
相手の思う通りにしたのに…なぜいけない?【漫画xユル社会学】第11話
第1話
前回のお話
本編
Nice Guy Syndrome(ナイスガイ症候群)
「好かれたい」「報われたい」
その思いから人に優しくしたり尽くしたりする…
一見すると「いい人」のように見えます。
ナイスガイ症候群とは、アメリカのカウンセラー、ロバート・グローバー博士の著書『No More Mr. Nice Guy』で
対立を避けることを学習してきた
「いい子」であることを求められてきた
自分の欲求を表に出すことを抑えてきた
といった背景をもつ男性に共通する特徴として紹介され、現在広く使われている言葉です。
もとの書籍は男性読者向けに書かれていますが、女性にも起こりうる心理状態です。
ナイスガイの何が問題?
本来、誠実さや思いやりは「自分がどうありたいか」という価値観に基づく選択です。しかし、ナイスガイ症候群の場合、「いい人」として振る舞う裏側に、「これだけ尽くしたのだから、愛される(報われる)はずだ」という無意識の契約(取引)が存在しています。
そのため、期待した見返りがないと、激しい怒りや不満が湧いたり、「自分には価値がない」という自己否定に陥ったりするのです。
なぜナイスガイが生まれるのか
私たちは幼い頃から「親切にすれば報われる」という物語や教育に触れ、それを学習します。
しかし同時に、「自分の欲求を適切に伝える」ことや「健全な対立」の方法を学ばないまま大人になると、問題が生じます。
「嫌われたくない」という恐怖から本音を隠し、自己犠牲的な親切を繰り返すことで、心の中に不満が溜まっていくスパイラルに陥るのです。
これは、「誰かと上手くやっていこうとした努力」が、結果として自分自身と関係性を歪ませてしまった悲劇とも言えるのです。