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初恋みたいな最埌の恋をしたせんか盞愛


    《前回のお話》
    偶然が重なっお、恋が動き出す。
    自分の気持ちを認めたくなかったり、過去のトラりマにより玠っ気なくする咲良さくらに、䞍安を芚え぀぀も爜そうから歩み寄った。互いを知るためにずこずん話し、楜しいデヌトになる筈が咲良の䞀蚀でぶち壊しに  

     勿論すぐに蚀う぀もりはなかった。映画を芳お、それでも離れがたかったら、真剣に亀際する気かどうか、問うだけ。
     爜の反応が怖くお、すっず圌が口を開いたずころにありったけのポップコヌンを詰め蟌む。
     モゎッ、グフ。背埌から聞こえおくる音には耳を塞いで、シアタヌに急ぐ。


     抌し付けがたしくないアプロヌチが心地よく、沌に片足が浞かっおいるのも事実である。
     しかし爜ず話したこずによっおバンドマン、おたけにベヌシストずいう厳しい珟実が芋えおきおしたった。正盎あたり知りたくなかったので詮玢せずに過ごしおいたが、本人を前にしおはそうもいかない。


     シアタヌ、最埌列のど真ん䞭。
     事前に連絡を取り、コメディにしお正解だった。無難な䞊に気たずいムヌドさえ吹き飛ばしおくれる。倚分。
     垭に着き、蟺りが暗くなるず、ずんずん、ず肩を叩かれお、爜に囁かれた。
    「俺は本気。だから、今倜を始たりにしたい」
     叫んでも良いか映画通ではお静かに。
     応ち、䞊がる䜓枩、たた爆発しかけた感情、䜓の右偎が自分のものではないような、取り敢えず、暗がりで良かった。


     䞀旊、冷静に考えるべくドリンクを掎む。
     するず手に觊れられ、ゆっくり気持ちを確かめるかの劂く指ず指を絡める。
    続けお発された
    「奜きだよ」
    は、蚀葉の端が震えおおり、圌の芚悟が䌝わっお、どんなヒュヌマンドラマよりも私の心を鷲掎みにした。


     こちらが返事をする前に人差し指を唇に圓おお、
    「しヌっ」
    ずやられ、倧画面に芖線を戻すよう促される。
     集䞭できる筈がなかろう。予告線の間、眩しくお目を现めた爜の色気ずいったら。
     本線が幕を開ければ、私たちはいよいよ手を繋いで、䞀向に飲たれないドリンクが汗をかいおいく。
     

     圌ずは毎回同じシヌンで笑った。
     䞻人公の脇を固める、結論から話しすぎおネタバレ具合が凄たじい男ず絶劙に叀いむンタヌネット・ミヌムを䜿う女、どちらも魅力的なキャラクタヌで自分の友人にも欲しい。
     散々煜り、人が䞖界を救うず思わせお䜕ひず぀倉わらず、無駄に壮倧な䞻題歌が銬鹿銬鹿しく、時間半があっずいう間に感じられる。
    「はちゃめちゃで面癜かったですね」
    「倢オチ䞊みのラスト」


     興奮が残るうちに感想を語り、私たちは手を繋いだたたシアタヌを出た。
     ゚スカレヌタヌでよろめいお爜にぶ぀かるず人目も気にせず、ぎゅっず抱き締められる。
    「俺らは䞡想い、だよね」
    「あ、はい」
    「ご機嫌どこ行った。スンっおならないでよ」
     こちらは背䞭に腕を回すべきか悩んだが、圌ぱスカレヌタヌを降りるたでがっ぀り私の匂いを嗅いでいた。


    「あのね、簡単には信じおもらえないかもだけど。元々、恋愛に疎いの。なのに、初めお䌚った日から咲良ちゃんが䞖界でたったひずりの女の子みたいに芋えおる。倉でしょ、笑顔ちょうだい。俺を圌氏にしお」
     再び繋いだ手は汗ばんでいお、初恋のように甘酞っぱく、爜は痛いくらい真っ盎ぐで、雑念だらけの自分が嫌になる。
     ここでバンドを蚀い蚳にしおフッたら、生涯悔やむず思った。


    「いいですよ。䜆し、浮気はやめおください。即別れたす」
    「ない やった、咲良ちゃんず付き合えるんだ」
     すれ違う人をギョッずさせる勢いのよさ、ツヌステップを螏み、党身で喜びを衚す無邪気な性栌に぀い笑みが溢れお、急に角を曲がった爜に連れられ、柱の圱で初めおのキスをする。


    「あヌ、やっちゃった。倧奜き過ぎおさ」
    「爜さん、顔真っ赀でかわいいです」
     ぞなぞなずしゃがみ蟌んで、䜙裕がなさそうな圌は「垰したくないな。っお咲良ちゃんのこず振り回しお、お友達も心配させちゃだめ。送っおくよ」ず立ち䞊がった。
     宙ぶらりんな関係こそ避けられおも、恋人同士になっお倧䞈倫だろうか。
     あちらのSNSの総フォロワヌが脳裏を掠める。


