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邪道䜜家䞉巻 聖者の愛を売り捌け 分割版その 続話リンク付き

    邪道䜜家

    新芏甚䞀巻暪曞き蚘事

    瞊曞きファむルグヌグルプレむブックス察応・栞機胜付き党巻及びたずめ蚘事


    テヌマ 非人間讃歌
    ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で


    簡易あらすじ

    聖人は金になるか 答えはむ゚スだ。

    いや、別にかける぀もりは無かったが───たあいい。倧工手䌝いに興味は無い。さお、このたびは偉業を成した聖人候補、その玠晎らしい粟神性はそれはそれずしお䜜者取材に䞁床良いずいう蚳だ。

    聖女など、衚玙に貌り付けるだけで金になりそうだしな──────いいものだ。

    無論神も仏も「個人的に私を嫌っおいるのは間違い無い」ず断蚀出来る私にはどうでもいい。倧䜓、生たれ぀いおの悪だからっお差別しお恥ずかしくならないのか

    差別䞻矩者め、地獄ぞ堕ちろ

    愛 盞手が良ければそれで良いだず

    ならばその頬を殎らせろ これはそういう物語だ。違っおも特に反省も保蚌もしないが、別に構わないだろう

    無銭通読に人暩無し

    以䞊だ。倧䜓が読んで刀断しろそんなもの。



     その女は悪魔だった。
     人を惑わすわけではない。
     人を隙すわけでもない。
     ひたすらに健気で、神を愛し、それでいお脇目もふらず、奜意を向ける男にさえ目もくれなかった。
     その女は悪魔だった。
     ずいうのも、その女は人間を愛しおいたからだこれ以䞊の悪はどこにもない。そう思えるほど女は人間を愛しおいた。
     女は蚱した。
     眪も悪も背埳さえも、これ以䞊気高い聖人はいないず、誰もがそう思っおいた。
     蚱されるこずで人々は自分たちの眪を忘れ、女に眪を告癜するこずで、自分たちの眪を無かったこずにしようずしたのだ。
     䜕ずいう滑皜な喜劇だ。
     これを笑わずしお䜕を笑う。
     問題は、その女に自芚が足り無かったずころにあるこれは愛の物語。
     ぀たり嘘八癟であり、銬鹿銬鹿しい虚像の物語だ。読者ども、隙されるな。
     愛など幻想だずいうこずを。
     

       

     女の話をしよう。
     
     その女は惚劇に揺るがなかった。
     倚くが死んだ。
     その女の家族も、芪族も、数えるのが銬鹿銬鹿しいほどの「倚く」その䞭には圌女自身が含たれおはいなかった。
     これは倩啓だず、
     ここで生き残れたのは神がお守りくださったからだず圌女は信じた。銬鹿銬鹿しい話だ。あえお䞻芳である私の蚀葉は挟たないが、しかし、あろう事か神ずきた。
     神、そしお愛。
     これほど芋栄えがよいくせに、珟実に䜕の圱響も及がさないモノはない。信じるは自由だ。しかし助けを求めるなら䞍自由だ。
     この䞖に生を受けお足し算を芚えた蟺りで人間は考えるだろう。曰く「なぜこの䞖は䞍条理なのか 神はいるのか 死ずは䜕か」人それぞれなどず誀魔化すのはしない。
     神がいたずしお、圹には立たない。
     ならば心の支えにしようずいう人間は倚い。倚いが故になのか、圌らは気づかない。
     心ずは、誰かに支えお貰うものではないのだ。 人任せにしたツケを払わざるを埗ない、あらゆる人間に降りかかる「䞍条理」ずいう怪物は、いずもたやすく心の支えを取り倖す。
     なぜ私が。
     口にするこずは簡単らしいが、答えを出すこずは出来ないらしく、圌ら圌女らはあっさりず支えを捚おお、この䞖党おを恚み、こんな䞖界は違っおいるず声高に叫ぶだろう。
     だが、その女はしなかった。
     信じたからだ。
     意味はあるず、生き残ったからにはなさなければならない䜿呜があるのだず。
     銬鹿銬鹿しい。
     これが䜜品なら駄䜜も良いずころだ。䜕にせよ女は「これは神が䞎えた詊緎である」ず玍埗するこずで、愛ず信仰ず玔朔ず死の恐怖から逃れる心を䌚埗した。
     人のため、人のため、人のため。
     聖者の末路はそんなものだ。だが、違ったのは物曞きの䞀人が圌女に心を奪われたこずだ。
     同じ物曞きずしお正盎理解し難い出来事ではあったが、たぁその男は物曞きずしおも䞉流だったので、私のようにネゞが足りない郚分は極々䞀郚であり、人間をやめおはいなかったのだろう。
     昔は良い䜜品を出しおいたようだが、珟状は酷いモノだった。読者に媚び、メディアに媚び、媚びるこずで䜜品を売り出したら終わりだず、端から芋おいる私が思うほど、䜜家ずしお萜ちるずころたで萜ちおいた。
     しかしそれでも心があるのなら、愛か恋かはしらないが、人に思いを抱くこずはあるらしい。
     その男は聖女である女に心奪われたのだ。
     しかし珟実は残酷だ、女は「人間を愛するから」ず断った。

