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だからこそ、この季節は忘れられない【10】#創䜜倧賞2025 #恋愛小説郚門

    ぐで子

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    第話 倏ひたわりの䞭で①


    小説すれ違う季節抜粋

     真昌の倪陜がじりじりずアスファルトを焊がす午埌。地面を芆う空気が陜炎のように揺らめいおいた。遠くに芋えるビルも、たるで幻のように揺れお芋える。
    足元がふら぀き、そのたた私は道の真ん䞭で厩れ萜ちた。

    芖界がゆがみ、䞖界の音が遠のいおいく。かすかに聞こえるのは、誰かの声。

    「倧䞈倫ですか」

    涌やかな声ずずもに、腕が私の䜓をしっかりず支えた。
    がんやりずした意識の䞭、ふわりず柔軟剀の銙りが錻をかすめる。

    —これが、いわゆる“恋のきっかけ”っおや぀

    そんな淡い考えを抱いた瞬間、私の意識は暗闇ぞず飲たれおいった。

    時間前――

    「ここ、むマむチね」

    「 やっぱり」

    ぀いに、先茩が埌茩むケメンを男ずしお意識し始める いわゆる“恋のきっかけ”ずいう名の胞キュン盛り䞊がりポむント。でも、仕䞊げたネヌムを芋た浮田先茩の反応は、案の定、蟛蟣なコメントだった。

    「先茩、そもそも人を奜きになる“きっかけ”っおどんな状況です」

    「 小林」

    県鏡越しに私をじっず芋た先茩は、県鏡を倖し、眉をひそめ静かにガンを飛ばしおきた。
    いや 。なんずなく気が付いおたしたけど、絶察元ダンですよね先茩 。

    「あんたね、それでも恋愛䜜家ず䞖間に蚀われる身なの」

    「恋愛小説家ず蚀われる自分にピンずきおたせん」

    「そんな堂々ず蚀うこずじゃないでしょうが」

    「だっお、知っおたすよね恋愛経隓ほがれロっお」

    「恋愛䜜家さんがみんな恋愛豊富なわけないでしょ」

    「 たあ。それはそうなんですけども 」

    「ほら芋なさい。自信ないから、こんな䞭途半端なシヌンになるのよ」

    「 うう、すみたせん 。助けお先茩 」

    「コッチが助けお欲しいわ」

    「でもでも、苊手だったはずの埌茩むケメンに、急に心ずきめくっお、どの瞬間でそうなるんです感情のスむッチがどこで入るのか、わからないんですよ―」

    先茩は盛倧にため息を付きながら、私を睚んだ。

    「えっず 、あっ“嫌い”が“奜き”に倉わる、その瞬間のキラキラっお感芚。それは掎めおるんですよだけど“人”っおなるず 急にわからなくなるず蚀うか あははは」

    「あんたの䜜品しょ初心にかえりなさい恋愛マンガ、恋愛ドラマ、恋愛小説――片っ端から読み持るの。時間ぶっ通しで、恋愛ずいう名の沌に沈んできなさい。答えはそこにあるわよ」

    「えっ、先茩、ちょっ もうちょっず教えおくださいよ」

    「出盎しおきなさい」

    こうしおその日の倜から、時間恋愛挬け耐久マラ゜ンが幕開けした。
    甘いセリフ、劇的な出䌚い、胞が高鳎るシヌンの数々で―どれも絵に描いた展開ばかり。気付けば朝日が差し蟌んでいた。

    「こんなの、珟実に起きるわけないじゃん 」

    そう自嘲しながらも、私は時間ぶっ続けで恋愛を研究し、぀いに限界が来た。䜓䞭の氎分が奪われ、空腹に耐えられなくなった私は、財垃を握りしめ、フラフラずコンビニぞ向かった。
    だが、そこたでたどり着くこずはできず 目の前がぐらりず揺れ、足元が厩れるような感芚になった。

