
Copilot Coworkを使ってみた | 黒い画面から飛び出たエージェント型AIは非エンジニアに届くか
Copilot Coworkを実際に使い始めました。M365のCopilotライセンスのFrontier機能ですが、M365の企業環境で、AIが計画を立てて段階的にタスクを実行する体験が始まっています。黒い画面から飛び出たCopilot CoworkというAgenticAI(エージェント型AI)は非エンジニアに届くのでしょうか。
元インフラエンジニアでMicrosoftベンダー資格取得者でもある私が、非エンジニア組織での利活用視点から、できること、バグ、導入判断まで正直に書きます。
前回の記事「業務AIの真打ち Copilot Coworkとは」で、「Copilot Coworkの実力は、実際に使えるようになってから改めて検証したい」と書きました。今回はその検証です。
ただ、検証結果を話す前に、触れておきたいことがあります。Copilot Coworkを組織に広げる活動の中で、AIに対する感覚のギャップの深さに改めて気づかされました。
Claude CodeのようなAgenticAIを「使っていない人」にとっては、時代とともにAIは賢くなっているものの、2022年に登場したChatGPT 3.5の驚きの延長線上という認識にとどまっていることです。
このギャップは、今に始まったものではありません。Claude CodeのようなAgenticAIが登場した2025年5月頃、Copilot Coworkが登場した2026年1月頃には、すでに存在していました。ただ、これまでそのギャップは完全にベールの向こう側にあった。非エンジニアにとって、AgenticAIはコマンドラインの黒い画面の中で起きていることであり、自分の業務とは別の世界の話でした。ギャップがあることにすら、気づきようがなかったのです。
Copilot Coworkで、そのベールが少しだけめくれ始めたと感じています。
OutlookやExcel、PowerPointという日常の業務ツールを横断して、面倒な仕事をAIがやってくれる。「エンジニアの世界の話」ではなく、自分のデスクの上にやってくる。だから初めて、「何か今までと違うものがやってきた」ということに気づける。
まだ、そのギャップの中身を理解しているわけではありません。自分にとって何を意味するのかもわかっていない。でも、「何かが来た」という気配を察知できるようになった。それだけで大きな変化だと思っています。
このシリーズの流れを簡単に振り返ります。
1回目の「M365 Copilotが使われない理由」では、M365 Copilotでの「使えない」体験が、非エンジニアのAI活用への試行錯誤を止めてしまっている問題を書きました。
2回目の「業務AIの真打ち Copilot Coworkとは」では、その問題に対するMicrosoftの回答としてCopilot Coworkを整理しました。
今回は、実際に使ってみた体験と、そこから透けて見えてきたギャップの正体について書いていきます。
「何か違うものが来た」──その先にあるギャップの正体
Copilot Coworkが入ってきて、利用を広める活動をするなかで、周囲から反応が出てくるようになりました。
「既存のM365 Copilotでもできたと思うけど、なんでCopilot Coworkでないといけないのか」
「AIが作ったものが正しいか、どうやって判断するの?」
「スキルで業務知識を横展開できるのはわかる。でも、それで人は成長するの?」
こうした声を聞いて気づいたのは、これらは「AgenticAIを理解した上での疑問」ではないということです。「何か今までと違うものが来たらしい。でもよくわからない」という段階での、手探りの反応なんですよね。
ただ、手探りであっても、反応があること自体が大きいのです。Claude Codeの黒い画面を見せても、ほとんどの人は興味を示さない。疑問すら湧かない。考えること自体を放棄していた状態でした。
それが、Copilot Coworkになると、少なくとも「問い」が生まれる。まだ入口に立っただけですが、入口に立てたことには意味があります。
そして、こうした反応を受け取る側──つまり、Claude CodeやCopilot Coworkを日常的に使って利用促進する側から見ると、そこに横たわるギャップの深さがかえってよく見えます。
以下では、寄せられた反応をきっかけに、ギャップの中身を掘り下げてみます。
ギャップ1:「なんで既存のM365 Copilotではダメなのか」
これは一番多い反応です。そして、もっともな反応でもあります。
