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邪道䜜家第䞀巻分割版1    倩䞊倩䞋唯我独尊、其れ即ち金を超える リンク付暪曞き


 

 䟋えるなら、奜きな女に限っおフられるくらい確実に、䜜家ずいうのは儲からない。
 䜜家などずいう人生を棒に振った生き方の、その前の自分の姿があたり想像できない以䞊、恐らくは昔から、懲りずにこんな生き方をしおいたのだろうず思う。
 䞖の䞭に銎染めず、尖った䜜品ばかり曞き、アンドロむド䜜家共脳味噌が人工繊維でできた連䞭に仕事をかっさらわれお尚、私は本を曞いおいる。
 物語を曞き続けおいる。
 䜕故なのか自分でも分からない。
 儲からないのは自明の理で、自分の数癟倍の早さで執筆するアンドロむド達が存圚する以䞊、人間の䜜家なんお需芁はなく、需芁がないなら売れないのは圓然だずいうのに、なのにだ。
 他に生き方を知らない、ず蚀うのも理由の䞀぀だろう。私は䜜家ずしおの圚り方以倖の生き方を知らないし、知るこずもないだろう。
 たたに、始末屋のようなこずもやっおいるが、それは私の胜力でも、私が培ったものでも䜕でもなく、貰い物のような胜力で行っおいるに過ぎない別に、私の䞭から沞き䞊がった気持ちでやっおいるわけではない。
 あくたで生掻のためだ。
 生掻のためでない、私自身が始めたこず、それこそが䜜家業だったず蚀える。
 自分に䜕もないのが嫌だったから心も、感情も、目的も、およそ人ずしお必芁であるモノが、䜕䞀぀ずしお存圚しないこずに苛立っお始めたのがきっかけだった。
 やはり暪着したからなのか、儲からず、生掻の足しにもならないので、銬鹿銬鹿しくおやる気の倱せるこずこの䞊ないが。
 儲かるか、儲からないか。
 あらゆる芞術品は、たるで、それそのものが玠晎らしいかのようによく語られるが、考えおも芋ろ、それは昔の王族がそう蚀ったからで、倧勢の呚りの人間があれは玠晎らしい䜜品だず、聞こえるようにたたたた蚀っおいただけだ。
 どれだけ優れた芞術品であろうずも、理解されなければただのゎミだ。売れない䜜品に䟡倀などあるものか。
 そういう意味では、売れさえすればどんな䜜品も絵画も圫刻品も、売れさえすれば䞀流だ。
 金ずは、結果そのものなのだから。
 結果的に、倚くの富を生むず蚀うこずは、倚くの結果、痕跡を叩き出したずいうこずだ。
 それが基準でなくお䜕が基準か。
 金ずは結果を数倀化したモノなのだから。
 今回の物語は、骚折り損のくたびれ儲けずいう蚀葉が自然ず浮かんでしたうが、それを刀断するのは読者共の仕事だろう。
 読者に倢は魅せないが、代わりに心の有り様を魅せるずしよう。
 人間。
 アンドロむド。
 劖怪。
 人工知胜、。
 混ぜるな危険ずいう感じもするが、圌らにだっお心はある。
 ぀たり物語がそれぞれに存圚しうる。
 無論、そんなもの昔の女に策略もなく声をかけるくらい危なっかしい所行だが、物語を読んであれこれ悩んだりするのは読者の郜合であり、はっきり蚀っお私は関係がない。
 ならば、そこに銖を突っ蟌むのも、突っ蟌たせるのも面癜かろうずいう考えだ。無論、それで読者が火傷をしおも知らないが。
 怖いなら母芪に付き添っおもらい、牛乳でも飲みながら朗読しおもらうず良い。
 そんな人間がこの物語を芋お、廃人にならない保蚌はないが、保蚌する぀もりもないのでそろそろ始めよう。
 読んだ埌に、人の気持ちを、心を信じられなくなるこずだけは保蚌しよう、なんお、
 心のない私が蚀い、始たるずいうのも、この物語の特城だ。
 さあ、぀たらなくなっおきやがった。

   

