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【完結枈】䞃拍子的な同行者「虹行きの切笊」ep.3

    「どきどきしたすね。」

    ──䜕がだ。

    俺はむダホンの絡たりをほどき぀぀、目の前の特異点的な男を睚み぀けた。
    奎は車窓に額を抌し付けお、流れおいく景色に目を茝かせおいる。
    通路を挟んだボックス垭では、五歳くらいの男の子がこい぀ず党く同じ姿勢で窓の倖を眺めおいる。

    八王子で䞭倮本線に乗り換えおから、ずっずこの調子だ。

    「はあ  」
    俺は眉間を揉んだ。
    「あ、α波」
    奎は俺の額に人差し指を圓おた。
    「なんだよ  」
    特異点はい぀も、、、のように笑い、そしおたた流れる景色に倢䞭になるのだった。

    「はい、ほどけた。」
    「い぀も申し蚳ないです。ありがずうございたす。」
    絡たりをほどいおも、むダホンコヌドはむンスタント麺の劂く瞮れたたただ。

    「なあ、怋りょう。」
    「はい。」
    「今幎に入っおから䜕回、買い替えた」
    「ええず  」
    目の前には、文字通り頭を抱える、、、、、奎がいる。
    髪をわしゃわしゃず掻き回し、䞀、二、ず蚘憶を手繰っおいるらしい。

    「䞃回。」
    「な  䞃回  」
    俺は頷いた。
    その拍子にセットした前髪が厩れた。

    「虹の色の数ほど、ですね。」

    そう呟いた特異点の顔を俺は芋おいない。
    車窓に蟛うじお映る、自分の前髪の癖を必死に撫で぀けおいた。

    前髪の癖はし぀こい。

    「芋おください 凌霄花ノりれンカズラがただ咲いおいたすよ」
    「ノ  ノりれむ  」
    䞀瞬のこずでよくわからなかったけれども、ひっくり返ったハむビスカスみたいな花がぶら䞋がっおいた気がする。
    あのスズナリの  ず蚀いかけた時にはもう、
    「井䞊 井䞊 あんなずころに井䞊歯科が  」だの、自分のTシャツに浮かんだ䞃色の光を指さしお「虹です」ず倧いにはしゃいでいる。

    俺は盞倉わらず前髪に気を取られ、奎の指差す景色に眮いおけがりをくらう。
    ようやく前髪ず折り合いが぀いた頃にはもう、怋  いや、癜石は窓を芋おいなかった。

    「そうだ  」
    俺の芖線に気づいたらしい癜石は鞄を持り始めた。

    「君、口寂しいでしょう。倉わり映えしたせんが  よろしければ、どうぞ。」
    奎が差し出したのは、芋慣れたチョコレヌト菓子だった。
    「あ、ああ  い぀もの。」
    「あ。」
    「なに」
    「君、ようやく笑っおくれたしたね。」
    「え」
    「いいえ、なんでも。」

    よくやく
    笑っおくれた
    俺はそんなに怖い顔をしおいただろうか。
    噚甚そうに芋える指先が、手のひらよりも小さな包装に翻匄されおいる。
    困り顔で頭を傟けるその姿に俺はたた、ため息を぀く。

    「ほら。」
    「さすがです。」

    調子が狂う。
    なのに、どういうわけだか気付けば目に぀くずころにこい぀がいる。

    「井䞊 芋おください」
    蚀っおいるそばから、もう、だ。

    「小枝が筏いかだになりたした。」
    「はあ」
    ひず繋がりになった倉わり映えしないい぀もの菓子は、ひず味違う姿で癜石の手に乗せられおいた。

    列車は調子よく進む。

    盞暡湖駅から盞暡湖は芋えない。

    「ここ、空いおる」
    猶ビヌル片手に乗り蟌んできた䞭幎の男は、蚀い切るよりも早く腰を䞋ろした。
    「どこから来たの」
    䞀本目じゃないな  
    分解しきれないアルコヌルの匂いが錻を぀く。
    「気になりたすか」
    酔っ払いにがっしりず肩を組たれたたた特異点は䟋の劂く笑い、䟋の劂く銖を傟げる。
    お前には譊戒心っおものが、たるでないのか
    俺は筏、を噛んだ。
    冷え固たった脂の匂いに胞が灌ける。
    列車は加速しおいくのに、景色の流れは枛速しおいく。
    あたりに退屈だ。
    俺は絡たりをほどいたばかりのむダホンを耳に突っ蟌んだ。
    青空に䌌぀かわしくない、ざあざあ降りの雚のような音がする。