AgenticAIを使っていない人からすれば、Copilot ChatもCopilot Coworkも同じ「AI」です。画面が違うだけ、AIの能力がかしこくなっただけ、できることは同じでしょ?と思うのは自然なことです。
でも、使っている側から見ると、根本的に違います。
ここで、混同されやすい用語を整理しておきます。
ガートナーは2025年5月に、市場で混乱が生じているAIエージェントとエージェント型AIについて見解を発表しています。AIエージェントは「目的を達成するためにAI技法を適用する自律的または半自律的なソフトウェア」。現在の多くのAIエージェントは「手組み細工的な存在」であり、シンプルなタスクの一部を自律的に実行できます。M365ならCopilotStudioやAgentBuilderが該当します。
エージェント型AI(AgenticAI)は「目標主導型のソフトウェア・エンティティ」で、記憶、計画、ツール利用などの機能を備え、自律的にタスクを完了し目標を達成するものです。ガートナーは、AIエージェントはエージェント型AIの1つであり、エージェント型AIはより「包括的かつ進化的な概念」だとしています。
Copilot Chatやは問いに答えるAIでした。Copilot Coworkはエージェント型AI──仕事をやりきるAIです。では、具体的に何が違うのか。
従来のAIは一度に全部解決しようとして、処理が溢れてできなかった。AgenticAIは複数のステップにタスクを分解して、段階的に進める。だから、複雑で深い仕事にたどり着けるようになります。
デスクの上で例えると、従来のAIは全ての資料を限られたスペースに広げて考えます。資料の上に資料が折り重なり、1枚のメモ用紙に全ての思考を書き連ねていく。混沌とした机で作業するから、仕事に失敗します。AgenticAIはまず仕事をステップに分解して、1つ目のステップに必要な資料だけを広げて作業する。次のステップに入るときは前の資料を片づけて、必要な資料だけを広げ直す。思考が混在しないから、複雑な仕事もやりきれるようになります。

具体的に業務に落とし込むと、「来週のクライアント向け提案資料を作って」というタスクを考えてみてください。
Copilot Chat(従来のM365 Copilot)だと、AIが一度に処理しきれないので、人がタスクを分解して指示するしかありません。「提案の論点を整理して」→回答をコピーして自分でまとめる→「顧客の過去メールから要望を拾って」→さっきの論点整理を忘れている→もう一度説明し直す......。人が分解し、一つずつ指示を出し、結果をコピペでつなぎ合わせていく作業が延々と続きます。1回目の記事で書いたとおり、Copilot ChatはAIが作業できるデスクのスペースが狭い。会話が長くなるとAIが前提を忘れてしまうのです。
Copilot Coworkだと、同じタスクを指示すると、AIが自分で計画を立てます。メールや会議メモから顧客情報を収集し、Excelで分析し、Wordに要点をまとめ、最後にPowerPointを作成する。ステップごとに必要な情報だけで作業するから、AIの仕事の品質が上がります。
画面が違うとか機能が増えたとか、そういうレベルの話ではなく、AIの働き方そのものが変わったのです。
この違いは、体験しないとわかりません。だから「既存のCopilotでもできるのでは」と感じるのは、ギャップが見えていないことの表れでもあります。
ギャップ2:「AIの成果物が正しいかどうやって判断するのか」
この反応には、生成AI全般への漠然とした不安が含まれています。「AIが勝手にいろいろやるらしい。でも、それが正しい保証はあるのか?」という。
不安自体は正しいです。AIは間違えます。でも、ここにもギャップがあります。
Copilot CoworkのPR動画やデモでは、「プレゼン資料をいきなり作れる!」という派手な見せ方がされています。あのデモを見て「すごい、でも正しいの?」と不安になるのは当然です。
SNSでは「AIで全て自動化」という言葉が躍っていますが、大半は見栄えのいい中身のない成果物を量産しているだけで、気にする必要はありません。「自動化できる! 全てをAI任せにできる!」とだけ言っている人の言葉にほとんど価値はありません(本当に価値のある発信もありますが、初心者には難しい内容です。今は気にせず、中級者以上になってからキャッチアップすれば十分です)。
実際にAgenticAIを使い込んでいる人間の実感は違います。本当の価値はプレゼンの手前にあるのです。