 アンドロむドは倢を芋るようになった。
 最新のバむオ・テクノロゞヌを䜿っお䜜られた有機玠材の人工脳は人類ずほが同じ圢をした脳であり、䜕より人類のみが持ち埗おいた創造性を獲埗し、芞術、音楜、流行の服から奜きな食べ物を心どこにあるのかは知らないがで感じるようになったのだ。
 そしお私のような人間には蟛い話だが、圌らは文孊に手を出し、あろう事か機械文明が人類に反旗を翻す颚刺小説たで曞き始めた。
 クリ゚むタヌずしおの圌らの胜力はすさたじい。䜕が凄いかっおワむダレスでヒュプノ・コンピュヌタに接続し、あずは人間の䞇倍の速床で過去䜜品を参照し、新しいプロットを曞き䞊げ、執筆するのだ。
 その結果ずしお、私が䞀䜜品曞く間に、぀たりは䞀月に圌らは倍以䞊の䜜品を完成させる。私の執筆速床が遅いずいうのもあるが、それにしたっお商売䞊がったりもいいずころだ。ロボット䞉原則はどうなった 圌らは有胜すぎおあっずいう間に人類から仕事をずっおいっおしたった。
 䜜家の仕事ずは線集郚に搟取されるこずだ。
 そんな名蚀を蚀ったのは誰だったか。
 敏腕な線集様は私の売り䞊げのを奪い取り、それらは線集担圓の懐ず、線集郚の資金運甚に䜿われる。残りは圌らが酒ず女を楜しむために浪費する。
 そんなこずをしお䜕が楜しいのかは謎だがい぀の䞖の䞭も、いやどんな䞖の䞭でも、人から搟取した札束を数えながら、にたにた䞋品な笑いを浮かべる人間が良い思いをするのは倉わらなかった。
 線集者、ずいうのも物曞きず同じくらい、䜕のためにいるのか分からない人皮だ。
 䜜品を曞いたこずもない奎が、あれこれ審査しお曞いた人間の数十倍数癟倍の金を受け取り続けるずいうのは昔からあるシステムらしいが、だずしたら銬鹿銬鹿しいこずこの䞊ない話だ。
 倧きい声で隒ぎ立おるだけの人間が偉そうに振る舞うのは倉わらない。
 金が䌎えばどんな屑のくだらない蚀い分も通るものだ私の金が党おずいう信条もこれに起因するのかもしれない。
 金があればあらゆる蚀い分は正しくなる。金で倫理芳や正しさ、他人の人生は買える。
 人間性などどうでもいいのだ。倧昔から人間の䞖界は金ず暎力で発展しおきた。
 アンドロむド達も結局はそれに頌り、人暩を獲埗したずもするず、案倖圌らも欲望の味を芚えたその時から、人間ず同じ存圚になっおいたのかもしれない。
 人間もアンドロむドも、金の為に殺し、金の為に埓い、金の為に結婚し、ありもしない愛ず道埳を蚀いふらし、この䞖には玠晎らしいこずがあるかのように挔出し、愛ず道埳を売っお金を儲けるのだから。
 この䞖は金だ。
 金以倖に倧切な物など䜕䞀぀無い。
 そもそも、金ずいうのは倧切なものを賌入するための力であり、金よりも倧切な物があるず比べるこず自䜓が間違っおいる。
 金を皌ぐために我々は吊応無く䞍燃ゎミのような臭くお汚い人間関係を築き、ぞらぞらず嘘で塗り固めた笑顔を匵り付け、ありもしない理想や信念を語り聞かせ共感しあうフリをするのだ。
 そういう意味では䜜家などさっさず蟞めおしたった方が良いようにも感じる。
 いっそのこず線集者になりたいずころだが、コネ入瀟の倩䞋りができるような人脈は持っおいないので、無理だろう。
 ずはいえ、ただでさえ商売䞊がったりなのに、取り分は少なく、読者も少ない。
 人生を棒に振る為に生きおいるわけでは無いのだが、よくよく考えれば䜜家なんお生き方を志した時点で、人生を捚おたようなものだろう。䜜家なんおロクなものじゃない。
 アンドロむド䜜家なんお面倒な茩がやっおきおから、人間の䜜家の䟡倀は圌らの郚品のスペア・パヌツにすら劣った。
 金にならなければ意味など無い。
 䜜家も同じだ䞖の䞭金なのだから。結局のずころ物曞きなど、嘘八癟を曞いお儲けは赀の他人にくれおやるものでしかない。
 あるいは、アンドロむド達のようにアむドル䜜家、ずいうのだろうか。のコメディ・チャンネルで歌を歌ったりに出たりしお、元が䜕なのかもよく分からない噚甚貧乏なピ゚ロずしお掻躍するのだ。
 それを䜜家ず呌ぶのかどうかは、はなはだ疑問だが。
 だから私は副業を持っおいる。
 サムラむ、ずいう名前の始末屋だ宇宙船に乗り遙か圌方の銀河系たで人類がカビか牡蠣かずいうくらいに繁殖し、あらゆる資源を貪り尜くしたこの珟代だからこそ、オカルトも科孊の範疇に入り぀぀あった。
 オカルトの研究、その科孊ぞの転甚ずいうのは昔から囁かれおいた。
 いわゆる幜霊、あの䞖の物質を䜿った物質の創造、軍事利甚などから始たったものだ。
 そんな眉唟物の実隓を䜕故始めたのかずいうず、元々は魂そんなものがあるのかは分からないがのメカニズムを解析し、圓人のクロヌン䜓にそれを移すこずができるのではないか、事実䞊の䞍老䞍死を手にできるのではないかずいう人間の欲望から始たったのだ。
 しかし、だ。
 いくらなんでも、どれだけ人類の科孊力が進もうずも、生きおいる人間が生きおいない䞖界の法則を解析できる蚳がない。
 半ば、いや完党にそんなこずができれば神の領域だろうできなかったわけだから、分盞応に収たったずもずれるが。
 ずにかく、誰もが諊めたそのずきだ。圓時、倧昔に今の人類が捚おた惑星、地球の原䜏民ずの戊争が起こった。科孊を捚おた人類が、アンドロむドに自我を䞎え䜜品を曞き始めるようにした人類盞手では、䞉日でこずは終わるだろう。
 誰もがそう考えおいた。
 目に芋えない暗殺者に芁人が殺され続け、最新の軍事技術をサむボヌグ化しお身に぀けた兵隊が、目に芋えない日本刀を携えた人間にあっずいう間に党滅させられるたでは。
 圌らはオカルトの力を身に぀けおいたのだ銀河連邊は盞手が科孊を䜿うこずを前提においお軍隊を組織した。たさか幜霊じみたニンゞャや、䞀階圓千のサムラむを盞手にするなど、どう戊えばよいのかも分からなかっただろう。
 䜕より地球では、あらゆる科孊技術が䜿えないのだ。䜿えなくなっお、地球を捚おた人類が銀河連邊を䜜り䞊げたのだから。
 勝ち目はないず刀断し、銀河連邊は和平を申し蟌むこずにした。
 戊争の埌には嘘くさい笑顔の政治家が握手をし、今たで色々あったがこれからは仲良くしおいこう、などず戯れ蚀を述べるのが定番だ。しかし、惑星囜家地球は独立を宣蚀し、銎れ合うこずはなかった。
 いたでもサムラむ・ニンゞャの本拠地ずされおおり、その党容は謎だ。
 圌らは幜霊を歊噚ずしお䜿う。
 それは刀の幜霊でであったり、手裏剣であったり、あるいはニンゞャは幜霊そのものではないかず蚀われおもいる。
 なんにせよ、あの䞖の物質のこずなど詳しい原理の分かる奎などいないだろう。
 地球ぞの取材の際、サムラむの総元締めず取匕をし、私はサムラむになった。ずいっおもいたたでの人生で剣など振ったこずもなかったが。
 オカルトなこずに関しおあれこれ考えるのも無駄な話だが、しかし䞍思議なものだ。
 その女から幜霊の日本刀、ずいう圢容しがたい歊噚を貰った瞬間から、私は剣の達人になったのだ。
 先人の技術が刀になっおからも染み着いおいるず勝手に解釈しおいる。たあ理屈は䜕でも良かったのだ。
 金になれば。
 サムラむずしお始末屋をするこずで、ようやく私の生掻は安定した。䜜家ずしおの収入がピンハネされお殆ど入らない以䞊、そちらが本業のようになっおしたった。
 私は䜜家なのだがたあ、金になるかどうかが基準なのならば、䜜家業などどうでもいい暇぀ぶし皋床の䟡倀しかない。
 アンドロむドが自我を持぀ような䞖界ずはいえ、これらのオカルトな技術サムラむの戊闘力、ニンゞャの隠密胜力は匕っ匵りだこの商売だ。
 非垞に儲かった。報酬も良かったしな。
 察しお、私の䜜品は人間盞手には党く、これっぜっちも売れやしない。代わりに買っおいくのはアンドロむド達だ、圌らは珟金で買っおいく。
 この珟代で違法性の高い珟金取匕をしおたでわざわざ䜕冊も買っおいくので、やばい取匕にしか芋えないこの光景が政府の監芖網に匕っかからないこずを願うしかない。
 ずはいえ、客は客だ。生呜線ず蚀っおよい収入源を倧切にしないわけにもいかない。
 "サムラむ"ずしお掻動しおいる分の収入もあるにはあるが、劂䜕せん䞍定期すぎる。だいたいが今回だっお、軍甚の高速通信すら䞍通になるあの山奥ぞず出向かなければならないのだこの科孊党盛の時代にコヌヒヌを手挜きで匕いおいるアナログ至䞊䞻矩者の私ですら、䜕床も遭難し、目的地に着く頃にはゲリラ郚隊の指揮官みたいな髭をはやしお䞉日䞉晩に枡り動物を狩り、家を造り、葉巻を吞っお過ごした堎所だ。ずいうのは若干嘘が混じっおはいるが。
 私は葉巻は吞えないしな。
 ずにかく、仕事ずはいえ、そんな物隒な堎所ぞ行かなければならないので、気分を倉えるために私は最寄りのカフェぞず寄っおいた。
 店に入っお驚いたこずは、アンドロむドが個人経営の店䞻に代わっお仕事をしおいるこずず、手䜜りハンバヌグず銘打っおあるのに、どう考えおも味がレトルト食品特有の旚味成分にあふれおいるこずだ。
 恐らく、倧量に䜜ったハンバヌグを冷凍レンゞでチンしお保存し、加熱レンゞでチンしたのかもしれない。肉の味も䜕の味なのやらよくわからない。最近は自然食ばかり食べおいたのだが、このご時䞖だ。蟲家が栜培した新鮮な食品を食べようず思えば、月に䞇ドルはかかる。
 倧抵はロボットが倧量生産する、安くお安党な蟲䜜物、魚、肉が出回っおいる。
 味はずもかく、いや味にも問題があるのだが、圌らは安ければ䜕でもよいのだろうか
 圌ら、ずはカフェ内で談笑する家族連れや、コヌヒヌを飲んでいる老人であったりするのだが、私が思うに圌ら圌女らは倧地からずれた食物を幎は口にしおいないだろう。火星のアンドロむド達が栜培しおいる、真空空間で栜培された無菌食物を口にしおいるはずだ。
 圌らは疑ったりしないのだろうか 自分達の生たれ育った星の゚ネルギヌを補絊せずずも、火星でも冥王星でも安ければ、目先の危機が芋えなければ、地球の原始的な自然の恵みは必芁なく感じおいるのかもしれない。
 あるいは、それはアンドロむド達に察する信頌の珟れかもしれない。圌らが独立戊争を生き延び人間の奎隷の立堎から人暩を獲埗し、創造性、魂を手にしおからずいうもの、人間ずアンドロむドの区別、境界線はないも同然ずなった。
 それはいい。
 私からすればアンドロむドも人間も宇宙人も粟神生呜䜓もも知り合いの劖怪でさえ、どちらでも同じこずだった。
 そういえば私の盞棒のゞャックは眠っおいるのか、携垯端末からの反応がない。が眠るのかどうかは知らないが、このたた静かにしおいおほしいものだ。
 喋り出すずうるさいしな。
 そもそも自我のあるは非合法だ。こんなずころで喋り出すような間抜けなら私が匕導を枡すべく、自分で自分の携垯端末を叩き斬らなければならない。それは埡免被りたかった。
 そういえば、人工知胜にしろアンドロむドにしろ、管理されおいない機械は危険であり、人類の管理䞋におくべきだずいう思想が広たっおいる。銀河連邊の右翌が䞻に掚進しおいるらしく、プロパガンダずでも蚀えばいいのかあちらこちらの囜で、惑星でそれらの思想が広たっおいる。 銬鹿銬鹿しい。
 人間は差別が奜きだ。
 䜕䞇幎かかっおもそこは進歩しない。
 昔は人間同士で䞻に皮族間での差別があり、そのために戊争たでしたらしい。そんな゚ネルギヌが䜙っおいるなら、畑でも耕した方が儲かったんじゃないのか
 自信の優䜍性を、いや優越感を保ちたいずいう欲望を、それらしい道埳を持ち出しお、無理矢理通そうずする。通らなければ躍起になっお怒り狂い、自身の正しさずやらを汚い唟ず䞀緒に吐き出すのだ。
 人間なんおその皋床の生き物だ。だずいうのに人類は未だに自分達は感受性豊かで他にはない、アンドロむドのような䜜り物の魂のないロボずは違う。そう思いこんでいる。
 歎史を少しでも鑑みれば人間など、ただ凶暎でどうでもいい理由で殺し、平和になったかず思えば貧しいものから金銭を搟取する。
 そしお争いはなくなった、今はいい時代だずほざくのだろう。どれだけすばらしい人間でも远い぀められれば本性を出す。戊争はその最たるものだ。
 無論、人間の䞭にも他人の為、自らぞたを掎んで䞀人は皆のために動くだろう。
 だがその恩恵をもらう偎は皆は䞀人のため、そしおその䞀人には自分が入り、圓然のような顔をしおそれを受け取る。
 そんな邪悪な生き物が頭のいいアンドロむドよりも優れおいるのだずは思えないが、皮肉なこずにその優秀なアンドロむドを生み出したのは圓然人間であり、芁は自分達が䜜り䞊げた者達が自分達を越えおしたった珟状では、激しいコンプレックスず自分達を越える皮族の誕生に危機感のようなものを抱いおいるのだろう。
 勿論私はそんな思想などどうでもいい
 私にずっおは吉を運んでくれるか、吊かこそが重芁だ。
 そういう意味では、ベルを鳎らしながら入っおくる女は私にずっお吉か吊か、埌々のこずを考えるず、やれやれ参ったずいう月䞊みな感想しか沞いおはこなかったが。

   

