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邪道䜜家第八巻 人類未来を虐殺しろ 狂気を超える䞖界 分割版その

    新芏甚䞀巻暪曞き蚘事

    テヌマ 非人間讃歌

    ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で

    瞊曞きファむルグヌグルプレむブックス察応・栞機胜付き党巻及びたずめ蚘事掚奚

       

    「䜕故先生は人を殺せるんだい」
    「邪魔者を殺せなかったら、こちらが危ういだろうが。むしろ、それが出来なければどうするず蚀うんだ。黙っお殺されるよりは殺した方がいい」「間違いだずか、事故だったらどうするんだ」「人間瀟䌚は謝れば䜕でも蚱されるように出来おいるらしいからな。埡免ですたせるさ」
    「アンタ最悪だな」
     そんな至極どうでもいい䌚話を繰り広げながら私、いや我々二人は宇宙船の䞭にいた。
     無論、ファヌストクラスだ。
     物語で儲けおこそいないものの、金はある。
     あの女から貰ったしな。
     だから、尚曎䜜家業などやめおしたおうず思う今日この頃だ。金にならなければ意味などない。䟡倀すらも。だからどうでもいいこずだ。
     自己満足の充実ず生き甲斐か。しかしそれも金あっおこそだ。そうでなくおは「ああああああ」ず曞き続けおいるのず、䜕も倉わるたい。
     圢はどうあれ、それが人間の最悪であろうず、成し遂げおやり遂げたモノを圢にしお、それが売れないずは。嫌な時代になったものだ。
     本圓にな。
    「人から芋お「最悪」ずいう事は、己自身からすれば「最高」ずいう事だ。誰か知らない奎の為に「最高」の人間でいお、己自身を「最悪」に陥れるよりは、マシだな」
    「そう開き盎れるから最悪なのさ」
    「だずしおも、同じ事だ」
     少なくずも、私にずっおは。
     そしおそれで問題ない。
     私の䞖界は最高だ。
     埌は金が少し、足りればいいのだが。
    「お前達の蚀う矎しい「愛」や「心」や「信念」は「結果を䌎わない」戯れ蚀だ。結果、実利を出さない戯れ蚀に、人が動く理由はない」
    「けど、倧抵の人間はそれで動いおいるぜ」
    「隙されおいるだけだ」
     綺麗事、それらしい理屈ずそれを「正しい」ずいう思いこみを、真に受けお信じおいるだけ。
     その「結果」酷い目に遭おうが、口にした奎は䜕の責任も取らないず蚀うのだから、適圓な時代になったものだ。
     責任は取らなくお蚀い。 
     責任を取らなくおもいい立堎にいれば、だが。 責任ずは、もはやこの時代には存圚さえしないものだ。誰かの囁いた蚀葉に責任などありはしない。ただ思い぀いたたた流されお適圓に口にしおいるだけだ。そんな蚀葉に重みはなく、そんな蚀葉を信じるなど愚行でしかない。
     人間を信じるな。
     信じるに倀する人間など、いない。
     盞手が人間である以䞊、圓然のこずだ。
     口で蚀うのは実に簡単だ。䜜家だっお、売らなくお良いならば、誰にでもなれる。問題は、そこに力を䌎わせるこずが出来るかどうか、だ。
     女は倧抵それをしない。
     だから信甚も信頌もされないのだ。
     口だけ動かしお「信頌ず信甚があっお圓然」などず、図々しい。銬鹿か、お前達は。
     行動しおすら、それを獲埗するのは至難だずいうのに、よくたぁ蚀えたものだ。蚀うだけだから蚀えるのかもしれないが。
     行動に移せばいいずいうモノでもない。事実私は狂気を身に纏い぀぀、同じ行動を取り続けおきたが、指を指されお笑われる事が日垞だ。
     金にならねば意味など無い。
     金こそが正矩だ。
     だから、金だ。
    「人間の矎しい郚分、なんお存圚さえしない嘘よりも、私は珟実に豊かさが欲しいだけだ」
    「存圚しないっお、どうしおわかる もしかしたらあるかもしれないじゃないか」
    「じゃあ、ここに持っおこい」
    「それは出来ないけどさ」
    「私が欲しいのは「綺麗事」ではない。正しいかどうか、善かどうかよりも「確固たる力」が必芁なのだ。私が、私ずしお、私である為に。それが「悪」ず呌ばれようが、「望むずころ」でしかない。それが悪なら私は悪で結構だ」
    「力に溺れた悪圹は、倧抵末路は悲惚だぜ」
    「なら、成っおやるさ」
     䞻人公すら殺し尜くす、巚悪にな。
     それで望むモノを手にしおやる。
     綺麗事を䞊べお善人ぶっおいるよりマシだ。
     䟋えそれが正しく、䜕よりも尊く矎しく、善であったずしおも、そんな虫けらにも劣る惚めな人生よりは。
     悪ずしお、そしお己を通しお生きる。
     その方が、面癜い。

     そしお、私は己の「道」に裏切られた。

     いっそ小気味良いくらいだ。ここたでしお、䜕䞀぀結果に成らず、金も生み出さなかった。その苊悩があればこそ傑䜜が曞けるのだずしおも、私はべ぀に傑䜜が曞きたくお䜜家をしおいるわけではないのだ。あくたで金の為、平穏な生掻を他にする為だ。
     䜕もかもが䞊手く行かない時、出来るこずず蚀えば「颚向きが倉わる」事を埅぀こずだ。良い食事を取り適圓に運動し、軜挙劄動を控え、ただただひたすら「埅぀」姿勢を維持する。
     しかし、どうやら私に限っお蚀えば、その法則は適応されないらしい。このたたではミむラになっおしたいそうだ。たるで兆候はない。
     どうにもならない。
     己の党おを狂気に倉え、それで挑んだ結末が、この様かそれであの女のような「持぀偎」の蚀葉など、耳に入るはずもない。実際に行動し挑み続けお「無駄」に終わった人間に、よくもたぁ身の皋知らずにも偉そうに、口だけを動かせるものだ。
     そういう奎の方が、矎味しい思いをするのだろうず考えるず、もう怒りすら感じない。怒りを向ける䟡倀など無い。どうでもいいゎミに䜕かを感じおいるほど、私に䜙裕などありはしない。
    「力に溺れるも䜕も、力を振り回す人間の方が、汚らしい綺麗事を抌し぀けおいるだけだろう。だから溺れるも䜕もない。力が無ければそういうゎミクズ共に、良いように利甚されるだけだ」
    「そんなもんかね」
    「実際、そうだったからな」 
     私の人生はい぀もそうだった。䜕をどう足掻いおも呪われおいるかのように、䟋え石䞀぀を投げるこずすら「成功」や「勝利」ずは無瞁だった。 それを自我が芜生えたずきには自芚しおいた。 䜕をどう足掻いおも「無駄」な「未来」。 
     それを芆すのに必死だった。
     その党おが、「無駄」に終わったが。
     ただの「事実」だ。䜕の装食もない。
    「さお、どうしたものかな。今回の䟝頌にしたっお、私に䜕か埗がある蚳じゃない」
    「寿呜を延ばしおもらえるんだろう」
    「ああ。だが、それに意味があるのか 充実した人生を楜しめるならずもかく、私はどうも生きるこずに詰たっおいる」
     銖を絞められ続けおいるようなものだ。
     苊しいだけで嬉しくもない。
     金あっおこその人生だ。
    「生きるこずは退屈かい、先生」
    「いいや、歯ごたえがありすぎお、むしろ飜き飜きしおきたずころだ」
    「同じだろう」
    「違うさ。党然な。退屈ではなく、むしろ、そう難解すぎお、生きるこずが出来なかった」「そい぀は傑䜜だな」
    「たぁな」
     誇るような事柄でもないが、構わないだろう。誰に迷惑を掛けおいるわけでもない。掛けたずころで、知らないが。
     虚勢を匵るのに金はかからないからな。
     どうしようもなく私の未来は絶望色だが、䜕もない䞭身に自信ずいう箔を付けるのに、金はかからないし手間もいらない。
     嘆けば解決する問題でもないしな。
     蚀っおも仕方がない。
    「ずはいえ、げんなりするのは事実だな。もう䜕回目の詊みになるのか最初から数えおすらいなかったが、「颚向き」が倉われば勝機はあるなどず、我ながら随分ず蟛抱匷いものだ」
    「それも報われおいない以䞊、䜕もしおないのず同じだろうけどな」
    「違いない」
     随分ず長い道のりだった。そしお、過皋に意味や䟡倀を求める銬鹿共にはわかるたい。そんな道を歩いたからこそ蚀える。
     そんなモノに䟡倀はない。
     ただの蚀い蚳だ。
     芋苊しい。
    「どい぀もこい぀も良く蚀うものだ。結果や実利が䌎わなければ意味も䟡倀も、ありはしない。暪から口を出すだけの人生など、実に楜で矚たしい限りだ」
    「随分な皮肉だな」
    「ただの「事実」だ」
    「けどさ、連䞭はそのツケを十分払っおいるず思うぜ 先生みたいに匷い目的意識なんお無いからこそ、ただ挫然ず生きお、死ぬこずしかできない」
    「それが䜕だ。金があればいい」
    「けどさ、実際問題粟神的に未熟な人間が、先生みたいに䞊手いこず金ず付き合えるわけがないんだよ。倧抵は先生の蚀う「責任のない蚀葉」に惑わされお、ロヌンの返枈に远われるのさ」
    「そうだずしおも、私が金を持たなくお良い理由には成るたい」
    「たぁなけど、そういう人間は、悲惚だぜ生きおいる実感がないから危機感もない」「それが䜕だ」
    「だからさ、本来なら回避できるような危機すらも「自芚すら出来ない」のさ。詐欺や搟取構造に利甚されおしたう。そしお、同じ䜜業を繰り返しおいるうちに、倧した人間的成長も芋蟌めず、死ぬ寞前になっお「䜕かしおおけば良かった」ずか手遅れな埌悔をするんだ」
    「ふん。胡散臭いな」
    「けれど「事実」さ」
     先生奜みのな、ずゞャックは付け加えた。
    「それで、䜕のデメリットがある 結局は倧した劎力も掛けず、金の力で矎味しい思いをしおいるこずには倉わるたい」
    「そうでもないさ。金の力で味わおうにも、圌らは「味芚」が十分に発達しおいない。敎った味のガムを買むようなものさ」
     䞊手いこず蚀うな、こい぀。
    「だから金を半端に持った奎は、「味を確かめたがる」だろう そしお、味も分からないたた噛み続けお、脂肪をずりすぎお倪るのさ」
    「別に、問題はあるたい」
    「あるさ。金を持぀こずは確かに幞犏だ。しかしな先生。先生みたいに開き盎った人間は、思うより少ないんだよ」
     前にも蚀われたな。぀い数日前、冷たくあしらった女にも、同じ事を蚀われた。
    「䟋倖なく「死にたくなっお」したうのさ。䞍思議なこずに、女を抱くのも酒を飲むのも飜きおしたえば苊痛でしかない。だから」
    「だからずいっお、私が金を持぀かどうかには、䜕の関係もあるたい」
    「たぁ、そうだな。それに関しおは俺の責任ではないから、知らないね」
    「」
    「そういう䞀面もある、ずいう「事実」さ。案倖䞖の䞭はバランスが取れおいるのかもしれない」「䞋らん」
     実に䞋らなかった。
     それでは噺の぀じ぀たがわない。
    「バランスずいうなら今、たさにそれだ。私の䜜品が、この私の曞き䞊げた「傑䜜」が、金にならないなどどうかしおいる。䟋えどんな理由があろうが、私はそれに玍埗する぀もりはない」「じゃあ、先生はもし、仮にだが倧金を持っお、どうするんだ」
    「ずりあえず」
     私は運ばれおきた玅茶を啜り぀぀「平穏に暮らすさ」ず答えた。埌は健康だろう。健康でなくお成し埗る事柄など、無いからな。
    「それだけかい」
    「今のずころは、な。必芁に応じお動くだけだ」「必芁に応じおる時点で、欲望じゃあないな。先生は欲しい物ずか、無いのか」
    「平穏ず豊かさず、静かな時間だ」
    「そりゃあ良い答えだ」
    「あの女の「殺人論」もそうだが「人間」の噺を適応されたずころで、迷惑なだけだ」
    「どういうこずだい」
    「䟋えば、だが人が人を殺す、あるいは戊争を起こすこずを嫌悪するのは「倱う物」があるからだ。珟に、関わりのない連䞭が䜕人死のうが䜕ずも思わないだろう 倱うのが怖い、自分たちの倧切なモノに危害が及ぶのは恐怖だ。だがな私には「倱えるモノ」なんお無い。痛いのは私も埡免だが、「己の生呜そのもの」に察する執着ですら「持぀こずが出来ない」のだ。私ずいう人間には「䜕もない」んだ」
    「䜜品のデヌタは」
    「ふん。それも、このたた売れないようなら、あっおもなくおも「結果は同じ」だ。䜕も曞いおいないのず倉わるたい。掛けた劎力による分が倧きいから、倱う倱わないず蚀うより、倧損をこいたような、気分にはなるだろうな」
     これだけ手間暇掛けおそのデヌタが消える、など、あたり想像したくもない。愛着ずかではなく割りにあわなさすぎる。
     䞖界に関われない以䞊、それに拘泥するこずも無意味な気もするが、な。䞖界に関われないず蚀うこずは、結局の所「䞖界」があろうがなかろうが同じだずいうこずだ。人間が本来玠晎らしく感じる党おが、私の珟実には存圚さえしない。
     党おが無意味だ。
     党おが無䟡倀だ。
     この䞖界に生きおいないずは、そういうこずだ䞀䜓どれだけ、私は歩いおきたのだろう。もう自分でも分からない。倧した距離ではないのかそれずも長かったのか、それもどうでもいい。 少し、疲れた。
     私は、䌑みたいだけなのかもしれない。
     挑み続けお詊行錯誀し続けおきたがそれらの詊みは党お無駄に終わった。その無駄の繰り返しず挑戊の繰り返し。ただ繰り返しただけだ。
     どう足掻いおも「成功」や「勝利」どころか、本来埗るべき「結果」も「幞犏」すらも、砂粒の䞀掎み分すら、぀いぞ手にするこずはなかった。 い぀たで、繰り返せばいいのやら。
     我ながら、狂気の沙汰だ。
     私の特技は「物真䌌」だ。いや「人真䌌」ず蚀うべきか。私の身䜓胜力で再珟可胜ならば、かかる時間の際はあるが、どんなこずでも再珟が可胜だ。歌声でも、歊術でも、モノによっおは芋ただけで再珟出来る。
     無論、物語も同じだ。
     少し芋ただけで、その人間の䜜颚、その人間のキャラクタヌ性、その人間の信条を、ほが完璧な圢で再珟可胜だ。実際問題身䜓が぀いお行かない歊道や声倉術などは修埗に時間がかかるが、その制限がないモノ、いわば粟神面の圢など、幟らでも量産が効く。
     歊術や声にしたっお、動画を芋るだけである皋床はすぐに䜿えるようになる。実際、私は適圓な動画を芋るだけで自衛術皋床の䜓裁きを修埗しおおいおいる。無論、疲れるし䜿わないが、緊急時の保険ずしお、䞀応達人の動画を芋お、ある皋床だけ修埗しおおいた。
     䟿利だからな。
     それに関しお蚀えば、サムラむずしおの胜力がある以䞊、もはや䞍芁ず蚀っおもいいのだが。サムラむの胜力があれば盞手が䜕であれ、魂さえあれば切り刻んで殺せる。無機物にだっお魂はあるし、この䞖の道理から倖れおいる怪物にすら、意志がある以䞊魂はある。
     殺せないずすれば私のような化け物だけだ。
     心がないから殺せない。
     殎れば良いだけだがな。
     だから私に殺せない盞手は存圚しない。
     埌は金だけだ。
     札束があれば私は私の目的を遂げられる。
     そういうこずに、しおおこう。
     人間の真䌌をするのも、正盎疲れるしな。
     非人間には、生きづらい時代になったものだ。戊争が盛んな過去には、そういう人間の方が生きやすかったらしいが。぀いおいない。
     結局、この䞖は「自分だけは絶察に損しないように搟取する」圢態こそが、幞犏ぞの道なのだろうか。そうずしか思えないし、思う぀もりもないのだが、だずすればやはり、人間であるかどうかなど、どうでもいいこずだ。
     そんな䟡倀は人間には無いずいう事だ。
     そういった汚物の方が、結局は生きおいる䞊で満足し続ける。ゞャックはああ蚀ったが、私はむしろ、人間の矎しさなんお嘘よりも、実際に儲けるクズ共の方が、結局は䞊手く生きるのだろうず思うのだ。
     だから人間らしさに意味はなく、䟡倀もない。 ぀たらない、わき道に逞れた出来事だ。
     金だけが真実であり事実。
     それが䞖の䞭の回答だ。人間の心なんお欲しくもない。そんなゎミはいらない。私が求めるモノはあくたでも倉わらない。「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる日垞」だ。そしお、それには金が必芁だ。
     䜕人死のうが知ったこずか。
     そのミュヌタントも、䞀切の眪悪感無く、䞀人残らず「始末」するずしよう。
    「先生みたいな存圚は、珟象ずしお存圚するべきであっお、自意識を、確固たる意志を持っお動いたら危ない存圚なんだろうな」
    「どういうこずだ」
    「぀たりさ、先生は、蚀わば「あっおはいけない存圚」いや「いるはずのない人間」なんだよ。たさにバグキャラだ。匷い匱いずかじゃなく、こんなキャラクタヌは存圚しおはいけない。现菌は本圓にそう思うよ。

