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【第2回】ほぼ調整ゼロ!AIで賃金制度 第二弾!

    こんにちは。
    社会保険労務士で企業で人事マネジャーをしている「あきと」と申します。

    前回の[第1回]では、日本企業における「職能等級×役割等級」のハイブリッド型賃金制度の優位性と、AIを使ってそれを「人事担当者のほぼ調整ゼロ」で、完全構築していく新しいアプローチについてお話ししました。 必要なフォーマット一式はダウンロードしていただけましたでしょうか?

    今回から、いよいよ皆さんの手元のAI(ChatGPTやClaudeなど)を動かして、実際に制度を作っていきます。

    第2回のゴールは、自社のリアルな給与データから「1年あたりの平均的な昇給額」をAIに割り出させることです。これが、すべての給与テーブルの土台になります。

    1.「30人分データ」の中身を確認しよう

    まずは、前回ダウンロードしていただいたファイルの中から 30人分データ.csv を開いてみてください。(※今回は実践練習用として私が用意したダミーデータです)

    中身を見ると、「年齢」「部署」「職位」「基本給」などが並んでいます。 通常、人事コンサルタントに依頼すると、この給与データをエクセルでこねくり回し、散布図を作り、外れ値を除外し……といった面倒な分析作業に何日もかかります。

    しかし今回は、このCSVファイルをそのままAIに投げ込むだけです。面倒な計算はすべてAIが数秒でやってくれます。

    2.AIに「近似曲線」を描かせよう

    それでは、実際にAIに指示(プロンプト)を出してみましょう。 今回は、実態をより正確に把握するために、「一般社員層」と「管理職層(課長・部長など)」の2つのグループに分けて、それぞれの給与カーブ(近似曲線)をAIに計算させます。

    ChatGPTなどのチャット画面を開き、 30人分データ.csv を添付した上で、以下のプロンプトをそのままコピー&ペーストして送信してください。

    【コピペ用プロンプト①:標準昇給額の算出】
    添付した「30人分データ.csv」を読み込んでください。 横軸を「年齢」、縦軸を「基本給」として近似曲線(トレンドライン)を算出したいのですが、「一般社員層」と「管理職層」で昇給のペースが異なるため、分けて計算してください。

    一般社員層(一般、主任、係長クラスなど)のデータに絞って近似曲線を算出し、1年あたりの平均昇給額(100円単位で丸める)を出してください。

    ①管理職層(課長、副部長、部長など。社長・役員は除く)のデータに絞って近似曲線を算出し、1年あたりの平均昇給額(100円単位で丸める)を出してください。

    ②上記①(一般社員層)の昇給額を2で割った金額を出してください。(これが今後の「職能給」および「役割給」のベースとなる定期昇給額になります)

    ③参考として、一般社員層の近似曲線における年齢22歳時と30歳時の基本給の理論値を出してください。

    3.結果の確認と「50:50の法則」

    プロンプトを送信すると、AIは一瞬でデータを解析し、以下のような回答を返してくるはずです。

    → AIの回答例
    データを分析し、「一般社員層」と「管理職層」それぞれの近似曲線を算出しました。

    ① 一般社員層の1年あたりの平均昇給額
    一般社員層(役員・部長・課長などを除く)の近似曲線から導き出された平均昇給額は、約6,700円 です。
    ② 管理職層の1年あたりの平均昇給額
    管理職層(課長・副部長・部長)の近似曲線から導き出された平均昇給額は、約6,700円 です。 (※今回のダミーデータでは、一般社員と管理職の基本給のベースアップ額がほぼ同水準となっております)
    ③ 今後のベースとなる定期昇給額(昇給額の1/2)
    昇給額(6,700円)を2で割った金額は、3,350円 です。 これが今後の「職能給」および「役割給」の定期昇給額のベースとなります。
    ④ 参考:一般社員層の基本給 理論値 一般社員層の近似曲線の方程式に年齢を当てはめた基本給の理論値は以下の通りです。

    • 22歳時: 約 190,600円

    • 30歳時: 約 244,000円

    見事に、自社の現在のデータから「1年でどれくらい給与が上がっているか」というリアルな基準値が抽出されました。

    4.なぜ、昇給額を2分の1にするのか?

    ここでさらに注目していただきたいのが、プロンプト内で指示した「昇給額を2で割る」という処理です。今回算出された「3,350円」という金額を、今後の新しい「職能給」と「役割給」の定期昇給額として使います。

    つまり、能力の伸び(職能)と、責任の重さ(役割)の比重を「50:50」にするということです。

    「職能給を手厚くした方がいいのでは?」「いや、これからは役割給の比重を高めるべきだ」など、比率の調整(6対4にするか等)は人事担当者が頭を悩ませるポイントです。しかし、最初の制度設計において、私はこの「50:50」を強く推奨します。

    • 職能給: ポストが空いていなくても、能力が上がれば確実に給与が増えるという「安心感」と「長期的なモチベーション維持(良い年功序列)」を担保する。

    • 役割給: 重い責任を担えば、等級がポンと上がり、給与が大きく増えるという「メリハリ」を生む。

    どうして二つのバランスを「50:50」にするのか?その答えは非常にシンプルで、「どちらも大切だから」です。職能が大切か、役割が大切か、そのようなことに頭を悩ませることはありません。社員に質問されたら、堂々と「どちらも大切です」と答えましょう。
    もう、相手は何も言えません。

    次回【第3回】では、最も設計が面倒な「職能給テーブル」と「役割給テーブル」を完成させるプロンプトを紹介します。お楽しみに!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。 スキやフォローをいただけると、今後の発信の励みになります!

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    現役の人事マネジャーとして実務の最前線に立ちながら、社会保険労務士として人事労務の専門的知見を追求しています。現在、自社における新たな人事・賃金制度の設計を主導する傍ら、職能等級役割等級制度に関する論文執筆を通じ、実務と理論の両面から最適な制度のあり方を研究しています。

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