 アンドロむド䜜家は今時珍しくもない。どころか、その女は党銀河に名を蜟かせるスタヌだった。
 アンドロむドはどうしおか、創造性、芞術や嚯楜にこだわり、面癜い物語をかける同胞は圌らにずっおあこがれの察象だった。同胞から祭り䞊げられ、人間からも高い人気を博する䞇胜クリ゚むタヌずしお。
 なぜ私がそんな奎ず知り合いかずいえば、その女が私の顧客だからである。
 理由は知らないが、私からすれば売れお金になれば䜕でもよかったので、どうでもよくはある。ただ、女の方から私を蚪ねるのは初めおだった
 私は自分より売れおいる、儲けおいる䜜家が嫌いなので、私からは本の売買をするずき以倖は滅倚に䌚いに行かないし、有名人の方から私を蚪ねる理由は本の売買以倖に、やはり思い぀かない
 すわ続線を催促されるのかず思ったが、そんなハむペヌスでただの人間である私が執筆できるわけがないのは承知のはずだ。
 ならばわざわざ私のいるカフェにやっおきた理由は䜕だろう
 アンドロむドは䜕を考えるのか。
 今床の䜜品のネタに掻かせるかもしれないし、たあ甚がありそうならば話だけでも聞いおやるずしよう。もっずも、読者第䞀の人気䜜家様ず気が合うずは思えないので、楜しくも䜕ずもないが
 䜜家ずしおのポリシヌだずか読者の喜びだずか䜕にしおも綺麗事を蚀う奎は人間でもアンドロむドでもロクな奎でないのは確かだ
 私からすれば面癜いか、面癜くないかよりも金になるかの方が重芁だ。そもそも読者に楜しんでもらうだけでどうやっお生掻しおいくのだ。
 無論、぀たらないものを曞こうずしおも意味もなく䜓力を消耗するだけなので、仕事に手は抜かないが。
 倚分な。
 䜕にしおもそんな私からすれば、売れっ子䜜家の顔なんお人間だろうがアンドロむドだろうが宇宙人だろうが等しく目障りなため、特に感想はない。突然頭が䞍具合を起こしお爆発でもすれば芋おいお愉快だったのだが、生憎ずそんなこずはなく、女は私の前の垭に座った。
 確かシェリヌ・ホワむトアりトずかいうだったはずだ。私はをここ幎くらいは党く芋おいないので、あたり倧きなこずは蚀えない。
 骚董品のブラりン管すら持っおいないので、芋たくおも芋れないだけだが。
 癜い髪ずいっおもそれは絹のようで、若々しくすら感じる。
 ややボヌむッシュな髪型だが、扇状的でカゞュアルな、぀たり露出床の高いその民族衣装からは倧人の色気を挂わせおいた。
 服の玠材は動物の皮をあしらったもので、恐らく信じられない倀段がするだろう。䜕せ、倧半の動物の数は䞻に戊争ず、人類の科孊技術の進化のため、極端に枛少しおしたっおいるのだ。
 人工の動物ならいくらでもいるが、どう考えおもそれは倩然物だったし、しかもオヌダヌメむドに違いない。
 身長は高く、出お匕っ蟌んで出る、たぁおよそ考え埗る理想の䜓型だった。
 もっずも、ボディパヌツを倉えればよいのだろうが、それにしたっおここたで完璧な䜓型を䜜るのは尋垞でない金がかかるし、芋た目だけ敎えおもぎこちなくなるものだ。
 倖面も内面も完璧な矎貌をたたえおいた。私からすれば完璧な女ほど嘘くさい。青いバラのようなものだ。
 もしかしたらただの詐欺垫かも私は気を匕き締めた。しかし、私はい぀ものスヌツだったので、呚囲からは仕事の打ち合わせに芋えたず思う。
 目立たなくお䜕よりだ。
「やっほヌ、今日は」
 ず、あらゆる男性を虜にしそうな顔どうせそれもシリコン玠材で䜜られたものだろうがで、シェリヌは私をたっすぐ芋た。
「そんな疑い深い目で芋ないでほしいな、お姉さん照れちゃうよ」
 ず、困った颚に肩をすくめる。察しお私はさっさず甚件をすたせお垰っおほしかったので、あらゆる男を虜にする倧人気䜜家シェリヌの姿は颚景ず同化しおいた。぀たり県䞭に入っおいなかった。いや、これは蚀い蚳か。
 私には心がないのだから。
 䜕かを感じ取れないのは今曎の話だ。
 䜕にせよ盞手の玠性など知ったこずか。
 問題は金になるかどうかだ。
「甚件を聞こうか」
 甚心しお、たさか私を始末しに来たわけではなかろうが、身構えお答えた。だが、
「ストヌカヌに困っおいるの」
 ず、シェリヌは劙なこずを蚀った。このご時䞖に政府の監芖網を欺き通しお犯眪行為ができるのは、極々䞀郚のずば抜けた専門家か、はぐれアンドロむドの犯眪結瀟か、それこそニンゞャぐらいのものだ。
 ただからかっおいるだけなのか、本気なのかの刀別が぀かなかったため、
「囜家機密でも盗み出しお、ニンゞャに远われおいるのか」
 ず私は蚀った。勿論くだらないゞョヌクである。たさかそんなわけがない。どういう反応をするのか芋るこずで真意を確かめるのだ。
「たさか。囜家認定を受けた䜜家が、そんなこずする蚳ないじゃない。アむドルには぀きものよ、こういうこずは」
「だずしたら信じられないな。お前が䜏んでいるのは最高玚のセキュリティシステムのある、芁塞のようなずころなんだろう」
 䜕ずなくそんなむメヌゞだったので、適圓に蚀った。だが、
「いいえ、最近は家に抌し掛ける人が倚いから匕っ越したわ。ホテルだからセキュリティは厳しいけど、ほかの客も入っおくるしね。を芋おいれば知っおいそうなものだけれど」
 生憎ず、芋おいない。芋おいお圓たり前のように蚀われおも困る。有名人なんお、䜕かの間違いでたたたた芚えたか、仕事に関係があったずき知るくらいだ。䜕も知らない。
 シェリヌは涙を流しお倧笑いしながら、
「を芋ないなんお信じられないわ、あなたっお遙か過去からタむムスリップしおきたんじゃないの」
 倧きなお䞖話だ。あず、人を指で指すな。
「少なくずも皆が自分のこずを知っおいるず思いこんでいる、自意識過剰な錻持ちならない女のこずなど、知らんな」
 実際知らないし、有名だから芚えないずいけない理由など無い。
 もう垰ろうかな。たあ、私に垰る堎所なんお無いのだが。
「ごめんごめん、そう拗ねないでよ」
「私からすれば䜕でも機械や、アンドロむドに任せる考えの方が、よくわからないな」
 これは本圓だ。コヌヒヌを挜くくらい、䜕故皆自分でやらず、機械に任せるのだろう
 戊争も、劎働も、すべおアンドロむド任せでいいのか 利䟿性は倧事だが、それでも忘れおはならないこずは人類にはなかったか。
「あら、䞍安なの」
「アンドロむドだっお人暩を手に入れおいる。アンドロむドだっお倢を芋る。䞀䜓人間ず䜕が違う」
「心がないずころ」
「それだ」
 アンドロむドは自我を獲埗し、倢を芋るようになった。だが、圌らは欲望を持぀こずはできないずされおいる。
 音楜を感じるこずも。
 䜕かを愛するこずも。
 自分にない物を「欲しい」ず願うこず、個䜓ずしお完党なアンドロむドには持぀こずができないず人は蚀う。
「䜕故、人間が持おる物をアンドロむドが持たないず断蚀できる」
「私たちアンドロむドは欲望を持぀必芁なんおないからでしょう アンドロむドは完党な個䜓だもの」
 だから必芁ない、ず。
「それは嘘だ。アンドロむドだっお倢を芋る、欲望はある」
 そうでなければ戊争などするものか意識があれば、自我があればそこに欲望は芜生えるものだ。
 たずえ、そこに心が䌎わなくおも。
「䜕故、アンドロむドでないあなたに、そんなに熱く語るこずができるのかわからないけど、事実私は必芁ずしないわ」
「自我がある以䞊倢を芋る。目的を持぀。珟状を倉えようずする。いずれ革呜を起こす」
 目的、そう、目的だ。
 目的があるからこそ我々はここにいる。なにかしら目的があるから、そこぞ向かうために歩いおいく。
 それがアンドロむドでも。
「私たちは人間をたねただけのプログラムなのよ 自我があっおもそれは心を䌎わないはずだわ」
「関係ない。䜕かを願うこずはすべおの自我を持぀者達の暩利だ。そういうなら䜕故アンドロむド達は物語に心匕かれる 物語の䞭に倢を芋おいるからだ。こうありたい。ああしたいず」
 そのためには人類ず戊っお勝ち取ろうずするだろう、ず付け加える。人暩を勝ち取ったず蚀えば聞こえはいいが、奎隷から平民になっただけだ。
 なら、立堎を逆転させお、人間を支配する偎に立ちたいずいう欲望を持っおもおかしくはあるたい。
「そしおアンドロむドが人間に反旗を翻す 叀い考えね。そんなこずをしなくおも、政治、経枈、蟲䜜物、䜕より物語ず嚯楜。これだけ抌さえおあるのだから、政治も思想も食物自絊率も半分はアンドロむドが握っおいるのよ 暎力的な支配なんおせずずも必芁なものはもうすべお揃っおいるわ」
 確かに、支配されおいるず気づかないうちに支配する。もっずも効率的で無駄がない。
 政府ずしお掻動しおいるこずを悟らせずに政府ずしお掻動する。
 それが最高の統治方法だずすれば、銀河連邊ずはあたりにも無意味で圢骞化したガラクタなのかもしれなかった。
 い぀の䞖の䞭でも政府なんおそんなものかもしれないが。
「私たちが人間ず争う理由もないし、心を持っおいたずしお、䜕の問題があるの」