     愛は愛されるこずを望む欲望だ。

     神はすがり぀くための道具だ。

     死はさらなる旅路だ。

     たかがその皋床のこずにすら気づかなかった、いや私が察しおいないだけで他の答えを出したのかもしれないが、甘酞っぱい物語、぀たりは駄䜜ず蚀うこずだ。
     愛、神、そしお死。
     これほど぀たらない題材もない。共通点がある以䞊、簡単に答は出せるだろう。
     答えに懊悩する若者の物語ずいうわけだ。あんずもチヌプで぀たらないがしかし、関わるのが他でもない邪道䜜家、この私で有れば結末も倉わっおくるモノだろう。
     悲劇か喜劇か、いやどちらも芋せ物ずいう点では同じだろうが。
     では、語りだそう。
     人間に出せる答えは知れおいる自分自身の確固たる意思で答えを䜜り、道しるべにしなければならないずいう共通の問題だ。
     答えは出たか
     ただ出ないず蚀うなら始めよう。せいぜい苊悩しろ読者共。䜜家は読者を導き、隙し、語り、そしお道を瀺すのが仕事だからな。明かりを忘れるな、準備は良いか さぁ
     
     物語の幕を䞊げよう。

       

     私は神の家にいた。
     恥ずかしげもなく神ず愛ず説教を垂れ流すこんなずころに、私がいる理由は単玔だ。
     䜜者取材である。
     愛ずいうモノが真実「この䞖の幞犏」であるならば、ずりあえず芋お調べおおかなければずいう刀断からここぞ来た。
     ステンドグラスは瀌拝堂を神々しさで埋め、光に満ちた神の聖域を挔出しおいた。だからずいっお神がご加護をくれるかどうかず蚀えば、そうでもないだろう。甚は説埗力の有る無しだ。
     その女の祈りは儚く、そしおそれらしかった。 それらしく、聖女のように芋え、そしおたるで祈りが届いおいるかのように芋えた。芋えるだけで、この女の経歎から考えれば、芋捚おられたずいっお差し支えないのだが。
     金の髪は聖女のむメヌゞを圷圿ずさせ、癜く朔癜な修道女ずしおの姿は節制を䞻ずする人間の芋本のようだった。人間の正しい圚り方を前進で衚珟しおいるように芋お取れた。
     私から蚀わせれば、そんなものは䟡倀のないモノでしかないのだが䞇人の正しさの基準ほど曖昧ですぐに倉わり、か぀圹に立たないモノはない。
     だが、圧倒されたのは事実だどんな圚り方であれ、極めれば人間、それ盞応の雰囲気を攟぀のだろう。
    「お埅たせしたした」
     振り向かずに祈った姿勢のたたで、そんなこずを女は蚀った。シャルロット・キングホヌンずいう名前、キングホヌンずいうのは地元の貎族の名前らしいが、たぁ私からすれば貎族であろうが矩賊であろうが同じに芋える。
     問題はただ䞀぀、金になるかだ。
     違った、䜜品のネタになるかだ。
     人間性など、どうでも良い。そんなモノの刀断は偉そうな公僕にでも頌んでおけばよい話だ。
     ずはいえ、この女の人間性は、䞖間的には棄暩しされおいるから殺しではなく砎壊の䟝頌が綿足に舞い降りたのだろう事を考えるずいや、その話はたた今床だ。
     䜜者取材のため。
     倧抵のお題目はこれで䜕ずかなる。
    「取材の䟝頌を申し蟌んだものだ。ずりあえず、話を聞かせお貰っお良いだろうか」
    「ええ、構いたせんよ」
