| 【No.229】雀 -sparrow- | 2019/09/29 (Sun) |

いつか翼が折れたら
草むらで蘇る夢をみよう
誰も助けてはくれない
空にも 陸にも
味方などいないから
それでも風を受けながら
今日も飛び続ける
それが自分だから
それが生きることだから
| 【No.184】冷えた水と | 2018/11/16 (Fri) |

カフェで寛ぐわずかな時間
なにごともなく一日が終わろうとしている
昨日と同じ日のような気もするが
何かが違う一日でもあった
数メートルさきで恋人たちが小声で話し込んでいる
家路につくまえに交わす僅かな温もり
ここへ来る前 道端の花屋で珍しい色の薔薇を見かけた
帰り際にもう一度のぞいてみようか
珈琲を飲み終えるまでの数分
冷えた水と自分との会話
今日という一日に
| 【No.22】深呼吸と1/160秒 | 2014/05/10 (Sat) |

それは何処か懐かしさと共に求めていた空気だったのかもしれない。
仙台、2014年初夏。長袖のシャツ一枚が心地よく身体に感じられた。
新緑の隙間を風が通り抜ける。
仙台に来たのは初めてだ。
震災後の新しいオフィスやマンションは過去を覆っていたが、
欅の樹木が語る長い年月と文化の薫りは肌で感じ取れた。
蛇行する広瀬川がまばゆく光る午後、
わたしは散策がてら川沿いにあるカフェでぼんやり外を見つめていた。
入れかわり来店する客と片付けにまわる何人かの女性。
学生の街ならではの若さが感じられる。
店内にはセンスのよい落ち着いた選択の本が所々に置かれていて、
緩やかに響く音がタンノイのスピーカーから聴こえてくる。
濃いブルーのサランネットがカフェに良く溶け込んでいる。
店内に差し込む斜光が長くなった頃、
ようやく店から出てホテルへと向かった。
途中、東北大学の夕陽に照らされた並木にカメラを向ける。
ひととき深呼吸をしたあと、
澄み切った空気に1/160秒、瞳を閉じた。