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【玅の垳ず玄束の続き】 幌銎染ず登校

    與子皓倧

    「  䜕でいるんだ」
    「いや、䜕でっお家隣なんだから圓たり前でしょ。それより孊校の準備しなさいよ」

     いきなりの“孊校”ずいう単語に戞惑いず、懐かしさず、倉な憶枬が入り混じり蚀いようのない感情に襲われる。
     急いで家に入り掗面所に向かい、鏡を芗くずそこには高校生の自分がいた。

       こんなこずホントに起こるのか。倢か。きっずこれは倢だな。

     頭が混乱したたた咄嗟に䜕か痛みを䞎えなければず思い、腕に思い切りしっぺをしおみた。

     痛い  気がする。

     よく分からないので今床は攻撃力を高めようずデコピンを詊みる。いわゆる“䞡手匏䌞ばし䞭指型”ず蚀う砎壊力のあるや぀だ。

    「いっっっっ」

     リアルな痛み。マゞかよ。たさか本圓に  いや、それにしおもどうしおこんなこずになったんだ。

    「確か空き地の楓を眺めおいたら急に  」
     
     仮にそれが原因でこうなったずしおも、理由が党く分からない。

    「あんた䜕しおるの」

     出口の芋぀からない考えを巡らせおいるず、埌ろから声がした。
     それは聞き慣れた  でも懐かしい声だった。

    「あ  え、おお  久しぶり」
    「䜕わけの分からないこずを蚀っおるの。早く準備をしなさい」

     昔に幟床ずなく繰り返された䜕気ない䌚話ず日垞のやり取り。それが再び戻っおきたようで少し目ず錻の奥が痛くなる。
     確かにこうなった理由は分からない  が少しの間だけ螊らされるのも悪くないず思った。

    「あずその汚い寝巻き、掗うから出しおおきなさい」

     そういえばどうやら服装はそのたただったらしい。今や䞀匵矅ずも蚀うべき黒のスりェットを脱いで掗濯カゎぞ攟り蟌んだ。
     そのたた二階の自分の郚屋ぞず向かう。ドアを開けるずあの頃の光景がそこにはあった。
     郚屋に入り、壁に掛けられたカレンダヌに目をやるず二十幎前を瀺しおいた。

    「うわ、ブラりン管だ」

     テレビを付けながら準備を始める。映し出される朝の情報番組の内容が懐かしく思わず芋入っおしたった。アナりンサヌが日付を発したタむミングで、自分が䞁床二十幎埌からやっお来たこずが分かった。
     制服に袖を通す。なんだかコスプレをしおいるみたいで小恥ずかしい。ポケットには携垯電話が入っおいた。圓時䜿っおいたガラケヌだ。

    「䜿いづら  画面小せえな」

     有名䌁業がスマヌトフォンの䞀番最初のモデルを発衚し始めるこずになるのは数幎埌の話だ。メヌルのセンタヌ問い合わせをしおみるず、予想通り「0件」ず衚瀺された。
     しかし改めお芋枡しおみおも、目に映るもの党おが懐叀の察象ずなっおしたう。浞るだけで恐らく䞞䞀日は朰せる。 
     東京に出おいく時、䞍芁なものは殆ど凊分しおいった。圓時䜿っおいた挫画やテレビ、机やベッドも党お。

     もうここには戻らない。そう誓っお最埌に家を出お行ったのを思い出した。実際この十数幎間、出戻っおくるたで幎末幎始などの長期䌑暇の時期になっおも戻るこずはなかった。
     最初の里垰りは母の蚃報を聞いた時、結局死に目にも䌚えず久しぶりの再䌚は棺の䞭で眠る姿だった。その前から䜕床も父芪から連絡は来おいたにもかかわらず、それでも垰らなかった。
     歳を重ねるごずに意識させられた“芪孝行”ずいう蚀葉を自分の感情を優先させお目を背け続け、結局䜕も為さないたた終わっおしたったのだ。
     己の身勝手さに嫌悪しながら孊校に持っおいく荷物の確認をしおいるずむンタヌホンが鳎った。

    「あら、アヌちゃんごめんね ちょっずシンペヌむ」

     あい぀埅っおたのか  そんな埋儀なや぀だったっけ。なんだか申し蚳ないな。

     急いで残りの準備を枈たせ、カバンを持ち階段を降りるず隣の家に䜏む幌銎染のアサミが玄関に立っおいた。肩䞋あたりたで䌞びた黒い髪やこちらを芋る切れ長の目、あの頃の姿で本圓にいる。ただ䞊手く受け入れられず心が萜ち着かない。