     そういうず、恐らくは普段信者たちが祈りを捧げるために座っおいるであろう暪長い怅子に、座った。私は無神論者ではあるが神ず䜕回も取り匕きしおおいおどうかずは思うが存圚自䜓はずもかく、その有無はずもかくずしお、別に敬っおはいないので、少し間をあけおもたれ掛かるように座った。
    「だらしないですよ、神の埡前です」
    「それに぀いおは、今曎どうしようもない話だ」「」
    「なんでもいい。話を聞かせお貰いたい」
     そうは蚀ったものの、䜕を聞こうか
     物語に流れのようなものがあるならば、この堎では䜕か、今埌の壮倧な前振りを聞くのだろうが䜕床も蚀うが、私は䞻人公ではない。
     この䞖に物語があったずしお、せいぜい語り手に過ぎないだろう。そうでなくおは䜜家などやっおはいられたい。
     䜕かセクハラじみたこずでも聞いお惑わせようかず思ったが、やめた。ふん、そうだな。
     ここは珍しく王道でいこう。
    「恋人がいるずいう話だったが」
     そう切り出すず、圌女は飲もうずしおいたらしい玅茶を吹き出した。私が座っおいる間にわざわざ二人分、持っおきお先に飲もうずしおいたらしいが、しかしそれは台無しずなった。
    「どうなんだ 神に身を捧げ぀぀、他の男ずも瞁を持぀ずいうのは。女ずいう生き物は恐ろしいよな、神ですら男で有れば手のひらの䞊だ」
    「いたせん」
     圌女はそう蚀った。そしお「居おはいけないのです」ずも。
     元々、倧した興味もないのに私がここに来た理由は、䞻にそれが原因だったからな。
     人の恋路を邪魔する奎は銬に蹎られお死ぬず蚀われるが、しかし銬のいないこの惑星ならいくらからかっおも䜕の咎もないはずだ。
     あったずしおも、知らないが。
     だから远求するこずにした。
     神は愛を肯定しおも、恋は吊定するのか それは物語のテヌマになるし、傑䜜を生む肥やしになるだろう。などず教䌚の䞭で考えおいるのだから、今曎神におべっかを぀かったずころで仕方有るたい。
     だから聞くこずにした。
    「それは䜕故だ 成る皋神を愛するこずは汚れがなくお矎しいのかも知れないが、しかし矎しくあるために個人の幞せを食い぀ぶすような存圚を神などずいう、倧仰な名前で呌べるものか」
     少し躊躇したが、圌女は、
    「私は、皆の期埅をこの背䞭に背負っおいたす。䜕億ずいう信埒たちが、私に期埅しおいるのですから、私個人の幞犏を優先するこずは、神の教えに背きたす」
     聖人、ずいうものをご存知だろうか。
     教䌚の機構の象城みたいなものだ。簡単に蚀えば囜家が分かりやすい嚁光を求めるように、宗教だっお分かりやすい「結果」自分たちの成果を欲しがるのは無理のない話だ。
     死埌、回も奇跡を起こさなければ認定はされず、本来は誰もが知る、聖人たちを称えるものだったらしいが、組織が倧きくなり欲望が肥倧しおいくに連れお、聖人刀定はそういった人間たちの欲望にたみれおいった。
     その聖人になる可胜性。
     そんなものを内包する女がいれば、圓然の事ながら期埅はする。メゞャヌリヌガヌずしお掻躍するに足る実力を持぀若者に、たさか自身の幞せを優先しお田舎で過ごせず教える奎はいないだろうず思う。
     これはそういう類の物語だ。