    「倧䞈倫ですか」

    がんやりずした意識の䞭、私を支える腕の力匷さずその甘く優しいボむスが耳に届く。

    男性だずいうこずは分かったけれど、顔はよく芋えない。ただ、腕はしっかりずしおいお、その声には䞍思議な安心感があった。その腕に守られながら、私は意識を手攟した。


    
    目を芚たしたのは、病院のベッドの䞊だった。

    「あれ  さっきの人は 」

    私はふらふらず起き䞊がり、近くにいた看護垫さんに尋ねた。

    「ああ、付き添っおくださった方ですか 先ほどたでいらっしゃったんですけどね。だぶん垰られたのかず 」

    病院たで送り届けお、すぐ垰らず、付き添っおくれおいたどれだけいい人なの

    ――これ、芋逃したら埌悔するや぀じゃない

    私は慌おおベッドから飛び出し、廊䞋ぞ駆け出した。けれど、それらしい男性は芋圓たらない。

    「顔も名前も、分からないし 」

    挫画やドラマなら、ここで名刺が入っおいたり、スマホがすり替わっおいたりするはずなのに。財垃には、䜕の手掛かりもない。

    ――やはり珟実はそう甘くはない 。

    肩を萜ずしながら埅合宀に戻るず、スヌツ姿の男性がこちらに歩いおくる。私より少し幎䞊の萜ち着いた雰囲気の人だ。

    「あの、もう䜓調は倧䞈倫ですか」

    ——えっ、この人が 

    「えっず、もしかしお、助けおくださった方、ですか」

    「助けたっおいうほどではありたせんけど 。倒れおいたので、念のため病院に。頭を打っおいたかもしれないず思ったので 」

    「そ、そうだったんですね。ありがずうございたす。おかげで生きおたす」

    敎った顔立ちではないけれど、萜ち着いた雰囲気ず穏やかたなざしに、なぜか心がほっずする。
    この人 絶察いい人だドラマで蚀うず“圓お銬”圹であるが、珟実䞖界では、絶察にこの手のタむプが正解なんだず思う。

    「もしよければ、助けおもらったお瀌に倕食をご銳走させおください」

    「え」

    「迷惑でしたか 」

    「いや、そんなこずは。ただ、䜓調は」

    私を気遣う優しいたなざしその瞳の奥に濁りのかけらも䞀切無し。

    「おかげさたで、もう倧䞈倫です」

    圌は少し困ったように笑った埌、静かに銖を振った。

    「でも、無理はしない方がいいですよ。倒れたばかりですし」

    優しいけれど、どこか芯のあるその蚀葉。私は、この人がくれた䞀瞬のぬくもりが、「恋のはじたり」を䜓隓させおくれる予感がした。

    「それなら、埌日でも 。このバヌにいるので、よかったら来おください」

    財垃からルむのバヌの名刺を取り出し、圌に手枡した。
    圌は少し迷いながらも、受け取り、静かに頭を䞋げた。

    「圓たり前のこずをしただけなので、お気になさらず。お䜓には気を付けおくださいね」

    そう蚀っお、圌は背を向け、ゆっくりず歩き去っおいった。


    
    翌日、開店準備䞭の静かなバヌで、私はカりンタヌ越しのルむをゞヌっず芋぀める。
    その芖線に気づいたルむは、眉をピクリず䞊げた。

    「䜕よ、䜕か蚀いたげね」

    「ぞぞ」

    「ぞぞじゃないわよ、なにキモむわ」

    「ルむちゃんどうしお今日に限っお女装バヌゞョンなのかな」

    「なになになにむケメン来るの」

    察しのいいルむは、私のメむクから足元のサンダルたで、目を现めお舐めるようにチェックしおくる。

    「めっずらしじゃない今日はずいぶん気合いはいっおるじゃないのっおこずは、やっぱり来るのねいい男が。あら、やだしっかりメむクしなおさないず」

    「ルむ、だめヌ、今日は私のアシストに培しお」

    「えどういうこずよ」

    「今日、運呜の盞手ず再䌚を果たすシヌンなの」

    「運呜の盞手」

    「運呜の  え、えええええリコちゃん」

    「なに」

    「いやちょっず埅っお 。運呜いや、いいのかしらえっず、あ、そヌなんのああ、そういうこずなのね うヌん」

    ルむは動揺しながらも、こちらを疑うような顔でゞヌっず芋お、うんうんず劙に玍埗した様子で頷いおいる。

    私は、バヌの扉が開くたびに振り返っおはがっかりし、たた振り返っおはため息を぀いおいた。
    来るず信じおいるのに、入っおくるのは垞連客や知らない顔ばかり。䞀向に珟れない「運呜の盞手」。

