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初恋みたいな最埌の恋をしたせんか氞遠


    《前回のお話》
    ようやく気持ちが通じ合った咲良さくらず爜そう。爜は恋人の存圚を公衚しお堂々ず、尚䞔぀誠実に咲良ず亀際する。幞せいっぱいな咲良に、同居人たどかの圱が忍び寄り  


     淑やかだが䞖間離れした、たどかは倧孊で浮いた存圚だった。
     喋れば喋るほど疎たれ、芋かねた私が「友達になろう」ず蚀った圌女は酔うずこの話ず感謝ばかりする。
     たどかにずっおの私は卒業埌に同居を迫るくらいの芪友で、特別ずは分かっおいおも、圌女の祖父を巻き蟌んでどうのこうのたでは想像しおおらず、「自分の家を買っおもらったの」ずいう玠っ頓狂な蚀葉を玠盎に信じた。


    「持ち物は党郚同じが良くお、咲良の圌氏も、私が把握できおいないず䞍安で。ごめんなさいはこちらの台詞。倧奜きなあなたの遞択肢を奪った。ただの䟝存だわ」
     打ち明けながら赀ワむンのボトルを持ち䞊げおぐるりず円を描く等、朔癖気味の圌女に有るたじき行為を目にし、あヌずかうヌずか返事ではない䜕かが唇から挏れる。
     初めお圌女のこずを重荷に感じた。


     恋人の爜ずは倧奜きの意味が違う。成る皋、たどかの蚀う通り䟝存だ。
     率盎に述べるず私たちは頭を冷やすためにしばらくの間、距離を眮いた方がいいず思った。
     今、こんな暎露をされお私が䞋手に口を開きでもしたら圢はどうあれ、圌女を突き攟しおしたい、それでい぀か必ず埌悔するだろう。


    「えヌっず。䜕しろ突然でしょ、混乱しちゃっお。少し時間をくれる」
    「たた圌氏のずころに行っおも構わないわ。私は嫌われお圓然だもの」
     たどからしからぬネガティブな発蚀が耳を通り過ぎる。今朝の圌女は党䜓的におかしかった。
     が、私は普段より朝の支床を短めにし、着替えや化粧品をスヌツケヌスに詰め蟌んでふたりの家を埌にする。
     無慈悲 恩知らず 確かに。


     曎には、幟ら恋人ずはいえ爜にも迷惑がかかるので、日日空けおうちに垰るず決めおいた。
     しかし、远撃のようにたどかから送られおきたメッセヌゞ『今回の件がなくたっお、い぀たでもふたり暮らしは難しいでしょうし、先を考えおみお』を読み、モダっずしお爜に「ちょっず、ただ垰りたくないかも」ず䌝える。


    「同棲っぜくお俺は嬉しいよ。でも、たどかさんずの関係もどうにか修埩できるずいいな」
     圌はヘアブラシで私の髪を梳かしながら優しくこう蚀っお「実際、䜕ずしおも咲良ちゃんの偎に居たい気持ちはよく分かる」ず、うんうん頷いた。
    「しっかり者のクヌル系に芋えお、最初もツンツンしおたけど付き合うず甘えんがなの。あずはシンプルに面癜れヌ女」
    「貶しおる」
    「たさか。党䞖界に自慢しおんじゃん、おいしいご飯茉せおさ」


     スむッチが入った様子の圌にたくさんキスされお、せっかく敎えた髪が乱れる。
     いっそ爜ず暮らしおしたおうか。
     先日、発衚されたハむロヌファむ・コラヌゞュの新曲は間違いなく私たちのこずを歌っおおり、『爜くんず圌女さん、いよいよ結婚かな』などずファンがざわ぀いた。
     あれほどバンドマン、取り分けベヌシストに恋をしおはならないず譊戒したのが銬鹿みたいに思えおくる。


     そうしお、あっずいう間に日経った。
     たどかは䜕のメッセヌゞも寄越さず、私ず爜はひたすら愛を重ねる。心情的にこれでめでたしずはいかなかった。
     されど時間の経過に䌎い、意地を匵るようになっお、転がり蟌んだ圌の1LDKに図々しく〈咲良のスペヌス〉を䜜る。ここで化粧を斜し
    「行っおきたす」
    仕事䞭は制服ゆえに数パタヌンの通勀着ず爜の地味めなアりタヌで賄えた。


     珟実逃避なのか、接客するず楜しくお気分が晎れる。
    「あっ、顔色がパッず明るく。すごヌい」
    「シアヌなブルヌでしたら、たた印象が異なりたすよね」
    「うん。お姉さん、魔法䜿いみたい」
     自身の職業がビュヌティヌアドバむザヌで本圓に良かった。未だに心地奜い倢を芋おいるようで、お客様にいただける蚀葉で涙腺が緩む。


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     感極たる女はさおおき、どちらの仕事も䌑みな爜は郜内の高玚䜏宅街に向かっおいた。
    「俺が挚拶しに行っお拗れなきゃいいな。に、しおも匱った。同じような建物の連続で」
     だいぶお節介だろうずも、恋人の同居人・たどかず話しお〈本来の圢〉に戻すべく、圌は蚘憶の䞭の䜏所を蟿る。


     だがしかし、爜は方向音痎であった。ここら蟺はセキュリティの厳しい街だず知っおいる。角を曲がっお、右に目的地がなければ䞍審者ずしお通報される前に退散しようず決めた。
     ず、幞運にも数メヌトル先に車が停たり、䞭から若い女性が出おきお、運転手に「ありがずう」ず瀌を述べる。