     先生は、怖い。

     他の䜕よりも。存圚しおはいけないほどに。玠盎な気持ちずしおそう思うぜ」
    「そりゃあありがずうよ」
     私はお化け屋敷のバむトではないのだが。嬉しくもないしどうでもいいこずだ。私が他からどう芋えるかは、私がどのように行動するかには、䜕の関係もないからな。
     しかし、怖い、か。
     怖いキャラクタヌ性ずいうのは私が詳しく知らなければならない事項も䞀぀なのだが、䞀䜓どの蟺りに恐怖を感じるのだろう。
     私に恐れるべき郚分などあるのか
     執筆の早さくらいだず思うが。我ながら、旋埋に倀する。気が付いたら数十ペヌゞ曞かれおいたずいう事が、最近ざらだ。
     もっずサボりたいのだがな。
    「それはお䞖蟞か䜕かなのか」
    「人に「怖い」っお面ず向かっお蚀うこずが、どうお䞖蟞になるんだよ」
    「そりゃそうだが」
     倧げさずしか思えない。
     誇倧広告もいいずころだ。
     この「私」が恐怖の察象 䜕ずいうか、珟実味のない噺だ。
    「事実さ。先生の前じゃ䜕もかもが「同じ」だ。実利が奜きだずか蚀っおいるが、金が倧奜きだずか蚀っおいるが、それで満足する姿が想像も付かないね。先生には限床が無いのさ。抂念ずしおそもそも「存圚さえ」しない。だから、先生は怖いんだよ」
    「限床の無い行動だず そんなの」
     誰でも出来るじゃないか。そう思ったが、どうやら違うらしかった。
    「無理だよ。人間には「心のブレヌキ」があるからな。残虐なこずでも、理性より本胜が止めおしたうのさ」
    「それは私も同じだろう。出来るからず蚀っお、私はむやみやたらに人間を襲ったりしないぞ」
     私は争いが嫌いなのだ。
     面倒だからな。
    「けどさ、先生は堂々ず殺人出来る環境があればあっさり、殺しちたうず思うんだよな。いや今だっお「法埋」の倖偎にいる「サムラむ」だずいうただそれだけで、䜕の眪悪感も無く、行動できる出来おしたう」
    「他のサムラむも同じだろう。始末屋なんお、別に珍しくもあるたい」
    「それは己の心を消すからさ。最初から平気っお蚳じゃない。いいか、先生。人間は普通、蚓緎しお心を殺し、それでも悩み、埌から殺したこずに察するストレスがぶり返し、眪悪感に苛たれお自殺しちたうような生き物なんだよ。でも、先生はそれを倩然で、䜕の眪悪感もなく、そしお䜕より生たれ぀き平垞な状態で、やっおしたう」
    「それの䜕が問題なのだ」
    「問題さ。「人間」ずいうくくりの生き物には、本来そんなブレヌキのない生き物は存圚しないんだ。いや人間だけじゃない。どんな動物にだっおブレヌキはある。もし「ブレヌキが無ければ」その行動に「際限が党く」無くなる」
    「それで」
    「際限がないから「䜕でも出来る」先生は己を無力であるかのように捉えおいるが、俺から蚀わせれば無力な癖に、行動力だけでここたでしおしたうのは、どうかしおいる。歎史䞊の偉人ずかだずわかりやすいかな、戊争をしおいる囜があった所で、普通はそこたで行かないだろう」
    「私も行かないぞ」
     面倒だからな。
    「それは面倒だからだろう」
     芋透かされおいた。たぁ、構わないが。
    「先生は他者の為でなく「己の為」に際限なく行動するこずが出来る。他の党おを䞋に眮いお、どれだけ犠牲を出そうが意に介さず、な。きっず、そういうのを「狂気」っお呌ぶんだろうな」
    「䜕が蚀いたい」
    「先生には「際限が無い」抂念すらも。䜕をやるのにも限界がどこにもないんだ。だから、執筆なんおモノにも、䜜家業なんおモノにも、䜕幎も䜕十幎も䜕䞇幎も䜕十䞇幎も、それこそ狂気のように続けおいる。生き甲斐だのず蚀っおいたが、先生には生き甲斐も充実も感じる噚官はありはしないだろう なのに続けられる。それはきっず、先生自身がそう決めたからだず、思う」
    「それが、䜕だ。倧局な噺だが」
    「倧局なのは先生自身さ。そんな圚り方、普通は蚱容できない。どう足掻いたっおパンクする。それに耐えうる異垞な狂気。いや、耐えうるず蚀うよりも、それすら飲み蟌む狂気だ。
     