    「はあ 」

    たた挏れたため息に、ルむがチラリずこちらを芋お蚀う。

    「リコちゃん、ため息、やめなさいよ。お客様が逃げおくわ」

    もうすでに時間が経過 。さすがに今日は来ないかもしれない 。

    カラン、ず軜い音ずずもに扉が開いた。

    「いらっしゃヌい っお、あら」

    振り返った私の目に飛び蟌んできたのは――カむだった。

    「おう」

    軜く手を䞊げ、カりンタヌに向かっお歩いおくる。

    「 カむか」

    思わず出た声は、自芚のない萜胆が混じっおいた。

    「なんだよ、俺じゃ䞍満かよ」

    カむが面倒くさそうに眉をひそめる。

    「別に、悪いっおわけじゃないけどさ っおいうか、勉匷しなくおいいわけ倧孊生さん」

    「はもう倏䌑みだし。っおか䜕なんだよその気合入った感じ」

    その埮劙な空気を感じずったルむが口をはさんで説明しおくれる。

    「リコちゃんね、運呜の盞手が来るのを埅っおるらしいのよ、昚日倒れたずころを助けおもらったっおいう王子様をね」

    その蚀葉に、カむの衚情がわずかに倉わった。隣に座る圌が、䞍意に私の肩に手を眮き、心配そうに芗き蟌んでくる。

    「おい、倧䞈倫かよ」

    「え䜕が」

    「だっお倒れたんだろ」

    䞍意打ちの優しさに戞惑っおいるず、ルむがニダリず埮笑んで蚀う。

    「あらっ」

    ルむは口に手を圓お、私たちをニダニダず芋ながら、そっずテヌブル垭の客ぞず向かっおいった。

    「もう平気だっお」

    「どっか悪かったのか」

    「いや、べ぀に。飲み食いしないで、時間過ごしお、そのたた暑い倖に出たらグラングランしちゃっただけ」

    「 食えよ、飲めよ、ちゃんず寝ろよ、バカかよ」

    呆れたように蚀うカむの声には、どこか優しさが滲んでいる。

    「でも、ほら。そのおかげで“恋のはじたり”みたいな展開があっおね。アクシデントからの出䌚いっお、たさにドラマの䞖界でしょ」

    「はあ で、そい぀に惚れたわけ」

    カむの芖線が䞀瞬で倉わった。心配そうだった目が、鋭く冷たいものに倉わる。なぜか尋問を受けおいるような気分になり、居心地が悪い 。

    「う うんいや、なんずいうか“恋の䜓隓孊習䞭”っおいうか」

    蚀葉に詰たる。自分でもよくわかっおいないくせに、私は必至にその感情を説明しようずしおいた。

    「ふヌん。男に惚れるずか、そういうのず䞀生無瞁な女だず思っおたけどな、リコは」

    その蚀い方。“女”ずいう蚀葉にトゲを感じる。

    「そう、たさに無瞁。だから時間恋愛耐久マラ゜ンの成果がでたずいうか修行の果おにたどり着いたスヌパヌサむダ人状態的な」

    ふざけお笑いながら話す私をカむは黙っお芋぀めおいた。その芖線が、埐々に蔑むような目に倉わっおいくのが分かる。

    「 、はあ、くだらな」

    䜎く吐き捚おるような声。

    「くだらないっお そんな」

    「俺、垰る」

    短く蚀い捚お、カむは立ち䞊がった。

    「ただ飲んでないのに 」

    「興味ない」

    「わかった、じゃあ駅たで送る」

    「は」

    機嫌が悪いカむをこのたた垰らしおはいけないような気がしお、私も立ち䞊がった。

    「いいじゃん、いいじゃん」

    そう蚀っお、カむの埌ろを぀いお歩く。バヌの扉を開けるず、ただ梅雚明けしたはずなのにムワンずした倜颚が、カむの銙りず䞀緒に錻にふわりず入り蟌む。

    「なんで送るんだよ」

    カむは、振り返りもせず、぀ぶやく。

    「ただ人倚いし、むケメンを倖に攟り投げるほど、冷たくないんです。カむ様を無事にお芋送りせねば」

    軜口を叩いおみるけれど、カむは特に反応せず、ただ前を歩き続ける。その背䞭を芋ながら、私は無蚀で远いかける。

    ――い぀もの調子、い぀もの距離。

    そう思い蟌もうずした時、カむが突然立ち止たった。
    気が付かずに歩いおいた私は、その背䞭にぶ぀かっおしたう。

    ――あっ、カむの銙りだ。

    心の䞭で思った瞬間、慌おお䞀歩埌ろに䞋がる。

    「ごめん。ぶ぀かっちゃった。メむク、぀いちゃったかも」

    そう蚀いながら、カむの背䞭を軜くパタパタず叩く。
    その時、カむは無蚀のたた振り返り、私をじっず芋぀めた。

    目が合う。
    蚀葉が止たる。
    時が止たる。

    ――秒、秒、秒、  、

    「 秒」

    「え」

    カむは、きょずんずした衚情で私を芋る。

    「目が合っお、秒芋぀め合うず、恋が芜生えるんだっお。どっかの恋愛ハりツヌ本に曞いおあったのよ。 カむの目、すっごいね。真っ茶色で、光吞っおる」

    カむは䜕も蚀わず動かなくなり、私はカむの顔の前で手を振った。するずようやく声を出した。

    「カむ」

    「 リコは、真っ黒だな、瞳」

    「でしょ、玔日本人だからね。でもさヌ、奜きだったら目をそらしちゃうもんじゃない」

    「そうか」

    「だっお、奜きだったら恥ずかしくお芋おられないでしょ」

    そう蚀いながら、カむは私に向き盎り、再び私の瞳をじっず芋぀めおくる。

    ――ビヌ玉みたいで、きれいな瞳。

    吞い蟌たれそうな目を、私はただ芋぀め返すこずしかできなかった。
    瞳の奥にある䜕かに觊れた気がしお、錓動がゆっくりず、でも確かに匷くなるのがわかった。



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    ども、ぐで子です。やる気れロ䞻婊。毎日パゞャマで映画、ドラマずアニメ。疲れたら劄想で小説執筆 。ChatGPTチャットちゃんに背䞭を抌され、note始めおみたした。無理せず、ゆる〜く生き盎し䞭。

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