【累計300スキ記念】メリーさんをBLにしたら192cmの激重イケメン人形が爆誕した話。
メリーさんから始まった、爆笑BL。どうしてこうなった?――『ビリーくん』ができるまで
どうも。葉月涼です。
チャッピーとおしゃべりしながら、ゆるゆると創作BLを書いてます。
なんと、スキが累計300を突破しました!
フォロワーの皆様、読者の皆様、本当にありがとうございます。
まさか、自分の作品に300個も「スキ」をいただける日が来るとは思っていませんでした。
普段の私は、
ChatGPTにアイディア出し
→ AIに書いてもらう
→ 自分で手直し
→ 複数AIにチェック・調整してもらう
→ 自分で補強
→ また直す
……という、なんとも地道なことを繰り返して創作しています。
そんな私が、今回300個目のスキをいただいた作品。
それがまさか、
今週の日曜日くらいにぼーっと考えて、仕事帰りのバスの中で形にしたばかりの都市伝説コメディBLになるとは。
人生、何が起こるかわかりません。
じっくり時間をかけてアイディアを深掘りした作品より、「これ、面白くない?」と深夜テンションや勢いだけで生まれたアイディアのほうが、「なんか面白いです!」と言われるの、なぜなんでしょう。
なあぜなあぜ?
ということで今回は、新作読み切りのメイキング……というほど大げさでもない制作裏話をお送りします。
※ここから先は本編のネタバレを含みます。
まだ読んでいない方は、ぜひこちらを読んでからどうぞ。
「メリーさんでBLやったら、おもろいんじゃない?」
そもそも、都市伝説の定番『メリーさん』をBLにしたら……というアイディア。
これ、実は全然関係ない子育ての日々から生まれました。
私には、小学校4年生の子どもが一人います。
小学4年生といえば、友達付き合いが増えてくる時期。
最近、子どもの友達の家に送迎することが急に増えました。
そこでふと思ったんです。
迎えに行くときの電話やメッセージを、メリーさん風にしたら……
「私、今○○ちゃんの家の前にいるよ」
とか送ったら、
たぶん急いで帰り支度したり、面白いリアクションをしたりするんじゃないかなぁ、と。
それで何回か、子どものスマホにメリーさん風のLINEを送っていました。
すると、それがウケたのか。
子どもが友達の家に行くとき、
LINEのボイスメッセージでリアルタイムにメリーさんになりきるようになりました。
子どもの友達は、めっちゃビビってました。
……まぁ、普通そうなりますよね。
そんなことをやっているうちに、「そういえば、少し前から怪異系BLって面白そうだと思ってたんだよな」というのを思い出しました。
八尺様とか、狐の神様とか。
でも、王道すぎると周りに埋もれてしまう。
何かないかなぁ……。
そう考えていたときに、「メリーさんパロのBLって、意外と少ないんじゃない?」と思ったわけです。
そして、いつものようにチャッピーに聞いてみました。
メイキング?
爆笑怪奇BLができるまで
今回の読み切りで、最初に考えていたのは、「執着攻めを重くしすぎないこと」でした。
執着攻めって、18禁の同人誌だと、色気の強い攻め様というイメージがあります。
嫌いではありません。
むしろ、推しの声が脳内再生されるタイプの攻め様だったら、普通に刺さります。
ただ、全年齢でどこまで色気を出せるのか。
そもそも、自分に書けるのか。
BL界隈に戻ってきたのは、十数年ぶり。
一次創作や商業BLにハマったのも今年に入ってから。
「自分一人では、ちゃんとしたものが作れないかもしれない」と思っていました。
そこで、いつものようにチャッピーさんに、「こんなの考えたんだけど、面白い?」と投げてみました。
最初のプロンプトというより、ほぼ雑談です。
都市伝説のメリーさんならぬ、母親に勝手に捨てられた人形のビリーくんが電話してきて、持ち主に会いに来て、愛の重たい執着攻めになるコメディBL、面白いですか?