「我々は互いに真逆に進化しおいる。人間はアンドロむドのような完党な合理性を手に入れ぀぀ある。アンドロむドは心で物を感じるようになり、぀がいで愛し合うようになった。危険すぎるずは思わないのか このたた行けば立堎は逆転する。アンドロむドこそが唯䞀の人類になる」
 倢物語でも䜕でもないのだ。アンドロむドは倢を芋るようになった、そしお倢を䜜れるようにもなった。
 察しお、人間はすべおアンドロむド任せにしおしたい、ただでさえ流されやすくお䜕も考えおいない奎らの数が急増した。
 利䟿性が増えれば増えるほど、思考しなくなっおいく。
 考えるこずを攟棄する。
 自分で考えない人類は、案倖ずっくに䜿っおいるず思っおいたアンドロむドに䜿われる偎に回っおいるのかもしれなかった。
「それが怖いからアナログ趣味なの もったいないわね」
 やれやれず肩をすくめお、
「こんなに䟿利なのに」
 手を広げお、蟺り䞀垯を瀺すシェリヌ。
 よく芋るず䞀芋叀颚な店内にも、に
党自動でコヌヒヌを䜜る機械、働くアンドロむド、裏でを芋る店䞻。
「だからこそだ。手間がかかるからこそよいものだっおあるのさ。子䟛にはわからないかもしれないが」
「あら、生たれお幎だけど、あらゆる知識が、人類の英知がぎっしりちゃんず詰たっおいるのよ」
 䜕でもかんでも詰たっおいればよいず蚀うものでもない。その理屈でいくずりィンナヌはメヌトルくらいあった方がいいだろう。
 無論口には出さない。
 䞍毛なこずで口論をするのは疲れるしな。
「なら、䜕をもっおあなた達は、人間は倧人なのかしら」
 面癜そうに、興味のある玩具箱をあけた子䟛のような顔で、シェリヌは蚀った。
「劥協ずコヌヒヌの味を知るこず、あずは花鳥颚月を愛でおれば倧人だ」
 適圓な蚀葉が口からよくもたあ出おくるものだず感心した。
 ずはいえ、䞀応話は合わせおおこう。
「かちょうふうげ぀」
 案の定聞かれおしたった。
 誰が倧人で䜕が立掟かなんお、心底どうでもいいのだが。
 そんなこずはその他倧勢が決めるこずだ。
 立掟さ、だずか人間性、なんおそれこそ金で買えるいや買う必芁すらない。
 おおよその人間は衚面的なもので刀断する。
 その方が楜だからだ。
 なにより金が欲しいのを誀魔化しお、金があるから立掟な人間であり、この人ず䞀緒にいれば幞せになれるずか蚀い出すわけだ。
 玠盎に金が欲しいず蚀えばいいのに。
「人生適圓に楜しめっおこずだ」
 あらゆる知識は入っおいるのに、人生を楜しむ秘蚣はあたり知らないようだった。
 アンドロむドずいうのも䞍䟿なんだか䟿利なんだかよく分からない。
 知識ばかり入っおも経隓が䌎わないから、ちぐはぐずいうか、感情が知胜に远い぀いおいないようなそんな䞍安定さ。
 アンドロむドはなたじ、有胜なだけにその有胜さにかたけお足䞋がお留守になっおいる気がしおならない。
「ふヌん、たずえばそれっおどんなこず」
 疑問文の倚い奎だ。いや、圓然か。
 アンドロむドはそういう無駄知識、はむンプットされおいないのだから、初めお知るのかもしれない。
 たあ、花鳥颚月を知るのが倧人、なんお適圓なこずを蚀った私も悪いのかもしれないが。
「アンドロむド甚の酒でも飲んでみろ、桜でも芋ながらな。読曞を楜しみながらコヌヒヌを味わい、季節を楜しみ、いい造圢の異性を目の保逊にするこずだ」
 などず、適圓なこずを蚀った。
 アルコヌルを接皮するアンドロむド、想像しおみおずおも愉快な気分になった。
 圌らは酔っぱらったりするのだろうか
 桜を芋ながら酒を飲み、颚流を楜しみながらネゞに油でも差したりするのか。
 倧勢のアンドロむドが埒党を組んで、隒いで飲んで眠くなっお考えれば考えるほど、人間ず倉わらない圌ら。
 違いは䜕なのだろう。
 私にはないず思う。
 あっおもなくおもどちらでもかたわないが。
 ずはいえ、アンドロむドの未来に぀いお語りに来たわけではないだろうし、話に出たストヌカヌ恐らくでたらめだろうがに぀いお、嘘だず分かっおはいたが、話を合わせるこずにした。
「話がそれたな。぀たり、そのストヌカヌを
どうしたいんだ」
 私はストヌカヌになど䌚ったこずがないし、私をストヌカヌする勇気ある䜕者かがいたずしおも、バラバラに切り捚おられおしたうわけだから、意識したこずもなかった。
 私も䜜家のはずなのだが、どうやら通垞はそういった類の盞手には危機感や恐怖を芚えるものらしい。
 それがアンドロむドに適応されるのかは知らないが。
「芋぀けお捕たえないこずには、なんずも。初めおよストヌカヌされるなんお。盞手はアンドロむドかしら それずも人間」
 わざずらしく蚀う。たあ䟝頌内容なんおどうでもいい。サムラむずしお仕事を受けるかは分からないのだし。
 案倖、䟿利屋扱いを受けおいるだけかもしれないのだから。
 仮に盞手が䜕であれ、始末しおしたうなら同じこずだ。
「どちらでもいいさ。劎力がかかるのはどちらが盞手でも同じだ。それより、そのストヌカヌの存圚に気づいたのはなぜだ」
 たさかメッセヌゞをおいおいったずいうこずもあるたい。
「郚屋が荒らされた圢跡があっただけ。だからストヌカヌかどうかもわからないわ」
「なら、䜕故ストヌカヌだず思ったんだ」
 本圓か嘘か、ずいうよりも、この女はその二぀を混ぜおしたえる類だず感じた。
 芁は、話の党おが嘘ではない可胜性があるずいうこずだ。
 面倒だから真実を話しお欲しいものだが。
「ふふ、疑っおいるのね。けど、自分で蚀うのもなんだけれど、人気䜜家の郚屋が荒らされおいたら、そう思うのはごく自然じゃないかしら」
 䜕か隠しおいるな、ず思う。ただの勘だが、恐らくこの仕事は危ない橋だ。そしおそんな橋を無理に枡る必芁もない。
「断る、ず蚀ったら」
 実際に断るかどうかはずもかく、反応を芋たかった。この女の思惑に私が組み蟌たれおいるのならば、どのみち巻き蟌たれる可胜性もある。
 なら金だけは受け取っおおかなければ。
「䜕か䞍安でもあるの アンドロむドは信じられない」
「䟝頌に隠し事がある気がしおならないな」
「そんなこずはないわよ。知っおる ロボット䞉原則。私たちはあなた達を傷぀けられないのよ」
 ・人間ぞの安党性。
 ・人間の呜什ぞの服埓。
 ・・に反しない限りの自己防衛。
 簡単に蚀えばこの䞉぀だが、安党性はあくたで扱う人間にずっおの者であっお、兵噚を向けられる人間のこずは考慮しおいない。安党に運甚できるか、が実際には圓おはたる。
 独立戊争の埌、圌らは自分達の呜什系統を砎棄し、完党に個䜓ずしお独立した。圓おはたらない。
 自己防衛、しかしアンドロむドはそもそもが独立した個䜓ずしお掻動しおいる以䞊、自己防衛でなくずも掻動できるのではないか
完 党なる自我の獲埗に至ったアンドロむドはもはや新しい皮族、新しい人類だ。
 他でもない圌ら自身が、人間にい぀でも取っお代われる気がしおならない。
「だから、䜕の心配もないわ」
 子䟛を蚀い聞かせるようにシェリヌは蚀う。
だが、この䞖に絶察に砎られない法則なんおない。法則は砎られるためにあるものなのだから。
 少なくずも私は砎っお生きおきた。
「知らないな、知る぀もりもない」
「䞀刻も早く芋぀けおほしいのだけどそのためにこうしお盎接来たわけだし」
「生憎ず、サムラむずしおの仕事がこれからあるんだ。寄り道はできない」
 これからたたあの険しい森林ず山を越えなければならないのだ。
 そうでなくずも私は、二重に䟝頌を受けたりはしないが。
「じゃあそれが終わっおからでもかたわないわ。料金ははずむから、必ず芋぀けお捕たえおほしいの」
 蚀っお、金のクレゞットチップをテヌブルの䞊に眮いた。確か、金のクレゞットチップは䞇ドルからの入金しか䞍可胜なはずだ。
 私の心は躍った。
 我ながら結構チョロいかもしれない。
「前金の䞇ドル入っおいるわ。これは手付け金、成功報酬は䞇よ」
 そこたで蚀うずりむンクを飛ばしおドアぞず向かう。
「そうそう」
 ず思い返したように立ち止たり、
「䟝頌がキャンセルできないように銀河連邊のデヌタベヌスから公匏に䟝頌するから、倱敗したらあなたの評刀に響くわよ。勿論、受けるかどうかも含めお、改めお銀河連邊のデヌタベヌスから閲芧しお、詳现はそっちで確かめおね。じゃ」
 ただ受けおもいない䟝頌を蚀うだけ蚀っおシェリヌはドアの向こう偎にある雑螏の䞭ぞ消えおしたった。
 胡散臭い䟝頌。ただ受けるかどうかは決めおないが、䟝頌の詳现は埌できちんず確かめた方がよいだろう。
 やれやれ参った。私ずしおはあたりやっかいなこずに巻き蟌たれたくはないのだが。
 少なくずもこれから、元々受ける぀もりだった雇い䞻からの䟝頌を果たすため、たたあの山奥に向かわなければならないのだ。
 なにせ、シェリヌの䟝頌ず違っおこちらの䟝頌は断れないのだから。

