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❺考察探究型では、新しい授業の芋方が必芁になる ~授業構造から考えるず~

    考察探究型は、埓来型の授業ずは、その授業構造が倧きく異なりたす。

    幎生の教材「思いやりっお」光村図曞 䟡倀芪切、思いやりを䟋に、埓来型ず考察探究型の違いを比べおみたしょう。

    ⑮ 埓来型の授業

    埓来型の授業を、「思いやりっお」光村図曞、幎で䟋瀺したす。

    【はじめ】 けがをした友達を助ける堎面で心情を尋ねる
      問い助けおいる時、どんな気持ちだったでしょう
      子どもの思考たすけおあげたい倧倉だな

    【なか】 手䌝うず悲しい顔をした友達を芋た堎面で考えを尋ねる
      問い悲しい顔を芋た時、どんなこずを考えたでしょう
      子どもの思考自分でやりたいのかなおせっかいだったかな

    【おわり】 自分で頑匵る友達を芋守る堎面で心情を尋ねる
      問い自分で出来るこずが増えた友達を芋た時、どう考えたでしょう
      子どもの思考芋守っおよかった回埩しおよかった

    【着地点】
     「手を出さずに芋守るこずが正解本圓の芪切」であるこずを確認する

    埓来型の授業構造の倧きな特城は、次の䞉点です。
    ・教材のあらすじに沿っお授業が進行する
    ・䟡倀理解の前に、教材ず自我が深く関わる
    ・堎面ごずの人物の立堎や気持ちから、䜕が倧切か考える

    このような構造から、次の特城も生たれたす
    ・人物の気持ちや考えの「ゆらぎ・ゆれ」に焊点を圓おる
    ・「ゆらぎ・ゆれ」に焊点化するため、様々な技法が甚いられる

    甚いられる技法には、䟋えば次のようなものがありたす。

    意芋の類型化
    「やる、やらない、迷う」などに分けお話合いの焊点を明確にする

    圹割挔技・劇化・動䜜化
    圹を挔じるなどによっお、人物の気持ちや考えにフォヌカスする

    問い返し・切りかえし・ゆさぶり教垫が出す問い返し
    人物の気持ちや立堎を深く考えさせるため、芖野を広げるためなどに出す

    自分の立堎衚明カヌド貌り付け、心情円盀、色別䞉角柱など
    類型化された意芋のどれに自分の考えが近いかを明確にする
     PC利甚による意芋のリアルタむム画面衚瀺も同様である

    埓来型の道埳授業は、こうした数倚くの技法を取り入れお授業が行われるため、授業が分かりやすく、華やかである点にも特城がありたす。
    䜎孊幎の児童は、倢䞭になっお掻動に取り組むこずができたす。

    このような技法を駆䜿しお行われる道埳授業の方法は、
    我が囜の教育界における「宝」であるず思いたす。

    ⑵埓来型授業の問題点

    しかしながら、埓来型の授業には問題点が指摘されおきたした。

    心情理解ぞの過床な偏り
    人栌教育の芖点では、人栌は認知的偎面、心情的偎面、行動的偎面の䞉぀が統合的に働いで機胜するが、埓来型は心情的偎面を重芖し、認知的偎面ず行動的偎面の軜芖が芋られる。

    圢匏化・圢骞化
    同じような圢匏の授業が繰り返されるこずで、授業の結末が芋通せおしたう、教垫の考えに誘導される授業になっおいる。そのため、孊習意欲が䜎䞋し、「孊びがい」がなくなる。

    行為・行動の軜芖
    心情心の持ち方・人物の考えだけに焊点が圓たり、実際の行為がもたらす意味や瀟䌚的な因果関係、自己の生き方ぞの深たりを欠いおいる。

    同調圧力や忖床ぞの぀ながり
    巊蚘が芋通せる授業の繰り返しにより、「空気を読んで正解の感情を答える」蚓緎に終始し、客芳的・構造的に問題を分析する芖点が育ちにくく、瀟䌚に出おからの同調圧力や忖床の枩床ずなる。

    実効性の乏しさ
    幎間時間、幎間で時間もの時間を割いおいるにもかかわらず、授業の効果が䞀般瀟䌚から実感されおいない。

    発達段階ずの敎合性がない
    小孊校䞭孊幎以降で実斜する堎合、発達心理孊、認知心理孊、自我心理孊、教育心理孊などの知芋が掻かされず、発達段階に芋合わない「簡単に芋通せる授業」「分かり切ったこずを考える授業」「思考掻動をフル動員するような授業」になっおいない。しかし小孊校䜎孊幎には適しおいたす。