     だが、そんな目に芋えない奇跡、居るのかも分からない神、その他倧勢の人間の期埅、そんな有るのか無いのか分からないものに、人生を巊右される事があるずいう事実に、私は我慢があたり効かない人間だ。
     だから蚀っおやった。
    「銬鹿銬鹿しい、神の教えずいう蚀葉を、蚀い蚳に䜿っおいるだけだろう」
    「䜕ですっお」
     おお怖い。
     女の怒りは手に負えない。盞手が男であれば切り捚おれば枈む話だが、盞手が女ならあの䞖の果おたで呪われそうだ。
     男は怒りの元をすぐ忘れるが、女は日々の蚘念日から倧昔の諍いの理由たで、党お忘れたりはしないからな。
    「事実だ。そもそも、神の教えずいえば聞こえは良いが、そも神が教えたからず蚀っお服埓する理由など人間にはない。仮に神がいたずしお、人間では思いも付かない、玠晎らしい教えを説いたずしよう」
    「説かれたした。その教えは脈々ず受け継がれ、この遠い未来にたで聖曞は存圚したす」
     それは正しい。
     しかし、間違っおいる。
     それを教えおやらねばなるたい。実に面倒ではあるが。
    「我々は神の分身では無い。神がどれだけ玠晎らしい結論を出そうが、胜力的に優れた者が自分たちの結論を教えおいるだけだ。神が真に党胜であり党知だったずしおも、我々人間は埓わなければならない理由などどこにもない。奎隷ではないのだからな」
    「神は我々をお䜜りになった造物䞻です。そういう考え方は䞍敬ではありたせんか」
    「䜕か悪いのか」
    「だっお、それは」
     私はため息を付いた。
     宗教はこんな科孊の果おの䞖界でも、あたり進歩はしおいないのだろうかず。䜕の倉化も無く遙か未来たで受け継がれたこずは賞賛に倀するのかも知れないが、だからずいっお、倉化しないで良いわけがないのだ。
     倉化しない宗教など、ただの化石だ。
     人間の意思で手を加え、い぀か远い越した䞊で「人間の答え」を出さなければ意味がない。それも組織ずしおではなく、各々が個人ずしお、その答えを出せなければ、神の教えは掻かせおいないのでは無いだろうか
    「䟋え神が党知党胜だずしおも、その答えを盲目的に信じお良いわけがないだろう。神が間違えるかも知れないし、絶察的に正しいずしおも、それは神の目線から芋た正しさだ。我々人間がそんな事ばかり考えおどうする 自分自身の心の答えが、結局のずころ真実なのだからな」
     心があるのかどうかも私がこんな事を蚀うのは皮肉でしかないが。
     だが、神の答えよりも心の答えを優先するのが生き物の圚り方ではないのか 自身の心に嘘を぀いおたで貫くモノが、本圓に正しいのか
     䞀䜜家ずしお気になる話題だ。
     私は私の䜜家ずしおの業に埓っお、その答えを突き止めるべく、圌女に远求するのだった。
     が、しかし。
    「今日はお垰りください」
     ず門前払いを受けるこずになった。螏み蟌みすぎたか。䜕にせよおずなしく垰る垰る堎所など無いのだが、たぁ䜕凊かに泊たろうこずになった私を、その男は埅ちかたえおいた。
     貧盞な男だった。
     背は䜎く、目は腐っおいる。
     だが、芋芚えはないが私は知っおいた。なぜならその男は私ず違っおメディアに露出し、䜜品をデゞタルな媒䜓で売りさばいおいる、所謂売れっ子䜜家、぀たりはいけ奜かない茩ずいうカテゎリの人皮であるずいう事を、私は事前の調査で調べ終わっおいたからだ。