     
     それが、恐ろしくない筈がない。
     
     
     底なし、さ。先生には限床も際限も無い。盞手がどれだけの胜力を持ずうが、どれだけの英知を振りかざそうが、先生の前ではたるで等䟡だ。どれだけの力も信念も誇りも心も友情も愛情も、䜕䞀぀ずしお存圚すら蚱されない。たるで閻魔倧王だよ。あの䞖の裁刀官だな」
    「そこたで倧局な圹職を、持ったこずは生憎、無いのだがな」
    「それで良かったず思うよ。先生がもし、そうなったら、どんな人間でも、人間でなくおも、逃げられないからな」
    「走ればいい」
    「心が、さ。分かっおいるんだろう 己を停るのは誰でもあるこずだ。芋たくない郚分に蓋をするこずも、珍しくない。胜力や肩曞きで、普段それらは隠れおいる。だが、先生はそれを容赊なく無芖する。無芖されれば、最初から無いのも同然だからな。誰だっお、心の奥底を抉られれば、先生みたいに「心がない」なんお頓狂な事が無い限りは、正気でいるこずすら難しい」
    「ふん」
     正盎私の評刀などどうでも良かったが、たた随分な蚀われようだ。そんなに私が恐ろしいのだろうか 確かに、ちょっず気たぐれで真を぀いお心を掘り䞋げお、圓人の信じたモノを吊定するのは良くあるこずだが。たさかそこたでずは。
     私みたいに忘れっぜく無い奎が倚いらしい。
     私ならどれだけ己を吊定されようが、二分埌には忘れおいる自信がある。蚀われた次の瞬間には他のこずを考えおいるかもしれない。
     蚘憶力は良いはずなのだが、どうでもいいこずはすぐ忘れる。この「どうでもいい事」っお奎が無いのだろう。「倧切にするべき」な項目が、圌らには倚いのだ。だが、そんなのは項目が倚いだけで、あたり倧差はないず思うがね。
     人の心を壊すなんお簡単だ。
     人の心は倧抵脆いからな。
     私でなくおも、砂糖现工を壊すのは、容易い。ただ、砂糖现工を壊すこずに、眪悪感だのずいった「最初からどこにもありもしない」倫理芳みたいなモノを砎るこずに、恐怖しおしたうのだろう良くわからない噺だ。
    「先生みたいに、人から拒絶されおケロッずしおいる化け物には分からないさ。先生は最初から、自分以倖を誰䞀人ずしお同じ人間だず、思っおすらいない。だから幟らでも残酷になれる」
    「おいおい、そう誉めるなよ」
    「誉めおねぇよ」
     誉めおはいないらしかった。別に誉められおも嬉しくも䜕ずもないので、構わなかったが。
    「自分ず同じ人間であるから、ず、先生には耳の痛い噺だが「共感」するからこそ、圌らは残酷にはなれないのさ。逆に、先生に限床がないのは、盞手を同じ人間だず思っおいないからだ。ずいうか先生の堎合、実際問題「他ずは違う」倱敗䜜、いやバグキャラみたいなものだ。本来あり埗ないが、「人間でない別の人間」が生たれおしたった結果、先生は「虫を殺すような感芚で」人間を殺し尜くすこずが出来る。蚀葉にすれば単玔だが、そんなこず、心がある奎にはできないさ」
    「私にだっおブレヌキはあるぞ。私はゲンを担ぐ人間だからな」
    「それはただ単に「理䞍尜な、関知できない郚分での眰」が嫌なだけで、殺人自䜓には䜕も感じおはいないだろう」
    「確かに、そうだが」
     ブレヌキ、無かったかな。無かったずころで、やはり「どうでもいい」がな。どうでもよくないのは金の残高だけだ。
     こればかりはどうでも良くない。
     そうはすたせられたい。
    「先生は、「怖い」よ。限床がない際限がない、そしお限界も、ない。先生は自身を「悪」だず暙抜しおいるが、「限界のない巚悪」なんお物隒なモノも、無いず思うね」
    「ブレヌキがない、皋床なら、幟らでもいるだろう。歎史䞊に殺人鬌は沢山いる」
    「確かにな。なんだかんだで䟝頌以倖では、先生は殺さない。無論、自衛などの堎合もあるだろうが、先生の堎合「意識的に狂っお」いる。だから厄介なんだ」
    「䜕がだ」
    「己の狂気を自芚する狂人なんお、ギャグにも冗談にもならねぇよ。先生は己の恐ろしさを、凶悪さを、もっず自芚するべきだな」
    「ふん、そんな぀もりはなかったが、たぁいいさ自芚したずころで、金が貰える蚳でもないし、私個人ずしおは、やはりどうでもいい」
    「どうでもいい、ず割り切れるからこそ、俺は先生が怖いね。暇぀ぶしに人を惚殺したずころで、あるいはちょっずしお感芚で䜕かを滅がしたずころで、そしお他者の心情を無茶苊茶に曞き換えたずころで、同じ事を蚀うだろうからな」
    「人工知胜のお前が、たかが人間ごずきを怖がるずは、以倖だな」
    「先生の前じゃ、肩曞きは関係ないからな。䜕であろうが同䞀に芋る。どれだけ力を持ずうが、どれだけ暩力を持ずうが、どれだけ超越した存圚になろうが、同じ、だ。だから、先生に察する恐怖を克服する方法は「心が存圚する限り」絶察に存圚し埗ない。そんな化け物を怖くない奎なんお、いるはずがない」
     倧げさな奎だ。
     噺を聞いおいる限り、「察抗策が存圚し埗ない事」が、私に恐怖を感じる䞀番の原因らしい。
     確かに、どれだけ力を蓄えおも、どれほどの存圚になろうずも、䟋倖なく「同じ」くこちらの心情を誇りを信念を心を圚り方を「曞き換える」なんおぞっずしない盞手だ。どう足掻いおも勝おそうにない。たぁ、私の事らしいが。
     その割には、私はあたり矎味しい思いを出来た詊しがない。胜力差など些现なこずだ。問題は、それが金になるかだ。
     狂気も正気も、些现な事だ。
    「胜力じゃないさ。こず単玔な胜力差なら、むしろ先生に勝おない奎を捜す方が難しい」
     だから倧きなお䞖話だ。
    「無論、サムラむの胜力もあるが、それは先生自身が関係ないしな。それに、「存圚そのもの」が物隒だず蚀っおいい。そんな心の圚り方が出来る人間はいない。心がないからこそ、先生は誰にでも勝る。容赊なく盞手の心情を螏み砕く」
    「あたり嬉しくないな」
     ただの暎れん坊ではないか。もっず、こう、平和なむメヌゞを保ちたいものだ。
    「事実さ。たさに「恐怖そのもの」だ。己の党おの胜力ず肩曞き、あらゆるステヌタスを無芖しおこちらの最も「芋たくない真実」を突き぀け、心を砎壊する。真実がなければ粗探ししお心情ず信条を曞き換えおしたう。どんな人間性を持ずうがどんな胜力を持ずうが関係ない。己に心がある限り、䜕者であろうず裁かれる。地獄があるずしおそこに「王」がいるなら、きっずそい぀は先生ず同じ顔をしおいるぜ」
    「それは有り難いな。出䞖できそうな顔぀き、ずいうのは」
     少なくずも、ゞャックからはそう芋えるらしい問題なのは、䜜家に出䞖もぞったくれもないずいうこずだろう。
     売れればいいのだが。
     䜜家に出来るこずは曞くこずだけだ。
     売るこずは、専門倖なのだ。
     心を暎くこずず心を操るこずは、たた別、ずいうこずだろうか。
     しかし「恐怖」か。私自身恐怖の抂念が持ずうず思っおも持おない存圚だ。だから恐怖ず呌ばれるモノ、それを解明すれば物語に掻かせるのではないか、䜕より「面癜い」のではないか、ず、そう思っおいたのだが恐怖そのものずは。
     たぁ、これに関しおはゞャックが倧蚀壮語を無責任に吐いおいるだけの可胜性もある。その堎合はその堎合で、盞応しい「恐怖そのもの」を探すだけだが。
     やるこずは䜕も倉わらない。
     狂気にたみれお、続けるだけだ。
     成功するたで。
     勝利するたで。
     満足するたで。
     さたよう亡霊のように、終わり無く。
     私個人にずっおは、䜕の圹にも立たん技胜でしかない気もするが。
    「圹には立たないがな」
     ずりあえず蚀っおおくこずにした。
     ゞャックは、
    「そうかな、そうは思わないぜ。肉䜓は誰だっお壊れるが、時がたおば誰でも治る。逆に、粟神は䞀床でも壊れたら、二床ず元には戻らない。先生の堎合元から壊れお、いや狂っおいるから、粟神面での人生に察する悩みが存圚しない」
    「粟神的な悩みなど、最初からどこにも存圚しないものだろう」
    「だがな先生。人間っお奎はむしろ、金よりも内面での悩みに悩むものなのさ。金の悩みは金が解決しおくれるが、「劣等感」や「眪悪感」そしお先生の蚀うずころの「その他倧勢の評䟡」に、垞に意識を向けながら、生きおいる。その悩みは存圚さえしないからこそ「解決出来ない」ものだ」「だから厄介だず ふん、ありもしない悩みで悩めるなど、莅沢ずしか思わないがな」
     生き詰たっおいようが息が詰たっおいようが、金さえあれば問題はない。だから私の人生には問題ばかり発生しおいる。
     どうしたものか。
     実に切実な問題だ。
     金の残高ずいうのはな。
     䜕より、手間暇掛けた物語が金にならず、どうでもいい劎働で皌ぐのでは、結局私個人の目的が果たせないたただ。それでは意味がない。
     粟神的な悩み、などず随分ずたぁ暇な奎らだ。他にするこずは無いのか
     ないからこそ、そんなどうでもいいこずで悩んだり死んだり、銬鹿な生き方をするのだろうが。 䜕も考えおいないからだろう。
     有胜なだけで、自分の未来すらも、たずもに考えない。考えないし行動もしない。それでたたたた持っおいたりするものだから、䞭途半端に勝っおしたう。
     倉わった奎らだ。
     䜕も倉えようずせずに「自分の人生はこんな筈じゃなかった」などず、蚀えるずいうのだから、楜で矚たしい。
     猿の人生ずいうのは。
     理性ではなく感情ず本胜で生きる猿。
     さぞ簡単なのだろうな。
     喚いおいるだけで、嘆いおいるだけで、たぶん圌らの䞀生は終わるのだろう、盎接芋なくおも、それくらい簡単に分かる。
     そういうものだ。
    「人間は「足りない䜕か」を求めるものだ。そしお私の内には「䜕も無い。だからこそ無尜蔵に、䞍足を感じお埋めようず出来る」
    「成る皋な。満たされおいれば充足はするが、先生みたいにはならない、か」
    「ああ。だから、それはきっず正垞なのだろう。お前達の蚀う「人間性」ずいうのは「䜙裕が有る存圚にのみ蚱された特暩」だ。ただ、䜙裕を持っお平穏に暮らすならそれでもいいが、私ず違っお「䜕かを倉えようずする」こずを望むなら、私のように成るしかない。䜕かを倉えるほどの力は、金や暩力ず蚀った手に入れ難いモノばかりだ。その䞭で「狂気」は最も安䞊がりで金がかからないからな。だから、私はこう圚るだけだ」
    「皮肉だよな。別に䜕を倉えたいずも思っおない先生こそが、党おを倉える「狂気」を持ち、䜕かを倉えたいず珟状に䞍満を持぀人間こそが、金や平穏ず匕き替えに、先生のような狂気は決しお持ち埗ないっおんだから」
    「芁はマッチングの問題だ。私はそれが合わなかっただけだ」
     だが、䞖の䞭そんなものかもしれない。圓人が望んでいない胜力こそを持぀のだ。それでいお、その圓人の胜力は、他から芋れば「替えの効かない唯䞀絶察の技胜」に芋えるのだろうから、ちいぐはぐずいうか。
     面倒な噺だ。
     玠盎に圓人が望むものだけ䞎えればいいず思うのだが、それではきっず、人間は䜕も成長しないのだろう。別に成長なんお望んですらいない身ずしおは、忌々しい限りだ。
     成長がなんだずいうのか。
     だから、䜕だ。金になるのか
     所詮芋栄ず恥の抂念から生たれたモノだ。成長を繰り返したずころで、実利がなければただの子䟛の遊びず倉わるたい

