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銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (25)

    ・第一話のまとめ読み①(1)~(10)   ②(11)~(20)
    ・ 永世中立星の叛乱 (21) (22) (23) (24)  

     視界に広がる人、また人。

     大通りを埋めつくすその人の波が警備隊に向けて石を投げつけている。
     白い煙がところどころ視界を遮っている。
     警備隊が催涙ガス弾を撃って応戦していた。

     まるで今朝、テレビのニュースで見た光景だ。

    「こ、これは・・・」
     フレッド先輩も青い顔をしている。

     どうしてこんなことになっちゃったの? 

    「避難誘導いたします。こちらへ」
     アドゥールさんがわたしたちに声をかける。

    n170アドゥール真面目

    「外よりここのほうが安全だぜ。この硬化ガラスは防弾だし。見たところ学生側はここを占拠しようとしてるわけじゃねぇ、警備隊に反発してるだけだ。しばらくここで待たせてくれねぇか」
     レイターはそう提案したけれどアドゥールさんは
    「申し訳ありませんが、きょうはこのままお帰りいただくようお願い致します」
     とわたしたちを一階へと案内した。

    *

     衝突が起きている正面玄関は封鎖されていた。

    「裏の出口から、デモ隊を刺激しないように避難してください」
     一階でガーディア社の総務担当がハンドマイクで誘導している。
     社員の列に並んでわたしたち三人は小さな通用口から外へ出た。

     ここでも、武装した警備隊とプラカードや横断幕を掲げたデモ隊が睨み合っていた。
     その横をすり抜けるようにして歩く。

     ビルを挟んだ正面側で激突している騒々しい音や声が、ここまで響いてくる。異様な雰囲気だ。

    「これじゃ裏も危ねぇな」
     レイターがつぶやいた。と、その時。

    n26レイター振り向き口む

     バンッ

     すぐ近くで爆発音が聞こえ、火が出た。火炎瓶?

     と同時に隣にいた警備隊が銃を構えた。
     ザザザッツ。 

    「やべっ」
     レイターはわたしに自分の上着をかけた。
    「これ防弾だから」
     レイターの言葉が言い終わらないうちに轟音が響き渡った。 

     バリバリバリバリッツ・・・

    「な、何?」
    「ったく、水平に撃つなよ」
     倒れる人の姿が目に映った。抵抗する学生たち。逃げまどう一般人。

     どこからともなく飛んでくる石をレイターが払う。

    「ど、どうしてこんなことに?」
     フレッド先輩が叫んでいる。
     大混乱だ。どこへ向かって歩いているのかもわからない。

     レイターがわたしの手を握った。
    「俺から離れるな。文句は怪我してから言え!」

    * *

     アドゥールはガーディア社の最上階にある社長室の窓から外を見た。

     デモ隊と警備隊がぶつかった。
     本社正面だけでなく、裏でも衝突していると連絡が入った。
     恐れていたことがついに、ラールシータの中心部で起きてしまった。

     クロノスのボディガードが言っていたように、外よりここは安全だ。
     もし、暴徒が流れ込んできたら本社の重力制御を解除する。
     識別のIDカードキーを持っていなければ十Gで動けなくなる。

     セキュリティ対策は万全だ。

     こういう日に備えて準備は進めてきた。
     けれど、実際に目のあたりにすることになるとは・・・。

    「アドゥール」
     ガーディ社長の呼ぶ声がした。
    「はい」
    「王室円卓会議を通信で行う。準備を」
    「わかりました」     (26)へ続く

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