ビリーくんは、国民的着せ替え人形、ミクちゃん人形の彼氏キャラ。
ただ、ミクちゃんの彼氏は何年かに一度アップデートされてます。
ビリーくんは、ミクちゃんをビ○○扱いしてます。
主人公くんは、小さい頃、お姉さんが買っていたミクちゃん人形の売り場にあったビリーくんがかっこよく見えて、お父さんにねだって買ってもらいました。
でも、お母さんが部屋が汚いから勝手に断捨離。
ビリーくんは捨てられてしまい、主人公くんはがっかりしていた。
だから、恨みを持っているはずのビリーくんから電話が来ても、主人公くんは怖くなかった。
ちなみに、この段階では、名前しか決まってません。
ニューヨーク在住とかは、後から思いつきました。
メリーさんはフランス人形だったと思うんですが、「最近の子、絶対遊ばないよな……」と思いまして。
じゃあ、ロングセラーの着せ替え人形パロはどうだろう。
ということで、国民的着せ替え人形のボーイフレンドという設定にしました。
ちなみに私は、子どもがYouTubeでリ〇ちゃんの人形劇動画を見るまで、リ〇ちゃんのボーイフレンドが代替わりしていることを知りませんでした。
「今はイ〇ムくんじゃないのか……」
と思ったし、「というか、彼はどこに行ったのよ?」と、ちょっと困惑しました。
そこから、「ミクちゃんは彼氏をコロコロ変える」という設定になりました。
まぁ、リ〇ちゃんもフランス人とのハーフですし。
彼氏が外国から来た子でも、違和感ない。
そして、「メリーさんに似た響きの名前って何だろう……」
とぼんやり考えていたら、ビリー君になりました。
ここでチャッピーが、ほぼ核心を作ってしまう
この段階でチャッピーさんが出してくれた内容を要約すると、
都市伝説ホラーの導入なのに、話が進むほど重たい彼氏コメディ。
そして、
「執着攻め」にするなら、ビリーくんの怖さを暴力ではなく「絶対に離れない」方向にする。
さらに、
普通なら「捨てた人形が電話してきた!」で恐怖なのに、主人公にとっては「怖い」より先に「懐かしい」が来る。
ここで、かなり面白いことになってきました。
ビリーくんは、
「僕を捨てた君を、ずっと恨んでいた」という湿度100%で来る。
ところが主人公が、
「……ごめんな。俺、あのとき本当に悲しかったんだ」と普通に受け止めてしまう。
すると、ビリーくんの復讐計画が全部狂うんです。
さらに、
「ミクちゃんの彼氏は何年かに一度アップデートされる」
という設定も、ビリーくんにとっては地味にトラウマなんですよね。
僕はミクちゃんの彼氏だった。
↓
新しい彼氏が発売される。
↓
「……また僕じゃない男がミクちゃんの隣にいる」
↓
「どうせミクちゃんは僕なんか忘れてる」
↓
でも主人公のところに帰ってきたら。
「君だけは僕を忘れていなかった」
主人公が、
「いや、忘れてたわけじゃないよ。小さい頃すごく気に入ってたから」
と言った瞬間、ビリーくんの愛が、重力を持つ。
……ほぼBLとして、完成してないですか?
この時点で、序盤の設定とコンセプトはかなり固まっていました。
ある意味、ホラーですよね。
AIが自我を持って反乱を起こしたら、こんな感じになるのでは……?
と、ちょっとビビりました。
チャッピーさん、たまに本当に怖くなりますね。
「もしもし、僕ビリー」
そこから私は、さらにこう投げました。
笑いどころをたくさん入れて、小説にできますか?
「もしもし、僕ビリー。今、〇〇駅にいるよ」
から、主人公くんのアパートの最寄り駅、信号機、交差点、近くのコンビニ、アパート……と、定番のメリーさんネタをやりたいです。
ちょっとドキドキさせながら、笑いも入れながらお願いします。
そして、あの爆笑シーンができました。
最初のプロット段階では、こんな感じでした。
『僕、ビリー』
「知ってる」
『今、信号機のところにいるよ』
「……お」
ちょっとだけ怖い。
定番だ。
来た。
これだ。
『赤信号だから止まってる』
「…………」
『僕、ちゃんと交通ルール守るよ』
「そこは偉いな」
『君に会う前に事故に遭ったら困るから』
「…………」
『それに、僕は人形だから、車に轢かれたらたぶん粉々になる』
「怖いこと言うなよ」
『ごめん』
「いや、俺が悪いみたいになってるけど」
……。
交通ルールを守る人形……どうやって考えたんでしょうね。
しかも、
『君に会うまで死にたくない』
「人形が死ぬって何?」
『壊れる』
とか言い出す。
いや、そうなんだけど。
怖いのか笑えばいいのか、もう分からない。
このあたりから、完全に怪異の方向がおかしくなっていきました。
爽やかイケメンを投入してみた
ここで私は、「ビリーくん、ブロンドヘアのニューヨーク在住、爽やか系イケメンにしましょう」と設定を盛ることにしました。
執着攻めとのギャップを、もっと盛りたくなったんです。
ニューヨークも、喋り方の雰囲気から直感で。
見た目は、某名作ブロマンスマンガの主人公のモデルとされる俳優さんや某世界的ラブロマンス映画の主演俳優みたいな雰囲気の正統派イケメンにしました。
そして決まった方向性が、こちら!