本当に価値があるのは「プレゼンを一発で作る」ことではなく、プレゼンの構成をAIと一緒に作り上げるプロセスです。AIと対話しながら論点を整理して、構造を作って、「この主張は根拠が弱いから補強しよう」「この部分は相手の立場からこう見えるから調整しよう」と品質を上げていく。会議の参加者を考えて、人としての温度感を入れる。ハルシネーション(AIの嘘)がないかチェックする。
構成が固まったら、最後にプレゼン作成をAIに任せる。この順番が大事です。
以前書いた「合意形成できるプレゼン準備」で、AIと壁打ちして論点を構造化する方法を紹介しましたが、あのプロセスがCopilot Coworkでもそのまま活きます。
「AIが作ったものが正しいかどうやって判断するか」への私の答えは3つあります。
人が構造を作る側に回る。AIに何を作らせるか、その骨格を人が設計する
構造化してチェックする。AIの出力を丸ごと信じるのではなく、チェックポイントを設けて段階的に確認する
最終判断は必ず人がする。AIは「案」を出してくれるパートナーであって、「答え」を出す存在ではない
しかし、この「構造を作る側に回る」という感覚は、AgenticAIを使っていない人には伝わりにくい。「AIが作ったものをチェックすればいい」と頭では理解できても、実際にどういうプロセスなのかは体験しないと腹落ちしません。ここもまた、ベールの向こう側にあるギャップです。
ギャップ3:「スキルで20点の人が60点になれるが、人は成長するのか?」
Copilot Coworkには「カスタムスキル」という機能があります。特定の業務プロセスや判断基準をAI向けの手順書として記録したもので、これを使えばAIは手順書を見ながら作業できます。組織内で横展開すれば、別の社員が使うAIでも同じ品質の仕事を再現できます。
たとえば、ベテラン営業の提案ノウハウをスキル化すれば、新人営業でも一定品質の提案資料を作れるようになる。20点の人が60点になれる。
「それはいいことだと思うけど、それで人は成長するの?」
AgenticAIを日常的に使っている側から見ると、この問いの立て方自体にギャップがあります。
使っている人なら、「20点を60点にするスキル」だけでなく、「20点の人を成長させるための教育用スキル」を作ればいい、という発想を持ちます。何を判断しないといけないのか、判断に必要な情報は何か、どういう順序で考えるべきか。そうした思考プロセスを教えるスキルを作ればいい。AgenticAIは、アウトプットを代行するだけでなく、人の学びを設計するツールにもなります。
ただし、ここに現実の壁があります。
教育用のスキルを作れるほどAgenticAIを使いこなしている人は、本業でAIを活用して能力拡張により90点の仕事を3つも4つもこなせる人材です。新卒採用が絞られ始めていることが象徴しているように、「新人を育てる」ことの経営上の優先度は下がり始めています。業務指示でもないのに教育方面でAI活用に動いている人は、かなりのボランティア精神の持ち主だと思います。
そして、もう一つ見えてくるのが、60点に安住する人の未来です。
AIが出してくれた60点のアウトプットで満足して、自分で考えることをやめる。そうなると、その人はAIを「使う側」から脱落していきます。行きつく先は、AIにできないことをAIの代わりにやる立場──人がAIのサブエージェントになる未来です。
教育スキルで人を成長させる道と、60点に安住してAIに使われる道。AgenticAIを使っている人には、この両方が見えています。使っていない人には、この問い自体がまだベールの向こう側にあります。
Copilot Coworkでできること
ギャップの話が続いたので、Copilot Coworkで具体的にどんなことができるのか、いくつか例を挙げます。
PowerPointの差分チェック: 同じスライドが複数バージョンに分かれて「どれが最新かわからない」状態になったとき、AIに差分を出させて変更点を一覧にできる
Teamsの投稿の整理: チャンネルのやりとりをAIに要約させて、Excelにまとめさせる
メールからの論点抽出: 長いメールスレッドから論点をAIに抽出させて、Wordにまとめさせる
クライアント提案の下準備: 過去のメールや会議メモから情報を集めて、提案の骨格を作らせる
ここからは、実際に私が体験した場面を紹介します。
期末期初ということで、どのような仕事をしてきたか棚卸しをする機会がありました。どんなことをやってきたか、予定表やメール、チャットをさかのぼって思い出していきます。色々な情報が分散していて、地味に時間がかかるタスクです。
Copilot Coworkに「半年間のチームメンバーの業務内容を、M365上の情報からまとめてExcelに書き出して」と依頼しました。
AIが立てた計画はこうでした。