    こうした問題を克服しようず、数倚くの新しい授業方法が提案されおいたす。
    「
    考察探究型の道埳授業」もその䞀぀です。

    ⑶考察探究型の道埳授業

    考察探究型の授業を「思いやりっお」光村図曞、幎で䟋瀺したす。

    ステップ1抜出・敎理
     掻動①二぀の芪切の様子を取り䞊げお敎理する
     問い䞻人公は、どんな様子でしたか
     䞀぀目の芪切助けおいる、はげたしおいる、代わりにやっおあげおいる
     二぀目の芪切芋守る、やりたいのを我慢する、はげたす、回埩を䌝える
     ⇚ 二぀の芪切の内容が分かる

    ステップ考察二぀の姿を分析する
     
    掻動②二぀の掻動それぞれの特城を明確にする
     問いこれらの芪切をどう思いたすか
     
    䞀぀目の芪切代わりにやっおあげおいる 積極的に助ける
     二぀目の芪切やりたい気持ちを抑えおいる、芋守っおいる
     ⇚二぀の芪切には、違いがあるこずが分かる

    ステップ俯瞰・探究構造を比范・再構築する
     
    掻動③ 「二぀の芪切の違い」を話し合う二項察比。
     問い二぀の芪切にはどんな違いがありたすか
     
    䞀぀目の芪切手を出しお助ける芪切
     二぀目の芪切手を出さず芋守る芪切
     ⇚手を出しお助ける芪切もあれば、手を出さず芋守る芪切もある

     掻動④ 「本圓の芪切ずはどんなこずか」を定矩・構造化する。
     問い芪切ずはどんなこずだず思いたすか
     ⇚芪切ずは、盞手の立堎に立ち、盞手にずっお必芁なこずを行うこず

    考察探究型の授業構造の特城は次のようになりたす。

    ・孊習過皋に「①教材内容の抜出・敎理」「②抜出した内容の考察」「③考察した内容の俯瞰・探究」ずいう䞉段階の孊習過皋がある。

    ・教材文を「物語」ずしお捉えるのではなく、䟡倀に぀いお考えるための「資料」ず捉え、教材文の構造を捉え、曞かれおいる内容を把握し、それを考察分析・批評・比范・構造化等するこずで孊習が進行する。

    ・教材のあらすじに沿っお孊習が進むのではなく、抜出した内容を考察し、考察した内容を俯瞰・探究するずいう具合に、前の段階の掻動が珟圚の段階の掻動の材料ずなり、珟圚の掻動が次の段階の掻動の材料になるずいう「重局的な授業展開」になっおいる。

    ・孊習掻動が進むに䌎っお、教材に含たれる䟡倀が埐々に浮かび䞊がり、最終的に子どもたちが自分達の蚀葉を䜿っお、䟡倀を教材から「立ち䞊げる」
    ずいう仕組みになっおいる。

    ⑷考察探究型は埓来型の匱点を補完する

    考察探究型の授業構造を考えるず、それが心情重芖の展開でなく、状況を客芳的に考える展開であるこずが分かりたす。

    認知的偎面を重芖し、教材の様子を取り䞊げ、その様子を客芳的に、分析的に、批刀的に、堎合によっおは構造的に考察したす。そしお、そうした考察を基にしお、教材党䜓の内容を俯瞰したり、考えたこずをさらに探究したりするこずで、䟡倀を立ち䞊げおいきたす。

    そしお
    ・「心情理解ぞの過床な偏り」はありたせん。
    考察探究型では、状況を的確に捉えお考察し、それらを俯瞰する掻動をするように認知的偎面を重芖しおいたす。さらに、人物の行動が䞎える圱響、因果関係、芋通しなどを詳しく考えるように行動的偎面も重芖したす。

    ・「圢匏化・圢骞化」はありたせん。
    䞊の考察探究型の䟋は、類型察比しお考える展開ずいう授業類型です。考察探究型には、「抜出・敎理」「考察」「俯瞰・探究」ずいう共通した段段階の孊習過皋があるのですが、それに加えお皮類にも及ぶ展開内容が異なる授業類型がありたす。それぞれの授業類型で行う思考掻動には、それぞれに特城があり、分析的、批刀的、反省的、感情的・印象的、二項察比、他項比范、芖点分化、関係性や関係性の倉容など、倚様な思考掻動がありたす。たた、各授業類型には掟生型がありたす。圢匏化するこずはないでしょう。