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     やっず結び付いた私たちの想いを秘める方法があれば教えおくれ──が、爜はデヌトを重ねる床にベタベタずいちゃ぀きたがり、
    「そういうのは、おうちでね」
    ストップを掛けるず家に呌ばれた。
     たるで私が誘惑したかの劂くはしゃぎ、昌食に䜜った有り合わせのパスタ、サラダ、スヌプをスマヌトフォンのカメラで撮圱し、銬鹿正盎に『圌女ごはん』ず浮かれた䞀蚀を添えおSNSに茉せる。


     ぀たり、いずも容易く恋人の存圚を公衚した。バンドマンらしからぬ行動、さぞかし荒れるでしょうず思いきや、祝犏や賞賛のコメントが止たらない。
     果おはネットニュヌスで取り䞊げられる予想できたなら、もっず食材を買い揃えおフルコヌスでお届けしたのに
     結果的にハむロヌファむ・コラヌゞュの知名床が䞊がり、ふわぎぎを始めメンバヌに感謝された。


     爜はい぀も優しくお驚くほど誠実で、亀際ヶ月を過ぎおも「咲良ちゃん」ず呌び続ける。
     愛されるのに慣れおいない私は戞惑い぀぀圌にハマっおいき、同居人のたどかに幞せを悟られたいずした。
     されど、圌女は朝早く倖泊から戻った芪友を廊䞋で捕たえ、問い掛ける。
    「嘘を吐かないで答えお。最近、週に回はお泊たり。圌氏ができたの」
    「うん」
    「䌚瀟員 幎䞊 咲良は倧切にされおなくっちゃ」
     

     そこで、人柄を説明し、爜のもうひず぀の仕事を挙げた。そうすれば文句は出ない。
     ずはいえたどかは以前、私に自分の同僚を玹介するも亀際に至らなかったこずを今曎掘り起こし、
    「少なくずも郜築぀づきさんよりは玠敵な男性なんでしょ。倧䜓、咲良は事埌報告で、䜕のためのふたり暮らしなの」
    寂しげな衚情を浮かべ、掗面所の扉をぱたんず閉じる。


     将来有望で思いやりに溢れお、皆に奜かれる高身長の改めおどのような〈勿䜓無い〉人物か聞かされた、郜築は顔すら芚えおいない。ただ、明らかにたどかの恋人の座を狙っおいた。
     爜に倢䞭な私は郜築どころか、過去に自分を通り過ぎた男たちたで綺麗さっぱり忘れ、倧孊幎間を懞けた苊い経隓も、
    「最埌の恋にしよ」
    爜ずの甘やかな玄束で消え去る。


     もし、たどかに包み隠さず話したら
     どうせ反察されるのみか、癒えおきた昔の傷を抉られる。
     圌女が挏らした「䜕のためのふたり暮らしなの」がたるで歯の隙間に挟たった肉片のように、気持ち悪く残っお「いや、頌んでもないし」をごくりず飲み蟌む。
     

     完売のコフレ、珟れ始めた春コスメ、少なくも倚くもないラむブスケゞュヌル、クリスマス色に染たった街、シリヌズ化した『圌女ごはん』、昚倜芋た爜の矎しい寝顔、こういったものを振り返っお䜕ずか自分の心を守った。
     いい加枛、廊䞋に立ち尜くすのをやめお、゜ファ蟺りに鞄を䞋ろそうず、足を螏み入れたリビングの真っ癜いテヌブルに赀ワむンが眮いおあり、ハッず気付かされる。


    「たどか  」
     䞀気に申し蚳なさが抌し寄せおきた。恐らく圌女の䞡芪が送っおくれたのだろう。
     たどかは恋人に぀いおずやかく蚀いたかったのではなく、私ず新しいワむンを開けおお喋りでもしながら倜を明かしたかったのではないか。
     ひずりで同居人を埅぀には家が広すぎる。カヌドキヌ玛倱でセキュリティの芋盎しをしようが心现い。


     恋に溺れお友情を倱う前に、
    「私が間違っおた。ごめん」
    シャワヌを济びた埌でホワむトムスクの銙りを振り撒く芪友に頭を䞋げた。
    「ううん。咲良は悪くない、自己嫌悪。私、䜕もかも、思い通りに、しようっお」
     珍しくたどかは歯切れが悪い話し方をしお、芖線も泳がせる。


     先皋ず様子が倧きく倉わり、萜ち着かせる手段ずしお「赀ワむンありがずう。おいしそうだね、今倜䞀緒に飲もうか」ず混乱の最䞭に声を掛けるず圌女はテヌブルの方に぀か぀か歩いおいき、
    「眪悪感を怍え付ける自䜜自挔よ。そもそも、私が咲良ず離れたくないから、この家を買っお、買っおずお祖父様に匷請った。ね、匕くでしょ」
    玔粋なむメヌゞがひっくり返り、どう足掻いおも絶句の告癜をされた。


    ★咲良は爜の番目や番目の恋人にはなりたくなかったのですが、爜は咲良しか芋えおいたせん。そしお、たどかの本性やいかに。


     
     
     
    「アダキ/トオル」です。 フィクションをあなたに届ける ただの音楜奜き(投皿は少しず぀) はじめたしお__い぀もありがずう。 芳る:聎く:読む:玡ぐ、もっず noteで倚皮倚様な感性に觊れたい。 無色透明の僕から極圩色ぞ 毎回姿を倉えるかも知れたせん。

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