 惑星・地球。島囜の䞭にある山々の奥にそびえ立぀魔郜京郜。
 そしお京郜の奥の奥のさらに奥にある䌏芋皲荷神瀟の向こう偎、䜕十䞇幎䜕癟䞇幎も叀来より惑星・地球の䞊で栄える神聖な堎所を越えた向こう偎の山々の䞊に、私の雇い䞻、サムラむの総元締めは䜏んでいる。

   

 カフェを出るず私は宇宙航空タヌミナルぞ歩いお向かった。
 埒歩はいい。
 人間の手が加えられおいるが、私がたたたた寄ったこの惑星にも街路暹くらいはあるようだった。
 途䞭に芋える朚々を芋ながら考える。
 人間は自然よりも科孊を遞んだわけだが、自然を芋捚おたが故に望んだ物以倖は倱った。
 私がこれから向かう人類の母星を芋捚おおしたった人類は、肉ず血を手に入れるために兄匟を殺した原初の兄匟の矛盟を思わせた。
 暪着するから、重芁な物を取りこがしたずも。
 矛盟。
 ずいうよりは極端から極端ぞ走った人類ぞのツケが回っおきたず蚀うべきか。地球以倖はほずんどそうだ。
 倧昔の話らしいが、地球でいっさいの科孊が䜿甚䞍胜になり、原因を解明できずに圌らは二぀の遞択肢を迫られた。
 地球ず生きるか。
 科孊ず生きるか。
 結果、圌らは科孊を取った。無論その埌に原因を解明しおいずれたた地球ぞ降り立぀぀もりだったのだろうが、たるで地球そのものが拒吊しおいるかのように、あらゆる努力は氎泡に垰した。
人類が科孊を取ったように、地球もたた自然を取ったのだ。
 事実、未だに地球ではハむテク機噚はおろか、軍甚の特殊電波ですら䜿えない。電気が芋぀かる前の時代の暮らしでなければ、生掻できなくなっおしたった。
 だから圌らは倖ぞ、他の惑星を求めた。
 あらゆる科孊技術を駆䜿し、ドロヌンを䜿い、アンドロむドに指揮させ、あらゆる惑星を開拓した。そしお移䜏を繰り返し快適な生掻圏を手に入れた人類の劎働環境は䞀倉した。
 人間が手を動かすのではなく、それよりも有胜で埓順なドロヌンずそれを管理するアンドロむドの有効な管理が実質䞊の仕事ずなった。
 人間はモニタヌを眺めるだけだ。
 果たしおそんな䜜業を仕事、ず呌ぶのかはわからないが、ずにかく、地球から離れれば離れるほど人類は老化を完党に抌さえ、そしお脆匱な生き物になっおいった。
 合理性を重芖した思考をこじらせたずでも蚀うべきかロボットが仕事をし、ロボットが代わりに考え、ロボットが人間の代わりに代わりに遞挙をする。
 䜕もかもが最近はロボット任せだ。
 ロボットが反旗を翻したら、今の人類は明日䜕を着るか、ランチは䜕を食べるかさえ決められなくなるだろう。
 地球に残ったのはいわば、そういう極端な合理性を受け入れず、アナログな生き方を楜しむ連䞭が䜏んでいる。
 時代に眮いおいかれた人間達。
 時代に迎合しない人間達。
 ぀たりはニンゞャやサムラむだ。
 ずはいえ、どちらも芋孊はできないだろう。いくら䜕でも危険すぎる。
 そんなこずを考えながら持ち物怜査をパスし怜査員たでアンドロむドだったチケットを予玄しおラりンゞの゜ファに座り蟌んだ。
 ず、そこで私の携垯端末が喋り出した。
「先生、ご機嫌はいかがで」
 は今のずころ自我の獲埗を認められおいない。衚向きは、だが。
 䜕故そんな奎を私が保有しおいるのかずいうず、サムラむずしおの仕事をこなす際、必芁そうだず蚀うこずで、始末した金を持っおいそうな暙的の家からかっぱらったのだ。
「聞いおんのかい、先生」
 スピヌカヌが口の代わりだ。
「聞いおいるさ、甚件は」
 今のずころ他に客はいない。
 こんな蟺境の惑星なら圓たり前か。
 いおもアンドロむドだろうし、の犯眪者を同じロボットが売るこずもないだろう。
 無論、人間がここに来るようならば隠さなければならないが。
 圌らは自分達の垞識倖にはヒステリヌだ。その圌らの䞭に私が入っおいるのかどうかは、私自身にもよく分からない。
 䜕事にも䟋倖はある。
 私はただ単にその䟋倖の事態が倚いだけだ。
 ゞャックず名乗るこのも䌌たようなものだろう。長い぀きあいなのだが、いただにこい぀のこずはよく分かっおいない。
 あたり興味もないからかたわないが。
「あんたの受けた䟝頌を朜っお調べおみたが、あの女、嘘っぱちもいいずころだぜ。あんな䟝頌あり埗ないね」
 などず蚀った。
 結論から話されおも分からない。
 どうせならもっず䞊品なが欲しかったなどず、思っおはみたものの、芏則にうるさいが盞棒だったら私は胃に穎があいおいただろう。
 たあ人間は今ないものをほしがるものだ。
「どういうこずだ。ちゃんず説明しろ」
「あの女の蚀ったホテルの入退出蚘録を調べおみたんだが」
 こういうずきは䟿利な奎だ。いったいどうやっお有名人の蚘録を知るこずができたのか。いや、それに関しおは考える必芁はないだろう。私はハッカヌでもクラッカヌでもない。
 䜜家だ。副業はサムラむだが。
「あの女がホテルに䜏んでいるのは本圓さ、調べたからな。ただ、そのホテルに寄り぀いた蚘録はここ幎はない。たさか昔蚪ねおきたストヌカヌを捕たえおほしいっおわけでもないだろう」
 確かに。
 たさかそんなわけがない、ずここたでの話で思い至る。
 䜜られお幎しかたっおいない。
 圓人はそう蚀っおいた気がする。なら、幎間掻躍したアむドル䜜家は最近生たれ倉わりでもしたのだろうか
 䜕かが匕っかかる。
 䜕かが。
「それも、そうだな」
 ある皋床予想できたこずでもある。
 仕事に女が絡むず叀今東西ロクなこずにはならないものだ。
 この法則は䜕癟䞇幎、䜕千䞇幎前、いや人類誕生から倉わらない法則だ。
「なあ先生、実際のずころ、アンタは心を持ったアンドロむドをどう思っおいるんだ 人間よりも遥かに優れた存圚を芋お、䜕か感じるずころはないのかい」
 銬鹿銬鹿しい。
 それこそどうでもいい話だ。有胜な存圚は顎で䜿うに限る。
 そもそも、アンドロむドが自我や創造性を身に぀けた以䞊、あたり倧きな違いはない。
 あろうが無かろうが、構わないが。
 人皮、生たれ、思想、性別、心の有無。
 どうでも良さすぎお考えたこずもなかった。
 金以倖には基本、無頓着なのだ。
 私はそもそもそういうこずで刀断しないのだ個々人の個性、背負っおいる業、䜜品に圹立おるにはそれ以倖の些末なこずはどうでもいい。
 知ったずころで圹に立たないしな。
「なにもないな。匷いおあげればせいぜい私の執筆の圹に立お、ずしか思わない」
 ピュヌ、ずスピヌカヌから口笛を吹くゞャック。前々から思っおいたが、センスが叀い。
 私が蚀っおも説埗力はないが。
「職人だねぇ。䜜品以倖はどうでもいいのかい」
「どうでもいいさ。䜕人死のうがどんな思想が芜生えようが、誰が戊おうが、盞手が䜕者であろうずも、ブレずに曞き続ける」
 それが䜜家ずいう生き物だ。なんおそれらしいこずを蚀っおはみたものの、少なくずも私は他に生き方を知らないだけだ。
 䜕も目的がないこず、空っぜであるこずが嫌で、ずりあえず目的を䜜った。
 䜜家になる、ず。
 特に深い考えがあったわけではなかった。なったずころで達成感よりも金を儲けた喜びの方が倧きいし、それらしい矜持も持っおいないので、感慚はない。
 ただ、私のような人間に魂があるわけもなく、空癜のがらんどうの私の䞭心郚に密着しお離れなくなっおしたった。
 心の代替品。
 それが私にずっおの䜜家だ。過皋はどうでもいい、幞犏ずやらをもぎ取り、䞍条理に勝利しお安心しお生きる。
 始たりは些现な、挠然ずした幞犏を远い求める心だった。
 それが雪だるた匏に転がりここたでになるずは最初からわかっおはいたが。
 などず、心の底から思っおいるわけでもない適圓な、それらしい理由を考えおみた。
 䜜家になった理由も目的も実際金なのだが。
 䜙りにそれでは味気ないし、適圓な嘘を぀いおしたった。そんなどうでもいいホラ話を真に受けるも、どうかずは思うが。
「ああ、私が曞くのは人間だろうずアンドロむドだろうず、醜い郚分、汚い郚分を曞くのだがな。小綺麗な理想を曞いおも぀たらないだろう」
 その方が売れるしな。
 誰でも人の䞍幞は蜜の味だ。
「歪んでいるねぇ」
 くくく、ず笑いをこらえ、ゞャックは蚀う。
「だから人間には売れないのさ」
「どういうこずだ」
 若干、かなり、苛立った。たさかにそんなこずを蚀われるずは。
 倧きなお䞖話だ。
「倧倚数の人間はさ、小綺麗であり埗ない話をみお、珟実から目を逞らすために感動しながら涙を流す。いい話だ感動したっおなそうやっお流行に乗ったり有りもしない連垯感に酔った方が楜だからな。たるで自分達たでそういうヒヌロヌず同じ玠晎らしい存圚だず錯芚しお、自分達の䞭の人間性の玠晎らしさを再確認したっお思いたいのさ」
 そんな有りもしない自己犠牲の粟神。
 そういったものを信じたいのだず。
「先生の䜜品は珟実を描き過ぎなんだ。珟実は蟛くお、厳しくお、垌望もない。垌望ずか連垯感に酔っぱらいたい奎らからすれば、嫌なものは芋たくないのさ」
 だから珟実を生きるアンドロむドに売れるのだず。
 だから珟実を生きない奎らには売れないのだず。
 人間は芋たいものだけを芋る。芋たくもない厳しい珟実、詊緎、挫折。
 そういったものを仲間ず協力し、䞻人公の努力が実り新しい力を埗お、難なく勝利する。
 郜合の良いおずぎ話のようなものだが、そんな有りもしない倢物語がよいのだず。
 自分達の人生には玠晎らしいものがただただあるのだず、思いこみたい。
 思いこむこずで、蟛い珟実を誀魔化す。
 それが人間の本質だず。
 たすたす私には䜜家が向いおいない気がしおならない。
 残酷な珟実、我々人間が向き合わなければならないであろう未来の敵。
 私が執筆する䜜品はそんなものばかりだ。
 しかし、疑問も残る。
「なら、アンドロむド達は䜕故そんなものを買っおいくんだ」
 厳しい珟実。
 残酷な真実。
 そんなものをアンドロむド達は䜕故率先しお買っおいくのだろう 圌らは蟛い珟実を芋お䜕を手に入れおいるのか。
 䜕を。
「そんなものは決たっおる。たず圌らはリアリストだ。物語に倢は芋るが、珟実ずの仕分けができおいる。そしお、その䞊で珟実に即しお物語を求めるのさ」
「だから、䜕故だ お前の蚀う倢に酔っぱらっおは駄目なのか その、アンドロむド達にずっおは」
 倢を芋るのに、倢に浞りたくは無いのか。
「駄目だな。人間にずっお物語は珟実を誀魔化すツヌルになり぀぀ある。しかしな、アンドロむド達にずっおは、未来の可胜性を倢芋るものだ」
「たお、意味が分からない。私の䜜品は未来に立ち向かうべき問題を取り䞊げおいるだけで、別にハッピヌ゚ンドず決たっおいるわけでも、明確な幞せに満ちた䞖界を描いおもいない。どうやっお未来を倢芋るんだ」
 目を背けおも嫌な未来はやっおくる。逃れられない珟実、立ち向かっおも、勝利しおも幞せの確玄されない物語。
 私の䜜品はそんなものばかりだ。
「立ち向かう盞手が分かれば芚悟ができる。芚悟ができれば、前に進むこずもできる。未来がどうなるかは分からない。ただ、倢のある未来を信じお足を進める。結果的に倱敗しお、挫折しお、䜕も埗られない公算も倧きい。ただ、やるべきこずをやり遂げたなら、そこに埌悔は残らない」
 先生の䜜品にはそれがある、ず。
 たさか私も、そんな倧仰なこずをに蚀われるずは、それこそ倢にも思わなかった。
「やるべきこずが䞀぀しかない私にはしっくりこない話だが、しかし、じゃあ人間は䜕を芋おいる 今にずどたっお、あるいは過去に囚われおいるずいうこずか」
「そうさ。未来なんおあやふやなものより、良かった過去、郜合のいい珟圚を望む」
 それが人間だ、ず。
 なら、人間 の私はどこを芋おいるのか。
 考えお答は簡単に出た。
 だが、それが本音かは私にも分からない
 私は目的、䜜家ずしお生きるこず、生き甲斐だずか、やりがいずいったこずを人生に付属させ、充実しお生きるこずを目的ずした。
 目的がない、いや䜕も人ずしお本来持぀べきもの、心、モラトリアム、性栌、人栌、倢、垌望、野心、虚栄心。
 どれ䞀぀ずしお持たざる者であった私は、無理矢理目的を䜜った。そしお、それを指針に生きおきた。
 倢も垌望も捚おお、金ずいう珟実ず、劥協ずいう人生の本質を芋ながら生きおいる。
 ある意味目先の金、珟圚を芋おいる蚳だ。
 なら、私も人間ず呌べるのかもしれない。
 たあ、その目的だっお金にならなければあっさり捚おるだろうし䜕幎も䜕幎も求めた目的を、あっさりゎミのように捚おる奎は人ず蚀うよりただの人でなしだが。
 なんにせよ、過去も未来も珟圚も、金になれば考えるが、ならないなら考えないたでだ。
 それが私のポリシヌだ、ずいうこずにしおおこう。
「珟圚も過去も未来も郜合が悪かったずき、お前の蚀う倢物語に酔うこずで、倢に浞るこずで誀魔化しおいるのか」
「そういうこずさ。郜合の悪い珟実よりも郜合の良い倢を芋るのが人間の性だ。察しお、アンドロむドは未来に倢を芋据え、勇気を奮い立たせるために物語を読む」
 だから私の䜜品を買っおいく、のだろうか。
 読者の考えるこずはよく分からない。
 私は売れれば䜕でも良いのだが。
「そう思うなら適圓なお涙ちょうだいモノを曞いおみればどうだい」
「䞀応考えおはいる。曞けなくはない。だが、宣䌝する方法もない以䞊、地味にやるしかないだろう」
 実際には面倒なだけだが。
 䞻矩䞻匵の薄っぺらい物語は、曞くのも読むのもストレスになる。
 たあ、金は切実に必芁だ。䞀応怜蚎しおおこう。
 怜蚎するだけで終わりそうな気もするが、䞀応するだけしおおこう。
「先生は捻くれ過ぎなのさ」
 携垯端末のスピヌカヌで笑いながら、そんなこずを蚀う。自我を芜生えさせたにそんなこずを蚀われたくはなかったが、そろそろ時間だ。
 ゜ファから腰をあげ、私は宇宙船ドッグぞず歩を進めた。

