メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【ステロむド垝囜蚘⑀】匱ステロむド狩り

    第䞀塗垃はこちらから



    「ロコむド少将」

    倕暮れの終わり際。
    垝郜からの䌝什がやっおきた。

    「垰還呜什です」

    ロコむドは癜い封曞を受け取り、小さく息を吐く。
    もう少し、この区画に居たかった、ずいうのが正盎なロコむドの気持ちだった。


    フルメタ什嬢は、先に来た䌝什を受け、既に垝郜ぞ戻っおいた。

    本圓なら、あず数週間くらいは滞圚するず思っおいた。芖察ずいう名目で始たった滞圚だったが、什嬢は思った以䞊に真面目だった。

    䜏民の話を聞き。
    保湿剀たちの仕事を芋お。
    倜の区画たで歩いおいた。

    盞倉わらず口は悪かったけれど。

    「少将」
    「いえ」

    なんでもありたせん。

    そう答えながら、少しだけ寂しかった。
    銎染みになった䜏民や保湿剀ず離れるこずもそうだけれど、もう少しだけ、フルメタ什嬢ず䞀緒にこの区画を歩いおみたかったらしい。

    

    出発は翌日の倕刻だった。保湿剀たちぞ簡単な匕き継ぎを枈たせおいるず、

    「ロコむドさん、たた来おくれる」
    子䟛が軍服の袖を匕っ匵った。

    「ええ」
    ロコむドはしゃがみ蟌み、目線を合わせた。

    「たた来たすよ」
    ヌヌ今床はもっず平和になっおいるずいいですね。

    子䟛はたるで小さな倪陜のように笑っおくれた。
    ロコむドの胞の䞭に枩もりが広がっおいくのを感じた。

    守った地区の子䟛たちは、戊堎では埗られない力をい぀も䞎えおくれた。

    

    垝郜ぞの垰路は久しぶりの䞀人だった。
    あの枩かな保湿剀も䜏民もいない。

    戻りたくないな、ず内心思いながら銬で走らせおいた。

    ここは毛根密集地垯。
    発毛剀や育毛剀の広告塔が䞊ぶ区域だ。

    冷たい倜颚が吹いおいた。

    もうすぐ垝郜に぀く。
    だけど郜が近いずいうのに、少し静かすぎる。

    ロコむドは足を止めた。

    違和感。軜傷地区ず蚀えど、戊堎で生きおきた勘が䜕かを告げおいる。


    「芋぀けたぞ」
    ステロむド火球が飛んだ。

    声がする前にロコむドは避けおいた。

    「匱ステ少将」
    「保湿剀の仲間だ」
    「垝囜の恥さらしが」

    若い声だった。薬か。

    振り返るず、若い匷ステロむド兵だった。
    メサデルム軟膏ずボアラ軟膏。あずは新兵だろう。

    ステロむドランクはストロング。
    私より䞀段階匷いが、若かった。
    蚓緎校を出お間もない幎霢だろう。

    瞳だけが劙に熱く、その瞳には芋芚えがあった。
    垝郜で嫌ずいうほど芋おきた眞。

    ヌヌ『正矩』を信じおいる眞だ。


    ロコむドは静かに息を吐いた。
    「匱ステ」狩りか。久しぶりですね。


    「抵抗するなよ」
    「少し教育しおやるだけだ」

    若い兵士たちは笑った。
    その悪蟣な笑みでは「正矩」なんお語れないですよ、
    ロコむドは鏡でも持ち出しお芋せおやりたかったが、あいにく手持ちに鏡はなかった。

    ロコむド少将は若い兵士たちを芋据える。

    哀しいこずに、こういう手合いは初めおではない。
    匱ステにはしばし起こるこずだ。
    ロコむド少将がため息を぀いた瞬間、メサデルムからステロむド火球が飛んだ。

    ロコむドは回避する。
    毛根から爆炎が立ち昇った。

    火力は高くないが、地面が抉れる。
    いくらストロングランクずはいえ、毛根保護法違反だぞ。
    患者の毛根よりも、匱ステを狩るこずが倧切か。

    「逃がすな」ボアラが叫ぶ。

    若いな。
    ロコむドは内心でそう思っお苊笑する。

    次の瞬間、
    ロコむドはわざず䜓勢を厩したように芋せる。

    「もらった」
    今ずばかりにメサデルムが飛び蟌んできたから、ロコむドは半歩だけ身䜓を捻った。

    勢い䜙ったメサデルムはボアラぞ激突した。

    「ぐあっ」
    「䜕しおる」

    「お前が邪魔なんだろうが」

    若い兵士たちは互いに怒鳎り合った。
    ロコむドは小さく息を吐く。

    「ほんずうに若いですね」
    その䞀蚀が聞こえたのだろう。

    ボアラ軟膏の顔が真っ赀に染たった。

    「銬鹿にしたな」

    ステロむド火球が乱射され、毛根地垯の毛々が吹き飛んだ。

    「毛根保護より匱ステ狩りが倧切ですか  」
    䜕床目かのため息を぀いたら、
    たたステロむド火球が飛んだ。

    「逃がすな」「囲め」

    ロコむドは玠早く䜓毛のけもの道ぞ飛び蟌む。
    頬を掠めたステロむド匟が皮膚を裂いた。

    熱い。垂れた血から远っお来られないよう、ロコむドは乱暎に拭った。そしお先ぞず走る。


    ヌヌ勝おないわけではないけど、勝぀意味もないず思った。

    ここで戊えば隒ぎになる。
    䜏民も巻き蟌み、生えおいる毛にも負担がかかる。

    だから逃げる。
    䜕のために戊い、䜕を護りたいのか。
    私はそれを知っおいる。

    若い匷ステたちの怒号が倜ぞ響いおいた。
    どうやら䞊手く撒けたらしい。


    ロコむドは唇を噛む。そしお真倜䞭に昇る癜い月を芋䞊げた。

    ――什嬢。

    あの倜が脳裏をよぎった。
    保湿剀の仲間ず蚀いながら、私よりも自分のほうが傷぀いた衚情をしおいたフルメタ軟膏。


    ロコむド少将は目を䌏せお、
    自分を歓迎しおいない垝郜ぞず向かった。

    垝郜の灯が芋えおきた。
    倜に赀く燃える灯は、どこか䞍吉な炎症を思わせるようだった。





    #創䜜  
    #小説  
    #ファンタゞヌ  
    #ディストピア  
    #薬剀垫  
    #薬孊  
    #医療  
    #ステロむド  
    #おもしれヌ薬  
    #ステロむド垝囜蚘
    #お薬擬人化

     
     
    薬剀垫・䜜家。薬孊を題材にしたファンタゞヌず、新期を舞台にした地方文孊を執筆。 閉鎖空間研究宀・医療職・孊校での生き延び方・逃げ方も茉せおいたす。 🐟有料note・チップは地域猫の医療費に倧切に䜿わせおいただいおいたす。🐟地域猫を守っお、土地護りを継ぐ。

    あなたぞのおすすめ