メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byoddhouse

チキン南蛮のタルタルソースは魔性の調味料だと思う

     わたしはチキン南蛮が大好きなのですが、どこが好きなのかというと、これでもかとタルタルソースを堪能できる点にあると思います。

     タルタルソースとは、マヨネーズベースにいろいろな食材をみじん切りにして混ぜたソースのことです。具材は、玉ねぎ、きゅうりのピクルス、ケッパー、オリーブ、ゆで卵、パセリなどなど。似たソースを挙げるなら、レムラード・ソースに少し似ています。出来合いのものも売っていますが、ご家庭で作っているというところもあるでしょう。カキフライ、エビフライ、フィッシュ・アンド・チップスなど、主に揚げ物のパートナーといえます。

     ソース類は揚げ物の風味を引き立てるという役割を果たしますが、日本のタルタルソースは卵が入っていることからもわかるように、決して添え物ではありません。料理によっては、最後にタルタルソースが加わることですべてが完成します。チキン南蛮はその代表例ですね。

     一般的なソースは多少残ったとしても、そのまま食べようとは思いませんが、タルタルソースは食材だけでもいただきたくなります。「もったいない!」と思ってしまうのです。わたしはタルタルソースはただのソースではなく、料理の一部として捉えている部分があります。(さすがにソースだけではいただきませんが)

     少量ではなく、惜しげもなく、チキン南蛮が浸かるくらいにかかっていると、わたしは「わかっているなあ!!」と店主に握手を求めたくなります。そうなんです。チキン南蛮におけるタルタルソースは我慢して少量をいただくのではなく、思いっきりかかっていないと不完全燃焼感があります。甘酢ダレに漬け込まれたチキンに、たっぷりのタルタルソースが加わることで、口の中では絶妙なハーモニーが奏でられていくのです。それは、名だたるクラシックの名曲たちも敵わないほど、素晴らしいものといえます。

     チキン南蛮といえば、宮崎県発祥の郷土料理として有名ですけども、今ではすっかり全国区になりました。もちろん現地の作り方に則ったものもいただきましたし、チェーン店をはじめ、さまざまな洋食店でいただいたこともあります。結局、どれを食べても「美味しい」には変わりありません。四国ではオーロラソースでいただく地域もあるようで、なかなか興味深い発見でした。

     とはいえ、やっぱり、昔ながらのタルタルソースでいただくチキン南蛮は、ずっと食べ慣れてきたからこそ、その風味に安心感があります。戦後生まれの比較的新しい料理ですが、わたしにとっては、生まれる前からある料理なので、伝統的な料理のひとつ。

     丁寧に作り込まれたタルタルソースと共に、この夏もチキン南蛮を楽しみたいと思います。

     2026.7.7
     坂岡 優

     
     

    Yuu

     
     
    兵庫県在住の25歳。青春と怪獣の表現者。詩や小説、エッセイを紡いでいます。音楽、映画、ウルトラマン、THE ALFEE、野球とモータースポーツが大好きです。大阪音楽大学卒業。作品タグは「#優の惑星」です。ご感想・ご依頼はyuusakaoka@gmail.comまでお願いします。

    あなたへのおすすめ