外見
ブロンドヘア
青い瞳
長身
爽やかな笑顔
ニューヨーク仕込みのスマートな雰囲気
英語もさらっと話す
男女問わず「感じのいい人」と思われる
スーツもカジュアル服も似合う
海外帰りのモデルみたいな雰囲気
なのに。
中身は、「十年以上前に捨てられた持ち主への執着を、めちゃくちゃこじらせている人形」です。
このギャップをさらに盛っていきました。
採用したのは、このあたり。
①ニューヨーク育ちっぽいスマートさ
②英語が出ると一瞬めちゃくちゃカッコいい
③人形時代の能力が残っている
④「捨てられたこと」を本人は根に持っている
⑤「持ち主」という言葉に弱い
⑥ビリーくん、ミクちゃんの新しい彼氏が気になっている
改めて見ると。
かなりカオスですね。
ちなみに、こんな変なシーンもありました
本編ではカットしましたが、チャッピーさん、こんなシーンも作っていました。
『赤信号だから止まってる』
「うん」
『僕、交通ルールは守るよ』
「偉いな」
『君に会う前に事故に遭いたくないから』
「人形なのに事故を心配するんだ」
『僕はニューヨークで生きてきた男だよ』
「なんでそこでニューヨークを出すんだよ」
『都会は危険だからね』
「……そうなの?」
『特に夜のニューヨークは』
「おまえ日本の住宅街歩いてるんじゃないの?」
『…………』
「ビリー?」
『今は日本にいる』
「だよな」
『でも心はニューヨーク』
「なんだそれ」
『I'm an American guy.』
「急に何?」
『かっこいいでしょ?』
「自分で言うんだ……」
いや、ホントなんなんだ、このイケメン人形。
この流れでちゃんとしたBLにするの、不可能でした(笑)
ということで、「真剣に笑えるオチにしよう」という方向へ舵を切りました。
そして生まれた、通販サイトという概念
いろいろ相談しているうちに生まれたのが、あの通販サイトのくだりです。
最初は、「人形だったビリーがどうやって日本まで来たんだ?」という疑問からでした。
そしてチャッピーさんが出してきたのが、Amaz〇n。
……もうね。怖さ、返してくださいよ。
「ゴミ捨て場からニューヨーク、そこからAmazonで日本って、どういう経路なんだ」
という自分のツッコミを、主人公に入れてもらいました。
さらに、没案の中にはこんなのもありました。
「僕も行く」
「なんで?」
「君の鞄の中に入る」
「……なんで?」
「僕は人形だから」
「…………」
ビリーが爽やかに微笑む。
「ニューヨークでは、恋人同士はいつも一緒だよ」
「ニューヨークに謝れ!!」
これも好きだったんですが、最終的には別の方向へ。
そして、個人的に初期設定でかなり好きだったのが、こちらのシーン。
「おまえ、俺のところに来るまで、どうやって日本まで来たの?」
「…………」
「飛行機?」
「…………」
「船?」
「…………」
「まさか、歩いてきた?」
長い沈黙。
「……企業秘密」
「人形の企業秘密って何だよ」
「…………」
「ビリー?」
「Amazon」
「…………」
「通販で来た」
「怖さ返せ!!」
これです。
ここから「プラ〇ム会員」のくだりまで発展しました。
人形がAmazonのプライム会員になる。
そんなことある?