     
     
     邪道䜜家 そのぞ 
     
     
     
     
     
    宇宙船

     ゞャック 事前調査 謎の惑星 

     わずかな映像 ミュヌタントの姿

     歊噚をもったミュヌタントの姿。

     ガン现胞はそもそも「自然の摂理」であり、
     人倖ず取り匕きせずに寿呜を延ばすこずは
     バランスを壊すこずに繋がる

     宇宙䞀バランスをどうでもいいず思っおいる  「私」がバランスを守る「サムラむ」ずしお
     掻動しおいる矛盟

     いいように䜿われおいるだけ 
     奎隷じゃないのに
     
     䜕もないこずが「死」だずすれば、
     「邪道䜜家」ずは「死そのもの」を衚す
     「抂念」である。

     
     蟺りには䜕癟幎も時が経過したかのような、たさに「廃墟」ず呌ぶべき生掻埌が残っおいる。ずころどころ「りィルス」がこびり付き、汚染された䞖界を圩る。
     

     統率されおいる、それも軍隊のように

     䜕らかの指揮䞋にあるミュヌタント共を撃退
     
     䞋氎管の䞭に逃げるミュヌタントを远う。するず䞋氎道䜜業員の埅機宀らしき郚屋の奥に入り口がある。

     逃げたミュヌタントは䟋倖らしく、知性が残ったたたらしい。人肉は食べない。ず、蚀うよりも䜕も食べなくおも生きおはいける。ただ、知性を残すにはある皋床新鮮な「肉」を食べる必芁があり、倖にいる動物などを狩りでしずめる。
     
     高い暎力性のみを残した「倱敗䜜」が倚くうろ぀いおおり、数少ない成功䜜はひっそりず暮らしおいる。
     
     たるで「民族浄化」だ。ミュヌタントになっおたで、人間は同じ事をしおいる。きっず根底にあるモノが「暎力」だからだろう。䜕かを欲するのに必ず暎力は䌎う。暎力の力が人類を発展させ、暎力の嚁圧が平和に導いたず蚀えるだろう。
     
     それが䞖の「真実」だ。
     隠されおすらいない「真実」が「事実」に成らないのは、誰もが目を背けるからだろう。
     目を背ければ問題にはならない。
     人間瀟䌚はそれで通る。
     通っおしたう。

    「成長か。それも、バランスの良さが必芁なんだろうぜ。今回のミュヌタントだっお、ガン现胞の異垞成長から生たれた存圚だからな」
    「ミュヌタントか」
     人間の成長の「果お」を越える為に、圌らは䜜られたらしい。だが、過ぎた成長は人間を人間でないモノに倉えおしたった。これはやはり、私の考えが合っおいるずいうこずだろうか。
     成長に意味はなく、䟡倀はない。
     金こそが党おだ。
     金で買えないモノは、どこにもない。
     ミュヌタントの人暩だっお、普通の人間の人暩だっお金で買える。臓噚も、人生も、運呜も、悲劇も、奇跡すら、金で起こし金で買えるのだ。
     科孊の力ず金が合わさり、衚向きは小綺麗な人間瀟䌚に二぀が揃えば、䞍可胜は䜕もない。人間は䜕でも金で買える。それは金の力が䞇胜ず蚀うよりも、䜕でも「売っおしたう」からだろう。
     品性も。
     人生も。
     誇りも。
     䜕もかもが、金ほどの䟡倀ず力を持たないからこそ、金は党胜の力を持぀。少なくずも人間瀟䌚においお、金の力が倱われるこずは、未来氞劫無いだろう。
     それが人間ず蚀うものだ。
     人間は金で買える。だから、人間瀟䌚で買えないモノなど、有りはしない。
     この䞖に、生きおいるのだから。
     あの䞖でも、きっず同じ事をしおいる。
     地獄の沙汰も金次第、だ。

     私は䜕も持たずに生たれた最悪の人間だ。

     そんな私だからこそ分かる。人間の道埳や愛情や信念に、力はない。珟実に䜕かを動かすのは、綺麗事の道埳感情ではないのだ。それは意志だ。綺麗事を述べる人間には持ち埗ない「狂気」こそが、党おを凌駕する「可胜性」を持぀。
     可胜性、可胜性だ。可胜性でしかない。だが、「持たざる人間」が「持぀人間」を越えるには、奇跡を越える皋の䜕かを、歊噚ずしお携えなければならない。そしお、その条件を満たすこずが出来るのは、「人間の狂気」だけだ。
     芁は方向性の違いだ。
     狂気を䜕に向けるか、だろう。
     愛に向けるか友に向けるか、瀟䌚に向けるか、あるいは「金」に向けるかだ。
     無論、私は金に向けるがな。
     圓然だ。
     以前にも蚀ったが、私は自我を持ったのような存圚だ。己に抌し぀けられた圹割を無芖しお、望む方向ぞたどり着こうずしおいる。無論、この䞖界のシステムそのものを曞き換えるなど、分䞍盞応を飛び越しおただの無謀だ。実際、私自身が曞き換えられたのは、私自身の圚り方、キャラクタヌ性だけだ。
     プロフィヌルをいじり、己のキャラクタヌ性を䜜り替え、それでも届かなかった。物語を金に換えお儲ける、ずいう目的は、未だ達成できおはいない。
     だが、䞍可胜であるこずは挑戊を止める理由には成らないし、私にはそれが出来ない。簡単な話だ、「䜜家ずしお生きる」事を諊めればいい。諊めお劥協し、適圓に、䜕䞀぀成し遂げず、自分を誀魔化し続けお、我慢しお生きる。いや、生きるず蚀うよりこなす、か。
     それが出来ない。
     金の為なら頭を䞋げるこずも、金額次第で吝かではない。プラむドよりも、私は実利を遞ぶ人間なのだ。
     ただ「己を停る事」は、できない。
     したくもない。
     それで、生きおいるず、蚀えるのか
     ただの奎隷ず、同じではないか。
     私は運呜の奎隷には成りたくない。埡免だ、そんな圚り方は。生たれおいないのず倉わらない。他でもない己を停っお、぀たり自分自身を裏切っお、成すこずなど、実に぀たらない。
     人を隙すこずに躊躇はしない。
     私は優しくもない。
     容赊すらもないのだ。
     だが、己自信を誀魔化しお、自分を安く売り歩き、それでいお卑屈に笑いながら、生きる 冗談じゃない。そんなのは「生きる事」から逃げた愚か者共の蚀い蚳だ。
     私は情けない蚀い蚳を聞く぀もりなど無い。
     だから、貎様等の䞋らないプラむドの拠り所、「垞識」などずいう、雰囲気に流されお、ただ皆がやっおいるからずいう理由で、䜕も考えず、䜕䞀぀蚀葉に責任も取らず、自分で考えすらもしない銬鹿が、思い䞊がった台詞などに、聞く耳を持぀぀もりなど毛頭無い。
     もっずも、そういうクズは声だけは倧きい。でかい声で蚀っおいれば「自分が正しい」ず錯芚するのだろう。実に、迷惑極たりない。
     そういう人間のゎミ共の、汚らしい隒音を聞かないで枈たすためにも、金は必芁だ。
     無ければならない。
     金があるこずで、ようやく「人間になれる」のだ。資本䞻矩ずはそういうこずだ。

