
ケアマネが小説を書くということ⑦:柚木泊居宅介護支援事業所について。
もう随分前に書いていた⑤に記載していた、柚木泊居宅介護支援事業所というお話。
私はお話を書き始めるにあたっては、その時の自分の中にある、なんていうか、きらきらしたものを集めて、組み合わせて書きます。
このお話を書き始めた頃、私はちょうど小さな事務所に転職したり(まるで友達と一緒に過ごしているような、小さな事務所でした)、寂れた港町を訪ねたりして、そういったものを自分の手でお話にしてみたいと思っていました。
そして、前回の三次選考敗退以降、幾度も新人賞に落選し続けていた私は、認めざるを得ませんでした。
自分に才能がないことを。
自分の中から生み出せるものだけでは勝負にならない、ならば、自分が持っている武器を手に取るしかない。
それが、介護支援専門員という仕事、その経験。
正直、抵抗はありました。まぁ今もそうですけど、ケアマネを真正面から描き続けるのには限度があると思います(私の僅かな才能では)。
だから、介護支援専門員という武器を使えるのは一度きり、私が持ちえる最大の武器を、ただ一作に込めることにしました。
それが、柚木泊居宅介護支援事業所というお話でした。
描いたケースの大半はほぼ実話で(もちろん、脚色していますが)、メインの二人のやりとりも、人物像も、おおむね現実に即していました。
手ごたえはあり、幸運にも第35回小説すばる新人賞で三次選考まで進めました(まぁそこで落ちたのですが)。
私にとっては二度目の奇跡、ただ、最終兵器を用いてでも受賞に至れなかった、ということ。
嬉しさと、もう可能性が断たれた、というような絶望感……このお話にはそんなものが滲んでいます。
でも、私は今でもこのお話が好きです。
楽しかった日々、私の好きな風景がぎゅぅぅっっと詰まっているから。
創作大賞というものがあると知り、調べる限り挑戦可能だったので、今回、投稿することにしてみました。
もしかしたら私の最終到達点、誰かの目に触れれば嬉しく思います。
今日現在、投稿している第一話を見てくださる方へ
(1~3日ごとに投稿予定)
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