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【第1回】ほぼ調整ゼロ!AIで賃金制度 第二弾!

    こんにちは。
    社会保険労務士で企業で人事マネジャーをしている「あきと」と申します。

     以前の連載では、「AIを活用すれば、コンサルタントに依頼しなくても、人事担当者一人で賃金制度を短時間で設計できる」というテーマでお話ししました。

    コンサルタントに依頼すれば、素晴らしい賃金制度ができる確率は高いですが、高いコンサルタント料を払い、何度も何度も打ち合わせを行い、打ち合わせの都度、次の打ち合わせまでの宿題を出され、時間もコストもかかり、企業の負担は大きいです。

    そこで前回提案した手法を使うことで、高いコンサルタント料の支払いも、何時間もの打ち合わせも不要になり、30人規模の企業に最適な賃金制度が短時間で作られるというものでした。

    しかし、その際にお伝えした手法には一つの前提がありました。それは、AIが弾き出したベースをもとに、企業ごとの複雑な事情に合わせて「人事担当者が手直し・調整を行う必要がある」ということです。

    企業ごとの事情に合わせた調整を前提としていたため、AIに出力させる結果は、あえて調整が必要な形にしました。

    そこで今回の新連載で紹介する方法は、調整を最小限に抑えて、人事担当者による調整は「ほぼゼロ」の方法です。

    ステップバイステップで、私が用意したプロンプト(指示文)をコピペして実行するだけで、AIが制度設計の「完成」までを一気に作り上げます。ほぼ完全自動設計のノウハウを余すところなく公開するチュートリアル連載です。

    1.なぜ今、「職能×役割」のハイブリッド型なのか?

    今回もAIに作らせるのは、「職能等級(人に紐づく能力)」と「役割等級(仕事・ポストに紐づく責任)」の二つの等級を掛け合わせ、社員を格付けして賃金を支払う【ハイブリッド型賃金制度】です。

    前回の連載でも話しましたが、近年、「ジョブ型」への全面移行をもてはやす風潮がありますが、実務の現場を知る身としては、完全なジョブ型への移行には懐疑的にならざるを得ません。ポストを外れた瞬間に給与が激減するシビアな仕組みは、これまでの日本の雇用慣行や、長期的な人材育成の土壌に必ずしもフィットしないからです。

    職能等級と役割等級の「二つの等級」を持たせることは、実はそれぞれの長所と短所を見事に打ち消し合います。突出した尖った特徴がない制度に見えるかもしれませんが、だからこそ運用において破綻しにくいのです。 現在の日本において、このハイブリッド型こそが最も実務に即した「最適解」であると、私は自信を持っておすすめします。

    2.「運用が難しい」「年功序列だ」という批判への回答

    ハイブリッド型制度について、人事以外の方からよく挙がる批判的な声があります。

    「二つの軸があるから、運用が難しそう」

    賃金制度の運用の経験がない方にとっては、二つの軸があることで、非常に運用が難しそうに感じることは仕方のないことです。二つの基準で判断しなければいけないので、単純に二倍の手間が掛かるということになります。

    しかし、「たった一つの基準で判断する」ということは、シンプルで簡単に見えて、多面的な要素がある人事の現実の中では、制度の柔軟性が不足していて、運用が非常に難しくなります。

    例えば、役割等級のみの制度の場合、ポストが上がらなければ、等級を上げられません。何年も等級が上がらないというケースが多く発生するでしょう。その中でも頑張って能力を伸ばしている社員がいるとします。あなたならどうしますか?

    一番してはいけないのは、その社員用に「新しいポジションを作ること」です。

    反対に、高いポジションにいた者を、様々な事情の中で降格させないといけない、ポジションを下げないといけないというケースもあります。その場合、役割等級のみだと、非常に大きな給料の減額になります。

    ハイブリッド型ならば、役割等級は下げても、職能等級を下げる必要はない、本人の降格のショックは、実質的に半分に抑えられます。

    このように柔軟な対応ができるというところが、実は運用の難易度が高くないという理由であり、反対に基準が一つだけの制度の運用の難しさの理由です。

    3.「結局、年功序列になるだけではないか」

    必ず年功序列になるわけではありませんが、結果として年功序列の傾向が出やすいのは事実です。

    しかし、ここで重要なのは「良い年功序列」と「悪い年功序列」を区別することです。 ただ息をしているだけで給料が上がるのが「悪い年功序列」。

    一方、長く勤める中で確実に実務能力(職能)を高め、組織に貢献できる幅が広がっていくことに対して報いるのは「良い年功序列」です。

    会社や上司の教育や育成が成功し、社員の能力が勤続年数に比例して、しっかりと伸びて、その傾向が全社員、全階層で見られれば、勤続年数と能力には正の相関がみられて当然で、理想的な状態と言えます。

    もし能力を伸ばすために努力しても、ポストが空くまで昇格できないということになるとどうでしょうか?ポストが空くかどうかはわかりません。

    どんなに実力があっても、残念ながらタイミングによっては、高いポジションにつけないということはあるものです。

    能力を伸ばす努力をしても、その努力が報われるかどうか分からない状態で、能力を伸ばすことへのモチベーションを維持することは簡単ではありません。

    ハイブリッド型は、「良い年功序列」の安心感を担保しつつ、ポスト(役割)に応じたメリハリをつけた運用ができるのです。

    4.準備するもの:フォーマットをダウンロードしよう

    本連載では、実際に皆さんの手元の環境でAIを動かしながら、制度を完成させていただきたいと考えています。 そのために、自社のデータをAIに読み込ませるための「各種フォーマット」をご用意しました。まずは以下のファイルをダウンロードしてください。

    ▼ ダウンロードファイル一式

    準備はよろしいでしょうか?

    次回【第2回】では、「30人分データ」をAIに読み込ませ、自社に最適な「定期昇給額」を一瞬で決定するプロンプトを紹介します。お楽しみに!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。 スキやフォローをいただけると、今後の発信の励みになります!


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    現役の人事マネジャーとして実務の最前線に立ちながら、社会保険労務士として人事労務の専門的知見を追求しています。現在、自社における新たな人事・賃金制度の設計を主導する傍ら、職能等級役割等級制度に関する論文執筆を通じ、実務と理論の両面から最適な制度のあり方を研究しています。

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