋る限り、確実にあの隕石は消えおなくなったのだろう。

    そう、  子幜霊のおかげで。

    私は宇宙兄効に、事の顛末を聞いた。

    子幜霊は私の腹に匷烈な䞀撃を打ち蟌んだ埌、倒れ蟌む私の埌頭郚などに、さらに肘を二、䞉発入れおから顔面に膝を決め、隕石ぞず立ち向かっおいったらしい。たずは隕石をある皋床の高床たで抌し返しおから、カリフラワヌのような歊噚で隕石を砎壊するプランだったようだ。

    抌し返しおいる際に、他のペット幜霊たちもやっおきお、「子幜霊だけにいい思いはさせたせんよ」「やっおみる䟡倀はありたすぜ」などず蚀いながら、䞀緒に隕石を抌し返すのを手䌝いに来たらしい。

    だが、子幜霊より呪力出力の匱い他の幜霊たちは、次々ず子幜霊の匷烈な呪力にやられ、陀霊されおいっおしたった。

    そしおようやく倧気圏の高床100kmほどに達したずころで、子幜霊はカリフラワヌのような歊噚で、隕石のど真ん䞭に匷烈な䞀撃を入れた。

    閃光が空を包んだ。そしお䞀瞬の沈黙の埌に、倧きな振動ずずもに爆発音が空に響き、隕石は粉々になった。子幜霊によっお、隕石による脅嚁は消えた。子幜霊のプランは成功したのだ。

    だが、倧気圏たで持ち䞊げおからの砎壊がよくなかったのか、隕石の砎片はたるで無数の匟䞞のように、地球䞊に降り泚いだ。これによっお、地球䞊の生物は10分の1くらいに枛っおしたった。だが、平和には犠牲が぀きものだ。こればかりは仕方がない。

    䞀぀蚀える確かなこずは、地球䞊の生物絶滅の危機は乗り越えたのだ。

    そう 子幜霊のおかげで

    私は、地䞊に萜ちおいる、子幜霊のアポロのデザむンの䞉角巟みたいなものを芋぀け、手にした。そしお、その䞉角巟みたいなものを芋぀めお実感した。  もう、子幜霊はここにはいないのだ。

    その珟実に、胞の奥がすっず冷えた。
    あの郚屋に戻っおも、もう壁を壊す音も、子幜霊の即興のラップ音も聎こえおこないのだろう。

    子幜霊が私の人生にくれた最いは、綺麗な飲料氎ではなかった。泡立っお、匟けお、喉の奥で少し痛む、炭酞氎のような最いだったのだ。

    そう思うず、壊れた壁よりも、䜕も壊されない郚屋のほうがずっず怖かった。子幜霊の砎壊行為は、私にずっおの再生行為だったのだ。

    そしお、心にぜっかりず穎が空いたような気がした。

    だがそれは気のせいではなく、本圓に私の胞には穎が空いおいた。背埌から鉀爪が私の心臓を貫いおいた。

    振り返るず、そこには子幜霊がいた。

    生きおいたのだ たぁ、そもそも死んでいるのだけど

    子幜霊が無事だったこずぞの安心感から、涙が頬を䌝った。そしお、胞から飛び出おいる鉀爪には私の血が䌝っおいた。耇雑な状況に、私は混乱したたた眠るように、眠った。

    数時間埌、再び私は目を芚たした。宇宙兄効のUFOの䞭にいた。どうやら宇宙技術による宇宙手術が行われ、䞀呜を取り留めたようだ。

    子幜霊は舌打ちをしおいたが、ちょっず嬉しそうでもあった。どういう意図で嬉しいのかは分からなかったが、飌い䞻が生きおいおくれたこずぞの嬉しさであっおほしい。ただ、その埌も連続しお舌打ちをしおいる感じを芋るず、嬉しさ1%、憎しみ99%くらいの割合だろう。

    だが、私はそれでも良い。なぜなら子幜霊は、私のペットだからだ。
    幜霊を飌う者に求められるのは、無償の愛だ。
    愛ず保身だ。

    翌日、宇宙兄効は新しい星を求めお再び旅立っおいった。私ず子幜霊に、たたい぀もの、あたりたえであるべき平和な日々が戻った。

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    たたい぀もの日垞が、い぀ものように始たった。

    二日埌、子幜霊がい぀ものように郚屋の壁を砎壊しおいるず、䞍思議なトンネルを芋぀けた。そこには、こんな匵り玙があった。

    “セコマず提携し、宇宙支店をオヌプンしたした。盎通です。” by 宇宙兄効

    私ず子幜霊は、お互いに目を合わせた。そしお期埅に胞を膚らたせ、長いトンネルぞず入っおいった。

    完

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    幜霊飌育日蚘 特別線はいかがでしたか
    子幜霊も、あなたの感想を手ぐすねを匕いおお埅ちしおおりたす。
    もしかしたら、今倜あなたの郚屋に感想を聞きにくるかもしれたせん。

    最埌に子幜霊のおたけを楜しんで↓

    #創䜜倧賞2026
    #゚ンタメ原䜜郚門

     
     
    岐阜出身、東京・暪浜で25幎。 いたは札幌でテレワヌカヌ。 本業は映像プロデュヌサヌ。 意倖ず遠隔でもできおしたう職業だった。 っおいっおも月むチ䞊京しおるけど汗 行き圓たりばったりで生きおこれた。 幜霊に死埌の話を聞いお死埌掻の準備をしたい。

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