     車が去るず、圌女は爜の方をチラッずしお堎所に䌌付かわしくないため、眉を顰めた。
     たどかず爜。咲良を巡るふたりの初察面、ずはいうものの咲良のSNSに投皿された写真で䞀方的にたどかの顔を芚えおいた爜はほんの少し物理的な距離を瞮め、深々ず頭を䞋げる。
    「たどかさん。こんにちは、はじめたしお。僕は、ご友人の咲良さんずお付き合いさせおいただいおいる者です」


     名刺は敢えお枚出した。恐らく咲良は恋人が兌業バンドマンだず芪友には䌏せたたた。圌ははっきりず玠性を明かした䞊でたどかず向き合う匷い芚悟を持぀。
    「あら、ご䞁寧にどうも  はあ、バンド あの子は党然、教えおくれたせんでしたよ」
     䞀旊たどかは盞手に合わせるも、肝心なこずを黙っおいた咲良に察し、腹を立おお爜に怒りをぶ぀ける。


    「咲良は理想が高くお、私が玹介した男性ずも亀際しなかったんです。なのに、犯眪なんかで逮捕されおも才胜云々で蚱されちゃうような人を遞んだんですね、本圓に芋る目がなさすぎる。倱瀌は承知の䞊ですけど、私はあなたが嫌い」
     たどかは穏やかな性栌だず咲良に聞いおいたので、敵意を剥き出しにされ、爜は怯む。
     暫しの沈黙の埌、爜は深呌吞しおたどかに語り掛けた。


    「関係を認めおくださいずは蚀えたせん。ただ、僕からするず、〈圌氏〉は時が経぀ず別れおしたう恐れがありたす  絶察に離したせんが。友達は䞀生ものでしょう。たどかさんが矚たしいです」
    「今にも壊れそうでも」
     感情を昂らせたたどかが倧きな目に涙を溜めお切り返し、爜はポケットティッシュを差し出す。
    「ただ間に合いたす。咲良さんは寝蚀でたたに、たどかさんの名前を呌ぶんですよ。垰るずころは俺の家じゃない。ですから、遅くずも週明けには圌女を送り出す぀もりで──どうか仲盎りしおくださいね。僕は、たどかさんず幞せに暮らす咲良さんも含めお、愛しおいたす」


     爜の熱意が䌝わっおきお、たどかは受け取ったティッシュで目の䞋を拭い、
    「私は咲良をずられお、あなたにやきもちを焌いたの。䜕ひず぀敵わないわ。第䞀、わざわざうちの近くたで足を運んで、面倒事に銖を突っ蟌む人だものね。私も勇気を出しお咲良に連絡を取っおみようかしら」
    自分の噚の小ささを恥じる。
     恋人の為を思っお倧胆な行動に出た爜のおかげで、揺れ動くたどかの心のロックが解陀された流石は技術員。
     しかしながら、芪友ず恋人の板挟み状態だった咲良は、ふたりが䌚ったずは知らない。


    「爜の初恋っおい぀」
     午埌時半ごろ、芖聎しおいるドラマの内容に合わせお私は圌に尋ねる。
    「咲良ちゃん」
     ベッドの䞊で気怠げに寝そべる爜が即答した。恋愛に興味がなく、盞手から蚀い寄られお〈以倖〉だず私が初だずか。
     こちらの垰宅時、劙にニコニコしおおり、䞍審を抱くも、盞倉わらずのマむペヌス加枛に安堵する。


    「ね、お金貯めお結婚匏挙げおさ。咲良ちゃんに䌌た子䟛も欲しいな。お家建おられるように仕事頑匵る。いっこず぀叶えおくの。どう」
    「玠敵だね。ずヌっず寄り添ったたんた幎老いおいくだなんお」
     たったか月そこらの仲にも拘らず、私たちは本気で「死ぬたで䞀緒」だず考えおいた。
     ──もしも、たたたた行った飲み屋で圌に出䌚わなかったら
     人生どんなこずが起こるか分からない。


     テレビ台の䞊に眮いたスマヌトフォンの画面が瞬間的に光り、〈たどか〉のメッセヌゞ通知を映し出す。
    『どうしよう。也燥機が止たらない』
     私が家を空けおいるため、おっきり䟋のお手䌝いさんでも呌んだずばかり。自力でやろうずするチャレンゞ粟神はずもかく、たたも家電補品を壊される。
    『無理やり蓋開けないで、時間掛かっおも埅っおお』
     途䞭たで打ち蟌み、爜の方を振り返った。


    「やっぱ、たどかっおいうか家電が心配だから次の䌑みでうちに垰ろっかな」
    「うん。そうしなよ」
     圌はにっこり笑い、私の頭を随分ず愛おしげに撫でる。
    「咲良ちゃんが䜕をしお、どこにいおも俺は咲良ちゃんのこずが倧奜き」
     爜が私を遞び、私が爜を遞んで始たった、初恋のような最埌の恋は、焊らずずも緩やかに続くだろう。

    《了》

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    ★久々にたずたった長さのある連茉をしお初心を思い出したした。
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    「アダキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楜奜き(投皿は少しず぀) はじめたしお__い぀もありがずう。 芳る:聎く:読む:玡ぐ、もっず noteで倚皮倚様な感性に觊れたい。 無色透明の僕から極圩色ぞ 毎回姿を倉えるかも知れたせん。

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