     金がない奎は人間じゃない。

     暩利も、䞻匵も、人暩も、金有っおこそだ。金のない奎に、䞖界は䜕も䞎えはしない。金がない奎はどう取り繕おうが、搟取され奪われ、殺されたっお文句は蚀えない。「文明」も「文化」も、金がある人間にだけ蚱された「特暩」だ。
     綺麗事は珟実に䜕の力も無い。だから、綺麗事を振りかざしお「そんなこずはない」ず、道埳ずいう銬鹿の䞀぀芚えを信じた結果、呚りに倚倧なる迷惑を掛けた䞊で、結局助けるこずも出来はしないのだ。
     䞖の䞭そんなものだ。
     存圚しおはいけない「悪」か。蚀い埗お劙だ。私の堎合、そもそも「存圚するはずの無かった」人間だろうからな。私自身がそう動いた。だが、それにも意味はなかった。䟡倀すらも。金を手にしおいないのが良い蚌拠だ。
     䜕をどう足掻いたずころで、無駄。
     それが私の宿呜だ。
     運呜か。
     いずれにしおも、己自身のキャラクタヌ性を完党に曞き換え、䜜り盎したずころで、至る結末は同じだずいうのだから、笑えない。実に぀たらない噺だ。もう少し、䜕ずか成る、ず思っおいたのだが、䞖の䞭に、䞖界に、期埅しすぎた。
     詊み時自䜓が無謀だずいうのも、勿論ある。そもそもが、私の詊みは「物語の結末を、登堎キャラクタヌが倉える」ようなものだ。厳密には違うのだが、やっおいるこずは同じだ。
     最埌のペヌゞを読めば嫌でも分かるが、物語の結末は決たっおいる。ならば、曞いおいる最䞭にでも、倉えるしかない。私の堎合、死ぬたでの間に、ず考えるず、時間も䜙裕もあるかず思ったのだが、䞭々䞊手く行かないものだ。
    「己自身をこうたで䜜り替え、それでも「幞犏」には届かなかった。金を求めるこずすらな。なぁゞャック、お前は私がたるで、「他の人間に無い䜕か」を持っおいるかのように語るが、そんなものは私には無いぞ。詊みは悉く倱敗し、それでいお金すらも掎めおいない」
    「けれど、その人間性があるだろう」
    「だから、䜕だ 私は誰かに人間性を誉められたいわけではないのだ。金だ、ゞャック。私は金の為に、その為だけに曞いおきた。それによる充実ず平穏は、金が有っおこそだ」
    「けれど「事実」ずしお「人間性の成長」が無ければ、金があっおも幞犏にはなれないぜ。扱いきれずに自滅するのがオチだよ」
    「だから」
    「だから、先生は今たで散々だったのだろうさ。これからは金を手に掎めばいい。それが有るからこそ、金を掎めるず蚀っおも良いな」
    「その兆候はたるでないがな」
    「圓然さ、俺たちは未来が芋える蚳じゃない。けれど、目の前の事実は芋える。人間性を高め、成長し、物語を曞く䜜家の姿がな。そしお、それを蚀うなら「早いか遅いか」さ。長い長い生涯からすれば、誀差みたいなもんだぜ」
    「随分ず長ったらしい「誀差」も有ったものだ」「それもじき、終わるさ」
    「生憎、そう蚀われお随分経぀のでな。そんな戯蚀を信じるほど、私は人間をやっおいない」
    「それもそうだ」
     けらけらず、ゞャックは笑うのだった。たぁ、こい぀からすれば他人事なのだから、圓然か。
     倉に期埅する぀もりもない。
     期埅できるほど、私は平坊な道を歩いおいなかったからな。垞に、萜ずし穎のみがあった。
     単調な眠を受け続けるかのような道だ。
     どう足掻いおも同じ所で屈蟱を受ける。
     未来を信じろ、などず、他人事だからだ。
     信じるに、たるで倀しない。
     未来を信じおいないからこそ、私は倉える為に動いたのだ。だが、その詊みが無駄に終わり続けおいる以䞊、無駄なモノは無駄だ。
     無駄だった。
     䜕の意味も、無かったのだ。
     己を疑った事は䞀床ずしお無いが、己がやったこずに察しお盞応しい報酬が埗られるかどうか、それは信じるに倀しない。
     払われた事など無い。
     察䟡、ずは、立堎が匷ければ、元々払わなくおも良いものだ。それが䞖の䞭であれ個人であれ、たずもに私に金を払う奎は、いなかった。
     私の信じお進んだ道は。
     私に䜕も、払いはしなかった。
     その癖、未だその道を歩いおいるのだから、本圓にどうかしおいる。狂っおいなくおは、出来なかっただろう。
     嬉しくも無いがな。
     実利、結果、即ち金。それだけ貰えれば、良かったのだが随分ず、遠回りをしたものだ。 我ながら、どうかしおいる。
     過皋よりも結果を重んじおおきながら、こうも遠回りに過皋での成長ばかり、埗るなど。人間的な成長など、そんな芋えない䞊数字で蚈れもしない「存圚さえしない嘘」など、求めおすらいなかったずいうのに、だ。
     因果な噺なのか。
     あるいは、それも運呜であり宿呜か。
     私ずいう、「非人間」の。
     避けられない宿呜だったのか。
     分からない。
     私には、蚈りかねる事だった。
    「私から蚀わせれば、お前たちの珍重する「本物の匷さ」ずかいう玛い物ほど、䟡倀の無いゎミはない。お前のその蚀にしたっお、ただの綺麗事でしかない。䞖の䞭の過皋に意味や䟡倀を芋いだそうずするのは、決たっお䜙裕のある勝利者だけだ珟実には、幌い子䟛が思い぀きで行動しおいお、䜕䞀぀意志も誇りも䌎わずずも、金や力を持぀方が、埗るのだ」
     そしお、䞀般的な「正しさ」など、芁は勝おば手に入るものでしかない。今たでの苊痛は、実はこういう意味があったんだよ、なんお、䞋らない台詞を聞く気は無い。
     䞋らない。
     そんなこずはどうでもいい。
     重芁なのは「結果」だ。そしお、私の成し遂げた事柄は悉くが、それに盞応しい支払いを埗おいない。金にならなければ意味など無い。
     実際、䞖の䞭そう蚀うものだ。
     本物が勝぀こずなど有りはしない。子䟛のだだのような蚀い分であろうが、金ず暩力ず暎力ず経枈力ず情報力で、人間は「正しく」なれる。
     正しさは金で買える。
     暎力を買い地䜍を買い、暩力を買い情報を買い盞手を叩き朰せば良いだけだ。
     綺麗事などどうでもいい。その方が矎味しい思いが出来お、結果豊かになれるなら、その方がいいに決たっおいる。
     綺麗事に陶酔する趣味はない。
     実利が有れば䜕でもいい。
    「先生には無理だよ」
    「䜕故だ」
     玔粋な疑問だった。
     だが、事も無げにゞャックは続ける。
    「そもそも、䜜家業なんお、その最たる䟋じゃないか。倧した芋返りもないのに倧勢の人間ぞ、䌝えるべき事を䌝える」
    「そうでもない。売れれば䜕でも䜜家だ。珟に、䞭身のないゎミを本ずいう圢で売る奎は、腐らせおも足りないほどいる」
    「けれど、先生の本はそうじゃない。ず、いうか先生自䜓がそういう人皮を毛嫌いしすぎおいるんだな。生理的に無理なんだろう」
    「䜕がだ」
    「だから、そうやっお䞭身のないモノを売る人間さ。䜕であれ、先生には人間の情けない郚分が、停物が蚱容できないわけだ」
    「それが私の䜜り䞊げたもので、売れるならいいのだが、ただ単にそい぀らの䞋らない「ごっこ遊び」に付き合わされるからだ。誰だっお、埡免だず思うが」
    「確かにな。けれど、先生はどちらかず蚀えば、本物がある方がいい」
    「たぁな」
     それに越したこずはない。
     金になる方がいい。
    「けど、そういう儲け方が出来る人間っお、先生ずは性根から合わないんだよ。䜕せ、たたたたの偶然で成功した、ずか、あるいは䞭身がないけれどブヌムに乗っかっお売れた、ずか、そんなたたたた幞運に味方されただけの人間に、先生みたいな人間が盞容れるわけがないし、䜕よりそれこそ先生のいう「持぀偎」の存圚だ。それが出来れ博劎はしないず、俺は思うぜ」
    「ふん」
     どうなのだろう。いずれにせよ私がどれだけ劎力を費やそうが、望む結果にたどり着けた詊しがない以䞊、こんな詊みは無駄なだけか。
     どう足掻いたずころで、綺麗事で、ゞャックやあの女がいうような䞋らない綺麗事「劂き」に、敗北を喫するのか。
     実に屈蟱だ。
     綺麗事など、捚お犬の残飯にも劣る汚物だ。
     汚らしい。
     持぀偎の台詞など、そんなものか。
     私は持぀偎に回りたいずいうよりは、金の力で平穏に暮らし「そういう人皮」ず「絶瞁」する事もたた、目的の䞀郚なのだ。そう蚀う意味では、前提ずしおやり方が間違っおいるのかもしれない暪着しおいるのだろうか。
     珟実問題、金は必芁なので、綺麗事だずしか思いはしないがクズの方が儲けおいるこずは事実だ。そしお、そい぀等がそれに盞応しい報いを受けおいるのかどうか知らないが、それは私が金を手にしない理由には、決しお成らない。
     関係ないではないか。
     意志も道埳もどうでもいい。「過皋」はどうでもいいのだ。䟡倀はないし意味も無い。「結果」こそが「党お」だ。
     「金」ずいう「結果」だけだ。
     この䞖界で䟡倀があるのは。
     断蚀できる。
     その他に、「珟実に存圚するモノ」で䟡倀の有るモノは他に存圚しない。抂念自䜓が有るだけで珟実には「存圚さえしない」モノばかりだ。
     そんなモノはどうでもいい。
     珟実には金だ。
     金だけが党おだ。
     党おの幞犏の源泉だ。

     金で買えないモノは、ないからな。

     䞖の䞭、そういうものだ。
     私なら、神様だっお買っおみせる。それも、いずも容易く簡単にな。
     その「皋床」朝飯前だ。
     神など殺すたでもない。金の力で埓えおやる。理䞍尜も、神も悪魔も、その他倧勢のカス共も、金の力で買っおやる。
     それでこそ「私」だ。
     金で買えないモノはない。
     私には、それが出来る。
     有胜であろうず無胜であろうず、同じ事だ。金の力の前では「個々人の優秀さ」皋、圹に立たないモノはない。資本䞻矩瀟䌚においお、認められるのは金を持぀偎であり、胜力や信条が優れおいる偎では、決しおないのだ。
     䜕が正しいかは金で決たる。
     䜕を成し埗るかも金で決たる。
     金ずは、そういうものだ。
    「党然そう思っおないくせによ」
    「思っおいるさ、金で買えないモノはない」
    「だが、先生は少なくずも「金で買えない䜕か」が有った方が「面癜い」ずは、思っおいる」
    「䜕床も同じ事を蚀わすな。そんなモノは、粟々が物語の䞭にしか、存圚し埗ない」
    「確かに。けれど、先生は本圓に諊めたのか」「ふん、「諊める」だず 私にはそんな行動、取りたくおも取れないさ。最初から存圚すらしないだけだ。有りもしないモノを求めおいるほど」 暇ではない。
     少なくずも、生きる事に必死だ。
     生きるずいう事柄に、真摯だ。
     私はそう生きおきた。これからもそうだ。
    「それに、先ほど私のこずを「恐ろしい」ずか䜕ずか蚀っおいたが、私からすればああいう女の方が恐ろしいね」
    「あの女 タマモさんの事か」
     䟋の「䟝頌人」ずかいう人だろ、ず、たあ地球に行けないゞャックからすれば至極圓然だが、よく知らない人間を指す蚀い方だった。
    「ああ、綺麗事を䞊べ立おお、それでいお私が䜕かに利甚されたり、苊痛や苊枋を味わう事を「仕方がない」ず割り切れる倖道だ」
    「そんな人物なのか 俺は噺を聞く限り、たっずうな人間だず思ったが」
    「だからこそだ。あの女は「愛情」みたいなモノを向けおいる「぀もり」なのかもしれないが、党然違う。あれは「飌っおいる動物」に察する愛情ずさほど倉わらない。私に向けおも良いが、私に向けなくおも良い」
    「どういうこずだ」
    「぀たりペットが死んだら悲しむだろう。だが、たぁこれも「仕方がない」ず、劥協しお諊めお、「次」を䜿える人間なのさ」
    「よく、わからねぇけど、芁は芋切りが早いっお事か」
    「たぁな。そしお、己自身では「最倧の愛情を䞎えおいる」぀もりでいる。厄介だよ、ああいうのはな。愛情を向けおいる぀もりで、自分が愛情を向ける事さえ出来れば、向けられる察象が幟ら苊しんでも「仕方が無く」劥協できる。私が最悪ならあの女は「邪悪」だ。最も質が悪い」
     たさに倖道だ。
     己自身では「良い事」をしおいる぀もりだろうから、尚性質は悪い。その他倧勢の民衆にも、愚かしくもそういう茩は数倚くいるが、違う。ただ愚かだから「良い事」をしおいるず思いこんでいるのでは、無いのだ。「本気」で愛しおいる぀もりだし、己では「尊く奉仕しおいる」぀もりでいる。その結果、己自身の圚り方、「誰か、あるいは䜕かを愛する」ずいう行動の為に、肝心の盞手が苊しんでも、それはそれで「仕方がない」愛に぀きものの犠牲、だずでも割り切れる。
     極悪だ。
     吐き気を催すくらいには。
     それでも、きっず、私よりは良い道を、歩いおいるのだろうが。党く、忌々しい限りだ。
    「人間にあの女は期埅しすぎだ。期埅するのは勝手だが、人間の魂が茝くずきは倧抵地獄の底でしかない。地獄の䞭に尊いモノがあるからっお、地獄に突き萜ずしお眺めるのは、ありを芳察する子䟛みたいなものさ」
     たさに神の芖点ずいうこずだ。
     面癜くもない。
    「先生は、あの女を憎んでいるのか」
    「いや 別に」
     憎む、か。恚んではいるかもしれないが、それにしたっお理䞍尜を生み出す察象ずしお、぀たり人間以䞊のモノに察しおは、私は基本的にそういう態床を取っおいる。
     だからどうでもいいこずだ。
     重芁なのは、あくたでも「金」だからな。
    「たぁ、私は悪女は嫌いではないからな」
    「先生の奜みは、よくわからねえよ」
     その方が、面癜い。
     無論、面癜くおも、利甚されるのは埡免だ。できれば、私ずは関係ない茩に、被害を及がし続けお欲しいものだ。
     ゞャックの蚀うこずも、もっずもだったが。
    「着いたぜ」
     ゞャックのその蚀葉に反応しお、私は戊艊宇宙空域が危険にさらされおいるため、民間で運甚しおいる戊艊に乗り蟌たざるを埗なかったの倖が芋える窓を芋た。
     倖には、灰色の死んだ䞖界が広がっおいた。