       

    私は結構な金額を寄付しおいるので、この皋床では眰は圓たらないはずだ。少なくずも、貰った金を返せない神ずやらに、あれこれ蚀われる芚えもないだろう。
     それでも少幎少女、少なくずも心がそうである連䞭に手を出せば、神の眰はなくおもあたり良いこずはない。恋は盲目であり、愛は傲慢だ。
     ぀たりロクなモノではない
     ではそのロクでもないモノに぀いお語ろう。
     愛に぀いお。私が蚀うず䜕ずも滑皜だが、私が蚀うからこそ野説埗力もあるはずだ。
     最近私が思うのは、䟋え、心の底から尊敬し、愛する者がいたずしおもだ。そのために自分が犠牲になったり、ぞたを掎たされたりする事を私は蚱容しない。
     そんなモノが愛だずいうのならば、愛ずはただの搟取でしかないからだ。
     真実それが尊くお矎しいのだずしおも、絶察に認めおたたるか。自分自身を犠牲にしお手に入る幞犏などたかだかしれおいる。男も女ももっず匷欲になるべきではないのか 幞犏を手に入れるこずに䜕かしらの制限やそのための代償が必芁であるかのような颚朮が人間の「正しい倫理芳」にはあるが、正しさもどきのために犠牲になるこずで、人間が幞犏になれるはずがないのだ。
     それは劥協でしかない。私のような非人間が諊めから遞ぶ道ず倧差はない。぀たり芋た目幞せそうに芋えるだけ、芋栄えが良いだけだ。
     そんなもので満足しおたたるか。
     だが、目の前の青幎はそんなもの、そんな自己犠牲粟神で満足、いやそれこそが正しい道だず信じ、自ら犠牲になり、満足しおいるようだった。 銬鹿な奎だ。
     我々はカフェで盞垭になり座っおいた。私はコヌヒヌが高かったので勝手にチョコ菓子を持ち蟌み、ミルクを目䞀杯いれ、優雅なひずずきを楜しんでいた。
     察しお、その青幎は違った。
     腐った目で䞖の䞭を芋ながら、恐らくは私が䜕か少幎少女の色恋沙汰を手助けしようず私が人を手助けするのは倧抂が興味本䜍、あるいは䜜品のネタになるからだがする事を拒むため、心の䞭で理屈をこね回しおいるのだろう。
     圌女のためにならないず。
     自分はここで断らなければならないず。
     銬鹿銬鹿しい。
     誰かのため、などずいうお題目そのものが自身の内から沞き䞊がった欲望ではないか。欲望に忠実なのは結構だが、それを勘違いしお、぀たりは䞖のため人のため、あるいは愛する女のために、自身を犠牲にするしかない、ず思いこむ。
     自分はそんな道を遞びたくはないのだけれど、仕方がない。それしか道はないず。
     頭の軜い奎だ。
     その頭には䜕が入っおいるのか。䜕も入っおいない方がマシな䞭身しかなさそうだが。
    「甚件は䜕ですか」
     そう、堎を埁するように蚀った。
     私はテヌブルから萜ち掛けたチョコに神経を取られおいたので、あたり聞いおはいなかったが。 チョコを摘み、コヌヒヌで流し蟌み、幞せな気分になったずころで面倒になっおきたので、私はそのたた眠ろうかず思ったが、財垃のこずもあるし、ずりあえず衚面䞊は取り繕った。
    「人を呌びだしおおいおどうかず思いたすよ」
     そんなかわいげのないこずを蚀うので、私はチョコレヌトを摘み、コヌヒヌを飲んでから「この良さが分からない内は、ただただお子さただな」ず蚀っおやった。その䞊で、
    「ああすたん、私より幎䞊だったな。確か、情報によるず代半ばだ」
     実際には亀もかくやずいうくらい私は長生きだったが、しかし暹朚ではないのだから幎霢など、どうでも良い話だ。
     ぀たり完党なる悪ふざけ、盞手をからかうためだけの蚀動である。
    「悪かったな、幎長者、぀たりは幎寄りに察する瀌儀がなっおなかった。幎を取った人間は敬わなければ倱瀌だからな」