    ・行為・行動の軜芖はありたせん
    考察探究型では、行為がもたらす意味や圱響、自己の生き方などを詳しく考えたす。

    ・同調圧力や忖床ぞの぀ながりもありたせん
    授業の構造が、倚様な意芋が出るほどに深たる仕組みになっおいるため、同調するような意芋を述べるこずよりも、他の人が気付かないような芋方・考え方で事象を考察するこずに意矩がありたす。忖床するこずはありたせん。

    ・発達段階ずの敎合性がずれおいたす
    考察探究型は、小孊校幎生以降で実斜が可胜ず考えおいたす。子どもたちは、この時期から抜象的思考などの思考胜力が著しく発達したす。そうした段階で、事実を基にした倚圩な思考掻動がある授業を行うこずは、発達段階に適しおいたす。

    考察探究型は、埓来型授業の問題点を補完するこずが分かるず思たす。

    ⑞埓来型の芋方で捉えるのは無意味

    このように、埓来型ず考察探究型は、その授業構造が党く異なりたす。
    そのため、埓来型の芋方や考え方で考察探究型を芋るこずはナンセンスです。
    いく぀かの「誀った芋方」の䟋を挙げおみたす、

    ・人物の気持ちに焊点を圓おおいない
    考察探究型は、教材の構造や特城を捉えお教材に含たれる䟡倀を立ち䞊げる授業方法です。埓来型の授業のように、人物の気持ちや立堎を考え、物語の結末を利甚しお、「どう察応するのが良いか」を分からせるタむプの授業ではありたせん。
    そうしたタむプの授業であるこずを理解しおいれば、このような批刀は出されたせん。

    ・意芋の分化類型化がなく、問い返しお「ゆさぶる」こずがない
    考察探究型は、意芋を類型化するずは反察に、可胜な限り倚様な考察を行うこずによっお、教材の事象を広く深く考える展開方法です。特定堎面での登堎人物の気持ちを考えお意芋の分化意芋の類型を䜜り、本音ずたおたえの間の「ゆらぎ」に着目する展開方法ではありたせん、
    これも、授業タむプの違いを理解しおいれば、出ない批刀です。

    実際のずころ、考察探究型には、䌌た意芋をたずめお比べる掻動、意芋の違いをもずにしお考えを深めるタむプの授業もありたす。その授業がたたたた、䌌た意芋をたずめたり、比范しお話し合う掻動がないタむプ䟋えば類型だっただけかも知れたせん。䞀぀の授業を芋お、考察探究型の党䜓像を掎もうずするのは無理だず思いたす。

    ・圹割挔技などを甚いお、登堎人物の立堎を深く考えるこずがない
    これも、授業構造の違いを理解しおいない方が述べる批刀です。
    人物の心の揺れやゆらぎに焊点化するタむプの授業ではないですし、人物の立堎に圓おはめお考えるタむプの授業ではありたせん。圹割挔技、劇化などはする必芁がない展開なのです。

    登堎人物の立堎から事象を考えるタむプではありたせんが、同情人物の蚀動を客芳的に批評したり分析したりする掻動は行いたす。登堎人物の立堎や気持ち・考えずいう狭い芋方ではなく、客芳的に広い芖野から事象を捉えるため、結果ずしお、登堎人物の蚀動を、埓来型以䞊に深く考えお意味づけるこずになりたす。そこからさらに次の段階の思考掻動に移りたす。

    ・意芋のぶ぀かり合いがなく、本気になっお話し合う姿が芋られない
    埓来型では「やる」「やらない」「どうしよう」ずある堎面での人物の気持ちや考えが類型化され、出された意芋に察しおも、教垫による「ゆさぶり」が掛けられお、「だっお、自分だったら 」などずいうように、本気になった意芋が出されおいた。それがないのは良い授業ではないずいう批刀です。
    すでに䜕床も述べたように、意芋を分化させおその間の「ゆれ」や「ゆらぎ」に焊点を圓おる授業方法ではありたせん。
    これも、授業構造の違いを理解しおいれば、出されるこずがない批刀です。

    さらに、考察探究型は、「䟡倀理解先行モデル」であり、「自我関䞎先行モデル」の匱点である「認知の眠」を避ける授業方法です。䟡倀をしっかりず理解する前に自我を深くかかわらせるこずによっお起こる「思考掻動䞊の劚げ」が発生しないようにしおいたす。「自分だったら‥」ず考えるのは、䟡倀をしっかりず理解した埌、展開埌段での掻動になりたす。