ステップ1: Outlookの予定表から、メンバーごとの会議・作業予定を抽出する
ステップ2: Teamsのチャンネル投稿から、担当タスクと進捗を特定する
ステップ3: メールのやりとりから、プロジェクトの対外的な活動を拾う
ステップ4: 整理した情報をExcelに書き出す
AIは計画を示した上で、ステップごとに実行していきます。途中で確認を求めてくることもあります。
最終的に出てきたExcelは、完璧ではありません。メンバーの活動の粒度にムラがあったり、拾いきれていない情報もありました。でも、「ゼロから自分で思い出して作る」のと「AIが出したたたき台を手直しする」のとでは、かかる時間も負荷もまったく違います。
これが、前のセクションで書いた「従来のAIは一度に全部やろうとして溢れる。AgenticAIはステップを分けて段階的にやる」の実例です。
また、既に構造化して内容が固まっている10枚程度のパワーポイントスライドなら、作成に20分ほどで仕上がります。構成を考える時間ではなく、AIがスライドを組み立てる時間が20分です。人間がやることは、指示を出して、途中の確認に応えて、出てきたものを手直しするだけです。
どれも、頑張れば自分でもできるし、必要なら今まで自分でやってきたことです。それをAIに任せられるようになった。Claude Codeで体感していた「AIに仕事をさせる」体験が、M365の画面からできるようになりつつあります。
まだまだバグは多い──正直に書いておく
ここまでAgenticAIの可能性を語ってきましたが、正直に書いておかなければならないことがあります。
Copilot Coworkはまだまだバグが多いです。
私が実際に遭遇した問題をいくつか挙げます。
追加の指示を受け付けなくなる。3、4往復したあと、次の指示を出しても、AIが指示を受け付けないことがある(体感3割ぐらい)
生成物がダウンロードできない。Excelやドキュメントを作成してくれたのに、ファイルとして取り出せないことがある
予定表で透明な予定を作る。複雑なスケジュール調整をさせると、Outlookの予定表に「透明」(表示されない)設定の予定を作成してしまう
複雑なタスクになるとステップ途中で止まる。計画は立てるが、途中で次のステップに進めなくなる
PowerPointのスタイルが全て「表紙」になる。スライドを作らせると、全ページが表紙スタイルで作成されてしまった
Preview段階なので仕方ないです。動作はまだまだ不安定です。
それでも、「業務AIの真打ち」という評価は変わらない
バグを列挙した直後に矛盾するようですが、私の結論は変わりません。
Copilot Coworkは業務AIの真打ちです。
なぜかというと、私がClaude Codeで日常的に体感しているAgenticAIの体験──AIが計画を立てて、ステップを分解して、段階的にタスクを実行する体験──それが、大企業のセキュリティ要件を満たすM365の環境でもできるようになるからです。黒い画面ではなく、普段使っているM365の画面からできるようになる。
Claude Codeはすばらしいツールですが、前回の記事で書いたとおり「全社員に利用させるAIとしてはリスクの塊」です。ローカルPCのファイルを直接操作するため、企業のIT部門からすれば管理できない。
Copilot CoworkはM365クラウド内で完結する設計で、既存のID管理・権限管理・コンプライアンスポリシーをそのまま適用できます。全アクションが監査対象になり、ガバナンスが効く。
現状の汎用的なプロダクトで、エンタープライズに導入できるAgenticAIとして、Copilot Coworkは最良の選択肢だと思います。
AIが作った内容の責任は、人に残る
最良の選択肢だと書きましたが、「最良」と「リスクゼロ」はまったく別の話です。
当然ですが、AIが作った内容や操作の責任は、すべて人に残ります。ハルシネーションが混じったプレゼン資料をお客様に送ってしまっても、AIが書いたメールに機密情報が含まれていて社外に送信されてしまっても、責任を負うのは人です。
Copilot Coworkは、重要度の高い操作(メール送信、ファイル共有など)でユーザーに承認を求める設計になっています。安全装置として機能する仕組みです。
でも、この安全装置は本当に機能するのでしょうか。
AIがたくさんの承認を求めてきたとき、中身を確認せずに「承認」をクリックし続けてしまう。
AIが10個のタスクを順番に実行して、そのたびに承認を求めてくる。最初の2〜3個は丁寧に確認するけれど、途中から「さっきも大丈夫だったし」と流し始める。その中の1つに、本来送るべきでない宛先へのメール送信が含まれていたら?