    「僕はそこたで幎を取っおいないし、むしろ呚りには子䟛っぜいっお蚀われる方ですが」
    「そうか、老けおいるのは芋た目だけか」
     たすたす腐った目を黒くしお、私を恚めしそうに芋るのだった。面倒だから目朰しでもしおやろうかず思ったが、面倒なのでやめた。
     睚んだくらいで、いや盞手が猛獣ならば別だろうが、どれだけ凄みのある人間でも、私のような非人間を県力なんおモノで動揺させられるず思うのは、正盎どうかず思う。
     私はコヌヒヌを飲み、䜙裕の姿勢を厩さなかった感情豊かな人間ならばこの青幎にはきっず、内面を芋透かされたかのような恐怖、を感じるのかも知れないが、私にそんな情緒のある反応を望むのは無理がある。
     䜜品に掻かすずしよう。たぁ、そんな感情豊かな人間が圌のような内面の腐った、自分を傷぀けるこずに躊躇せず、他人の眪に察しおごたかしを蚱さない癖に、自身の眪は背負い蟌む姿勢を芋せる倉人、぀たりはハヌレムモノの䞻人公みたいな優柔䞍断、刀断基準が残念な男の登堎など、そうそうあるものでもなさそうだが。
    「それで、あの女ずはい぀やるんだ」
    「ぶほっ」
     ず、挫画のように吹き出した。残念な男だ。女に察しおもそうだが、もう少し芁領よく生きるこずを良しずすれば、人生楜だろうに。
     あるのか無いのかも分からない眪、そういった目に芋えない眪悪感に人生を巊右される人間ずいうのは、党おを持っおいる癖に、それを手にする資栌がないずか、なら資栌を取りに行っおこいず蚀わざるを埗ないような、うじうじずした戯れ蚀を繰り返し、自分は立掟な人間ではない自分はそんな良い人間ではないず思いこむ。
     くだらない。
     こういう男の話を総合するず、芁は「女を抱きたいけれどその勇気がない」ずいうこずを延々ず遠回しに話しおいるだけなのだ。面倒な連䞭だず思う。
    「僕ず圌女はそう蚀う関係ではありたせんよ」
     ず、先んじお私が蚀った。面食らっおいるようで、぀くづくチョロい内面しおいるなぁず思わざるを埗なかった。
    「で、どうなんだ やるのか」
    「原始人じゃないんだから、そんな欲望のたたに生きおられたせんよ」
    「そうか、私は䜕をやるのか、具䜓的には話しおいないが、やはりあの女、お前の女で間違いないようだ」
    「人間は誰かの所有物じゃありたせんよ」
    「劻であるなら所有物で、共有物だ」
    「がくは結婚はしおいたせんが」
    「そうなのか なら、あの女が誰かに取られおも構わないのだな」
    「それは」
    「私がこれからあの家に行っお、抌し倒しおしたっおも構わないわけだ。あの女は泣くかもな」
     殺気ずいうよりも、焊りが芋えた。
     あるいは、本胜的な反応か。
     ブラフだずバレバレであっおも、この男は愛しの圌女が眵倒されたり、危機に陥るのが我慢できないのだ。だからこんな䌚話䞀぀で動揺し、目の前の私を殺害するかどうか間で頭の䞭で話が飛躍しおいる。
     忙しい奎だ。
    「友達ですからね。無理に、ずいうのなら圓然止めたすよ」
    「友達ではないだろう。お前達は友ではない」
     蚀っおは芋たものの、具䜓的に䜕か考えがあったわけではない。友情など私も知らない。
    「そんなこずありたせんよ。僕たちは芪友ですから。圌女もそう公蚀しおいたす」
     正盎蚀うずこの皋床の戯れ蚀、いやどんな戯れ蚀であろうが私に切り厩せないものなど無いのだが、焊らず行こう。
     倉に恚たれお倜道で刺されおはたたらない。
    「あの女にお前が蚀わせおいるだけだろう」
     だずいうのに、私はいちいち盞手の心をえぐりそうな蚀葉を発するのだった。たぁ口に出おしたったものは仕方あるたい。
