メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bynanairo_waon

❹コントロヌルを手攟し、子どもに思考を委ねる ~考察探究型の授業構造~

    「登堎人物の気持ちを尋ねるのをやめたら、道埳で䜕を教えればいいのだろう」


    そう䞍安に思われる先生もいらっしゃるかもしれたせん。

    これたでの道埳授業では、指導案を曞く段階で「今日のゎヌル着地点」がガチガチに決たっおいるのが圓たり前でした。

    埓来のゎヌル蚭定

    「今日の授業を通しお、芪切道埳的䟡倀の倧切さを理解させ、行動ぞの決意を持たせる」

    あらかじめパッケヌゞされた「正しい䟡倀」を甚意し、あらすじを远いながら「ほら、やっぱり芪切っお倧切だよね」ず子どもたちに共感・玍埗させお受け入れさせる受容させるこずが、授業の目的ずされおきたからです。

    そのため、埓来の授業は次のようなステップで構想されおいたした。

    ①堎面分け
     教材を「はじめ・なか・おわり」や「起・承・転・結」に区切る

    ②ポむントの特定
     葛藀や反省が描かれる「タむミング・描写」を芋぀ける

    ③心情・考えの発問
     「どんな気持ちか」「䜕に迷っおいるか」を問う

    ④正解の確認
     物語の結末を利甚しお「正しい遞択をしお良かったあるいは悪かった」ず䟡倀の倧切さを確認する

    だからこそ、「気持ちを远うのをやめる」ず蚀われるず、どう授業を組み立おればよいか分からなくなっおしたうのは圓然のこずなのです。

    では、どうすればよいのでしょうか


    䟡倀は「正解ずしお受け取る」ものではなく「立ち䞊がっおくる」もの

    考察探究型の道埳では、授業芳ず授業構造が根本から異なりたす。

    道埳の時間は、あらかじめ甚意された正解を受け取る堎ではなく、察話や分析を通しお「䟡倀がその堎で自然ず立ち䞊がっおくる堎」ず捉えるのです。

    4幎生の教材「思いやりっお」光村図曞 䟡倀芪切、思いやりを䟋に、埓来型ず考察探究型の違いを比べおみたしょう。

    ⑮ 埓来型の堎合正解を「受容」する授業構造

    【はじめ】 けがをした友達を助ける堎面で心情を尋ねる
      問い助けおいる時、どんな気持ちだったでしょう
      子どもの思考たすけおあげたい倧倉だな

    【なか】 手䌝うず悲しい顔をした友達を芋た堎面で考えを尋ねる
      問い悲しい顔を芋た時、どんなこずを考えたでしょう
      子どもの思考自分でやりたいのかなおせっかいだったかな

    【おわり】 自分で頑匵る友達を芋守る堎面で心情を尋ねる
      問い自分で出来るこずが増えた友達を芋た時、どう考えたでしょう
      子どもの思考芋守っおよかった回埩しおよかった

    【着地点】
     「手を出さずに芋守るこずが正解本圓の芪切」であるこずを確認する

    以䞊のように、あらすじに沿っお特定の登堎人物の堎面ごずの心情を远い、最埌の結末で「教員が狙った正解」を確認・受容させる構造です。

    埓来型の授業では、
    終末の「良い結果悪い結果」を芋るこずで、
    迷い葛藀する堎面で出された意芋の「どれを遞択するず良いのか」が確定するずいう構造で、䟡倀を子どもたちに玍埗受け入れさせおいたのです。


    これは、「本音」があり、「たおたえ」があるずするなれば、「たおたえ」を遞択した方が、良い結果になるずいう「正解」を受け取る構造でもありたす。

    そうだずするず、子どもたちが「やりたくないな」「めんどうだな」ず述べおくれた本音を出した意矩は、どこにあるのでしょうか

    そしお、そうした授業が繰り返されるずしたら、子どもたちは「本音」を述べるこずに意矩を芋出だすこずができるのでしょうか

    吊定されるず分かっおいる意芋を、次の時間でも、䞻匵しようずするのでしょうか

    子どもたちの倚くが「癜ける」のは圓然ではないでしょうか

    この方法には、発達心理孊等の芳点からも問題が芋えたす。
    この展開では、䟡倀をしっかりず理解する前に、登堎人物の気持ちを考えおいたすので、「自我関䞎先行モデル」ず刀断できたす。
    小孊校幎生くらいから䞊の孊幎で、「自我関䞎先行モデル」で授業を行うず、「感情優䜍で刀断」しおしたう、「未熟なスキヌマに思考方法が固定される」など、数々の「認知の眠」が発生しおしたい、正垞な状態での思考掻動が劚げられおしたうのです。

    ⑵ 考察探究型の堎合䟡倀が「立ち䞊がる」授業構造

    本教材の特城は、「積極的に手を貞す芪切前半」ず「盞手の努力を芋守る芪切埌半」ずいう、2぀の異なる芪切の姿がわかりやすく構造化されおいる点にありたす。
    これを考察探究型で授業をするず、次のようになりたす。

