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Photo byhirokisato_0114

あなたを忘れられない私の20年

    あなたの名前を見た時。

    時が止まって、息も止まり、


    「覚えてる?元気にしてた?」


    その言葉がやっとだったの。


    でも、一歩も動けなかった。


    最近、初めてギックリ腰をした。その時も動けなかった。

    20年の時間が経過してる。

    けれど動かない体という点は同じ。

    カフェのお会計で提示された社員証で珍しい名前。

    あなたしかいない。視線が上がらない。

    突然の驚きと気まずさと恐怖。でも今のあなたがどうしても気になる。20年経って、どんな風になっているのか。チラッと視線だけ上に向けて見たら、やっぱりあなたがいた。

    何にも気づいていないようで、アメリカーノをオーダーしたあなたにそれでさっき声をかけたけど、私がわからなかったようで不思議そうな、心当たりがない反応。


    「わからないの?だめだなぁ、⚪︎⚪︎」


    声が震えかけたけど、中学の頃と同じ話しかけ方をした。

    あなたは一瞬無意識に呼吸が止まり、言葉が出てこないような様子。

    下から上から私を見る。

    あまりの反応に、話しかけて失敗した。

    そう焦る気持ちが襲ってきた。

    思わず視線を下に向けた。


    「△△!?久しぶり、びっくりした!」


    思わず足元に落とした視線を、また上に向けると

    年齢を重ねてはいるけれど、

    中学の頃と変わらない、素敵なあなたがいた。

    何が変わらないって、なんて言っていいのかわからない。でも、そこにずっと気になっていたあなたが目の前にいたの。アメリカーノを

    直接渡せる距離に。ずっと待ってたの、この日が来たらって。と、焦る気持ちとワクワク、期待が込み上げると、あなたは


    「まさか、こんな風に話しかけられるとは思わなかったよ」 


    地元の公立中学校に入学したら、違う小学校から来た賑やかな子という印象で学年でよく目立っていたあなたがいた。いつからか気になってしょうがなかった。

    入学した年は、隣のクラスだったからいつも目で追いかけるだけしか出来ない。あなたは私の名前も知らないし、存在も知らない。

    その状況が変わったのは、二年生になった時のクラス替えで一緒になってから。


    (あ、一緒だ。でも何も変わらないで仲良くなることないだろうな。)


    最初から、諦めていた。人気者だったあなたの近くに滑りこむ隙なんてない。可愛さ控えめすぎる私に、振りむくことなんてない。

    しかし、席が隣になった。それで状況は変わった。気づいたら、しょっちゅう話していた。授業中でも。あの時間は、今でも思い出す。初めて学校生活が楽しくて仕方がなかった。


    「◎◎ちゃん、こっち終わったけど、そっちはどう?」

    いきなりの名前呼びに最初は息が止まった。でもなぜだか正直嬉しかった。他の女子には名字で呼ぶけど私はなぜか名前にちゃん呼び。わたしだけ。

    その喜びも一瞬、一部の女子のひんしゅくを買った。すれ違い際に私の背後をついてくる冷たい刺すような視線。そして、すれ違いぎわによくわからない咳払い。初めての経験。当時は針のむしろってこれ?と。


    でも、それって私が羨ましいんだ。


    そう思う優越感に浸る私がいた。まぁ、結局あなたが周りの女子の反応を知ったのか、すぐに名字読みに戻ったのは、修学旅行前だった。

    修学旅行は京都奈良。向かう新幹線の車内であなたと、あなたと仲の良い男子と話していても、女子に計算計算と言われていたらしい。でも、そんなのどうでも良かった。ずっと目で追いかけるだけしか出来なかった時に比べたら、話しかけれる距離で名前も覚えられているし、あなたからも話しかけられたりする。目が合えば、何?と返してくれる。

    こんなに距離が近くなると、毎日が楽しいとは思わなかった。あとみんなで炭酸入りジュースが当時だから500mlの缶。飲みきれない私のも「⚪︎⚪︎のなら、気にしないから、残すなら飲むよ」と言われたときは気にもしなかったが、しばらくしてからアレ?とは思ったりした。だから、期待した。もしかしてって。

    夏の花火大会。女友達と向かった。普段制服姿のみんなが私服姿だから、見れるのが楽しかった。


    もしかしたら、あなたにも会えるかな?

    どんな格好してるのかな?


    心の中で何度も思った。バレてるかもしれないけど、誰にも言っていないこの気持ち。


    会場についたら、沢山の人。その中にあなたがいた。どんなファッションをしているのかな?とドキドキしながら見ていたら、となりには、私とは正反対のド派手な格好をしている、ちゃん呼びされた時に私に冷たい刺すような視線を送ってきたコがいた。そのファッションは明らかに今日の花火大会のために用意したんだという気合いの入りようが伝わってくる。でも、なんであんな変な洋服なんだろう?浴衣でいいじゃん。もう目が離せなかった。


    しかし今度は、私が冷たい刺すような視線を送る番なの?

    今そんなことしたら、あなたに見られてしまうし、そんな余裕すらない。

    その夏の花火のように私の恋愛は終わった。


    その時から、私の心の中は一変した。


    中学の卒業式の日。卒業アルバムに書かれたあなたの携帯電話の番号とメールアドレス。当時同じキャリアではないとメッセージが送れなくて、仲の良かった友達と同じキャリアにするつもりだったのに、あなたと同じキャリアした。おかげでたまにだけど、あなたとメールが出来た。あなたは当時彼女とは別れたとのことで、私はまた嬉しくなってたまにするメールを何度も読み返してた。

    そんな高校、大学時代を過ごしていた約20年前

    ある日、突然あなたから珍しくお誘いのメールが来た。車の免許を取得したから、ドライブに行かないか?と。

    ものすごくドキドキと胸が高鳴った。

    私にもそんな事が起こるのかと。でも、断ってしまう勇気がない自分がいた。

    (たぶん、冗談かも。本気にしたら、冗談がわからないやつって思われるかも?)

