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雨に洗われた森を歩いた。ゲータの滝

    雨が降り続き、肌寒い6月の西表。
    レインジャケットを着て、防水リュックを背負い、ガイドと大見謝のガードレールの脇から、登山道に入った。

    入口に立つアダンの鋭いトゲの向こうが、西表の森だった。

    そっと森の中に入った。

    雨が草木をパツパツと叩く音の先から、カエルがゲコゲコと挨拶をしてきた。

    雨で柔らかくなった足元の落ち葉と、目の前に続く濃い緑のコントラスト。
    濡れてつやつやと輝く、茶色の岩。

    ガイドの説明を聞きながら、森を進む。

    ヒカゲヘゴは天まで高く伸び、モダマの大きな鞘が自分のツルと絡まっていた。

    サキシマスオウノキの大きな根に沿って、キノボリトカゲがトコトコと走っていった。

    ザーザー…
    水の流れる音が聞こえてきた。

    水量が増えた沢に出た。水は激しく岩にあたり、そのまま左右に散って流れていく。

    見えない水底を足の裏で探りながら、ゆっくり進んだ。

    ゴゴゴ…
    水の流れる音が、変わった。

    目の前に大きな水の壁。
    轟音と共に水が激しく落ちていく。

    「ゲータは3段あるので、そこまで登りましょう」

    滝の左側から登った。何度も岩にしがみつく。

    3段目の滝に着いた。

    真っ白な水飛沫をあげ、水を吐き出している。

    ドドドドド…

    怖いと思った。

    立って後ろを振り返ると、森と海と空、全部見えた。

    聞こえるのは水が落ちる音だけだった。
    その音を聞きながら、いつまでも遠くの海を眺めていた。

    帰り道、雨は小降りになった。

    雨に洗われた西表の森。
    葉っぱには雨粒が残っていて、森全体がしっとりとしていた。

    シダはみずみずしく、苔は鮮やかな緑。

    湿った土の匂い。 葉からポタ…ポタ…と落ちる雫。 キュロロロロ…と響くアカショウビンの声。豊かな沢の流れ。

    水と緑と生きもの。西表が呼吸をしていた。

    そんな森だった。


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    自分はだいたい、途中のまま生きている。 トレラン/歯列矯正/リハビリ/語学/旅 全部、途中 うまくいかなかった話を、よく書いている。 たまに、変な話も書く はてなブログでも書いています。 https://jesse0303.hatenablog.com/

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