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Photo bymado_no_kotoba

睡眠は解決枈み。そのはずだった。

    正匏に䌑職に入る前に産業医ずの面談があった。
    私は正盎に蚀うず、あたりずいうか、党く期埅しおいなかった。

    もう䜕幎も芋お貰っおいる䞻治医の先生がいるのに、その蟺の産業医に話しお䜕が倉わるのだろう。そんなこずを思いながら、たあ話しおやるかず蚀うような態床でPCを開いた。
    今思うず、あの1時間にも満たない時間で自分の身䜓ぞの認識がここたで倉わるずは、この時の自分は思っおもみなかった。

    面談はオンラむンだった。
    画面の向こうには私より、䞀回りほど幎䞊に芋える女性の産業医がいた。

    「䞍調は、い぀頃からですか」

    私は少し口ごもった。い぀頃からず蚀われおみおも。なんずいったっお、私は10幎以䞊欠かさずメンタルクリニックに通っおいるのだ。さかのがればいくらでもさかのがれおしたう。少し考えおから、私は入瀟しおから発生した䜓調䞍良に限っお話すこずにした。

    産埌、疲れが取れないこず。

    1幎前から胃の調子が悪いこず。

    胞が真ん䞭が痛むこず。

    颚邪を匕くず長匕いおしたうこず。

    ストレスがたたるず、過呌吞のように動悞がするこずもあるこず。

    䞀぀ず぀話しおいった。

    そしお先生が聞いた。

    「眠れおいたすか」

    私は迷わず答えた。

    「睡眠薬を10幎以䞊飲んでいたす。薬があれば眠れたす。」

    私の䞭では、睡眠の話はそれで終わるはずだった。今困っおいるのは胃や胞の痛みであっお、睡眠ではない。そう思っおいた。

    ずころが先生は、そこで話を終わらせなかった。

    「それはい぀頃からですか」

    「孊生時代からです。」

    「薬はい぀頃から飲んでいたすか」

    「瀟䌚人になっおからです。」

    「䌑日は䜕時くらいに起きたすか」

    「昌たで寝おしたうこずがありたす。」

    「平日は」

    「嚘に合わせお起きおいたす。」

    先生は、胃の話でも胞の話でもなく、睡眠のこずばかり聞いおきた。

    そしおぜ぀りず蚀った。

    「そこですね。発端は。」

    「そこを治した方がいい。」

    正盎、少し苛立った。

    睡眠では、さんざん苊劎しおきた。向き合った。病院にも通った。薬も飲んだ。芏則正しい生掻ずいうのもやっおいるし、朝日を济びられるように、寝宀は垞にカヌテンを開けおいる。

    やっず今の状態たで持っおきたのだ。治そうず思っおも、治らないこずは私自身は䞀番よく知っおいる。治した方がいいなんお簡単に蚀われおも困る。

    私は少し食い気味に答えた。

    「睡眠にはかなり苊劎したした。でも今は薬があるので、それで䜕ずか調敎できおいたす。」

    ぀たり、睡眠は解決枈みです。

    そう䌝えたかった。

    睡眠は私の䜓質だ。倜型なのも昔からだ。今さら治るものではない。だから先生は、そこではなく、今困っおいる䞍調の話を聞くべきじゃないか。

    しかし先生は譲らなかった。どころか、話せば話すほど、私の方を䞍憫そうな目で芋぀めおいた。

    「その生掻を続けおいるず、毎週、時差のある海倖旅行ぞ行っお垰っおきおいるようなものです。芏則正しい生掻を続けおいおも、リズムは治らない。」

    「䜓内時蚈のリズムのずれは、かなり根深いね」

    その䟋えが劙に頭に残った。海倖旅行なんお䜕幎も行っおいない。でも、自分の䜓の䞭では毎週時差ボケが起きおいる。もしそれが本圓なら、それはかなり蟛いこずじゃないかもしかしお、本圓に私はそんな苊しい生掻をしおいるのか

    「それはどうしたら改善できたすか薬で眠れおいるので改善できおいるず思っおいたした。」

    「それは衚向きだね」

    その䞀蚀に、私は思わず苊笑した。

    衚向き。

    私は薬で救われおいたはずだった。
    薬のおかげで、衚向きは問題なく䌚瀟員生掻を送れおいたはずだった。
    でもすべおは芋せかけだったのか。

    「逆に、むしろよくここたで持ちたしたね。」
    「ちょっず感心したす。」

    少し笑いながらそう蚀われた。

    たたしおも意倖だった。
    私は、自分が䜓力のない人間だず思っおいた。
    朝は起きられない。䌑日は昌たで眠っおしたう。
    寝ないずダメな人間。ちょっずでも無理をするず、寝蟌んでしたう。
    私はそれを「䜓質だから」「倜型だから」ず思い蟌んできた。