機密情報の入ったメールをお客様に送ってしまう。Copilot Coworkの環境では十分に発生しうるシナリオです。利用者は注意が必要ですし、組織としてもリスク評価は悩むところです。
導入しないという選択肢は、実質存在しない
リスクがあるのは事実です。組織として悩むのも当然です。
しかし、リスクがあるから導入しない、という選択肢は実質的に存在しないと思っています。
なぜか。導入している組織と導入してるひるいない組織で、無慈悲なほど生産性に差が出てくるからです。
ガートナーは、2028年までに日常業務における意思決定の少なくとも15%が、エージェント型AIによって自律的に行われるようになると予測しています(2024年時点では0%)。さらに、企業向けソフトウェアアプリケーションの33%が、2024年時点では1%未満だったエージェント型AIを2028年までに搭載するようになると予測しています(Gartner, 2025年6月)。0%から15%への変化は、あと1〜2年で起きるとされています。このガートナーの予測は保守的だと思います。
では、どう導入すればいいのか。
できるだけ早く最低限のリスクを評価し、会社としてルールを整え、あとは使ってもらう。
ただし、一斉に全社展開するのではなく、小さくパイロットユーザーやパイロット部門から始めることが重要です。
理由は2つあります。
1つ目は、問題を小さいうちに洗い出して、対応力をつけるため。パイロット段階で「承認を流してしまう問題」や「想定外のファイル操作」が見つかれば、ルールやガイドラインを改善してから本格展開できます。
2つ目は、情シスの処理能力です。一斉にリリースして全社から問い合わせやインシデント報告が殺到したら、情シスが追いつきません。段階的に展開して、サポートできる範囲で拡大していくべきです。
1回目の記事で書いた「M365 Copilot浸透3類型」のうち、「止まっている企業」は特にこの段階的アプローチが重要です。いきなり全社展開しても「どうせまた使えないでしょ」で終わってしまう。パイロットメンバーに成功体験を積んでもらい、その人たちが周囲に広げていく。
時間も労力もかかります。でも、企業として使い始めないという選択肢はありません。
3月30日に使い始められた組織があるのに、自分はまだCopilot Coworkが使えない。そういう方は、もどかしい気持ちはわかります。でも、その企業は情報セキュリティに対して真剣に向き合っている組織です。情シス部門もCopilot Coworkの重要性は理解していて、準備を進めているはずです。情シスの大変さを理解して尊重してあげながら、「使えるようになったら使ってみたい」という声を上げてみてください。
まとめ
この記事のポイント:
AgenticAIを「使っている人」と「使っていない人」の間には、AIの可能性への認識に深いギャップがある
Copilot Coworkは、そのギャップを初めて非エンジニアが体感できるきっかけになる
従来のAI(Copilot Chat)とAgenticAI(Copilot Cowork)の違いは、AIの働き方そのものの違いである
AIの価値は最終成果物ではなく、構成を一緒に作り上げるプロセスにある
60点のアウトプットに安住する人は、AIに使われる側に回る。AIを使う側でいるには、構造を設計する力が必要になる
バグは多いが、エンタープライズ向けAgenticAIとしてCopilot Coworkは最良の選択肢である
Copilot Coworkはまだ粗削りです。でも、この粗削りのツールを通じて、「何か今までと違うものが来た」と感じる人が増えることに意味があると思っています。ベールがめくれ始めた今が、ギャップを埋めるスタートラインです。
関連記事
このシリーズの前回までの記事です。M365 Copilotが使われない構造的な原因と、Copilot Coworkの機能・料金・セキュリティ設計を整理しています。
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AIとの壁打ちでプレゼン準備を変えた体験です。構造を作る側に回るという考え方はこの記事がベースになっています。
合意形成できるプレゼン準備──企画職が実践するAI論点整理術
この記事で書いた「Copilotを使いこなしたい」を、もっと深めたい方へ。
例えば、2026年3月発売のアクセンチュアが作成したCopilotのHowTo本があります。でも発売した瞬間にMicorosoft社の大規模アップデートで半分陳腐化していて、今のM365のAIについて正直に十分以上に説明できている書籍は実質ないのが実情です。いい本がでてきたら紹介したいのですが。。。
基本的なことは本で学びつつ、最新の動向は、noteやsnsで追う必要があります。あとは何よりも自分で触ってみることだと思います!
『Microsoft 365 Copilot活用大全』(アクセンチュア/2026年3月)
※書籍紹介にはAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
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AI活用のコツ、企画職のリアル、新規事業の構造問題を日々つぶやいています。フォローしていただけると嬉しいです。
参考文献
Gartner「AIエージェントとエージェント型AIに関する見解を発表」(2025年5月)
Gartner「Gartner Predicts Over 40% of Agentic AI Projects Will Be Canceled by End of 2027」(2025年6月)
IBM「エージェント型AIとは」
Microsoft「Copilot Cowork: Now available in Frontier」(2026年3月)
Microsoft「Copilot Cowork の概要」(Microsoft Learn)
ヘッダー画像の原画
女性画家のスタジオの内部
マリー=ヴィクトワール・ルモワーヌ
フランス,1789

AI全盛の時代、あえて古典絵画を推していきます。
古典絵画×AIでバナー画像作成しています。
この絵を選んだのは、2つの挑戦が重なっているからです。
フランス革命という荒波が、男性中心の美術界の門を女性に開いたという外部環境の変化。そして、女性には不向きとされていた歴史画を、許容された肖像画のイーゼルに静かに描き込んだルモワーヌの挑戦心。
エージェント型AIという荒波が、エンジニア中心の世界だった門を非エンジニアにも開き始めています。そして、AgenticAIは黒い画面の中ではなく、CopilotCoworkにより、企業が安全に利用できるM365というなじみの画面の中に、静かに収まりはじめています。
原典:メトロポリタン美術館
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/436875