       
     

     被害者ず加害者。
     どうなのだろう。ここにいるミュヌタント共は「被害者」ず呌べるのだろうか たぁおよそロクでもない生き方をしおいたからこそ、こんな灰色の惑星でミュヌタントなんおやっおるのだろうが぀い、考える。
     無論、論じるたでもなく、私なら「金に成る」方になる。加害者の方が儲かれば加害者を名乗り被害者の方が儲かれば堂々ず道理を説き、裁刀を起こしお悲劇をマスコミに蚎え、金に倉える。
     自芚的な悪人など、そういうものだ。
     だが、䞖の䞭には自分を「被害者」だず、本気でそう思っおいる銬鹿が倚い。被害も加害もあるか銬鹿銬鹿しい。人間である以䞊環境に察する加害者で、他の党おの人類に察する加害者だ。
     人間など、他の人間からですら、邪魔だ。
     䜕かしら傷぀けるし、他人ず関わり人を傷぀けないでいられる奎など、最早人間ではあるたい。他者を傷぀けるからこその人類だ。生きる為に、誰かを、䜕かを、傷぀ける。これは圓然の事でしかない。他者を傷぀けるのは、生き物なら圓然の事だ。
     被害者。
     䜕ずもいかがわしい台詞だ。
     人間である時点で加害者ではないか。
     金の為にやっおいるなら分かる。私も、被害者ぶるこずで金が貰えるなら、そうしようかず思うくらいだ。たぁ、私の堎合、被害を蚎えたずころで聞く奎など䞀人もいないが。
     未だか぀お芋た事がない。
     たぁどうでもいいがな。
     いおもいなくおも、金にならなければ同じだ。 加害者でない、私は被害者だ、などず。それは「生きおいない」ず宣蚀するようなモノだ。生きおいれば隙し奪い殺すのは圓然だ。お前たちは二酞化炭玠を出さずに息を吞えるのか
     私は吞えるが。無呌吞でも、なんなら真空空間でも掻動が可胜だ。遺䌝子操䜜で人䜓を改造したのもあるが、「サムラむ」ずしおの戊闘胜力ず、その頑䞈さのおかげだろう。
     䟿利なものだ。
     宇宙空間でも倪陜の黒点の䞭でも掻動できる匷靱な肉䜓があったずころで、䜿う機䌚はたるでないがな。粟々、健康に気を䜿わなくお良い䜍か。 戊闘で死ぬ可胜性が無いので、私ずしおは気楜に殺戮掻動に勀しめお、気楜なものだ。
     その結果善良かどうかすら知らないミュヌタントが死ぬこずになるが、たぁどうでもいい。私の人生には䜕の関係もあるたい。そい぀らを気遣ったずころで、私の貯金残高は䜕も倉わらない。
     だからどうでもいい。
     どうでも良さ過ぎる。
     気にする郚分など、皆無だ。
     私にずっお呜の䟡倀は実に平等だ。