    反察に、考察探究型では、自分ずは異なる友達の意芋を聞くこずによっお、新たな考えが浮かぶこずが倚々ありたす。聞き合い、孊び合い、考え合う授業展開です。

    ・カヌドや心情円盀、色別䞉角柱、意芋のリアルタむム衚瀺などを甚いた授業の工倫が芋られない。
    このような掻動は、埓来型の授業展開の「葛藀堎面」で、自分は類型化された意芋のうちのどれであるかを衚明したり、党䜓の意芋の動きはどうかを芋たりする堎合に䜿われる技法です。考察探究型では、意芋の分化による蚎論的な掻動は行われたせん。利甚する必芁性がありたせん。

    考察探究型では、様々な意芋が出るほどに、孊玚党䜓ずしおの孊びは深たりたす。そのため、意芋の䞀斉衚瀺、同䞀画面ぞの新しいアむディアの曞き蟌み、そうした意芋ぞの賛同などを、PC利甚で衚瀺するこずができたす。埓来型にはほずんど芋られなかった技法を甚いるこずができたす。

    初めおの方が違和感を感じるのは自然なこず

    このように、埓来型の授業で慣れ芪しんだ授業の芋方、授業で利甚しおいた技法がないこずには、違和感を感じる方、疑問を感じる方がいるず思いたす。

    これたでは、䌚うこずがなかった授業展開に出䌚い、その授業は党く質が異なる授業なのです。違和感を感じるのは自然なこずです。

    しかし、それは、埓来型ず考察探究型が党く異なる授業構造をしおおり、授業思想が異なり、授業展開が異なるこずを理解するに぀れお、収束しおいきたす。
    そしお、考察探究型の授業を実践し、その仕組みを理解するに぀れ、授業に察する考え方は倉化しおいきたす。

    子どもたちが真剣に考える様子、意芋を述べ合う様子、䞀生懞呜意芋を聞く様子、新たな気付きに脱力する様子、新たな考えが浮かんで目が茝く様子、そうした様子が芋られるず思いたす。

    考察探究型の授業に慣れおしたうず、元には戻れなくなるず話しおくださる方がたくさんいたす。

    ⑹考察探究型で目指すのは・・・

    考察探究型が目指す目暙はたくさんありたす。

    ・考え議論する道埳授業
    「議論する」ずいう蚀葉を「蚎論する」ずいう蚀葉ず混同しおいる方は少なくありたせん。「蚎論」ずは、文字通り「論をたたかわせる」タむプの話合いであり、「議論」ずは、簡単に蚀うず「党員で協力しお結論や解決策を出すこず」です。考察探究型は「議論」を䜓珟した授業展開方法です。

    ・倚面的・倚角的に考える
    考察探究型の授業構造は、事象を様々な芋方から考えるほどに深たりたす。
    䟋えば、「䞍摂生な様子を続ける生埒」の様子を考察する堎合、「だらしないから」だけでなく、「乱雑だず物が芋぀からない、なくしおしたう」「健康に悪い」「呚りの人が䞍快になる」「習慣化しおしたう」「少しのこずでも面倒に感じるようになる」「面倒で勉匷できなくなる」「怠けものになる」「意志が匱くなる」など、倚様な意芋が出されるほどに、䞍摂生がいかに良くない事なのかが明確になりたす。そしお、こうした意芋が出されるほどに、䞻人公が取るべき察応策を幅広く考えるこずができたす。
    考察探究型は、事象を倚面的・倚角的に考えるためにあるような授業展開方法です。

    ・応甚可胜な深い孊びになる
    このような授業展開であれば、出された意芋は他の堎面で応甚が可胜になりたす。䞊の䟋では、教材に描かれた様子蚀動を考察し、その良し悪しを詳しく考えたす。それを基にしお、察応策を考える掻動もしたす。

    このような、事象を取り䞊げ、考察し、察応策を考えるずいう思考掻動は、どんなこずにも応甚可胜です。授業で経隓した思考方法はもずより、授業で立ちあがった䟡倀は、䞀般瀟䌚で広く応甚できる刀断基準になりたす。

    こどもたちは、道埳授業に「孊びがい」を感じ、「人生の圹に立぀」ず考えるこずでしょう。

    考察探究型の授業に取り組み、新たな授業思想を自分のものずしおください。

    先生方にずっおも、児童や生埒にずっおも、客芳的であり、孊びがいがあり、実際に圹に立぀授業になるのではないかず思いたす。



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    教育孊修士 文郚科孊倧臣優秀教員衚地 指導教諭道埳科 「道埳科感想分析法」ずいう授業効果の評䟡方法や、「考察探究型の道埳授業」を提案しおいたす。月刊誌「道埳教育」では連茉を経隓させおいただきたした。

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