
「言ったのに」は、本当に伝わってる?
🌱「何回言ったら分かるの?」の前に
「さっき言ったよね?」
「何回も説明したよ」
「いつも言ってるのに……」
子どもがこちらのことばどおりに動いてくれないと、
つい、そう思うことがあります。
でも私は、そんなときに一度考えます。
私は伝えた。
でも――
この子には、本当に伝わった?
「言った」と「分かった」は、同じではありません。
大人が何回伝えたかより、
目の前の子どもに、どう届いたのか。
私は、そこを見たいと思っています🌱
👀 ことばだけで分からないなら、見える形にしてみる
たとえば、口頭で伝えても動けない。
何をすればいいのか理解できていないように見える。
そんなとき私は、
「ことばだけでは分かりにくいのかな?」
と考えて、視覚的な方法を試してみます。
あっぷっぷで使うものは、いろいろあります。
活動の予定。
一日の流れ。
タイマー。
写真。
絵カード。
実物。
見本。
でも、
「視覚支援なら、これを使えばいい」
という決まりがあるわけではありません。
写真なら分かる子。
絵なら分かる子。
実物の方が分かりやすい子。
見本を見れば、**「こうするんだ」**と分かる子。
その子によって違います。
だから、ここでも必要なのは――
観察です。
見せたら落ち着いた?
動けるようになった?
こちらが伝えたことを理解できた?
子どもの反応を見ながら、
「この子には、今この方法が分かりやすいんだな」
を探していきます。
🌱 見せて終わり、ではありません
視覚的に伝えると分かりやすい。
それが見えてきたら、私はそこにことばも添えていきます。
たとえば写真を見せながら、
「手を洗うよ」と伝える。
見て分かるものと、聞こえてくることばを一緒に経験してもらう。
そうやって少しずつ、
見えているものと、ことばの意味をマッチングさせていきます。
視覚支援は、
「ことばが分からないから、ずっと絵を見せておけばいい」
というものではありません。
その子が今、分かる方法を使いながら、
分かることを少しずつ増やしていく。
私は、そんなふうに使っています😊
🔢「し」なら分かる。「よん」では分からない?
そして、**「分かる」**を考えるときに大切なのは、視覚支援だけではありません。
ことばそのものにも、いろいろな表現があります。
たとえば**「4」**。
大人なら、
「し」
「よん」
「よっつ」
どれを聞いても、同じ**「4」**だと分かります。
でも、ことばを獲得している途中の子どもにとっては、最初から全部が同じとは限りません。
「し」なら分かる。
でも、
「よん」では分からない。
反対に、
「よん」なら分かるけれど、「し」では分からない。
そんなこともあります。
だから私は、
「この子には、どの表現なら伝わる?」
を見ます。
そして、伝わる表現が見つかったら、それだけをずっと使うのではありません。
「し」
「よん」
「よっつ」
同じものを、いろいろな表現で伝えていく。
生活の中では、いろいろな人が、いろいろなことばを使うからです。
今分かることばを足場にして、分かる表現を少しずつ増やしていく。
それも大切だと思っています🌱
🧰 支援者には「ことばの引き出し」を持っていてほしい
だから私は、支援者には、
一つのことを伝えるための「ことばの引き出し」を、たくさん持っていてほしい
と思っています。
たとえば、片づけてほしいとき。
「片づけて」
「しまおう」
「元に戻そう」
「ここに入れて」
同じことをしてほしくても、伝え方は一つではありません。
一つの言い方で伝わらなかったとき、
同じことばを何度も繰り返すのではなく、
「この言い方では分からないのかな?」と考えてみる。
違う表現なら?
写真なら?
実物なら?
見本なら?
子どもに分かってもらうために、大人の方が伝え方を変えてみる。
私は、それも支援者に必要な力だと思っています。
😣 そのことばが「アウト」のこともある
そしてもう一つ。
いろいろな表現を持っていてほしい理由があります。
子どもによっては、ある特定のことばが、
強い拒否や、癇癪を引き起こすきっかけになることがあります。
大人からすれば、
「してほしいことは同じなんだから、何て言っても同じでしょ?」
と思うかもしれません。
でも――
子どもにとっては、同じではないことがある。
あることばを使うと、急に表情が変わる。
怒る。
拒否する。
癇癪になる。
そんな姿があったときも、
「また怒った」だけでは終わらせません。
やりたくないのかな?