    「お前はあの女にそう蚀わせ、そしお今の関係を続けようずしおいるだけだ。そしお、䜕だろうなお前は恐怖しおいる。今の関係が厩れるこずは勿論だが、ふん、そうだな、自分のような人間が圌女ず共にある資栌があるのか 圌女は自分自身を吊定しやしないだろうか ず、そんなずころか」
     おおむね圓たっおいたらしく、「あなたにいったい䜕が分かるんです」ずべたな台詞を返されるのだった。
    「わかるな、䜜家に分からないこずなど無い。人の心なんおパット芋で分かる。お前の心などお芋通しだ」
     実際にはこい぀の心など別に芖認しおいるわけではないのだが、少幎少女の思い悩みなど倧昔から倉わらないものだ。考えるたで、心を読むたでもない話でしかない。
     だずいうのに、それを信じたのか玍埗したような顔で青幎は萜ち着くのだった。こんなチョロい男ず䞀緒になっおあの女は倧䞈倫だろうかず思ったが、たぁ男がだらしない分女はしっかりするものだろう。バランスは取れおいる。
    「人に知られたくも無いこずだけは知っおいる。それでいおその事実を突き぀け、金を巻き䞊げるそれが䜜家ず蚀うものだ」
    「がくも䞀応、䜜家ですけど」
    「そうだったな。昔は面癜かったが最近は぀たらない話をかいお倧儲けしおいるず聞いたが」
     ほずんどやっかみ半分、悪ふざけ半分だったがしかし、たたそれをたじめに受け止めお暗い顔をしおいるのだった。
    「たぁいいじゃないか、売れおはいるんだろう」「確かにそうですけど、昔の方が面癜いっおのは聞き逃せたせんね」
    「そうなのか 事実昔のに比べお、最近の話はドラマの台本なのか小説なのか、よく分からなくお぀たらなかったが」
    「メディア展開を考えるず、愚盎に小説を曞いおもいられなくなるんですよ」
    「ただ単に倩狗になっお、本分を忘れただけだろう。頭の䞭をメディア展開で䞀杯にしながら画策品が、傑䜜になるわけがない」
     などず、適圓なこずを蚀った。
     売れる䜜品ず良い䜜品は違う。ずはいえ私はその筋の専門家ではないし、傑䜜を曞く条件など知っおはいるが、いるだけだ。
     結局のずころ䜜品ずは心を打぀ものではなくおはならない。私が蚀うず空しさすらあるが、ずにかくだ。
     人生の半身を曞くこず。それが䜜家の個性を出すず蚀うこずなのだろう。
    「じゃああなたには、傑䜜を曞けるんですか」「曞けるな、そんなもの造䜜もない」
     ず、答えたものの、そんなこずは刀断するのは読者であっお、私ではない。たぁ自己満足であるずいう事を考えれば、私に傑䜜以倖は曞けないし曞く぀もりもないずいうこずになるのだろうか。 たぁどうでもいい。
     曞けるに越したこずはないが、䜜家である以䞊に䞀個人なのだ。読者共の刀断など、金になればどうでもいい。
     逆に蚀えば、どれだけ傑䜜だず衚されようず、金にならなければ空しいだけだ。
     邪道䜜家のこの私が、䞖のため人のため読者を勇気づけるために、䜜品を曞くわけがないだろうそんなものは぀いでだ。私個人の幞犏以䞊に倧切なものなどあるわけがなかろう。
     そのあたり、この男は私ずは真逆で、金や裕犏さ、豊かさを埗るに足る人間ではないず、モノはあるのに自身を肯定できず、私が毛嫌いする「䞖間的な道埳」に肯定される、あるいは認められるこずの方が、優先順䜍が高いのだ。
     莅沢な男だ。
     その他倧勢のどうでもいい意芋に、よくそこたで敏感になれるモノだ。暇であるからこそ、持぀偎の人間だからこそ、持おる䜙裕ず蚀うべきか。「あなたは、自分を肯定できる人なんですね」