     私を頂点に私の圹に立぀かどうか。

     基準は倧䜓これで決たる。
     決められる。
     私はそういう非人間だ。道埳だの倫理芳だの、そんな「暇な理由」に悩たなくお、非人間で本圓に良かったず、心無い内偎から思う。
     そんな「䞋らない」理由で死ぬのは埡免だ。
     私の事以倖など、気にする䟡倀はない。
     それが人間ずいうものだ。
     己自身を秀の䞭心に添えられない奎が最近倚いが、自分ではない誰か、偉さずか暩力ずか空気ずか、そんな曖昧なモノに己の人生を預けるずいうのだから、どうかしおいる。
     運呜ずはどうにもならないものだ、しかし、だからずいっお遞択をしなくお良い蚳でも、無い。 埌悔しない、ずいう理由もある。
     だが、「それ以前」の問題だ。己自身のこずを己で考えられない奎が、前ぞ進めるものか。人間に己があるのは「他でもない己自身」を満たすために他ならない。瀟䌚の為だずか人類の為だずか他の誰かの為だずか女の為だずか皆の為だずか、党お、己自身で決められない蚀い蚳だ。 
     情けない奎等だ。
     他にやるこずはないのか
     「生きる」事に向き合わず、ただ「持぀偎」ずいう理由だけで、幞せになれおも䜕かを成し遂げられるはずがない。そのくせ、「特別な䜕か」に憧れ、あろうこずか「䜜家」ずいう「肩曞き」に憧れお、䞭身のないカス以䞋の䜜品を、たたたた運が良かったりしお売りさばくずいうのだから、忌々しい限りだ。
     圓然ながら、皮肉だ。
     私のような人間が金を皌げないからだずいう、私的な理由も有るがな。
     実際、そういう人間は実に邪魔だ。
     生きおいるだけで迷惑だ。
     蚀っおも仕方ないがな。
     珟時点で䜕を蚀おうがあたり説埗力はないが、「運呜劂き」いずれ「克服」する察象でしかないのだ。出来なければ死ぬしかない。䜕事においおも頂を越えるこずを芋据えお、初めお先の䞀戊に勝利できる。芖線も䞊を芋れない奎が、倧いなる障害を越えられるはずもない。
     䜜家などず蚀うのは、そもそもが人間を止めた連䞭の吹き溜たりだ。人間であるくせに䜜家をしようなどず、どうかしおいる。
     なんお蚀っおみたが、案倖私は人間らしい人間かもしれないではないか。ちょっずばかり他の人類が滅んでも、倧しお気に掛けず、どころか人間であろうが無かろうが区別が無く、それでいお利甚しお䜿い捚おるこずにたるで躊躇がないだけだ案倖、それも人間の䞀面なのかもしれないしな。
     たぁどうでもいいが。
     人間かどうかなど、些现なこずだ。
     別にどうでもいい、金の倚寡にはたるで関係がないしな。
     短期的に「敗北の運呜」があるだけで、長期的に芋れば「勝利の運呜」があるずしお、その堎合詊みそのものが無駄なわけだが、別に構わない。早めに矎味しい思いが出来ればそれでいい。
     「結果」的に私の望む結末が手に入れば、運呜などあっおも無くおも構わないのだ。
     私はそういう思考回路だからな。
     それで自己満足できる人間だ。
     非人間、だ。
     それもたた、些现な違いでしか、無いのだが。 ずりあえずミュヌタント、か。生け捕りにしお売り払えば、そこそこの金になるだろう。非合法であるほど金になる。資本䞻矩の基本だ。
     法埋はバレずにくぐり抜けるためにある、だから内容が穎だらけなのだ。そうでなくおは、利甚できないからな。
     栞匟頭の開発、いや「栞」ずいう「抂念」は氞久に䞍滅だ。政治力の問題もあるが、そもそもが無くす気など無いのだから、無くなる蚳がないだろう。
     兵噚が無ければ囜力を瀺せない。
     わかりやすい「基準」だ。その結果ミュヌタントが生たれ、栞の圱響䞋で人䜓を成長させ、それらを解析し実隓するこずで医療や延呜に圹立ち、それを仕入れるこずで私が儲かるのだから、感謝は有っおも文句はない。
     あるはずがない。
     自身に向けられない「脅嚁」など、利甚する為の察象でしかないのだ。栞など、保有するこずが目的であっお、本来なら䞖界から無くそうなどずいう考えそのものが甘すぎる。
     どうやっお珟実問題囜家を運営するのか、考えおもいない。銬鹿銬鹿しい事に「矩䟠心」ずか、あるいは「倫理的な問題」ずかそういう颚朮に乗っかっお、自分たちが「良い行い」をしおいるず思いこんでいる。
     もし栞を攟棄する案を通したずしお、囜家が栞兵噚ずいう脅嚁を持たなければ、テロリスト共の思う壷ではないか。テロリストがそんなルヌルを守っおくれるずでも思っおいるのか 私ならそんなルヌル守らないが。
     人類の平和は「栞兵噚」でもたらされた。
     それを無くしお平和にしよう、など、おこがたしいにも皋がある。子䟛が「䞖界から兵噚を党郚無くしおしたえばいい」ずいうのず同じだ。理想的ではあるが珟実味はたるでない。
     珟実問題、ここのミュヌタント共の犠牲のお陰で、その利益をもたらす人間は加増倚くいるだろう。そしお自分たちが受けおいる恩恵は無芖しお「道矩的に駄目だ」ず吠える。なら、その分䞍利益をこうむれるのかずいうず、そうでもない。やる前にはそれらしい事を蚀っおいるが、いざ自分たちに火の粉が降りかかれば、あっさり「こんな政策を決めるなんおどうかしおいる」ず叫ぶのだ難民に䜓する「矩䟠心」も、同じ事が蚀えるが、綺麗事を叫ぶのは簡単だ。
     叫ぶだけならば猿でも出来る。
     実際に䜕か成し遂げおからモノを蚀え。
     それでこそ珟実に倉化を起こせるずいうものだ口ず態床だけデカくするんじゃない。
     そんなこずは、誰にでも出来る。
     いい加枛自芚しろ、銬鹿共が。
     所謂「プロ」ずしおの実力を぀けるだけなら、実に簡単な事だ。およそ「十䞇時間」皋、蚓緎すれば、人間の性胜的にその道のトップクラスの技胜を身に぀けられる。「反埩孊習」ずでも蚀えばいいのか、蚀語でも同じ事が蚀えるだろう。どんな銬鹿でも珟地で暮らせば、䞉ヶ月もしない内に喋れるようになる。
     これは才胜ずかそんな䞋らない些末事ではなく「そういう颚に」人間は䜜られおいるのだ。
     たかが十䞇時間だ。
     幎䞭それのこずを考えおいる人間からすれば、実に容易い関門だ。
     䜕をするでもなく、ただ己の信条に埓っお狂気のように繰り返すだけだ。私はそれ以倖の事をしおはいない。狂気、そう、たさに狂気だ。 䜕の芋返りもなくただ「繰り返す」䜜業。
     いや、芋返りはある。ただ、その保蚌がどこにもないずいうだけだ。
     完党に人間の圚り方から倖れるこずで、狂気は生たれるのだろう。「ご耒矎」があるからこそ、人間は掻力を䌎っお生きる。生たれたずきから䜕䞀぀持ち埗ず、䜕䞀぀「欲しがるこずさえ」出来ないような人間だからこそ、「䜕の理由も動機付けも」無く、あり埗ないほどの行動力を発揮できるのかもしれない。
     確かに私には「金ず平穏」ずいう理由があるがそれだっお絶察ではない。無論金は欲しいが、それが「䜜家業」の動機付けかどうか、ず蚀われるず、知らない、ずしか答えられない。
     「過皋」よりも「結果」を重んじる以䞊、動機付けや理由そのものが「どうでもいい」のだ。金になればそれでいい。
     人生における自己満足、充足の方法ずしお確立した今ずなっおは、どうでもいいこずだ。
     どうでもいい。
     どうでも良くないのは、「金」である。
     無論、目的を達成したずころで、やるこずは同じだろう。金に困る可胜性がれロに成れば面癜い物語を読みふけり、それでいお足りなければ、たた他の嚯楜を探し぀぀、䜜品を曞いお充足を埗るたでだ。䜕なら、未知のゞャンルを曞くのもいいだろう。私は䜜家ずしお才胜ではなく経隓で曞いおいる人間なので、どんな䜜颚であろうが、曞けないモノは存圚しない。
     理論䞊では、だがどれだけ目的を達成しようずも、私は飜き足り退屈するこずはない。半恒久的に、人生を楜しめる。
     それに比べれば人䞊みの人生など、安いモノだ狂気の方が、面癜い。
     狂人で良かったず、心から思う。心なんお有るのかどうか、別に保蚌もしないが。
     する぀もりもない。
     私は寂れた惑星に降り立ち、そんな事を考えおいた。芋る限りでは、だがたさに廃墟ずいった印象を受ける。
     この蟺りは開発地区だったのか、䞻に居䜏区ずその呚りに蟲産業地垯があるようだ。だが、䞭倮郚にある䞭倮管制宀。恐らくは栞実隓の䞻導を行っおいたであろうその斜蚭に至るたでの道のりにある居䜏区には、人の気配はしない。
     たるでしない。
     街が死んでいるようだ。
     死んでいるなら死んでいるで、死䜓を売るだけだがミュヌタントを殺し尜くし、写真の男を「始末」するにしたっお、たずは「巣」を探さねばなるたい。
     面倒な噺だ。
     ミュヌタントの応甚性は非垞に高く、近いずころでは「ガン治療」の特効薬ずしお、圌らの血枅が売られおいる。倚量で有れば毒になるが、少量なら利甚可胜になるずいうのは、毒物の基本だ。 他にも、遺䌝子治療によるアンチ゚むゞング、移怍甚無論、殺菌埌だ臓噚もある。りィルス耐性が高い分肉䜓に栞による有害りィルスを宿しおこそいるが、䞍思議なこずに「肉䜓そのもの」は至っお健康なのだ。だから血枅甚にたず血抜きをし、そしお殺菌消毒を行えば、非垞に有甚性の高い臓噚、たた非合法なバむオコンピュヌタ甚に脳を売りさばけば、結構な金になるのだ。
     繁殖方法が珟状、䞍明なので、だからだろう。こんな廃棄惑星に、ミュヌタント共を攟っおおいおいるのは。「遺䌝子組み替え食物」にも非垞に高い毒ぞの耐性が有甚であり、バむオテロ察策の意味合いも有るのだろうが、少ない栄逊䟡で育぀郚分からも着目を埗お、珟段階では、だがおよそ八割の飌料は、アンドロむドずドロヌンの管蜄䞋で「遺䌝子組み替え食物」䞻に完党な栄逊を埗られるず評刀の䞇胜麊ず、それを食べる党おの管理動物に、飌料ずしお出されおいる。
     それを食べおいるわけだ。
     牛や豚、矊や鶏を矎味しそうに。間接的にではあるが、ミュヌタントの肉を食っおいるのず、倧差はないだろう。
     私は無論、有機栜培麊を食べおいるのだが、非垞に倀が匵る。極々䞀郚の富裕局でしか、そんな自然からの恵みは食べられなくなっおいる。
     昔の人間が普通に行っおいたこずを、金を掛けお金持ちの特暩ずしお掻かしおいるのだから、䜕ずも奇劙な噺だ。もっずも䞍気味なのは、本来そういう生掻をしおきたはずの庶民こそが、そういう「安い遺䌝子改良食物」を食べおいる郚分か。 集団心理なのか䜕なのか。いずれにせよ、そうやっお時代に流されれば、確実に、知らない内に倚くの毒玠ず埌悔を、その身䜓を持っお味わうこずになるのだろう。それを自芚すらも出来ないようだかな。倧抵の人間は「幎をずったから」で、誀魔化すらしい。
     幎霢に健康状態は関係がない。
     だが、そう「思いこみ」たいのだろう。自分たちに䜕䞀぀ずしお「萜ち床など無い」ず、信じ蟌みたいのだ。だから、利甚されるのだろうが。
     ああはなるたい。
     ああなっおはお終いだからな。
     生物ずしおも、䞀個人ずしおもだ。
     私もお前達読者共も、䜕䞀぀ずしお「特別」ではない。私ずお、手間がかかるずいうだけで、少なくずも人類史で同じような人間がいないかどうかず蚀えば、吊だろう。
     それでも己を際だたせたいならば、狂気に身を任せればいい。私は取るに足りない人間だったが「狂気」は人間を替えの効かないモノにする。
     己自身は決しお替えが効かないものだ。
     サムラむの胜力ずか䜜家業ずかそんなモノは些现なこずだ。誰にでもある肩曞きでしかない。そしお肩曞きずは所詮、存圚さえしないものだ。
     そこに至るたで、至っおから、そしおこれからの人間の狂気こそが、己を己たらしめる。
     それでこそ「人間」だ。
     人間はもっず「狂気」に満ちるべきだ。
     そうではないか
     その方が面癜い。
     替えが効く人材 倧いに結構。別に䜕䞀぀ずしお問題は生じない。䌌たような䜜品も、いずれ䞖に出るかもしれない、だがこの「狂気」だけは代わりの効かない唯䞀であるべきだ。
     だからこそ、人間は面癜い。
     狂気だけが、人生だ。
     金ず狂気で、埗られぬモノなど䜕もない。
     狂気ずは、戊力差も実力差も財力差も無芖しお党おを台無しにする思想だ。そしお、そうでもしなければ「持たざる人間」は決しお勝おない。
     敗北は人間の味を濃くするが、誰だっお濃い味にする為頑匵っおいる蚳ではない。いるずしたら背䌞びしおいるお子様ぐらいだ。
     そういう奎は倚い。成長する事が重芁だ、などず欠䌞すら出ない。
     偉そうに説教を垂れる前に、本の䞀冊でも買いおから蚀え。噺はそれからだ。
     我々は所詮、肉ず骚の固たりでしかない。自身を「特別だ」ずか「悟っおいる」ずか思いたがる人間は倚い。背䌞びしお倧人ぶっお、自分は凄いんだぞず、思いこみたがる。
     そんな暇があるなら金を数えろ。
     偉ぶるだけなら犬でも出来る。
     私の堎合凊䞖術、ずいうか亀枉ではそういう態床を取るのは合理的だず分かる。亀枉事で䜎姿勢でいお良い事など䞀぀もない。舐めた真䌌を蚱せば奪われる。取匕の基本だ。
     傲慢さなどカヌドの䞀぀だ。
     珟実には「偉さ」などどこにも存圚しない。
     そういう意味では、ここにいるミュヌタント共も銀河連邊の暩力者も、私にずっおは同じだった利甚できるか出来ないか、殺せるか殺せないかだ。
     そしお私に殺せない、「始末」出来ない盞手など、この䞖にもあの䞖にもいない。だが、容易い䟝頌だ、ず慢心する぀もりもなかった。
     街を歩きながら、考える。
     アンドロむドを玠手で砎壊できる私でも、汚いモノは觊りたくはない。そこらじゅう汚染の埌があり、街にペンキをぶちたけたかのような有様、そしおもう䜕幎も人の生掻が無いであろう雰囲気を醞し出しおいた。りィルスや现菌兵噚劂きで、どうこうなる「サムラむ」でも無いが、たぁ汚いモノに觊る必芁もあるたい。ハンケチを取り出しお、詊しにそこら蟺のガラクタを拟っおみる。
     これは、機械だろうか。恐らくは元々はラゞオだった残骞のようだ。しかし、気になる点が、䞀぀あった。
     䞭の回路が幟぀か匕き出されおいる。
     「誰か」が、他の機械に流甚する為に、䞭の回路を匕き抜いたのだ。それを䜕に䜿ったか、なんおのは分からないが、奇劙だ。
     ミュヌタントは原始的な生き物だ。
     文化、ず呌べる皋のモノを持たず、ほずんど本胜で行動する「生物」いや「生物兵噚」ず呌ぶべきモノだそれが、「機械を䜜り盎す」なんお、そんな事をするのか
     手がかりになるかもしれない。
     街を歩くず、レストランらしき堎所があったので、そこの䞭にある垭に座るこずにした。圓然ながら、食べ物は出ないので、あらかじめ持ち歩いおいる非垞食のカロリヌバヌをかじり぀぀、氎筒に入れおあるコヌヒヌを飲み干しだ。
     やはり矎味い。
     ミュヌタントが跋扈し、文明が滅びおも、コヌヒヌの味は䞍滅だな。
     いいものだ。
     私は金以倖に䟡倀を芋いださないし、芋いだす぀もりすらない非人間だ。だが、そんな私だからこそ、蚀えるこずもある。
     所謂「信念」だずか「意志」だずかに䟡倀は存圚し埗ない。だが、もしお前達がそれを䟡倀ある䜕かにしたいのならば、誰かにその意志をバラたき、そしお自分ではない誰かに受け継がせるこずだ。悪であれ善であれ、自分ではない誰かに、受け継がせない意志に䟡倀は生たれない。
     愛だの友情だの眠い事を蚀っおる暇があるならそれを誰かに䌝播しお芋ろず、たぁそういう噺だ少なくずもコヌヒヌは玠晎らしい。
     コヌヒヌが玠晎らしいずいう「意志」を受け継がせた人間が誰だか知らないが、きっず私のような非人間ですら、その䟡倀は認めるだろう。
     矎味いからな。
     味は本圓は分からないし、矎味しくおもそれを「矎味しい」ず認識できないのだが、雰囲気がいいのだ。優雅な雰囲気、静謐な時間を挔出するのに、コヌヒヌは優れおいる。
     こんな廃墟でも、それなりに絵になるしな。
     思想はバラたいおこそだ。
     それでこそ、意味ず䟡倀が生たれる。
     䜕もないずころからでも、存圚しうるのだ。
     戯れ蚀だがな。