意味が分からなかった?
それとも――
今使ったことばに反応した?
と考えてみます。
同じことを、別の表現で伝えてみる。
それならできた。
だとしたら、
「やりたくなかった」
と決めつける前に、ことばの方にも理由があったのかもしれない。
もちろん、なぜそのことばが嫌なのか、すぐには分からないこともあります。
だったら、勝手に理由を決めなくていい。
ただ、
「このことばのとき、何かが違う」
という子どもの反応は見逃さない。
そこからまた考えます。
❓「分からない子」ではなく、「伝わっていないのかも」
子どもが動かない。
何度言ってもできない。
癇癪を起こす。
そんな姿を見たとき、
「この子は分からない」
「言うことを聞かない」と決める前に、
私はやっぱり、
「???」
をつけます。
このことば、分かってる?
違う言い方なら?
見せたら?
実物なら?
見本なら?
今のことばが嫌だった?
この子には、どうしたら伝わる?
視覚支援も、ことばの言い換えも、特別なことではなく、
全部そこから始まっています。
🌸 大切なのは、「何と言ったか」より「どう届いたか」
支援者が正しいことばを使った。
きちんと説明した。
何度も伝えた。
それだけでは、子どもに伝わったことにはなりません。
大切なのは、
大人が何と言ったかではなく、目の前の子どもにどう届いたか。
だから、一つの方法で伝わらなければ変えてみる。
一つのことばで伝わらなければ、別の表現を使ってみる。
見える形にしてみる。
そして、子どもの反応を見る。
また考える。
その繰り返しです🌱
私は、
「何回言ったら分かるの?」ではなく、
「どう言ったら、この子に分かるかな?」
と考えられる支援者でいたい。
そして、あっぷっぷの職員にも、そんなことばと伝え方の引き出しを、
たくさん持っていてほしいと思っています😊
ここまで読んでくださり、ありがとうございます😊
子どもに何かを伝えたのに、思うように伝わらないとき。
もう一度同じことを言う前に、
「違う伝え方なら、どうだろう?」と考えてみる。
そこから、その子に届く方法が見つかることがあります🌱
これからも、
「この子の場合は?」
を大切に、目の前の子どもを見ながら支援を考えていきたいと思います。
🔗 この話につながる記事
今では、
「伝えた」と「伝わった」は違う。
そんなことを当たり前のように考えている私ですが――
実はこの考え方の原点のひとつは、
幼稚園教諭1年目の盛大な失敗でした🤣
「よ〜し、完璧✨」
と思って説明した折り紙。
できあがってみたら……
半分くらい違う😱
あの時、
「ちゃんと聞いてなかったから」ではなく、
「私の伝え方に足りないものがあるんじゃない?」
と考えたところから始まった話です。
▶ 「ちゃんと説明した」はずなのに、半分できていなかった⁉
そして、ことばの選び方だけではありません。
声をかける?
待つ?
今伝える?
落ち着いてから伝える?
経験や専門知識が増えるほど、
私たち大人には、
「こういう時は、こうする」
という引き出しが増えていきます。
でも、
今までうまくいった方法が、
目の前のこの子にも合うとは限りません。
だから最後は、やっぱり――
「この子の場合は?」に戻ります🌱
▶ 今までの「正解」が、この子の正解とは限らない
👀「この子の場合は?」から、もっと読む
伝わらない。
動けない。
癇癪になる。
何度言ってもできない。
そんな姿を、
「この子の問題」と決める前に、
大人の伝え方は?
環境は?
今、この子はどんな状態?と考えてみる。
そんな子どもの見方について書いた記事をまとめています😊
▶ 👀「この子の場合は?」|子どもの見方・発達・行動
🌻 「伝えた」ではなく、「伝わった?」を大切にする療育
私が日々、子どもたちと関わっている
児童デイサービスあっぷっぷでも、
「ちゃんと言いました」
「何度も説明しました」
で終わるのではなく、
「この子には、どう伝わったんだろう?」
と考えることを大切にしています。
ことばだけでは伝わりにくければ、
写真、絵カード、実物、見本……。
大切なのは、方法を使うことではなく、
目の前のこの子に伝わる方法を探すこと。
子どもの反応を見ながら、一人ひとりに合った関わり方を考えています😊
📍児童デイサービス あっぷっぷ
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