
父と一緒に、ケアハウスを見にいった日|50代おひとりさまの介護
「空きが出ました」と連絡が入ったのは、
ちょうどゴールデンウィークに入る前のこと。
父はいま入院中で、
退院しても一人で生活するのはもう難しい。
それなら入院している
病院系列のケアハウスにお願いできたら。
そう思っていた矢先に空きの知らせが届いた。
見学には、父も一緒だった。
見学のあいだ父はずっとお金の話ばかりしていた。
「払っていけるんか」「貯金、足りるんか」と、
何度も同じことを口にする。
母がいた頃から、
お金のことはずっと母に任せきりだった人。
母が亡くなって私が引き継いでからも、
父は通帳の残高ひとつ把握していない。
だから不安なのはわかる、わかるけど。
いつもそう。
最初に出てくる言葉は自分の心配ばかり。
部屋は、まだ掃除中だった。
それでも、思っていたよりずっときれいで、
ふつうのワンルームマンションみたいな
印象だった。
広い窓にベランダもあって、
ちゃんと「生活する」ためのスペースが
そこにある。
病院の白くて静かな部屋とは、ぜんぜんちがう。
父も、ここは広いなあ〜
独り言のように言って見て回っていた。
スタッフの方の感じもよくて、
私は特に気になるところはなかった。
ただ入居までに用意するものが
思っていたより多くて、
あ、これも、これも、これもいるんだ、と
頭の中で数えながら、ちょっとくらっとした。
知らないことばかり。
見学を終えて、私は正直ホッとしていた。
次のことが、ひとつ決まった。
それだけのことなんだけど、
宙に浮いていた予定表に
ようやく一行書き込めたような気持ちだった。
父はまだお金のことを心配している。
私はこれから用意するものを
ひとつずつそろえていく。
それぞれの心配ごとを抱えながら、
それでも今日、
ひとつだけ前に進んだ日だったと思う。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
こういう日々のことを、
これからも少しずつ書いていきます。
よかったら、
また読みに来ていただけたら嬉しいです🌿