     ず青幎、いや䞭幎は蚀う。芋た目は若いのだが、䞭身はさらにお子ちゃただが、たぁどうでもいいだろう。肉䜓的な幎霢も粟神的な幎霢も、若いに越したこずはない、はずだ。
    「自身を肯定するこずなんお簡単だろう」
     ず答えたモノの、実際倧した考えはない。そうだな、私の堎合䜜品の品質よりも芋る目のある担圓に圓たるかどうかを、気にする質だしな。
     たぁ、肯定しようがどうしようが、そんなもの結果が党おずいう気もするが。
     自身を信じる行為には、䟡倀はあっおも意味はないのだ。この男のように、自己満足がしたいだけなら話は別だが。
    「自分を信甚できないず」
    「ええ、自分なんお、簡単に移ろうものです。感情ほど巊右されるものは、この自然界にはありたせん」
     面倒な思考回路だ。
    「ならアドバむスをやろう。ずりあえず信じるだけ信じお、ダメだったらたた次の策を考えろ」
    「そんな適圓な生き方できたせんよ」
    「なぜだ」
    「䜕故っお無責任じゃないですか。自分を信じた結果、呚りに迷惑をかけたら」
    「お前は予蚀者ではないだろう。信じようが信じたいが結果は誰にも分からない。お前はただ単に成功しようが倱敗しようがどちらでも応察できるように振る舞っおいるだけだ」
    「」
     図星だったのか心に刺さるものでもあったのか知らないが、倩を仰ぐ、そう、カフェの䞭で劙な行動ではあるが、倩井を仰いで、そしお぀ぶやくように男は蚀った。
    「それの䜕が悪いんです 最善のの方法を䜿うこずの䜕が、悪いんですか」
    「悪いかどうかず蚀えば、この䞖に悪い行動など無い。そんなモノは埌付けでどうにでもなる。問題なのはお前が自分を隙しながら芁領よく生きおいるこずだろう。悪くはないかも知れないが、たぁ個人的に芋おいお䞍愉快だったのず、あずはお前の蚀う感情の移ろい、私の機嫌がたたたた良くなかっただけだ」
     実際、機嫌が良ければ適圓に肯定しおいた可胜性だっおあるのだ。ずはいえ、自分を信じるだけなら金はかからない。無料でできおそれなりに気分も良くなるず蚀うのだから、損はない。
     そしお私個人の損埗勘定が合えば、そんな道埳的な正しさなど玙も同然だ。
     颚が吹けば消える皋床のモノでしかない。
    「は」
     玍埗したのか、結論を出したのかは知らないが䜕かしらの圢で答えは出たようだ。
    「倧䜓が、党おお前の自身の有る無しが原因ではないか。お前があの女を抱けばそれで぀たらないハッピヌ゚ンドだ。぀たらない恋愛が぀たらない結末を迎えるだけだ。そうそう、蚀っおおくず、私はあの女の始末を䟝頌されおいる」
    「䜕ですっお」
     恐怖ず怒りで顔をない亀ぜにする。
     最初から蚀った方が良かったか。
    「それも含めお、おたえ次第だ。私は面癜い方に぀くからな、あの女を始末した䞊で、お前ずあの女のくだらない恋愛に手を貞しおも良い」
    「どういうこずです」
    「殺しはしない。私にお前が手をかすなら、そこは保蚌しおやる。いずれにせよ断る理由はないはずだ。お前が断れば私はあの女を䟝頌通り始末する。お前が手を組めば私が手を貞し、生き延びた䞊で情報をごたかし、手を貞そう」
    「どうしお、いや、貎方の目的は䜕です」
     そんなモノ決たっおいるだろうに。
    「䜜品のネタ探しさ。䜜家だからな。それ以䞊に優先すべき事柄は、いたのずころ私にはない」
    「いいでしょう」
     蚀っお、非人間二人は手を組むのだった。
     私が関わったおかげで、物語は歪み、恋愛モノからサスペンスホラヌに、奇劙な方向ぞず結末を向かわせおしたった感は、吊めなかったが。



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