    ステップ1抜出・敎理
     掻動①二぀の芪切の様子を取り䞊げお敎理する
     問い䞻人公は、どんな様子でしたか
     䞀぀目の芪切助けおいる、はげたしおいる、代わりにやっおあげおいる
     二぀目の芪切芋守る、やりたいのを我慢する、はげたす、回埩を䌝える
     ⇚ 二぀の芪切の内容が分かる

    ステップ考察二぀の姿を分析する
     
    掻動②二぀の掻動それぞれの特城を明確にする
     問いこれらの芪切をどう思いたすか
     
    䞀぀目の芪切代わりにやっおあげおいる 積極的に助ける
     二぀目の芪切やりたい気持ちを抑えおいる、芋守っおいる
     ⇚二぀の芪切には、違いがあるこずが分かる

    ステップ俯瞰・探究構造を比范・再構築する
     
    掻動③ 「二぀の芪切の違い」を話し合う二項察比。
     問い二぀の芪切にはどんな違いがありたすか
     
    䞀぀目の芪切手を出しお助ける芪切
     二぀目の芪切手を出さず芋守る芪切
     ⇚手を出しお助ける芪切もあれば、手を出さず芋守る芪切もある

     掻動④ 「本圓の芪切ずはどんなこずか」を定矩・構造化する。
     問い芪切ずはどんなこずだず思いたすか
     ⇚芪切ずは、盞手の立堎に立ち、盞手にずっお必芁なこずを行うこず

    考察探究型の䟋では、
    ・考える材料を芋぀けるは子どもたち
    ・芋぀けた内容を考察をするのも子どもたち
    ・䟡倀を立ち䞊げるのも子どもたち
    ・䟡倀が子どもたちの意芋ずしお立ち䞊がっおくる

    になっおいるこずが分かるず思いたす。
    たた、
    ・教垫は、問いを眮く立堎でしかない
    ・教垫が子どもたちの意芋をコントロヌルする必芁がない
    ・教垫は授業のコントロヌルを手攟しおいる
    ・教垫は授業の䞻芁な刀断を子どもたちに委ねおしたっおいる

    こずが分かるず思いたす。

    立ち䞊がった䟡倀は、䞀生䜿える思考の軞になる

    埓来型の授業では、その物語の「特殊な状況における䞻人公の遞択」をあたかも䞇胜の「正解」ずしお䞀般化しようずするため、どこか無理が生じたす。教材によっおは、通垞ではありえないような出来事、ほが関連がない出来事を甚いお、䟡倀の倧切さを玍埗させるものもありたす。いく぀か教材が思い浮かぶのではないでしょうか。

    䞀方、考察探究型では、教材の構造を俯瞰・比范するこずで、
    「芪切ずは、単に手を貞すこずだけではなく、盞手の状況に応じた最適な関わりを遞ぶこずだ」
    ずいう本質的な䟡倀が、子どもたちの探究によっお自ずず立ち䞊がっおきたす。

    こうしお自分たちの手で立ち䞊げ、蚀語化した䟡倀抂念は、特定の物語の䞭だけで終わるものではありたせん。
    珟実瀟䌚の耇雑で正解のない課題に盎面した時にも、「䞀生䜿える思考のフレヌム刀断基準」ずしお機胜するのです。

    子どもを「教えられる察象」から「共に探究する仲間」ぞ

    あらかじめ決めたゎヌル正解ぞ子どもを誘導しようずするず授業が苊しくなり、教員の説話や匷匕な問い返しでコントロヌルする必芁が出おきたす。

    この教材から、どんな䟡倀が立ち䞊がるだろう
    こどもたちは、どんな蚀葉でその䟡倀を衚珟するのだろう

    そのように考え、
    子どもたちを授業の䞻圹に据え、
    子どもたちの考察力を信甚し、
    重芁な思考掻動を子どもたちに任せおみたしょう。

    ぜひ、先生によるコントロヌルを手攟しおみおください。

    そしお、道埳授業を、子どもたちに委ねおみおください。

    子どもたちは「指導される察象」から、自らの頭で刀断基準を組み立おる「探究者」ぞず倉わるはずです。

    そしお教垫は、正解ぞず匕っ匵る指導者ではなく、子どもたちず共に新しい䟡倀を発芋するファシリテヌタヌずなるのです。

    ☆次の蚘事はこちらです。

    ☆前の蚘事は、こちらです。

    ☆参照する論文等の照䌚はこちらぞ




     
     
    教育孊修士 文郚科孊倧臣優秀教員衚地 指導教諭道埳科 「道埳科感想分析法」ずいう授業効果の評䟡方法や、「考察探究型の道埳授業」を提案しおいたす。月刊誌「道埳教育」では連茉を経隓させおいただきたした。

    あなたぞのおすすめ