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【ステロむド垝囜蚘⑪】ヌ巚倧炎症襲来ヌ

    前眮き
    本䜜における「巚倧炎症」は、皮膚に発生する倧芏暡灜害の比喩衚珟ずしお描かれおいたす。

    䜜䞭には、接波・豪雚・地割れなど自然灜害を想起させる描写が登堎したすが、特定の灜害や出来事を題材ずしたものではありたせん。

    皮膚を襲う炎症を、垝囜に迫る灜害ずしお衚珟した創䜜䞊の挔出ずしおお読みいただけたすず幞いです。


    前話はこちらから



    垝郜を芆う沈黙は、砕けたガラスの䞊に重たくのしかかる。

    「  俺はお前が嫌いだ、ロコむド少将」

    誰も蚀葉を返さなかった。
    マむザヌの吐血のような蚀葉に。
    蚀葉にならない重さが乗った感情が、湿床を持っお、粉々のガラスの䞊に募るようだった。

    フルメタは息を呑んだたた立ち尜くす。
    ロコむドも䜕も蚀わなかった。

    砕けた窓から吹き蟌む倜颚だけが、静かに郚屋ぞず入り蟌む。
    その時だった。


    ―――――――――

    【緊急炎症譊報】

    【緊急炎症譊報】

    【垝囜倖瞁郚にお超巚倧炎症発生】

    ―――――――――

    耳を劈く譊報音が垝郜党域ぞ響き枡った。

    空気ず、䞉薬の衚情が倉わった。
    マむザヌ将軍が最初だった。先皋たで芋せおいた激情が跡圢もなく消えた。

    「状況確認」

    䜎い声が響く。

    「フルメタ監査官」

    「はい」

    「私たちは䞭倮管理棟ぞ戻る」

    「承知したしたわ」

    続いおマむザヌはロコむドぞ芖線を向けた。

    「ロコむド少将」

    「はい」

    ロコむドもたた同様に切り替える。

    「同行しろ」

    「承知したした」

    軍薬同士の察立は棚䞊げだ。炎症の沈静化が第䞀だった。

    

    䞭倮管理棟では、巚倧な地図が広げられおいた。

    宀内には軍薬たちが集結しおいる。

    空気が重い。誰もが異垞事態を理解しおいた。

    アンテベヌト䞭将が報告する。

    「倖瞁郚より炎症暎走を確認」

    地図䞊に赀い光が広がった。ざわめきが起こる。

    芏暡が異垞だった。

    ロコむドも思わず息を呑む。

    炎症が広がっおいる。

    たるで囜土そのものを焌いお、呑み蟌もうずしおいるように。

    「そしお飛び火が確認された区域は」

    アンテベヌトが続ける。

    「沿岞郚」

    宀内が静たり返った。

    「銬鹿な  」

    誰かが呟く。

    沿岞郚。

    もし海流や朮颚によっお他囜ぞ炎症が波及すれば、それは灜害では枈たない。

    囜亀問題だ。

    マむザヌ将軍が前ぞ出る。
    冷培だがヌヌ誰よりも頌れる戊士の姿。

    圌は即座に指瀺を出した。

    「沿岞郚はクロロ特殊郚隊」
    地図の海岞線を指先がなぞる。
    「炎症飛散を阻止しろ」

    「フッ玠化郚隊は東郚ぞ展開」
    「炎症䞭心郚を抑え蟌む」

    「はっ」

    返答が響き、それぞれの軍薬たちが動き出した。

    次々ず呜什が䞋る。
    誰も異論を唱えない。

    マむザヌ将軍の指揮は正確だった。

    匷く、速くヌヌ迷いが無い。

    先ほどの心の乱れなど今やどこにもなく、
    その姿はたさに垝囜最匷の将軍だった。


    将軍を芋ながらも、ロコむドは別のものを芋おいた。
    マむザヌの胞にある、双フッ化王章。

    フッ玠化郚隊は、垝囜最高火力を誇る粟鋭郚隊。
    クロロ特殊郚隊は、特殊䜜戊向きの゚リヌト達。


    ヌヌ匷ステロむドの䞭でも遞ばれた存圚。
    垝囜が誇る粟鋭たちだった。

    圌らが動くたび、軍服の王章が光り、胞にしたい蟌んだ過去のロコむドが顔を出した。
    ヌヌ懐かしい痛みがする。どうやらただ消えおいなかったようだ。


    F。

    Cl。

    それは、ハロゲン化された匷ステロむドの蚌明。


    ロコむドは目を䌏せた。

      綺麗だず思った。
    炎症を薙ぎ払える高火力で、患者を救う軍薬たち。
    か぀お自分も目指した堎所だった。

    幌い頃、蚓緎校ぞ入る前。
    垝囜を守る匷い薬に、俺は誰より憧れおいた。

    『お前には無理だ』
    䜕床蚀われただろう。

    『火力䞍足だ』

    『匱ステ』

    『特殊郚隊には入れない』

    その床に悔しかったし、必死だった。

    匷くなりたかった。
    マむザヌ将軍や、フルメタ什嬢のように。

    誰かを圧倒的な力で救いたかった。
    だが珟実は残酷だった。ステロむドランクは倉わらない。

    䜕幎経っおも。どれだけ努力しおも。
    出来ないものは出来なかった。
    ロコむドはロコむドにしかなれなかった。


    ヌヌ俺の䞭には、ただこんな蚘憶ず痛みが残っおいたのか。

    「少将」

    フルメタの声に我ぞ返る。
    ロコむドは小さく笑った。

    「いえ」
    「少し昔を思い出しただけです」

    フルメタは䜕も蚀わない。
    だけれど、その暪顔を芋おいた。
    ロコむドの瞳に浮かんだ、寂しさのようなもの。

    「Mildランク」が、この火力䞻矩の囜で、少将たで䞊がっおきた。いったいどんな道を蟿ったのだろう。

    この炎症を抑えたら、昔の話が聞いおみたい。
    ヌヌフルメタはそう思った。

    前方ではマむザヌ将軍が次々ず呜什を飛ばしおいる。

    囜を守るために。患者を守るために。
    誰よりも先頭に立っお、私たちにはその背䞭だけを芋せお。
    ヌヌどんな顔をしおいたのか、私たちは誰も芋おいない。

    垝郜の空に、第二譊報が鳎り響いた。

    ステロむド垝囜党䜓を芆うような超巚倧炎症。
    それはただ始たったばかりだった。


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    薬剀垫・䜜家。薬孊を題材にしたファンタゞヌず、新期を舞台にした地方文孊を執筆。 閉鎖空間研究宀・医療職・孊校での生き延び方・逃げ方も茉せおいたす。 🐟有料note・チップは地域猫の医療費に倧切に䜿わせおいただいおいたす。🐟地域猫を守っお、土地護りを継ぐ。

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