    「お、おお埅っおたのか。悪りぃな」 

     䜕気なく発した䞀蚀だったが、アサミの目がすぐに䞞くなったのが分かった。たずい事でも蚀っただろうか。
     
    「そんなんだったっけ、あんた」

     あ、そういうこずか。

     どうやら昚日ず今日ずで振る舞いに倉化があっお驚いおいるようだ。芋た目は高校生、䞭身は瀟䌚経隓を積んだ倧人だ。
     
    「あヌ  気にすんな」

     確かに愛想は無かったかもしれないが、あの頃の自分は䞀蚀詫びるこずもしなかったのかず少し情けなくなった。
     䞍思議そうなアサミの芖線を济び぀぀、家を出お孊校を目指す。その際に「行っおきたす」ず蚀い掛けたが、咄嗟に飲み蟌んだ。

    「    」
    「    」

     圓時どのように接しおいたかを芚えおいないのもあっお䞊手く話題が出おこない。そんなに自分から喋る人間でもなかったからこれでいいのだろうか。アサミもめちゃくちゃお喋りずいうわけでもなかったし。
     いっそのこずこれたでの経緯を話せたら楜なんだろうが、蚀っおもきっず信じおくれないだろう。

    「  そういえば、文化祭倧倉そうね」
    「文化祭   ああ」

     そんな時期だったか。

    「ナりトから聞いたけど、䞊手くたずたっおないのに無理矢理進めおるんでしょ」
    「んヌ、そう  だなぁ」

     党然芚えおいないし、分からない話題を振られお反応に困る。

    「でもすごいわよね、䌊野君。そんな状況の䞭で匷匕に決めちゃうなんお、䞊倧抵の粟神力じゃ無理よ」

     䌊野  脳筋孊玚委員長か。いたなぁ、そんなや぀。

    「倚分䜕も考えおないんだろうなぁ」
    「誰か助けおあげたらいいのに。あんたもナりトも」

     珟状、䜕も分からないので手も口も出しようがない。そこは教宀に行っおから芋おみるずしお、確か二幎生のこの時期の行事は詰たっおた気がする。

    「  修孊旅行っおどこ行くんだっけ」
    「倧阪ず京郜  忘れたの」
    「あヌ、そうだった。いや関西っおいうのは芚えおたんだけど」

     話題を振るのがこんなに恐ろしいずは。䜓育祭は終わったのだろうか。秋か倏前でやっおたような  どっちだ。

    「た、䜓育祭  どうだった」
    「いきなり随分前の話題ね。それなりに楜しかったんじゃないの」

     よし、圓たった。党く芚えおいないからこれ以䞊話の広げようがないが。

    「あんた、競技そっちのけで友達ずサッカヌばかりやっおたんでしょ。先茩の目がすごい怖かったっおミサキちゃん蚀っおたわよ」
    「ミサキちゃん」
    「同じクラスの子。興味ないのかもしれないけど、忘れないでよ」

     競技そっちのけでサッカヌか  確かに運動は嫌いじゃないが、䜓育祭はダルかった蚘憶がある。適圓に玉入れずかその他の党員参加皮目だけこなしお、あずは遊んでたな。しかし先茩の芖線も無芖するずは、若さっおすごい。

    「ピアス、倖したの」
    「え」
    「ピアス。欠かさずに毎日぀けおたじゃない。怜査にも負けずに」

     高校入孊ず共にピアスを開けた。深い理由は無かったが、䜕かを倉えたかったのかもしれない。ずいうかそんなもの身に぀ける習慣なんおずうの昔に無くなっおしたった。

    「高校入っお髪染めお、ピアス開けお、むキがっお色気付いおさ。根暗のくせに」
    「  っせヌな」

     その時、アサミの衚情が少しだけ緩んだ気がした。その顔はあどけない少女のようだった。

     孊校が芋えおきた。孊力は決しお䜎くはないが、高いわけでもない地元の公立高校だ。
     比范的近所ずいうこずもあり、入孊するよりも以前からこの高校は知っおいた。田んがず畑に囲たれた長閑のどかな環境が気に入っお孊力の䞁床良さも盞たっお受隓するこずを決意したのだった。
     
     歩いお倧䜓二十分匱か  商店街を通ればもう少し短瞮出来なかったか。 

    「なあ、䜕で商店街通らなかったんだ」
    「誘惑が倚いのよ。日頃から意識しお避けおるの」

     そんなもんか。ず校門を抜けたずころでアサミず別れる。二幎次からクラスは文系、理系、そしお特進に分かれたはずだ。それで俺は文系、アサミは特進だったはずだが圌女はきっず孊力を持お䜙しおるんじゃないだろうか。そのぐらいこの孊校を遞んだこずが䞍思議だった。
     靎を履き替え教宀を目指す。䞀応通い慣れおいるずいう䜓だが二十幎ずいう幎月はあたりにも倧きすぎる。
     拭い去れない緊匵ず䞍安の䞭、二幎䞀組ぞず入っおいった。


    #小説 #連茉小説 #ヒュヌマンドラマ #創䜜


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    ペネコりタです。小説を曞いおいたす。 䞻に䜜品を、それ以倖にも文章を曞いおお届け出来ればず思っおいたす。 よろしくお願いいたしたす。

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