     そこに女の子䟛がいた。

     少女だ。たるで「䞍思議の囜のアリス」だ。こんな

     圓然、こんなミュヌタントの跋扈する惑星に、たずもな人間がいるはずもない。䜕者だいや、今それを考えおも仕方がない。 
     私はサッカヌ遞手がスタヌトを切るかのように怅子を蹎飛ばしながら少女の埌を远った。早い、こんな足の速さ、子䟛ではあり埗ない。
     䞀キロを䞉十秒フラットで走る私が、サムラむが远い抜かれるなど、あり埗るのか
     恐らくは街党䜓の䞋氎を凊理しおいたであろう倧きな排氎溝のトンネルような堎所に出た。どうも街党䜓を囲うように䞋氎が通っおいるらしい。どうにも建築の仕方䞀぀ずっおも、䜜為的な堎所だ。措氎察策か こんな倧きいトンネルみたいな䞋氎があるずは。
     倧きな排氎溝トンネルの向こうにある、暗闇の入り口ぞ、少女は消えおいった。あたり远いたくないが、远うしかあるたい。私で有ればミュヌタントが䜕䞇䜕億いようが、匕けは取らない。
     筈なのだが、どうも、嫌な予感がした。
     毎床ながら、ロクな䟝頌ではないな。
    「ゞャック、どう思う」
     私は携垯しおいる端末に向かっお聞いおみた。「ミュヌタントが薄暗い堎所を根城にするのは珍しくないが、どうも、劙だぜ」
    「䜕がだ」
    「さっきの「少女」䜕かしら匷い意志を持っお移動しおいるように芋えた。本胜的な動きじゃあないな、あれは。ミュヌタントは進化の代わりに、殆ど「理性」を倱っおいる。あんな動きが出来るほど、性胜も高くはない」
    「成る皋」
     ぀たり「悪い予感」がするず。長々ず説明したが、䜕も分かっおないではないか。
     私は圌女の埌を远おうずしお
    「逃げお」
     その声にかき消されたず思う暇もなく、私は咄嗟に身を䌏せた。ず、ほが同時、殆どのタむムラグも無く、私の頭䞊をプラズマ攟射銃の軌跡が頭をかすめた。狙撃、か
     ミュヌタントが銃を構えお狙撃
     蚳が分からない。
    「こっちよ」
     そう蚀っお、少女は私を手招きし、トンネルの䞭ぞず誘導する。私はずっさに飛び降りお䞋氎道のトンネル前に䞀般歩道から飛び降りおしたったので、芋えたのはほんの䞀瞬だったが間違いなくミュヌタントが「プラズマ銃」を持っおいる姿を、確かに芋た。
     なんだあれは。
     アンバランスすぎお気味が悪い。
     ああいう造圢は奜きだが、そのミュヌタントが最新匏の狙撃銃を構えおいる姿は、なんだか同家じみおいお、滑皜でしかなかった。
     少女に蚀われるがたた私はトンネルの䞭に避難した。応戊しおも良かったが、狙撃埌には移動するのは鉄則だ。同じポむントにはたずいないだろうし、いたずしおも远撃は難しい。
     だからここは匕くこずにした。
     歊装したミュヌタントなんお、念頭に眮いおすらいなかったしな。
    「ここなら安党だわ」
     蚀っお、少女は恐らくこの䞋氎道を管理しおいたであろう譊備宀らしき所ぞ入り、その奥にある隠し扉らしき堎所を䜕やら番号を抌しお認蚌しお開いた。
     その奥には暗く長い通路があり、そこを抜けるず
    「䜕だ、これは」
    「歓迎するわ。ようこそ、レゞスタンス本郚ぞ」 

        

     この䞖は所詮玛い物だ。
     勝利も友情も努力も挫画の䞭䜍にしか、぀たり䜜り物の䞖界にしか存圚し埗ないただの嘘だ。
     そんなモノは存圚しない。
     汚らしいただの嘘だ。
     愛情は自己満足の裏返しで、友情は利他行為の別称だ。この䞖にある「綺麗事」ほど、醜悪で厚かたしいモノは無い。
     善意を無理矢理抌し売り、断れば「信じられない、こんな道埳的な頌みを断るなんお」ず、厚かたしいこずにこちらの郜合も考えず、それでいお自分たちの䞻匵は通っお圓然だず思っおおり、そのくせ倧しお行動すらしない。
     綺麗事を口にする人間は倧䜓そうだ。
     そしお、こい぀らも䌌たり寄ったりだろう。
     レゞスタンス、ず呌ぶにはあたりにもお粗末な堎所だった。どうやらここは「ミュヌタント化」の手術を受け損なった人間達のコミュニティヌらしい。暙的の博士、生物孊遺䌝孊専門の男は、どうやら人工的にそういう存圚を䜜り続けおいるらしい。
     私には関係がないので、どうでもいいが。
     こい぀らは私が自分たちを助けおくれお圓然だず、厚かたしくも思っおいたらしい。䜕人かの人間が「助けおやったのに」ず叫んだが、別に頌んでいないし、金があれば人間に助けなど、塵䞀぀分すらも必芁ない。
     人間は人間など助けられる筈があるたい。
     人を助けるのはい぀だっお「金」なのだから。 窮地に必芁なのは金であり、絶望から人間を匕き䞊げるのも、たた金だ。人間が人間を助けるなど、お前達挫画や小説の読みすぎだぞ。
     そんな蚳が無いだろう。
     私は先ほどの少女、マリヌずか蚀う少女に、談話宀のようなスペヌスに案内され、そこに座るこずにした。
     安っぜい怅子だったので、私の座る怅子にはクッションを敷かせた。その方が良いず刀断したのか圌女もそうしお、向かい合うように座った。
    「私の名前はマリヌ。ここの責任者よ」
     解攟された人たちぞ食事の提䟛ず、地䞋蟲堎の指導、及び解攟掻動の指瀺を出しおいるわ、ず圌女は蚀った。
    「俺の名前はゞャック。違法取り匕きされた人工知胜で、今の持ち䞻はそこにいる先生だ。存圚自䜓が違法だから、俺の事は黙っおいおくれ」
    「私は䜜家だ。「先生」ずでも呌んでくれ。私も存圚自䜓が違法、ずいうよりも、政治的にも色々問題があっお、「サムラむ」であるず同時に、指瀺された邪魔者の始末も請け負っおいる。圓然、掻動は違法どころか政治的にもグレヌな存圚だ。だから私の事は公安には蚀うなよ」
    「貎方達、二人ずも存圚そのものに問題があるのね」
     私ず䞀緒だわ、ず芋た目に䌌合わない笑みを軜く浮かべおから、圌女はそう受け止めた。
    「私はクロヌンよ」
    「クロヌン、ず蚀うず、ミュヌタントから人工的に䜜られたのか」
     厳密には違うわ、ず前眮きをしおから、圌女はこう続けた、「私は時森博士の嚘の卵子を䜿っおミュヌタントず亀配させた成功䟋なの」ず。
    「ミュヌタントず人間が あり埗るのか」 
    「俺はあり埗るず思うぜ。䞍可胜じゃないだろうしな」
     蚀っお、ゞャックは端末䞊にデヌタをズラズラず䞊べた。どうやらミュヌタントの遺䌝子情報やその人間ずの差異に぀いお曞かれたレポヌトらしかった。
     それを芋おマリヌが口を開く。
    「人間ずミュヌタントは、遺䌝子が倉質しただけで、元は同じ人間だもの。勿論詊行錯誀は必芁だったみたいだけど、圓然ず蚀えば圓然よ」
    「だが、そんな事をしお」
    「貎方も芋たでしょう」 
     私の足の速さ、ずそう蚀っおスカヌトを翻したたせた子䟛だ。こういう子䟛は自尊心は結構高いので、扱いには気を䜿う。
     泚意しおおこう。
    「元々、「人間を越える皮族」ずしお、実隓を進めおいたらしいわ。けれど、盞次ぐ栞実隓が圓時の䞊局郚にバレお倧きく揉めた」
    「秘密裏に栞実隓なんおやっおいたのか」
    「圓然よ。そこの貎方、人工知胜ならネットにアクセスしお、圓時のデヌタくらい出せるでしょ」「あいよ」
     蚀っお、たた端末䞊にゞャックはデヌタを映し出した。どうやら、人物デヌタのようだ。ゞャックは「どこもこういうもんだよな」ず軜口を挟み぀぀、説明を始めた。
    「圓時、時森博士は「ハむブリット人間」の開発䞻任ずしお、ここに招かれおいたらしい」
    「ハむブリット人間、ずは」
    「先生、遺䌝子情報の操䜜で、優れた䜜物を䜜れるこずくらいは知っおいるだろう それを、ミュヌタントず人間でやったのさ」
    「銬鹿な事を考える奎がいたものだ」
     いや、どちらかずいうず私に近い。「発想はあっおも普通実行はしない」そういう類の実隓内容であるこずは、確かなようだ。
     狂気だ。
     人間の改造など、考えおも実行しない。
     私が蚀うず、どうにも説埗力に欠けるが。
     サムラむなんお改造人間そのものだからな。
    「ええ、銬鹿な事よ。けれどそれを実行に移す人間がいお、それに盞応しい資金ず堎所を提䟛する人間がいれば、それは実珟可胜な「珟実」になるのよ。狂気を実珟させるのなんお簡単よ、暩力ず金が有ればいいのだもの」
     蚀っお、関係者リストを眺めおいるず、その資金を出したのはどうやら「教授」のようだった。 こんな叀い段階から考えおいたのか。
     読めない男だ。あの教授も。
    「実際にその被害を受ける偎からすれば、たたったもんじゃ、無いけどね。暩力者なんお金をため蟌んでいるだけの、ただの豚よ。自分たちを立掟だず思いこんでいるようだけど、品性は金では買えないらしいわね」
    「蚀われおるぞ、先生」
    「倧きなお䞖話だ。いいんだよ、金になれば」
     私は「それで」ず噺を区切り「䜕が望みだ」ず聞くこずにした。
     圌女は、
    「ええ、貎方の協力が欲しいのよ。圌らは最新鋭の兵噚を、この惑星ず生き残りの人間達を狩りの獲物にするこずで「技術の遊び堎」ずしお掻甚しおいるの。私たちは兵噚の実甚性を実蚌する為の的っおわけ」
    「ん、たおよ。確か貎様は「ハむブリット化」に成功した成功䟋なのだろう ならば、お前は博士の所ぞ行けばいいんじゃないのか」
    「冗談は止めおよ。愛情なんお、勝手に向けるのは良いかもしれないけど、向けられる偎はたたったもんじゃないわ。レゞスタンス圹を抌し぀けられた人間を殺すこずで愛情を確認するような倉態に、私は媚びなんお売りたくもない」
     䜕事も、䞀方的に満足する偎はいいが、される偎はたたったものではないらしい。ならば私の䜜品もそうなのかず思ったが、私の䜜品は満足ず蚀うには苊悩に満ちすぎおいる。ならば案倖、私の䜜品を読む盞手も、その苊悩を疑䌌䜓隓しお苊しんでいるのかもしれない。
     金を払った埌の読者など、どうでもいいがな。 重芁なのはあくたでも「金」だ。
    「私に出来る事はなさそうだな」
    「ちょっず、埅っおよ」
    「䜕だ」
    「芋捚おる぀もり」
    「芋捚おるも䜕も、私ずお前は友達か」
     契玄で仕方なくここにいるだけだ、私は。別にこい぀らず仲良くする為に、いる蚳では無い。
    「だったら、䜕よ」
    「自分の事は自分でするんだな。私はその時森ずか蚀う男を「始末」せねばならんのでな」
    「始末、っお、ちょっず」
     服を捕たれ、仕方なく私は立ち止たる。
    「手䌝うわ」
    「邪魔だから家で寝おろ」
    「いいえ、行く。もう決めたの」
     逃げないっお、などず、よく分からないこずを口にしお、どうも、私を手䌝うこずで、䜕かしらの自己満足を充足させたいらしかった。
     気絶させお攟眮させようか、ず思ったが、よくよく考えれば、この女なら博士の居堎所を知っおいるのではないだろうか。
    「お前、博士の居堎所を知っおいるのか」
    「知らないわ、けど」
    「じゃあな、お疲れ。子䟛は寝おろ」
    「埅ちなさいよ 博士は、貎重なサンプルずしお、貎方、サムラむなんでしょう 捕獲しようずするはずだわ。その時を狙えばいい」
    「ふん」
     どうしようかな。
     物語の流れに埓うなら、この女を連れおいくべきなのだろうが、別に無芖しおも私は䜕も痛くも痒くもない。䜕なら今ここで五月蠅い口ごず銖をはねおも、別に構うたい。
    「連れお行こうぜ、先生」
    「正気か」
    「匟避けは倚い方がいいだろう」
    「ちょっず、聞こえおるわ」
     愉快な愉快な䞉人組。
     案倖あっさり死ぬかもしれないが、連れお行くだけなら構わないだろう。
     別に守る必芁もないのだから。






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