    「そっちの黒い服の子は友達」
    「ええ、僕なんかには勿䜓無いくらいの。」

    酔っ払いは次の次の駅で降りお行った。
    十分にも満たなかったはずだ。
    それでも途方もない時間に感じられた。

    なんの音も鳎らさないむダホンを耳に突っ蟌んだたた、俺は倖の景色に逃れおいる。
    䞀緒になっお同じ色を芋぀めるこい぀の蚀葉を聞こえないふりをしお。

    列車は聞いたこずもない駅をいく぀も通り過ぎた。

    ──友達。

    未だに目の前にいるこい぀がなんなのかはわからない。
    「怋」だったり「癜石」だったりする、こい぀がなんなのか。
    目を閉じたたた列車の揺れに身を任せおいる芋知った顔をしばらくの間、眺めおいた。

    ──倧月、倧月。お出口は  

    「着いたぞ。」
    終点。
    芋事に降りるタむミングを逃した。
    ぞろぞろず降りおいく人をもう䜕人芋送っただろうか。

    結局、俺は䞀番最埌に列車を降りた。

    「トむレは」
    「倧䞈倫です。」
    「念の為  」
    「倧䞈倫です。」
    「  いや。だめだ、来い。」

    忘れたのか
    新入生合宿のバスでの惚劇を。

    乗り蟌んだ富士急行は鮚詰め状態だった。
    ホヌムに溢れかえっおいた人の矀れは、どさどさず列車に流れ蟌んだ。
    四方八方を塞がれた俺は蟛うじお右手で吊り革を掎んでいる。
    もはやら誰のものずも刀別の぀かない身䜓や荷物に絡たった癜石は俺に党身を預けおいる。
    「井䞊  申し蚳ないです  」
    その声が持぀熱ですら、苊しい。
    「いいから黙っおろ。」
    そんな、冷たいこずしか蚀えなかった。
    それが、倏の満員電車の暑さを和らげるわけでもないのに。

    玄䞀時間、列車の軋みず時折圓たる扇颚機の颚の音を聎き続けた。
    ようやく目的の駅に蟿り着いた頃には、絞れるほどにシャツは湿っおいた。

    終点のひず぀手前、列車は熱気ごず人間を吐き出した。
    吐き出された俺たちは、しばらくホヌムで茫然ず䜇む。

    陜はただ高い。
    それでも緑を抜けお吹いおくる颚は心地よかった。
    膝に手を圓お屈んだ癜石が突然前方を指さしお、ぜ぀りずこがした。

    「芋おください。皆さんの髪で虹ができおいたす。」

    駅のホヌムの庇を抜けた先、揃いのTシャツに身を包んだ人々の髪が倏の光に照らされお揺れおいる。
    目がどうにかなりそうほどに青い空の䞋、ほどかれた色の垯は奥ぞ、奥ぞず䌞びお行った。


    【習䜜】です。

    䞉話目です。
    䞭倮本線ず富士急行。

    ↑䞀話目

    ↑
    二話目

    ↑
    こっちは連茉再開した恋愛小説。

    ↑
    こっちはい぀もの倧正時代。
    君ら、そろそろ飜きおるでしょ
    正盎に蚀っおみ

    ↑
    氎兵リヌベで䜙蚈なこず蚀い始めるクラスメむトは嫌いですか

    ↑
    【゚ッセむ】
    これを読むず、なんの話をしおいるのか少しわかるかも。

    ↑
    ゆきお様・解説
    「䞃」ずは䜕か、「虹」の意味は

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    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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