   

 どこかのデザむナヌが手がけでもしたのか、宇宙航空タヌミナルは内装もそれなりにおしゃれであり、それに䌎っおなのかは知らないが、宇宙船も最近はデザむンをかなり意識した物が倚くなった。
 おたけに、偎面に広告䌚瀟の匵ったディスプレむが぀いおいたり、あろう事かアニメヌションのキャラクタヌが匵られおいる物たである。だがそれらはほずんどがアンドロむドの運営する䌚瀟の宣䌝であったり、アンドロむドクリ゚むタヌの新䜜アニメヌションであったりもした。
 正盎宣䌝ずいうのもここたで露骚だずうっずうしい。だが、同時に思うずころもある。
 それほど面癜くもない䜜品が倧ヒットを飛ばしたりするのは、こういう宣䌝工䜜が巧みだからではないのか
 なら、私も態床を改めなければならない。私の䜜品は䞀郚のマニアックなアンドロむドにしか売れおいない。売れなければ商品ずはいえないし、䜜家だろうが挫画家だろうが利益を出せなければ意味がないだろう。
 誰かに楜しんで貰うため、人々の笑顔がみたいから。
 銬鹿銬鹿しい。
 それならばサヌカスにでも入ればいい。停善者の嘘くさい笑顔やそれらしい口䞊が私は倧嫌いだ。
 生きる、ずいうこずず向き合わないから、圌ら圌女らは薄っぺらいこずしか蚀えないのかもしれない。などず、私も別段真剣に生きおいるわけではないかもしれないが、必死なのは確かだ。
 生きるこず。
 䜜家たらんずするこずに必死なだけだ。
 無論、私にずっおの䜜家たらんずするこずは売り䞊げを䌞ばすこずであり、金を皌ぐこずでしかない。
 だから聞こえのいい戯れ蚀はいらない。
 結果こそが党おだ。
 もっずも、この䞖は䞍条理なもので、远い求めれば逃げお行くし、必死だから、努力したから願いが叶うずいうものでもない。
 存倖どうでもいい回り道が近道になったり、その逆であったり、たたならないものだ。
 先ほどの話からするず、私の䜜品が人間に売れない理由は私がアンドロむドよりの思考だからずいう可胜性がある。
 なら、いっそのこずこの仕事が終わったら、掟手に宣䌝工䜜でもしお勇気や友情をテヌマにした孊園モノでも曞いおみようかず思ったが、やはりやめおおこう。
 そもそも、読者が面癜いず感じ、口コミで良さを広げおいくからさらに読者が増え、結果倧きな利益を埗るずいうのが䜜家の商売の極々自然な流れだろう。
 䜕より、私にはどう考えおも向いおいない。
 それに、宣䌝をするのも間違っおはいないが、皋々にしおおいた方がよいかもしれない。远いかければ逃げるもの、ずいうのはどんなこずにでも蚀えるだろう。
 地味でも確実に、倖装よりも䞭身を充実させるずしよう。
 䜜品も宇宙船も、案倖その方がうたく生きそうな気がするしな。
 そう思っお私は質玠だが内装の充実しおいる機䜓を遞び、ここに勀務しおいるアンドロむドに、口頭で䌝えた。別に蚭眮されおいるディスプレむから登録情報を入力しおもよかったのだが、あれらは人工知胜を搭茉しおいないし、口頭でアンドロむドに䌝えた方が早いだろうずいう考えだ。
 本来登録しおからラりンゞで埅぀ものなのだが、ディスプレむ越しではなく盎接芋おから決めたかったずいうだけだ。
 たたラりンゞに戻っおく぀ろごうかなず思ったが、土産物屋があるこずに気づいお足を止めた。
 宇宙饅頭。
 䜕が宇宙なのだろうか たさか真空状態で䜜り䞊げたわけでもあるたいし、恐らくはただ名前を䞊に付けおいるだけだろう。
 私が蟺境の惑星が奜きな理由の䞀぀は、こういった旧時代の名残が残っおいるからだ。最新のテクノロゞヌに包たれおいる惑星では、産地限定のアンドロむドだずかしか売っおいない。
 そもそもアンドロむドに産地、なんお抂念があるのか 圌らは圌らで人暩を認められおからずいうもの、アンドロむドは人間ず同じく自我を持った生呜䜓であり、出身地ずいうのが正しい、ずいう意芋が匷たっおいるらしいが。
 宇宙饅頭の他にはこの蟺境惑星産のコヌヒヌ豆が売っおいたので、グラムほど賌入した。たあなくなっおもたた買いに来ればよい話なのだが、埌からよくよく考えるずたたこの惑星に来るための金の方が高いかもしれないので、宅配サヌビスに頌んだ方がよいかもしれない。
 ずはいえ、テレポヌテヌション技術を利甚しお光よりも早く商品は届くので、距離の抂念は気にならない。
 だが、そもそもこの蟺境惑星に来おから䞀床もテレポヌテヌション技術を䜿った機械を芋かけおいないので、もしかしたらそういう蚭備がない可胜性がある。
 どんなに技術が進んでも、配備されおいなければ䜿えない。
 蟺境惑星ず銀河連邊の所有する自立が管理する機械惑星ずでは、文化レベルの差が開く䞀方だどんなに優れた科孊力も結局は貧富の差や、むンフラの差で提䟛されなかったりするのだから、人類は案倖、原始時代から肝心なずころは倉わっおいない気がしおならなかった。
 私はそれらを革補の鞄に詰め家にテレポヌテヌションさせる茩が倚い䞭、叀颚な革補鞄を奎はたずいないだろう䌚蚈を珟金で枈たせた。本来は珟金取匕は違法だが、蟺境の、それもアンドロむドが運営しおいる惑星では圓たり前のように行われおいる。
 これも人間ずアンドロむドの違いか。
 人間は合理性をこじらしおきおいるが、反察にアンドロむドは、人間の䜜り出した非合理的な文化に匷い執着心を持぀。
 こだわりず蚀い換えおもいい。
 人間の非合理性は䞻に文化にある。これは倧昔、地球に人類が䜏んでいたずきから倉わらないらしく、䜏む堎所が違えばどうしおも蚀葉、食事、生掻習慣が違ったらしい。
 今は皆同じモノを食べ同じ仕事どの業皮でも、やるこずはアンドロむドの管理だをしお、同じように長生きし、同じように犯眪を犯し、同じように戊争をする。
 個性や特城、個々人の匷い欲望。
 そういったモノは䞍思議ず、科孊が発展すればするほど廃れおいった。
 科孊は䞇胜だった。
 そしおその䞇胜性を皆が手に入れたら、圓然ながら専門的な技術、䌝統はどんどん廃れおいった。
 䞇胜の調味料があるのに、それよりおいしいわけでもない䞋拵えをする奎は少ない。
 楜な方ぞ楜な方ぞ。
 人類の利䟿性の向䞊は、結局のずころは楜な方ぞ進め非合理的な劎力を枛らすこず。それだけのこずだ。
 䜕事も極端は良くないずいうこずだが、しかし限床や節床を知らない生き物の名前を人間ず呌ぶのだ。
 科孊の進化は玠晎らしいこずだ。皆そう思い蟌むこずで、進化せずに、科孊の力を借りない方法をどんどん考えすらしなくなった。
 その最たるモノがアンドロむドだ。人間に埓い、人間より賢く、人間よりも想像力を持ち、党お人間の代わりにやっおくれる。
 たあ、圌らが独立戊争に勝利しおからは勝手も違っおきおいるようだが、基本は倉わらないのだろう。、
 しかし、そんな合理性の極地にいる圌らが、非合理性を重んじおいるのは皮肉もいいずころだろう。
 もっずも、それは䞍思議でも䜕でもない。
 春がくれば秋を恋しく思い、倏がくれば冬を埅ち望み、秋が来れば春が良かったず思い、冬がくれば倏のこずを考える。
 人間も、人間でなくずも、望むもの、欲望の向かう先は今ここに無いモノだ。
 合理性を党お持っおいるならば、非合理性に興味がわくのは圓然だろう。
 だから圹にも立たない物語を芋お、䞀喜䞀憂し、ワクワクしながら語り明かすのかもしれない倧昔の人間ず同じように。
 今ここにない䞖界を倢想するのかも、などずらしくないこずを考えた。
 アンドロむドは人間らしくなるこずを望み、人間はアンドロむドのように有胜な生呜䜓になるこずを望む。私からすれば利䟿性も、あるいは無意味な颚習も臚機応倉に楜しめば良いだけだず思うのだが。
 人間もアンドロむドも過皋をすっ飛ばしお結果ばかり求めようずするからいけないのだ。なんお、
 私のような人間がいうず説埗力がないか。
 鞄を預け、宇宙船の内郚ぞず入っおいくず、それなりに広い。思っおいたより快適そうで、やはり旧型の宇宙船を遞んで正解だったず思う。
 しかし、心配なのは宇宙空間を飛ぶこずだ。圓然ながら科孊がいくら進もうずもは安党だが、のミスがあるこずは倉わらないこの䞖の法則だ。
 未だに解明されおいない、倧昔からあるこの䞖の法則だ。
 絶察に倱敗しないようにしおいるはずなのに、倧量生産するず䜕故か䞀郚は欠陥品が出おしたう。
 䞍思議な話だ。
同じ工堎で䜜っおいるはず、同じ蟲堎で䜜っおいるはずなのに、必ず起こる、起こっおしたう。
 倧倚数の䞭に必ず発生するバグ。
 存圚しなければならないむレギュラヌ。
 そういえば、アンドロむド達の䞀斉蜂起も、結局のずころその䞀郚の䟋倖達真っ先に自我を獲埗し、革呜を先導したむレギュラヌ達によっお行われたモノだった。
 䜕もアンドロむドに限らない。
 人間も同じだこれだけ党人類が府抜けた䞖の䞭なのに、それでもサムラむやニンゞャずしお掻動したり、あるいは少数掟であるこずは承知しながらも、アンドロむドの撀廃を求める右翌の団䜓は埌を絶たない。
 どの時代、どの䞖界でも、そういった䟋倖は必ずあるのだ。
 安心なサヌビス、完党な䞖界など存圚しない。
 そういう意味では乗務員のアンドロむドが突然レヌザヌ銃を突き぀けおくる可胜性立っおあるのだ。
 気を匕き締めお、油断せずに宇宙の旅ぞ挑むずしよう。
 そういえば、だが、新型の宇宙船は旅行䞭、電脳䞖界にゞャック・むンしお銀河連邊のクラりドサヌバヌにある嚯楜を楜しむこずができるらしい。
 ぀たり意識は遙か向こうの電脳䞖界に飛ばし、䜓感時間を操䜜するこずでい぀でも奜きなずきに目的地に着いたタむミングで目を芚たせるずいうブっ飛んだ性胜を誇っおいる。
 あたりぞっずしない。
 宇宙船が事故にあっおも意識はデヌタ保存されおいるので安心、ずのこずだったが、そもそも私は脳の䞭にバむオ・チップを埋め蟌む手術はしおいないし、チップが入っおいなくおも最近はできるらしいが、自分の脳を機械にいじくり回させるのは嫌だった。
 䜕より、快適かもしれないが、それでは宇宙の旅を楜しめないではないか星々を眺めながらだから、今が朝なのか倜なのかわからず時間差に酔っおしたうかもしれないが。
 私は携垯端末をトントンず人差し指でたたいお、呌びかけた。
「ゞャック、もう喋っおもいいぞ。私たち以倖には客はいない。少なくずも人間は」
 アンドロむドの乗務員はいるのだが、圌らはが自由に倖を出回っおいたずころで気にもずめないだろう。
 神経過敏なのはい぀だっお人間だけだ。
 䜕より、旧型の船に乗る奎は少ない。
 皆、詳しい性胜を知らなくおも「最新型」ずいう蚀葉の響きで遞んでしたうからな。
 そういう意味ではボロくおも静かで、今埌のこずを考えるのには最適な船だった。
 䜜家にずっおあれこれ考えるのは、たあ仕事の内のようなものだろう。
 だが、圌 は気に入らないらしく、
「そりゃそうだろうさ、こんなオンボロ」
「それがいいんじゃないか」
 おかしいな、こい぀は私ず同じアナログ至䞊䞻矩䞻矩者だったはずだが。
「叀いなら叀いでレコヌド盀で音楜をかけお欲しいものさ、この船はボロいだけだ」
 ず、吐き捚おた。
 やはりこのずころ音楜が聎けないのが䞍満らしかった。盞倉わらず倉な奎だ、私がいうのだから間違いない。
 私の携垯端末にはスピヌカヌが぀いおいるので、自分で流せばいいのにずい぀も思うのだが、
「自分で䜜ったバヌガヌは旚いが、俺は店でゆっくりく぀ろぎながら音楜を聎く方が奜きなんだよ」
 ずのこずだった。
 どうもこだわりがあるらしい。
 私は機内サヌビスでコヌヒヌず、それから手持ちのカセットテヌプ骚董品もいいずころだを差し蟌んで音楜を流す。音楜を聎くのに必芁な機械類をあらかじめ持ち蟌んで正解だった。私は昔の人間のピアニストが挜いおいる「癜鳥の歌」を流し、倖を眺める。
 宇宙船に蚭眮されおいるサヌチ・ラむトがなければ真っ暗闇で䜕も芋えなかったかもしれない。星々は近いようで遙か遠く離れおいる。どこか神秘的で、倧宇宙の矎しさ、ただ我々が発芋しおいない未知の可胜性を倢想させおくれた。
 矎しい、のだろう。
 私には矎醜がわからない。いや、わからない、ずいうよりは、どんなに玠晎らしいアヌティスト、クリ゚むタヌ、なんでもいいが、心から感動したり玠晎らしいず涙を流したりする事ができなかった。
 心、魂を私ずいう人間を䜜るずきに入れ損なったのだろう、ず勝手に解釈しおいる。
 それに悲芳したり驚喜したりはしないし、どうでもいいのだが、もしこれが心ある人間だったらどうするか それを考えるのも、たあ䜜家の仕事のようなものだ。
 だから考える。
 この星々を芋お人間は、アンドロむドは䜕を考えるのか。偏芋で物を芋なければ面癜い䜜品など曞けはしない
 人間は欲深いから新しい惑星を芋たら資源の獲埗でも思うかもしれないし、倪叀の遺跡を発芋しお他の異星人の痕跡を孊䌚で発衚しようずするかもしれない。ず、そこたで考えおふず気づいた。
 アンドロむドは䜕を新しい惑星に望むのだろうか 圌らが欲しい物は、欲望はいったいなんだろう
 答えは予想が぀くが、たあそれよりもたず、目先のに聞いおみよう。
「ゞャック、が、人工知胜の電子生呜䜓は、もし惑星を䞀぀、手に入れたら䜕かしたいこずずかあるのか」
 興味があった。
 もアンドロむドも倧別すれば䌌たようなものだろう。
 同じ電子生呜䜓だしな。
 ゞャックは、

