
地元が嫌いだった私が、地元の魅力を語る。
「福島なんて何もない。」
「早く東京へ行きたい。」
高校生だった頃の私は、毎日のようにそう思っていた。
正直、地元が好きではなかった。
遊ぶ場所もないし、電車やバスは1時間に1本くらい。
見渡せば山と川、畑ばかりで、夜は真っ暗闇になる。
都会みたいな夜景もないし、とにかく刺激が足りなかった。
そんな私はたまに行く仙台が楽しかった。
当時は早くここから出たい。
そればかり考えていた。
そんな私も、大学進学を機に上京した。
それはずっと憧れていた「理想の生活」だった。
電車は数分おきに来るし、夜は明るいし。
街は常に人で溢れていて、活気に満ち溢れている。
ひとつ夢が叶って、少し浮かれていたと思う。
あれから数年。
気づけば私はちゃんとした東京都民となり、”普通の東京の人”になりつつある。
そして、地元に帰るとどこか部外者のように感じることさえある。
そんな私が今、思うことがある。
「福島ってこんなところだったんだ」
「いいところも、ちゃんとあったんだ」
そう言葉で伝えてみたくなった。
どこまでも広がる水平線|相馬の青い海


私が子どもの頃、頻繁に訪れていた相馬の海。
2011年の大震災によって大きな被害を受けてしまった場所でもある。それでもあの青さと、静かな波の音は、今も変わらず心に残っている。
観光地みたいな派手さはないけれど、余計なものがない。
それが魅力なんだと思う。
だからこそ、心が穏やかになる。
都会の喧騒を忘れたい時、リフレッシュしたい時に訪れたい場所だ。

山々のグラデーション|会津の紅葉


秋になると、山が色づく。
そんな当たり前のことなのに、ここまで心を打たれたのは、上京してからだった。
赤や黄色、オレンジ。
いくつもの色が重なって、ゆっくりと景色も心も変えていく。
福島にいた頃の私は、それを「当たり前」として見過ごしていたように感じる。ちゃんと見ようとすらしていなかったのかもしれない。
でも今は視点が変わった。
あれは特別なもので、一瞬で終わる「秋の贅沢」だった。
こんなに美しいものがすぐそばにあることに気づけなかった自分を、少し恥ずかしく思う。
真っ白に染まる世界|福島の雪景色



寒い冬の朝。
カーテンを開けると世界が真っ白に染まっている。
寒いし、足場も悪いし、外に出るのも億劫になる。
でも上京して、雪の降らない東京に少し寂しさも感じた。
あの景色を、少しだけ恋しく思うようになった。
帰省した時、真っ白な世界を見ると心が洗われるような、そんな気がした。
あの白さは、空っぽじゃなくて、心を満たすためのもだった。
大嫌いだった福島の冬が、そう教えてくれた。
最後に
地元が嫌いだった理由は、「何もないから」だと思っていた。
でも本当は、違った。
上京して初めて気づいた福島の良さがたくさんあった。
福島には、派手じゃないけど、キラキラもしていないけれど、ただ穏やかに佇んでいるものがたくさんある。
それらが何より美しいものだと気づくことができた。
私はそれをずっと見逃していた。
今ではそれを勿体ないと思えるようになった。
だからもしよければ、
「何もないけど癒される場所」と思ってこの土地に、
一度だけ足を運んでみてほしい。
きっと、あなたの中に、何かが静かに残るはずだから。