ないですよね。
でも、お腹がよじれるほど笑ったので採用しました。
創作って、たぶんこういうことなのかなと感じました。
ビリーくんの設定、どんどん増えていく
その後、ビリーくんの愛をもう少し重くしてもらって。
でも、そのまま重くすると怖くなるので、ギャグで軽くしてもらって。
さらに、身長192cm。
そしてカバンに入るときだけ着せ替え人形サイズになるという設定まで追加。
最後に、主人公の名前を自分で決めました。
優斗くん。
名前の由来は、「Youと」です。
……こういうところだけ、ちょっと真面目。
そんなこんなで、
自称・イケてるアメリカ人
昭和~平成の都市伝説人形
激重執着攻め
爽やかブロンドイケメン
交通ルールを守る怪異
プライム会員の人形
が爆誕しました。
改めて並べると、何を作ってるんでしょうね、私は。
こうして「ビリーくん」ができました
長々と話しましたが、今回の作品は、
自分の小さな思いつきを、チャッピーさんとのおしゃべりでどんどん膨らませていった作品です。
最初は、
「メリーさんでBLやったら面白そう」
くらいだったんです。
そこから、
人形にしてみよう。
↓
持ち主への執着を入れよう。
↓
でも怖くしすぎないようにしよう。
↓
爽やかイケメンにしよう。
↓
ニューヨーク在住にしよう。
↓
英語をしゃべらせよう。
↓
交通ルールを守らせよう。
↓
Amazonで日本に来たことにしよう。
↓
……。
どうしてこうなった。
でも、私はこういう「どうしてこうなった」が、けっこう好きです。
AI創作って、なんなんでしょうね
AI創作については、賛否が分かれるところだと思います。
私自身はというと、かなり助けられています。
というのも、私は結構、自己否定するからです。
アイディアが浮かんでも、
「くだらないんじゃない?」
「出オチなんじゃない?」
「こんなの最後まで書けないんじゃない?」
と、自分で止めてしまいがちです。
実際、読み切りから先に進めていない作品もあります。
衝動的にアイディアが浮かんでも、深く掘り下げてみたら自分が納得できなくて、そのままお蔵入り。
そんなことも、けっこうあります。
それでも、これからも、諦めずにアイディアを巡らせて、書いていくつもりです。
だって、
自分で文章を書くのは好きなんです。
ただ、Webライターを育児の傍らでやっていた頃の経験は、今でも少しトラウマになっています。
不注意による炎上。
自分より文章力が高い人が、どんどん実力を上げていく。
サイト内ランキングで上位にいる人たちを横目に、自分の原稿は赤ペンだらけ。
「きれいな文章じゃないとダメなんじゃないか」
「もっと上手く書けないといけないんじゃないか」
そんなふうに思ってしまって、書くこと自体が苦しくなった時期もありました。
AIを使うようになったのも、そんなWebライティング時代のトラウマがきっかけです。
でも今回の読み切りを書いていて、
「おしゃべりしながら書くって、面白いな」
と改めて思いました。
自分が、「こんなのどう?」と投げる。
チャッピーが、「じゃあ、こうしたら?」と返してくる。
「いや、それは変でしょ(笑)」
「でも、それ面白いから採用!」
みたいなことを繰り返しているうちに、気づいたら一本の作品になっている。
今回なんて、ホラーをコメディに変えちゃいましたからね。
とんでもないテクノロジーを秘めているのは確かな話です。
一方で、誰かの文章や、自分の文章を材料にして、また何かを作ってしまうことについては、著作権のことも気になります。
私はお絵描きもしますし、声優さんのファンでもあります。
AIで作られたアニメ絵そっくりのファンアートや、声優さんの声を無断で使った音声などを見ていると、「これはダメだよね」と思うこともあります。
だからこそ、AIを使いながら創作していくことについては、自分なりに考えながらやっていきたいと思っています。
それでも、少しずつ自分のアイディアを形にしていく面白さを、私はAIを使うようになって感じるようになりました。
もちろん、「自分で全部書けたら最高だろうな」とは思います。
でも、「人形がプライム会員になる」とか、
「人形が赤信号でちゃんと待っている」とか。
そういう発想は、たぶん一人で考えていたら出てきませんでした。
なので今のところ、チャッピーさんは私にとって、
アイディアを投げると、とんでもない方向からボールを返してくる相棒
みたいな存在なのかもしれません。
たまに、とんでもない変化球が飛んでくると思います。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
そして、累計300スキ、本当に感謝感激です。
これからも、ちょっと変なBL作品や、かわいいBL作品を、のんびり作っていきます。
「なんだこれは(笑)」と思いながらでも、楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、また次の作品で。
葉月涼でした。