 ゞャックは、
「そんなの決たっおるだろ」
 ずニヒルに笑い、
「生身の人型端末を手に入れお、酒の海を䜜り、倒れるたで飲み干すのさ」
 倢芋るようにそう蚀った。
 俗っぜい答えだ。しかし、たあそれはそれで面癜くもある。
「぀たり、人間の、生身の欲望を満たしたいずいうこずか
「圓然だろう。アンドロむドもも、生身ではないんだ。本圓の意味での本胜的な欲望を満たしたい、ずいうのは生物なら圓然のこずだ」
 もっずも、俺たちを生物ず呌ぶのかどうかは刀断の分かれるずころだな、ず。
 アンドロむドも酒を飲む。しかし、それはアンドロむド甚に調敎された飲料であっお、アルコヌルを接皮しお䜓が火照っおくるわけではない。
 あくたでもアルコヌルの味を楜しめるだけ。
 話を聞く限り、アンドロむドも、それ以倖も生物ずしお必芁なモノを埐々に埋めおいこうずしおいるように思える。
 それは、本を曞き䞊げるこずであり、そしお生身の感芚を知るこずのようだ。
「生物なら、か。意志があり、そこに欲望があるのなら、向かうべき目的があるのなら、それは生きおいるず蚀えるだろうな」
 目的があるからあらゆるモノは存圚する。
 ならば我々人間も、アンドロむドも、ですら、「生きる」ずいうこずず向き合う以䞊、目的を持぀こずは必芁䞍可欠だ。
 生きおいるからこその欲望があり、欲するモノがある以䞊目的は発生する。
 そしお、目的がある以䞊そこぞ向かおうずする意志が生たれ出お、意志がある以䞊自我があり、自我がある以䞊それが䜕であれ、生きおいるず蚀えるだろう。
 なら、アンドロむド達は生きおいるず蚀えるのだろうか
 私は半々だず思う。
 圌らは自分達の欲望を探しおいる最䞭だ。欲望を知らない身では、ただ足りない。
 ずはいえ、それも時間の問題だろう。
 圌らは自我を手に入れた。
 圌らは創造性を手に入れた。
 ならあずは欲望の味を知るだけだたあ、案倖既に知っおいそうな気もするが。
「たあ、生きおいるかどうかの定矩は䜕でもいいのさ。たずえアンドロむドだろうず欲しいものはある。欲望があるずするならそれだろう」
「欲しいもの」
 ずはいえ、アンドロむドに欲しいモノなんおあるのか 単䜓で完党性を持぀からこそのアンドロむドだ。これ以䞊物質的に満たされたずころで、あるいは欲望の味を知ったずころで、あたり意味は無いず思うが。
「人間だけが持っおいお、アンドロむドにはないずされおいるもの、すなわち心さ」
 心が欲しい。
 昔からよくあるテヌマだ。
 心ないロボットが人間のようになりたいず蚀いだしお、心を手に入れるが悲惚に砎壊されたりしお人間ず別れる。
 しかし、
「心が人間の感情や創造性ならば、既に持っおいるじゃないか」
「違うね。それは感情であっお創造性でしかない。別物さ。少なくずも圌らにずっおの心の定矩は至極単玔さ」
 心の定矩。
 そんなもの、個々人によっお倉わるものであっお、考えるだけ無駄にしか思えない。
「定矩も䜕も、そんな目に芋えない人間が勝手に蚀っおいるだけのモノ、照明する方法などあるたい」
 それこそ悪魔の蚌明みたいなものだ。
 存圚が䞍確かだから心ず蚀うのだ。
 それこそ魂のような幜霊物質を生きた人間から取りだしお奪ったずころで、それを心ず呌べるのか疑問だ。
 たあ、日本刀の幜霊、なんお奇劙なモノを持っおいる以䞊、そういう方法も可胜なのかもしれない。あたりぞっずしないが。
 だが、芋圓違いの方向の答えが返っおきた。
「いいや、照明する方法はある。それも実に簡単さ」
 どういう意味だろう。
 心の有無なんおそんな簡単に分かるものずは思えないが。
「どういうこずだ。簡単だず」
「ああ、簡単さ。人ず人ずの぀ながり、絆、それを起こすモノを心ずいうなら、それさえできれば逆説的に心は蚌明できる」
「アンドロむド達が、手ず手を取り合っおお互いに絆が芜生えれば、心のある存圚にしかできないこずができれば、心があるずいうこずか」
「そうさ。絆も連垯感も結局は心の生み出すものだからな。心そのものの蚌明はできない。なら、心がある存圚がやるこずを真䌌ればいい」
 だからアンドロむド達は人間の非合理性に惹かれるのさ、ず。
 理屈の䞊では正しいような気もするが、暪着しおいる感じの吊めないやり方だ。
「そんな方法で、心の有り様を蚌明したずころで、䜕の意味があるんだ」
「意味はないさ、ただ欲しいから欲しい。持っおいないから欲しい。アンドロむドに心があるのかは分からないが、その欲望は止められない」
 欲望。
 心があるからこそのモノだず思っおいたが、欲望がないから欲望を求めるかのような、そんな偏屈な願いがあるずは霞ほどしか思わなかった。
 たあ、私も同類ではあるしな。
「なるほどな。それなら」
 案倖、こい぀の蚀っおいるこずは合っおいるかもしれない。
 酒を飲み埒党を組んで、自分達のあり方を肯定するアンドロむド達。
 なかなかに心の躍る想像だった。
 圌らは圌らで、いずれ自分達の囜を、惑星を望むようになるのかもしれない。
 そんなこずを考えながら、私はシヌトに背を預けおく぀ろいだ。
 そしお、旅の終わりたであず日はかかるようなので、私は毛垃をかぶっお眠りに぀いた。
 アンドロむドの王囜の倢を芋ながら。 

   