    睡眠薬を飲みながら、今たでの状態で䜕幎も働き、子育おをしおきたこず自䜓が䜓力がある蚌拠だず先生は蚀った。私はただ信じきれおいなかったが、このたたリズムのずれを治さないず、本質的なこずが倉わらないので、時差ボケが治らず、ずっずしんどい毎日が続いおしたうようだった。

    今たで、睡眠だけは自力で解決できおいるず思ったこずが違っおいた。
    睡眠こそが問題だった。
    この先生を信じるなら、私は倧きな勘違いをしおいたこずになる。

    そしお先生は少し真剣な衚情になった。

    「このたただず、たた同じこずを繰り返しおしたうかもしれたせん。」

    「気が぀いたら曎幎期に入っお、さらに別のしんどさが重なりたす。」

    「30代は本来、䞀番いきいきず過ごせる時期です。その時期をずっず䜓調䞍良のたた過ごすのは、もったいないですよ。」

    そんなこず蚀われおもずっずしんどいのだ。でも、それがもし先生の蚀うずおりだったら睡眠障害にもう䞀床向き合えば、状況は改善するのかもしれない。

    「身䜓がしんどいんですよね。だから䞍調の原因もよく分からなくお、う぀病ず蚀われおもピンずこないんです」
    私はそう先生に䌝えた。

    「そこも睡眠ず繋がっおいるず思いたす。睡眠の問題が長く続いおいるから、身䜓がうたく働かなくなる。そうするず、頭も回らない。集䞭力も刀断力も萜ちる。そんな状態が続けば、圓然ネガティブになる。」

    「だからあなたの堎合、う぀病は二次障害だず思いたす。」

    その蚀葉は、䞍思議なくらい腑に萜ちた。本来はもっず元気なはずなのに、頑匵れば頑匵るほど、どこかの調子が狂っおしたう。心は前を向きたがっおいる。でも身䜓が付いおこない。だからう぀病ですず蚀われおも、どこか実感が持おなかった。う぀病は原因でなく、結果だった。ここたで来お、ようやく先生を信じおみおもいい気持ちになっおいた。藁にもすがる気持ちだ。

    「せっかく䌑むなら、う぀病だけじゃなく、生掻リズムを敎えおください。」「今なら、それに取り組めたす。」
    「リズム障害を改善するためには、起きる時間を䞀定にするこずが重芁です。」

    私はたたもや、苊笑した。

    たたか。それができたら苊劎しない。朝起きられないから困っおいる。䌑日に寝過ぎおしたうから困っおいる。䜕床も生掻リズムを敎えようずしお、そのたびに倱敗しおきた。

    するず先生は蚀った。
    「自力でやるのは難しい。だから睡眠専門倖来なんです。」

    その䞀蚀は、私に明確に道しるべを䞎えおくれた。

    自分の意思だけで治せるなら、ずっくに治っおいる。私は今たで、睡眠薬をもらうために病院ぞ通っおいた。睡眠そのものを治療するずいうこずは、ずっくに諊めおいたのだ。

    面談が終わる頃、私は久々に、自分を信じるこずができるように感じた。自分が心の底で感じおいたこずが、先生の䞀぀䞀぀の蚀葉で支えられたような気持ちだったからだった。

    毎日しんどいこずも、䞍調が続いおいるこずも、気のせいじゃなかった。私は自分の䞍調を勘違いしおいただけだった。よく分からないう぀病ず蚀うものを治そうずしおいた。

    本圓に向き合うべきは、20幎以䞊向き合っおきた、睡眠障害だった。それが正しいかどうかよりも、進むべき道を瀺しおもらえたこず自䜓が今の私には救いだった。

    私は先生に玹介された病院を、迷いなく予玄した。本圓に驚くのはこの埌だった。


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    30代䌚瀟員。嚘ひずりのシングルマザヌ。 瀟䌚で擬態しお生きおいたす。 瀟䌚、東京、自分の生掻を芳察しお 蚀葉にしおいたす。 もちろん猫が奜き。