
今までの「正解」が、この子の正解とは限らない
🌱「ちゃんと関わる」って、何だろう?
お友だちを叩いてしまった。
先生に注意されて、泣き始める。
どんどん気持ちが大きくなって、癇癪になる。
そんな子どもに、
「叩いたら、お友だち痛いでしょ?」
「自分がされたら嫌でしょ?」
「どうして叩いたの?」
と、一生懸命説明している大人。
保育や療育の現場では、よく見る場面ではないでしょうか。
私は、そんな様子を見ると、ときどき思います。
「その話、今じゃなきゃダメかな?😅」
言っていることが間違っているわけではありません。
お友だちを叩いていいわけでもない。
伝えなければならないことは、ちゃんとあります。
でも――
今、この子にそのことば、入ってる?
私は、まずそこを見ます。
😅 私も幼稚園教諭だったから、分かります
私は、もともと幼稚園教諭です。
だから、先生たちがその場で一生懸命伝えようとする気持ちも、よく分かります。
私だって、
泣いている子に説明したこともあります。
子ども同士のトラブルで、その場で**「ごめんなさい」**を促したこともあります。
「自分がされたらどう思う?」
と聞いたことだってあります🤣
だから、
「そんな関わりは間違っています」
と言いたいわけではありません。
その方法で伝わる子もいる。
その場で話した方がいいときもある。
大切なのは、
今までしてきた対応が、目の前のこの子にも当てはまるとは限らない
ということなんです。
😢「見守るなんて、かわいそう」
以前、新しく入った職員から言われたことがあります。
泣いている子どもを、すぐに抱っこしたり説得したりせずに見守っていたとき、
「かわいそう」と。
その気持ちも、分からなくはありません。
目の前で子どもが泣いている。
大人なら、
何とかしてあげたい。
泣き止ませてあげたい。
抱っこしてあげたい。
声をかけてあげたい。
そう思いますよね。
でも私は、ときどき考えます。
今、この子が何かをしてほしいのか。
それとも――
大人の方が、泣いている子を見ていることに耐えられなくなっているのか。
ここは、分けて考えたいんです。
🌱「待つ」も、支援の一つ
子どもが激しく泣いたり、癇癪を起こしたりしているとき。
たくさん話しかけることで、さらに刺激を増やしてしまうことがあります。
そんなとき私は、あえて待つことがあります。
でも、
何も考えずに放っておくわけではありません。
今、ことばは入る?
どこまで落ち着いてきた?
まだ刺激を減らした方がいい?
その子の様子を見ながら待っています。
だから、
何もしていないように見えても、何もしていないわけではありません。
その子が、自分で戻ってこられる時間を守っている。
それも、私にとっては大切な支援です。
🗣️ 伝えなくていいんじゃない。「伝わるとき」に伝える
では、お友だちを叩いたことは、そのままでいいのか。
もちろん、違います。
本人が落ち着いて、こちらのことばを受け取れる状態になってから振り返ります。
まず、
「○○したかったんだね」
「嫌だったんだね」
と、そこに至った気持ちをことばにします。
そして、そのあとに、
叩いたことについて一緒に振り返る。
気持ちを受け止めることと、何をしてもいいということは違います。
嫌だった気持ちは、本当。
腹が立った気持ちも、本当。
でも、人を叩くことは別の話です。
だから、
気持ちは受け止める。
行動は一緒に振り返る。
ただし、それをするのは、
大人が**「今、教えなきゃ」**と思ったタイミングではなく、
その子が受け取れるタイミング。
私は、そこを大切にしています。
❓ 今までの「正解」を、そのまま当てはめない
保育士として。
幼稚園教諭として。
支援者として。
経験を積めば積むほど、
「こういうときは、こうする」
という引き出しは増えていきます。
それは、とても大切なことです。
私自身も、これまでの経験や専門知識をたくさん使っています。
でも――
その引き出しの中から、いつも同じものを出せばいいわけではありません。
昨日うまくいった方法が、今日もうまくいくとは限らない。
別の子に伝わったことばが、この子にも伝わるとは限らない。
今まで**「正しい」**と思ってきた関わりが、
目の前のこの子にとっても正解とは限らない。
だから私は、
「???」
をつけます。
今、この子はどんな状態?
何が起きている?
ことばは入る?
今伝える?
それとも待つ?
そして、
この関わりは、本当にこの子のため?
知識や経験を捨てるのではありません。
持っているものを全部使いながら、
最後は必ず、
「この子の場合は?」
に戻ってくる。
🌸 正しいことも、伝わらなければ届かない
子どもに伝えたいことは、たくさんあります。
人を叩かないこと。
順番を守ること。
相手にも気持ちがあること。
自分の気持ちをことばで伝えること。
どれも大切です。
だからこそ、
「言ったかどうか」ではなく、「この子に伝わったか」を見たい。
正しいことを一生懸命話すことだけが、支援ではありません。
待つこと。
あえて何も言わないこと。
本人が受け取れるところまで戻るのを待ってから伝えること。
それも全部、
子どもに合わせた関わりです。
私も幼稚園教諭だったからこそ、
今までしてきたことを全部否定するつもりはありません。
でも、今までの経験だけで、
目の前の子どもを決めたくもありません。
今までの「正解」が、この子の正解とは限らない。
だから今日も、
「???」
から始めます😊🌱
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
子どもに何かを伝えたくなったとき。
ほんの少しだけ、
「今、この子に届くかな?」と考えてみる。
伝える内容と同じくらい、
伝えるタイミングも大切なのかもしれません。
🔗 この話につながる記事
この記事では、
「待つこと」も支援のひとつと書きました。
でも、
待つ=放っておく
ではありません。
何もしないように見えても、
その間、大人の頭の中では――
けっこういろいろ考えています🤣
今?
まだ?
もう少し待つ?
声をかける?
手伝う?
私が考えている**「見守る」**について、もう少し深く書いた記事です。
▶ 「見守る」は、何もしないことじゃない‼
そしてもうひとつ。
正しいことを伝えた。
何度も説明した。
大人はちゃんと言った。
それでも子どもが動かなかった時、
「何回言ったら分かるの?」ではなく、
「この子には、本当に伝わった?」と考えてみる。
ことば。
写真。
実物。
見本。
伝え方を変えることで、
見えてくる子どもの姿があります🌱
▶ 「言ったのに」は、本当に伝わってる?
👀「この子の場合は?」から、もっと読む
経験も。
知識も。
支援方法も。
たくさん持っている方がいい。
でも、
その中の「正解」に子どもを当てはめるのではなく、
最後はやっぱり、
「目の前のこの子は?」に戻る。
そんな子どもの見方について書いた記事をまとめています😊
▶ 👀「この子の場合は?」|子どもの見方・発達・行動
🌻 「正解」より、目の前のこの子から考える療育
私が日々、子どもたちと関わっている
児童デイサービスあっぷっぷでも、
「こういうときは、この支援」
「この年齢なら、これができるはず」
と、先に答えを決めるのではなく、
「この子の場合は?」
から考えることを大切にしています。
もちろん、専門知識も、これまでの経験も使います。
でも、それをそのまま子どもに当てはめるのではなく、
目の前の子どもの姿を見て、また考える。
知っている「正解」より、目の前のこの子。
それが、あっぷっぷの療育の土台です😊
📍児童デイサービス あっぷっぷ