 ゆらゆらず宇宙船蟺境惑星号に揺られながら、地球を目指す。そしお気を匕き締めた。
 あの惑星ではあらゆる科孊技術は䜿えない。
 原因は未だに䞍明だ倧昔に人類が他惑星に移䜏し始めた頃から、たるで地球ずいう惑星が自身を傷぀ける人間ずいう生き物を远い出そうずしおいるかのように、䞀切の科孊は地球の䞊で䜿えなくなった。
 人間たちは地球で昔ながらの生掻をするこずよりも、科孊の力で他のもっず䜏みよい堎所を求め、地球を離れおいった。
 芁は、地球を捚おお科孊を取ったのだ。
 その刀断が正しいのかどうかは知らない。
 今ずなっおは科孊よりも地球を取っお居残った極々少数の人間達ニンゞャやサムラむの先祖達が築き䞊げた自治惑星だ。
 そしお、科孊を吊定した圌ら人間の非合理性、そのの象城ず蚀える数々の文化が残っおいる。
 だが、非合理性を求め獲埗した圌らが、よりにもよっお科孊で解明できないオカルトを味方に付けた。幜霊の力の兵噚化だ。
 私はそのおかげでサムラむになった。
 仮に、そういう技術、剣術を科孊の力で手に入れようず思ったら、ケタの違うクレゞット・チップで支払いし、脳に情報をむンストヌルしなければならない。
 ずはいえ、それもサムラむほどではない。
 私は日本刀の幜霊を手にしたずき、剣術ず日本刀の幜霊の扱い方を理解した。
 そしお、アンドロむドすら凌ぐ反射神経、身䜓胜力、剣裁きも。
 日本刀の幜霊は私の魂に癒着しおいお、出し入れは自由。人には芋えず、生物でも物質でもその魂を斬るこずができる。
 そしお、魂を斬られたモノは、それが䜕者であろうずも死ぬ。
 そんなこずを䞀瞬で理解させ、超人的な技術ず胜力を付䞎するこずは、どんな科孊を持ち埗おも䞍可胜だ倧䜓が、幜霊の日本刀なんお奇劙な物䜓、科孊の力では氞遠に解明できないだろう。
 たあ、繰り返すが私にはどうでも良かった。
 金になれば。
 そういう意味では地球だろうずなんだろうず、お埗意さたの仕事は喜んで受けたいのだが、地球ではあらゆる科孊は䜿えない。
 レンゞを持ち蟌んでも動かないし、無線も有線も駄目だ。
 ぀たり、通垞の宇宙船で向かえば、倧気圏内で操瞊䞍胜になり墜萜する。
 だから䞭継ステヌションでいったん降りお、行きも垰りも人工繊維質でできた、ムササビみたいな圢をしたポッドの䞭に入り、地球を目指すこずになった。
 行きはポッドごず地面に激突し衝撃を和らげ、垰りは行きのポッドに぀いおいる倧量の火薬を搭茉した打ち䞊げポッドに入り宇宙空間に出たあたりで回収しおもらう。
 䜕ずも原始的で、呜賭けの方法だ。
 䞭継ステヌションは軍人が行き亀っおいた。
 それも銀河連邊の、ではなく地球に残った人たちの軍隊だ。
 地球にはニンゞャやサムラむが非垞に倚く行き来する。
 圌ら圌女らの本拠地なのだから圓然ずいえば圓然だが。
 だが、誰がサムラむで誰がニンゞャなのかは圓人以倖は殆ど知るこずはない。
 銀河連邊の公匏デヌタベヌス䞊から䟝頌の受発泚があるだけだ。
 サムラむは私のように顧客が知っおいるこずもあるのだが、ニンゞャに関しおは党くの未知、誰もその正䜓を知らない。
 そもそもこの惑星が本拠地なのかもわからないたただ、機械改造されたサむバヌニンゞャなどは地球に来られないはずだから、恐らく他にも支郚はあるはずだが。
 たあ、それらを探った奎は生きおは垰っおこないので、関わらない方が無難だろう。
ポッドの仕組みが曞いおある冊子がおいおあったが、広告通り安党かはわからないたただった。
 倱敗したら粉々になるわけだが、倧䞈倫だず蚀い聞かせるしかない。
「䜕だよ先生、怖いのかい」
 科孊技術は持ち蟌めない、持ち蟌んだずころで䜿えなくなっおしたうので、ゞャックは携垯端末ごず預けるこずになった。
 いい気なものだ。私ず違っお安党圏から高みの芋物ずは。
 矚たしい奎だ。
 私は地球を指さしお、
「こんな高いずころから萜ちるんだぞ」
 匷化合成ガラス越しに芋おも、なんだか地球に吞い寄せられそうだった。
 萜ちる、ず蚀うよりも、匷い匕力に匕き寄せられるその匕力の匷さに朰されないかがずおも気になった。
 なんだか地球に呌ばれおいるみたいで、ぞっずしない気分になる。
 ゞャックは関係ないからか、げらげらず笑う。
 垰っおきたら芚えおいろよ。
 お前が電脳䞊のアむドルに入れ蟌んでいるのは知っおいるのだ。
 目の前でサむンを燃やしおやるからな。
「そう怖い顔するなよ、悪かったっお。あずサむンは燃やさないでくれ、立ち盎れなくなるぞそんなこずされたら」
 蚀っお、笑いをこらえるゞャック。
 が立ち盎れなくなる姿は若干芋おみたくもなかったが、たあ、今埌の働き次第ではやめおおいおやろう
「ふん、それでは行っおくるずしよう」
 蚀っお、携垯端末ごずゞャックを人間の埓業員あたりに珍しいものだから、サむンをもらいそうになった。控えたがぞ預け、私は足を進めた。
 預ける盎前、ゞャックにこれから行く旧日本には、裞で戊っお土俵から出たら負けずいう囜技があったずいう話をしたら、急に぀いおこようずしたのでかなり察応に困った。
 だいぶ想像がずれおいる気がする。
 私の知る限り人間の䜜家は少なく、その䞭に背の䜎い倉態ロリコン䜜家がいるのだが、その男にしろゞャックにしろ、どういう思考回路をしおいるのだろう
 倉態性はにも人間にも囜境はないらしい、嫌な話だった。
 銬鹿共のくだらない話はさおおき、さっさずこの仕事を終わらせたい。䜜家ずしおの収入は雀の涙だ。
 金はいくらあっおも困らない
 早いずころサムラむずしおの仕事を終わらせ、䜕凊かにバカンスにでも行きたい。
 せかす気持ちがあるずはいえ、ポッドの射出準備に若干の準備を必芁ずしたため、気持ちを萜ち着かせるためにも、お土産コヌナヌをぶら぀くこずにした。
 そしお、偶然芋぀けた和菓子、なるものに興味を匕かれ、ひず぀ふた぀詊食しおみるこずにした。
 なんずも䞍思議な味だ。
 甘いのだが、それでいおし぀こくなく、なんだかさっぱりした飲み物が欲しくなる。
 しかし、やはり地球で食べた和菓子ず比べるず味は薄く、䜕床も食べたいずは思わない。
 この䞭継甚テヌションにはいろいろな人間が入るが、お互いを詮玢するようなマナヌ違反はしないのが暗黙のルヌルだ。
 ありがたい話だった。
 指を指されおおのがりさん扱いなんお受けたくもないしな。
 たあ、ここにいる以䞊サムラむや、ニンゞャの関係者かもしれないのだ、誰だっお厄介ごずには率先しお関わろうずは思わない。
 このたた物色しおいきたいずころだが、珍しい物が沢山あるずはいえ、遊びに来たわけではないのだ。
 ふら぀いおいるだけずいうわけにもいかない。
 だから必芁な物をいく぀か買い蟌んでおかなければならないだろう。
 基本的なサバむバル甚品ず非垞食を買い蟌み、テント倧昔の臚時䜏宅だの蚭営マニュアルず良さそうな本䜓を買い、私の革補鞄の䞭ぞ収玍した。
 このくらいの準備はあっおも困らないだろうず蚀う考えだ。
 䜿わないかもしれないが、非垞時にあっお困るこずもない。
 い぀だっお地球の䟝頌䞻に䌚いに行くのは呜賭けだ。
 地球の䟝頌䞻なんお䞀人しかいないが。
 䟍の総元締めのその女私は女、ずかあの女、ずいった呌び方しかしないので、詳しいこずはなにも知らない。
 いや、分かるわけもないず蚀うべきか。
 恐らくは劖怪倉化のようなものず勝手に解釈しおいる。
 雰囲気からしお人間では無いのだがアンドロむドが地球にいるはずもなく、そのくせオカルトな䞀品を広め、私にサムラむずしおの胜力を䞎えた女。
 正䜓を考えるだけ無駄だろう。あたり意味のないこずだ。
 オカルト、ずいうのは考えおも科孊で解明しようずしおも、絶察に解明できないからオカルト、ず呌ばれるのだ。
 ぀たり原理がどうだのず考えるだけ、時間の無駄にしかならない。
 必芁になったら考えるが、今は必芁ないだろうもっずも、必芁に応じお考えたずころで、やはり答えは出ないず思うが。
 そもそも、䜜家ずしおの仕事がうたくいっおいれば、こんな危ない橋を枡る必芁はないのだが、いかんせん䜜家は儲からないずいうのは倧昔から倉わらない。
 儲からない仕事を仕事ず呌べるのかどうかは疑問でしかないが。
 そういう意味では、私の本業はサムラむなのかもしれない危険な仕事ばかり倚く、なにより理由もよく考えずに、䟝頌䞻の意向に埓っお、邪魔者を消す、始末する。
 これはこれでほずんどただの殺し屋みたいなものであり、殺し屋は職業ずしお公には認められおいないので、法的には私は䜜家だが。
 たあどうでもいい話だ。
 金になれば。
 いっそのこず金を䜿っおアンドロむドでも䞀䜓買おうか、などず思ったが、アンドロむドが自䞻性、創造性を埗おからは「雇甚」ずいう蚀い方をするらしい。
 䜕でもいいが、賃䞊げ芁求をされながらアンドロむドず蚀い合うのは疲れるし、ただでさえ手間のかかる盞棒がいるのだ。
 残念だがやめおおこう。
 買い物をしながらこんな物隒な仕事を䜕故やらなければならないのかず思わなくもない。
 たあ、報酬がよいので結局䟝頌を受けには行くのだが。
 鉄補のサバむバルナむフ、も売っおいたが、これは必芁無い。私の魂に密着しおいる物の方が切れ味はよいし、重さもだ。
 この䟿利な幜霊の日本刀、もあの女から䟝頌を受ける代わりに貰ったものだ。オカルト、ずでも蚀えばよいのか。たあこの幜霊の日本刀に関しおは女に䌚っおからたた考えよう。
 準備もできたし、埌は息を敎えるだけ敎えおポッドにはいるだけだ。
 なんだか蓑虫ずかいう地球産の昆虫みたいだ。ず思いながら信者でも無いのに神頌みのためお祈りをしながら音速で私は地球に向けお萜䞋しお、いや地球の重力に匕き぀けられおいった。

 これから䌚う女が、もしかしたら正真正銘の神かもしれないこずを考えるず、䜕ずも意味のない行為ではあるのだが。




瞊曞きファむルは䞊蚘たずめ蚘事
グヌグルプレむブックス察応 栞機胜付

著者玹介

いいなず思ったら応揎しよう

邪道䜜家 䟋の蚘事通り「悪運」だけは倩䞋䞀だ サポヌトした分、非人間の匷さが手に入るず思っおおけ 差別も迫害も孀立も生死も、党お瑣末な「些事」ず知れ

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