    そう思ったら、嬉しいけど、また今度誘ってね。とメールを返していた私がいた。

    (とっても嬉しい。けど冗談というか社交辞令なのに本気にしたら、引かれるかも)

    もう臆病な私しかいない。

    でも、また珍しくあなたはメールで何度も誘ってくる。遠慮しないでと。

    さすがにここまで来ると、何だろう?と思って、誘いに乗った私がいた。


    その日の夜、私は引っ越していたので、私の近くのちょっと大きい駅から離れたところまでかあなたは車を運転して来てくれることになった。

    (もう同級生の運転で出かける年齢になったんだ)

    しみじみと時の長さを考えながら、待ち合わせ場所に一台車が止まっている。慣れないヒールを履いて、精一杯のおしゃれをしたけど精一杯のおしゃれをしたことを悟られたくない気持ちと慣れないナチュラルメイクで向かう。


    あの車にあなたがいる。


    諦めないでメールを続けていてよかった。

    ずっと前からまた会えるのを待っていた時が今なんだ。今までのやりとりは、無意味じゃなかったんだ。


    勇気を出して、車の窓をノックしてみる。


    なぜかびっくりしているあなたがいた。当たり前だけど、ちょっと大人になっているあなたに


    「久しぶり!びっくりする、お誘いありがとう」


    どう声かけていいのか、わからなかった。けど、ずっと待ちに待っていた瞬間。何度も妄想してたけど、ドキドキは止まらない。

    車の窓が下がる。さらに高まるドキドキ感。


    「びっくりしたー。久しぶり!」


    元気そうなあなたがいた。その後は、当たり前かもしれないけどドライブ。引っ越してしばらく行ってない地元をドライブした。

    通っていた中学はもちろん、花火大会だった会場とか。花火大会の会場だった場所に着いたときに


    「昔さ、⚪︎⚪︎くんが彼女と花火大会にいたの見て、びっくりしたよ」


    など、話をした。楽しい時間すぎて、この時間が終わらなければいいのに。この時間が終わるのが怖かった。あなたが運転する車に乗って夜のドライブ。しかも2人きりで、もちろん助手席。昔の思い出話や今のお互いの状況などを話して、こんな時間が来るなんて、自分でも信じられない。でも、それももうすぐ終わるのかな?と時間を考えると頭によぎる。

    そんなことを窓の外を眺めながら考えていたら、突然あなたがよくわからない暗い場所に車を止めた。何だろう?と不思議に思って、どうしたの?と暗い車内であなたの方を向くと、あなたは分かりやすくいうと手を出してきた。


    (私、一晩の遊び相手に選ばれただけだったの?)


    次から次へと、触れてくるあなたがいた。

    私の長い髪を褒めたと思ったら、頭を撫でてきた。段々と違和感ある距離感に、私はこれが現実かと。さっきまでの楽しい時間は、何だったんだろう。しかも、ここが何処だかわわからない。何処わかる目印を探そうと窓の外に視線を向けると、


    「ねぇ、こっち向いて」


    すごい近い距離。もう小さな声でも聞こえる。すごく離れたい気持ち。あんなにあなたに再会したかったけど…。

    俯きながら私は言う。


    「何もしない方が思い出は綺麗なままでいられるよ」


    その瞬間、あなたは分かりやすくハッとした顔をして


    「ごめん」


    すぐに車のハンドルを握りしめ、私を自宅近くまで送ってくれた。

    その後、あなたはずっとな寂しさを感じて過ごしていたこと。どうしていいのかわからなかった。本当に申し訳ない。と言ってきたので、私は本気で謝ってくれてるから気にしてないよ。だから、気にしないでいいよ。


    そう伝えたけど、それからあなたからの連絡はこなくなった。


    だから、今再会出来たのは信じられないの。

    あなたが注文したアメリカーノを用意する。

    でも不思議。あなたと視線が合わない。

    それでいて、あなたは横を向いて、こっちを見ない。


    なんで?


    エスプレッソが引かれる音が店内に響く。


    私、何かした?


    エスプレッソをエスプレッソマシーンにセットする


    「どうしたの?」


    エスプレッソの抽出をしながら、違和感。


    あなたに声をかけるけど、あなたのその態度に不安がよぎる。

    あんなに会いたかったけど、あなたを責めてしまうイメージ?印象を与えたくなくて、連絡を待ってたけど連絡した方がよかった?何度もmixiや facebook、Googleであなたの名前を検索しては何にも引っ掛からなかった。だから、ずっと前からこの時を待っていたのに…。


    ゆっくりとアメリカーノのカップにエスプレッソを注ぐ。


    後ろを向くあなたがいる。


    カップにお湯を注ぐエスプレッソマシーン。


    何と声をかければいいの?


    アメリカーノのカップに蓋をして、出来たと声をかけた


    「…あ、ありがとう。」


    視線を落として、逃げるように立ち去るあなた。



    私は、あの後も連絡したらよかったの?

    というか、この恋愛はもう終わっていたの?


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    色々なSNSなどを体験したくて、noteはじめました。 ちょっと手探りです。

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