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初対面で『この人失敗だ』と思った男と結婚した話③

    マッチングアプリでマッチして実際に会った人は
    全然ないわーって人だった。

    前回の話はこちらから⇓

    そんな彼から、3回目のお誘いが来た。

    また焼き鳥

    水族館デートから少し経った頃、またLINEが来た。

    「次ここ行きませんか」

    送られてきたのは、私の最寄り駅近くの焼き鳥屋さんだった。

    ちょっと待って、1回目も焼き鳥やじゃなかった?

    もしかして焼き鳥が好きなのかな。
    それとも得意なのかな。焼き鳥で勝ちにいくスタイルなのかな。

    そんなどうでもいいことを考えながら、ふつうにOKした。

    3回目が巷では告白のタイミングと言われていることも知らずに。

    順調に進む時間

    焼き鳥屋に着いて、乾杯した。

    会話は、1回目に会ったときとはまるで別人かのように楽しく進んだ。

    彼が一方的に話し続けるわけでもなく、
    むしろ気づいたら私がぺらぺら喋っていた。

    最近あったこと、仕事のこと、どうでもいい話。
    彼はにこにこしながら、時にツッコミを入れながら聞いてくれた。

    彼ってこんなに聞き上手だったんだ。

    このとき私の中で、彼の位置づけはすっかり定まっていた。

    恋愛対象ではなく、世話上手な弟。

    楽しかった時間はお開きを迎え、ほろよいでお店を出た。

    「家まで送りますよ」

    お言葉に甘えることにした。

    夜道を並んで歩く。会話は続いていた。
    ほろよいのいい気分で、私はまだ喋っていた。

    すると、家まで後半分というところで

    彼が手を握ってきた。

    シラフだったらおそらく振りほどいていた。
    弟ポジションの人に手を握られても困る、と。

    でもほろよいの私には、その判断がなかった。

    どうやらこれがミスとなる。

    静けさを纏う空気

    さっきまで弾んでいた会話が、少しずつ変わっていった。

    彼の言葉数が、減っていく。

    酔ってるのかなくらいの気持ちで、私は構わず喋り続けた。
    彼は相槌を打ちながら、静かに歩いていた。

    気づいたら彼の言葉数がゼロになっていた。

    そして家まであと少しというところで、彼が立ち止まった。

    「あの…」

    どうした?

    「………好きです。付き合ってください」

    この言葉を聞いて、正直まじかと思った。

    正直、そんなに恋愛的に盛り上がっていた自覚もなかった。
    脈なしだと思われていてもおかしくなかったはずだ。

    「え、ごめん」

    即答で断った。

    いやいやそんなにいい感じじゃなかったよね!?とか、
    私なりに混乱しながら喋っているものの、
    彼の顔はどんどん悲しそうになっていく。

    「あはは…そっかあ…」

    さすがに胸が痛んだ。

    でも仕方がなかった。
    初回に会った時にないなと感じて飲み友達として降格、
    2・3回目を経て弟ポジションに落ち着いた人が、
    次は恋人というのは、どうしても自分の中で繋がらなかった。

    とにかく私は、まだ彼に恋愛感情を抱けていなかったのだ。

    だからこそ正直に言った。

    「今は気持ちに答えられないけど、もう少しお互い会ってから、結論を出したい」

    正直な自分の気持ちと、少しの罪悪感

    断られた彼は、泣きそうな顔をしながら、声だけは明るくしてこう言った。

    「そうだよね!ありがとう!」

    家まで残りの道を、ずっとそのままの調子で話し続けてくれた。

    気を遣わせているのはわかっていた。
    でもそれをちゃんとやり通す人だとも思った。

    玄関前でお別れして、部屋に戻った。

    告白されたことにまだ驚きを隠せないまま、
    罪悪感と共にその日は眠りについた。

    次回、フラれた彼がどう動いたか編。

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